監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

毛穴トラブルとひと口にいっても、主な症状や原因は、年齢ごとに異なります。「35歳を過ぎてから、頬の毛穴がひどく目立つ」「顔全体にハリを感じず、毛穴の凹みも気になる」といった悩みは、たるみ毛穴が原因かもしれません。

今回は、30代以上の女性に顕著に見られる「たるみ毛穴」を取り上げて、トラブルの原因や改善ケアを紹介します。

たるみ毛穴とは?

たるみ毛穴とは、縦長もしくはしずく型に毛穴が開き、目立ってしまう症状です。過剰な皮脂や古くなった角質が滞留し、黒いポツポツの生じる「詰まり毛穴」、色素沈着から生じる「メラニン毛穴」とは、異なるトラブルに該当します。

これらの毛穴トラブルとたるみ毛穴の大きな違いは、皮膚を斜め上に引っ張ると、目立ちにくくなる点です。ポニーテールやまとめ髪を作ると毛穴が目立ちにくくなることも、たるみ毛穴を疑うサインの1つ。年齢を重ねるに連れてトラブルリスクが増加する、特殊なタイプの毛穴の悩みに該当します。

たるみ毛穴の原因3個

たるみ毛穴の根本的な原因は、顔全体のたるみです。本来は丸い形状の毛穴が顔全体のたるみに合わせて縦長に広がり、ひどく目立ってしまいます。では、たるみ毛穴を招く顔全体のたるみの原因は、どのような点にあるのでしょうか。主な原因は、大きく分けて3点です。

1. 紫外線ダメージ

まず、紫外線ダメージの蓄積です。紫外線のUVAは、肌の弾力を維持するために必要なコラーゲン・エラスチンにダメージを与え、エイジングトラブルを招きます。紫外線ダメージの蓄積が肌の乾燥を招く点も、たるみにつながる要素です。

乾燥からターンオーバー周期の乱れを生じ、健やかな状態を維持するために必要な酸素・栄養素の運搬が滞ると、肌の老化が進行します。

2. 筋力の低下

皮膚の下にある筋肉が衰えて、上物を支えきれなくなってしまうと、シワやたるみが生じます。顔の筋肉を意識的に動かさなくては、加齢による筋力低下を食い止めることが困難です。

3. 生活習慣

日常的な生活習慣が引き金となり、肌のたるみが悪化することもあります。たとえば、次のような習慣に心当たりはありませんか。

・慢性的な運動不足
・頻繁な外食による脂質・糖質の摂り過ぎ
・過度なダイエットによる栄養不足
・仕事のストレスで、気分が塞ぐ
・睡眠リズムが整わず、疲れが取れない

また、これらの習慣は、ターンオーバー周期の乱れを招き、毛穴の開きを悪化させます。毛穴が大きく開いているほど、たるんだ時に目立つため、意識的な対策が必要です。

たるみ毛穴は何歳から問題になりやすい?

たるみ毛穴は、30代や40代、50代に顕著な毛穴トラブルです。30代ではたるみ毛穴が目立つ程度であったものの、40代で法令線や目元のたるみを併発するなど、症状が進行することも多くあります。

ただし、「20代の女性には、たるみ毛穴が見られない」と言い切ることはできません。お手入れ不足や生活習慣の乱れなどを原因として、しわやたるみといったエイジングトラブルを生じる女性も存在します。

いずれにしても、できるだけ早い段階から正しい対策を行うことが、トラブル解消の近道です。以下の改善ケアを実践し、毛穴の目立たないきれいな肌を目指しましょう。

たるみ毛穴を引き締める改善ケア方法4個[スキンケア]

たるみ毛穴を引き締めるためには、肌のハリ・弾力を取り戻すためのスキンケアが必要です。以下のようなポイントに注意し、改善ケアを行います。

1. 洗顔方法を見直す

まず、洗顔方法の見直しです。たるみ毛穴を引き締める洗顔のポイントは、リンパの流れに沿って手を動かし、老廃物の排出を促すこと。老廃物の排出が進むとハリ・弾力ある肌への生まれ変わりも促進されて、たるみ解消に貢献します。

