監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

広がった毛穴に目立つ角栓、肌の凹凸。全てなかったことにして、滑らかな美肌になりたいと思いますよね。毛穴を小さく、目立ちにくくする方法はあるのでしょうか。

この記事では、スキンケアや化粧品、生活習慣など様々な切り口から行う対策を総集編で紹介します。理想の肌を作るためのヒントとして、有効に活用下さい。

毛穴が広がる・開く原因3個

毛穴の開き・広がりは、40代以上の女性にとくに顕著な悩みと言えます。皮脂分泌が落ち着き、毛穴トラブルから解放されるかのように思われる年代にも関わらず、トラブルの生じる理由は、どのような点にあるのでしょうか。考えられる原因は、大きく分けて3つです。

1. 肌の乾燥

まず、肌の乾燥です。潤いを失った肌がしぼみ、毛穴周辺の皮膚を引っ張ることで、開きや広がりが生じます。乾燥を感じた肌が皮脂分泌を活発に行い、毛穴の詰まりを招くことも、開きや広がりにつながる要素の1つ。皮脂が気になり、負担の重いお手入れを行うことで、より乾燥が悪化するケースもあります。

2. 汚れの蓄積

次に、汚れの蓄積です。過剰に分泌された皮脂や空気中のほこり、メイク汚れが蓄積すると、毛穴が大きく広がります。古くなった角質と皮脂が混じると、巨大な角栓が生まれてしまい、毛穴の詰まりを生じることも一因です。

タンパク質が原料である角栓は、洗顔だけで落とすことが難しいため、集中ケアが必要。週に1回のディープクレンジングを行い、蓄積汚れを落としましょう。

3. 肌のたるみ

最後に、肌のたるみです。コラーゲンやエラスチンの減少、筋力の衰えなどを受け、たるんだ肌に合わせるように毛穴が広がり、慢性的な症状となってしまいます。ひとつひとつの毛穴が広がるだけではなく、複数個がつながった「帯状毛穴」が生じると、なかなか元に戻りません。年齢に応じたエイジングケアを行い、たるみの進行を食い止める対策が必要です。

毛穴を小さくする方法3個[スキンケア]

毛穴を小さくするためには、内部の汚れを取り除き、きれいな状態を維持することが大切です。具体的には、以下3つの対策を行い、理想的な状態を維持しましょう。

1. メイクの濃さに応じたクレンジングを活用する

油分を含むメイク汚れは、洗顔料では落ちません。メイクの濃さに応じたクレンジングを活用し、汚れをきれいに取り除きます。

クレンジングの主な種類は、オイル・ジェル・クリーム・ミルク・リキッドの5種類。オイルタイプやクリームタイプはメイクを落とす力が強く、キープ力の高いファンデーションやアイメイクまで、取り除くことができます。ただし、肌に負担をかけやすく、乾燥が気になる時には不向きです。

メイクを落とす力がマイルドであるミルクタイプは、肌に負担をかけにくく、乾燥肌が気になる人におすすめです。ただし、前述のように、メイクの濃さに応じたクレンジングを使うことが何よりも大切。肌をいたわるあまりにメイク汚れを残してしまうと、毛穴は小さくなりません。アイメイク用のポイントリムーバーを活用するなど、状況に応じた対策を併用し、きちんと汚れを落として下さい。

2. シートタイプの毛穴パックの使用を控える

貼って剥がすタイプの毛穴パックは、肌に対する負担が重く、広がりを悪化させるリスクがあります。乾燥やたるみを悪化させる要素でもあるため、30代や40代の毛穴トラブルには向かないアイテム。広がった毛穴を小さくするためには、潔く卒業しましょう。

3. 洗い流すタイプの毛穴用パックを使う

シートタイプの代わりに活用できるアイテムは、洗い流すタイプの毛穴用パックです。洗い流すタイプのパックとは、クレイや重曹、炭酸泡など、汚れ吸着成分を含む毛穴用パックのことです。一般的な洗顔料と比較し、汚れを落とす力が強く、デイリー使いはできません。週に1回から2回の集中ケアに使用し、蓄積汚れを落とします。