◎たるみ毛穴を引き締める洗顔方法

【1】洗顔料を十分に泡立て、事前準備を行いましょう。
【2】口元から耳の下、小鼻の横からこめかみと、左右の頬を引き上げるイメージで、指の腹を動かします。
【3】小さな円を描くようにクルクルと、小鼻の周りを洗います。
【4】眉間から下方向へと撫でるように、鼻筋を洗いましょう。
【5】額の中心から外側方向へと、額の周りを洗います。
【6】目尻から目頭、上まぶたと一周するように、目の周りを洗います。

この方法で洗顔すると、頬がきゅっと引き締まり、リフトアップしたかのように感じます。日々の習慣として継続し、頬のたるみと毛穴トラブルを解消しましょう。

2. 炭酸水で洗顔する

大きく開いたたるみ毛穴は、古くなった角質や過剰な皮脂を溜め込みやすい形状です。日常的な洗顔だけでは落としきれない汚れに対処するため、炭酸水洗顔を行いましょう。炭酸水洗顔は、次の手順で進めます。

【1】泡立てネットに洗顔料と炭酸水を乗せ、いつも通りに泡立てます。
【2】毛穴が気になる部位を中心に、泡立てた洗顔料を使って洗顔します。乾燥の気になる部位や目元、口元は、泡を乗せる程度でも大丈夫です。
【3】洗顔料を十分にすすぎ、保湿ケアを行います。

炭酸ガスは、血管を拡張させ、ターンオーバーを促すことにより、傷口の修復を促すとも言われます。そのため、血行不良から生じるたるみ毛穴にも、しっかりとアプローチ。ハリ・ツヤのある健やかな状態への生まれ変わりを促進し、たるみ毛穴の改善を支援します。

3. ホットクレンジングを使用する

たるみ毛穴の目立つ肌はデリケートな状態です。肌に乗せると温かく、毛穴に詰まったメイク汚れを浮かせて落とすクレンジングを使用し、メイク落としを行う際の摩擦刺激を軽減しましょう。ホットクレンジングを使用したメイク落としは、次の手順で行います。

【1】クレンジングを手に出す
乾いた手に商品規定量のクレンジングを出し、顔に乗せます。濡れた手で扱うとメイクを落とす力が弱まる商品も多いため、乾いた手で扱うことが大切です。

【2】メイクとクレンジングをなじませる
マッサージを行うように、クレンジングをなじませます。力任せにメイクを落とすことは避け、ほのかな温かさで毛穴を開かせ、汚れを溶かし出しましょう。長時間のマッサージは避け、1分程度ですすいで下さい。

【3】ぬるま湯ですすぐ
ホットクレンジングには、保湿成分を多く含み、導入美容液感覚で使用できる商品も見られます。しかし、十分なすすぎを行うことなくメイク落としを終えることは誤った判断。十分なすすぎを行い、クレンジングとメイク汚れを落としましょう。

4. 定期的な角質ケアを行う

ターンオーバー周期の乱れた肌は、古くなった角質を溜め込み、大きく開いてしまいます。酵素洗顔やクレンジングマスクを使用し、定期的な角質ケアを行いましょう。

角質ケアを行った直後の肌は敏感に傾くため、丁寧な保湿が不可欠です。週に1〜2回の角質ケア×集中保湿を習慣化し、すべすべの毛穴レス肌を作りましょう。

たるみ毛穴を引き締める改善ケア方法3個[化粧品]

次に、化粧水や美容液を活用した、たるみ毛穴の改善ケアを紹介します。化粧水や美容液選びのポイントは、肌のたるみを持ち上げ、リフトアップできる商品を選ぶことです。以下では、おすすめの美容成分や化粧水、美容液の使い方に関して、より詳しい内容を紹介します。