毛穴を小さくする方法2個[化粧品]

毛穴を小さくするためには、化粧水や美容液によるお手入れが不可欠です。以下のポイントを参考に、症状に合う基礎化粧品を活用しましょう。

1. 保湿化粧水で潤いを補う

毛穴を小さくするためにまず必要なお手入れは、徹底した保湿です。クレンジング・洗顔で汚れを落とした後の肌は、乾燥しやすい状態。保湿成分配合の化粧水でお手入れし、失われた水分を補いましょう。

化粧水をつける時のポイントは、メーカー指定の量を守り、十分な量を使うことです。つける量が少なすぎると、十分な水分を補うことが難しいため、乾燥トラブルを悪化させます。

化粧水をなじませた後、わずかにひんやり感じることが「潤いを補充できました」のサイン。「保湿したつもり」では終わらずに、しっかりと水分を入れ込みます。

2. ビタミンC美容液で毛穴を引き締め

保湿化粧水で潤いを補充した後、ビタミンC美容液を活用し、毛穴の引き締めを行います。ビタミンC美容液は、皮脂分泌量のコントロールやコラーゲンの生成を促す役割を担うもの。過剰なお手入れ・たるみによって生じた毛穴の開き・広がりに作用し、引き締める働きが期待されます。

ビタミンC美容液を選ぶ時のポイントは、以下2点です。

【1】ビタミンCの種類にこだわる
ビタミンC美容液に採用されるビタミンCは、ビタミンC(アスコルビン酸)・ビタミンC誘導体に分類できます。ビタミンC(アスコルビン酸)は、肌トラブルに対する速やかな作用が特徴の成分。ただし、ビタミンC誘導体と比較して安定しにくく、壊れやすい特徴も持ち合わせます。

どちらの成分も一長一短であるため、目的に応じた選択が必要です。できるだけ早い変化を求める人はビタミンC、たるみによる毛穴など肌の奥深くに対するアプローチが必要な場合はビタミンC誘導体といったように、明確な根拠を持ち、美容液を選んで下さい。

【2】ビタミンCの濃度にこだわる
ビタミンC美容液の中でも濃度の高い商品ほど、強い働きが期待されます。「毛穴を小さくする働きができるだけ強いもの」と考える人には、ビタミンC高濃度配合商品がおすすめです。ただし、ビタミンC高濃度配合商品は、乾燥トラブルを悪化させるリスクがあります。保湿成分と掛け合わせで開発された商品を選択する・高保湿化粧水と組み合わせて使用するなど、何らかのリスクヘッジを検討しましょう。

毛穴を小さくする方法3個[生活習慣]

次に、生活習慣の工夫から、毛穴を小さくする方法を紹介します。以下のポイントを守り、肌に優しい生活習慣を身につけることで、滑らかな美肌を目指しましょう。

1. 睡眠の質を高める

睡眠の質の低下は、成長ホルモンの分泌を妨げ、毛穴トラブルを悪化させるリスクがあります。次のような対策を行い、質の高い睡眠を確保しましょう。

・就寝の1〜2時間前に入浴し、体温を上げる
・肌触りの良い寝具やパジャマを選ぶ
・入浴後のスマホやパソコン作業を控え、リラックスする
・遮光カーテンや間接照明を使用し、寝室の明るさを調整する
・体型に合う高さの枕を使用し、寝姿勢の調整を行う

成長ホルモンの分泌がとくに活発化する時間帯は、就寝から3時間と言われます。毛穴を小さくするためには、この時間帯にぐっすり眠ることが大切であるため、寝付きを良くする対策がおすすめです。

午前中は身体のスイッチが入らない・夜間に何度も目が覚める・起床後に身体がだるいといった症状は、睡眠の質の低下を疑うサインと言えます。寝付きを良くするための対策を行うとともに熟睡を妨げる要素を考え、質を高める対策を行いましょう。