1. エイジングケア成分配合の化粧水を活用する

たるみ毛穴が目立つ年代のお手入れは、潤いを与えるだけでは不十分です。エイジングケア成分配合の化粧水を活用し、積極的なお手入れを行いましょう。たとえば、次のような成分は、たるみ毛穴の改善ケアにおすすめです。

美容成分主な働き
ビタミンC誘導体ビタミンCを安定させ、浸透しやすい状態に進化させた美容成分。コラーゲンの生成を促進し、ハリ・ツヤある肌をサポートする・皮脂コントロールを行い、毛穴の引き締めを支援するといった働きを担います。
プロテオグリカンコラーゲン、ヒアルロン酸の産出を促し、シワや弾力対策に貢献する成分。年齢とともに減少するEGF(上皮細胞増殖因子)と似た働きを担い、ターンオーバー周期の正常化や若々しく弾力ある肌への生まれ変わりを助けます。
アミノ酸生まれつきの肌にある天然保湿因子の主成分。うるおいを維持し、外部刺激に対する抵抗力を補うために重要な働きを担います。乾燥肌対策にも活用される成分であるため、加齢によるかさつきやインナードライ、肌の突っ張りが気になる人にもおすすめです。
純粋レチノールレチノールの作用を維持しつつ、刺激を軽減した成分。たるみ毛穴・ほうれい線など、あらゆるエイジングトラブルの解消を支援します。

2. 毛穴の引き締め美容液を活用する

ビタミンCを高濃度で配合した美容液は、毛穴の引き締め対策に有効です。こめかみを軽く引き上げるようにして毛穴の位置を調整し、マッサージを行うようになじませましょう。ビタミンC美容液を手のひらで扱ってしまうと、顔に乗せる前に吸収されてしまうため、指先で付けることが正解です。小さな円を描くようにクルクルと指先を動かし、美容液を浸透させます。

たるんだ毛穴は様々な方向に開くため、意識しないで塗り込むと、浸透しないリスクがあります。せっかくの美容成分を確かに肌へと届けるために、円を描くような動きを守って下さい。

3. 乳液パックで保湿する

加齢によって進行する乾燥肌がターンオーバー周期の乱れを招き、ハリ・弾力の低下につながるケースもあります。表面の乾燥やインナードライが気になる時におすすめしたいケア方法が乳液パック。その名前の示す通りに「乳液」で「パック」を行うお手入れです。

【1】普段通りに、化粧水や美容液、乳液によるお手入れを行います。
【2】大判のコットンに乳液を含ませます。
【3】コットンを2枚に割き、毛穴トラブルの気になる部位をパックします。
【4】5分程度放置した後、コットンを剥がしましょう。
【5】表面に残った乳液を手のひらになじませ、お手入れは終わりです。

乳液パックの派生として、顔全体へ乳液をたっぷりつけてお風呂につかり、乾燥予防を行う方法も存在します。

この方法を実践する際には、コットンを使用しません。お風呂の蒸気がスチームの役割を果たすため、浸透が促されて、顔全体がモチモチとした質感に早変わり。たるみ毛穴の気になる部分を下から持ち上げ、凹凸を目立ちにくくする働きも期待されます。

たるみ毛穴を引き締める改善ケア方法3個[メイク]

今すぐに何とかしたい毛穴は、メイクテクニックでカバーできます。使用するアイテムは、化粧下地とファンデーション、フェイスパウダーの3点です。たるみ毛穴をなかったことにするベースメイクテクニックを覚えて、理想の自分を手に入れましょう。

1. 化粧下地のダブル使いで毛穴を埋める

たるみ毛穴の引き締めを行うためには、2種類の化粧下地を使用します。毛穴カバー下地・ピンク系の下地の2種類を駆使し、凹みをカバーして下さい。

【1】毛穴カバー下地を塗る
頬のたるみ毛穴、小鼻の深い毛穴の上に毛穴カバー下地を乗せます。指の腹を使い、押し込むように凹みを埋めて、滑らかな質感を作りましょう。

【2】ピンク系の下地を塗る
ピンク系の下地は、肌のくすみや毛穴の影を飛ばし、若々しさを引き出すために使用します。左右の頬の高い位置に少量乗せて、小鼻の脇辺りまで広げましょう。