2. バランスの良い食事を摂る

「これを食べるだけで、毛穴が小さくなる」といった食べ物は、残念ながら存在しません。新しい肌の原料となるタンパク質・良質な脂質やビタミン、ミネラルなど、健康を維持するために必要な栄養素を過不足なく摂取しましょう。

そうはいっても、食事の度に食材ごとの栄養素を確認し、1日ごとに集計を行うことは、現実的とは言えませんよね。バランスの良い食生活を無理なく継続するためには、一汁三菜(ご飯、汁物、主菜、副菜2品)の構成を守ることです。

副菜には、旬の野菜やキノコ、海草類を使用した常備菜を用意します。主菜の肉もしくは魚からはタンパク質、ご飯からは適度な炭水化物の摂取が可能。外食やコンビニ食の日も、一汁三菜になるべく近い組み合わせを選ぶことで、バランスの良い食事に近づきます。

3. 適度な有酸素運動を習慣化する

1日あたり30分から1時間程度の有酸素運動は、血行を改善し、きれいな肌への生まれ変わりを助けます。血行が改善されると、毛穴に詰まった汚れの排出がスムーズに進むため、有効な対策の1つです。さらに、適度な有酸素運動には、次のようなメリットも期待されます。

・皮脂腺や汗腺を活性化し、肌表面の常在菌のバランスを整える
・コラーゲンやエラスチンの生成に関わる細胞を活性化する
・セロトニンやエンドルフィンの分泌を促し、ストレス解消を助ける
・免疫力や心肺機能を向上させ、若々しい身体作りに貢献する

連続して30分から1時間の運動を行わなくてはならないわけではなく、「朝と夜に20分ずつ」といった方法でも大丈夫です。身体に負担をかけないように、自分のペースで実践しましょう。

毛穴を小さくする方法2個[その他]

ここまで紹介した対策でなかなか成果の出ない場合、専門家や専門機器に頼る方法も一つの手段です。皮膚科・美容皮膚科で行う治療や美顔器の活用法を知り、毛穴の開き・広がりを解消しましょう。

1. 皮膚科や美容皮膚科で治療する

皮膚科や美容皮膚科では、問診・カウンセリングを通じてトラブル状況を見極め、症状に応じた対処を行います。皮膚科・美容皮膚科の違いは、次の表の通りです。

皮膚科湿疹・皮膚炎など、皮膚疾患を主に扱う医療機関に該当します。大人ニキビを併発した毛穴の広がり・ニキビ跡から生じた凹凸などは、皮膚科における治療が可能。ただし、保険対象の治療を主に行うことから、「毛穴を小さくする」というところまではいかないことも多くあります。
美容皮膚科シワやたるみ、色素沈着など、美容の悩みを相談できる機関です。美容に精通した医師が勤務する施設が多く、広がった毛穴を小さくすることも得意分野。ただし、自由診療(健康保険を適用できない治療)を主に扱うことから、予算に応じた施術メニューを相談しましょう。

美容皮膚科で行う施術の代表例は、各種レーザー治療です。レーザー治療は、肌に対するアプローチの違いから、さらに細かい施術メニューに分類されます。

・フラクショナルレーザー
・カーボンピーリング
など

レーザー治療の他には、ケミカルピーリングやサーマクール、PRP治療(再生治療)といった選択肢が存在します。前述のように、これらの施術は自由診療。1回あたりの価格設定や施術の進め方は、美容皮膚科ごとに決定します。治療を開始してから「想定以上に費用がかさむ」といったことのないよう、あらかじめ見積もりを確認し、信頼のおけるクリニックを選ぶことが大切です。

2. 美顔器でホームケアする

「皮膚科や美容皮膚科に抵抗を感じる。しかし、毛穴は小さくしたい」といった悩みを持つ女性であれば、美顔器を検討しましょう。毛穴を小さくするために活用できる美顔器の主な種類は、以下4個です。次の表を参考に自分に合う美顔器を購入し、ホームケアを行いましょう。

イオン導入イオン導入とは、化粧水や美容液を塗るだけでは、肌の奥深くまで届けることが難しい成分の浸透を助けるための機能です。ビタミンCなど、毛穴の引き締めに役立つ成分が配合されたジェルを塗り、イオン導入を行うことで、肌の変化を狙います。
エレクトロポレーションコラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなど、イオン導入には向かない成分の浸透を促すために開発された技術。電気の力で細胞膜にごく小さな穴を開け、化粧水や美容液の浸透を促します。
高周波RF高い周波数の電磁波を肌に照射し、熱ダメージを与えることで、コラーゲンの生成を促します。イオン導入やエレクトロポレーションのように化粧水・美容液に頼るわけではなく、自己治癒力による肌の回復を狙う点が大きな特徴。そのため、継続コストを気にする人におすすめできるマシンです。
EMS表情筋を鍛えることでたるみケア、毛穴の引き締めを行います。言わば、電気や超音波の力を利用した高機能フェイスマッサージ機。筋肉を刺激する際にリンパの流れが改善され、老廃物の排出を促す働きも期待されます。

毛穴の広がりを抑える予防方法3個

毛穴の目立たないきれいな肌を維持するためには、毛穴の広がりを抑えるための対策が大切です。以下では、今すぐに始めたい毛穴の広がり予防方法3個を紹介します。

1. 表情筋トレーニングを行う

表情筋の衰えは、頬やフェイスラインのたるみを招き、毛穴の開き・広がりを招きます。毎日のトレーニングを習慣化し、筋力アップに努めましょう。

◎ 表情筋トレーニングの例「舌回し体操」
【1】正面を向いて口を閉じ、上唇と歯の隙間に舌を入れます。
【2】口の中で大きな円を描くように、右回りに1周します。
【3】同様のイメージで、左回りに1周しましょう。

右回り・左回りそれぞれ1日あたり20回が目安です。道具を使わず、簡単に継続できるため、就寝前の習慣として挑戦してはいかがでしょうか。

2. 喫煙・過度な飲酒を止める

喫煙や過度な飲酒は、酸化ストレスを亢進させ、たるみやシワ、毛穴の開きを招きます。生活習慣病リスクを高める要素でもあるため、付き合い方を見直しましょう。

なお、飲酒については、完璧な禁酒を断行する必要はなく、適量を守ることが大切です。厚生労働省の推奨する「節度ある適度な飲酒」とは、純アルコールで考えた時、1日平均20g程度(男性の場合。男性よりアルコール分解速度の遅い女性は、この半分もしくは3分の1程度を目安とします)の飲酒と定義されます。この水準を念頭に、アルコールの摂取量を調整しましょう。

3. ホルモンバランスを整える

ホルモンバランスの乱れは、過剰な皮脂分泌を招き、毛穴を広げてしまいます。近年の研究では、ホルモンバランスの乱れから生じる過剰な皮脂が肌のハリに悪影響を及ぼすことも分かってきました。40代後半以上の女性は、女性ホルモン減少による毛穴トラブルを生じやすいため、以下のような対策を行い、ホルモンバランスを整えましょう。

・ボランティア活動や社会参加で、生き甲斐を見つける
・週末は郊外へ出かけ、心身のリフレッシュを図る
・残業頻度や時間をコントロールし、心身の負担を軽減する
・極端なダイエットを止める

イライラや顔の火照りといった更年期症状がひどい時には、専門医にかかることもおすすめです。自分だけで問題を抱え込むことは避け、心と身体に負担をかけない生活習慣へと切り替えましょう。

まとめ

広がった毛穴を小さくする方法や毛穴の開き、広がりの予防方法を紹介しました。すぐに変化の見られる対策ばかりではないため、少なくとも1ヶ月、様子を見ながら継続しましょう。「毛穴トラブル」とひと口に言っても、100人の女性がいれば、100通りのアプローチが存在します。自分自身の肌と会話しながら試行錯誤を行い、理想的な毛穴レス肌を目指しましょう。