2. ファンデーションを部分塗りする

ファンデーションは、部分塗りを行います。全体塗りを行うと、のっぺりとした印象になってしまい、たるみや影を目立たせてしまうためです。部分塗りする部位は、目の下からこめかみなど、たるみの気になる部分が中心。顔の内側から外側に向かってファンデーションを乗せ、斜め上へと引き上げるように、スポンジでなじませます。

額や顎など、他の部位は、スポンジに残ったファンデーションを伸ばす程度が適切です。しっかりとファンデーションを塗る部分、薄付き部分とメリハリを持たせることで、大人の女性にふさわしい美人顔に仕上がりますよ。

3. フェイスパウダーでヨレを防ぐ

カバーメイクをどれほど丁寧に行っても崩れてしまう。そのような悩みを持つ人は、フェイスパウダーを活用しましょう。皮脂吸収成分を含むパウダーをメイク崩れしやすい部位に乗せてあげると、きれいな状態を維持できます。

フェイスパウダーにもいろいろな種類が存在しますが、粒子が細かいものを選ぶと、不自然な印象になりません。選択する色によっても見え方が異なるため、ナチュラルに仕上がる色味を選択しましょう。

たるみ毛穴を引き締める改善ケア方法3個[その他]

最後に、たるみ毛穴を引き締めるマッサージや美顔器を使用したケア方法、美容皮膚科で行う治療について紹介します。

1. フェイスマッサージで老廃物の排出を促す

血液やリンパの流れが滞り、老廃物の詰まった状態を放置すると、たるみ毛穴を悪化させるリスクがあります。週2回のフェイスマッサージを習慣化し、老廃物の排出を促しましょう。

◎フェイスマッサージの手順

【1】顔全体を引き上げる
手のひらの付け根を使用し、①フェイスライン・②鼻の横から頬骨、耳まで・③鼻筋の横からこめかみまでと3つのラインを3回ずつマッサージします。往復する動きは避け、「顔の外側に到着したら手を放し、中心近くに戻り、改めて外側に流す」といった1方向の動きを守って下さい。

【2】フェイスラインを引き締める
両手を軽く握り、顎の下の窪み部分に親指だけを添えて下さい。フェイスラインに沿い、耳辺りまでスライドさせ、肌のたるみの引き締めを行います。このステップは、1回のお手入れあたり5回通りが目安です。

【3】耳の周りのリンパをほぐす
耳の周りは、たくさんのツボがあります。ここをほぐすことによりリンパの詰まりが解消され、デトックスが可能です。指と残りの4本指で耳を挟み、円を描くようなイメージで、グルグルと動かします。

2. 美顔器でフェイスケアする

「エステサロンに行く時間を確保できない」「それでも、より積極的なお手入れを希望する」といった悩みを叶える有効な手段が美顔器です。以下のような種類の美顔器を使用し、たるみ毛穴をお手入れしましょう。

超音波美顔器1秒間に100万回以上も振動する超音波を使用し、肌を刺激することで、リフトアップを狙うための美顔器です。シワやたるみ、たるみ毛穴に活用できます。
EMS電気刺激を与えて筋肉を動かすことにより、たるみやほうれい線の解消を目指します。
イオン導入器微細な電流を肌に流し、美容成分の浸透を促すための美顔器です。エイジングケア成分の含まれるジェルを使うことで、たるみ毛穴の引き締めに貢献します。
ラジオ波美顔器身体の深部の温度を上げて、血流やリンパの流れの改善を狙います。老廃物の排出がスムーズに進むようにもなるため、毛穴の詰まりや開きの予防も可能です。
LED美顔器エステサロンで行われる光フェイシャルを自宅で体験できる美顔器。肌の代謝を促進し、ハリ・ツヤある肌への生まれ変わりを促進します。

3. 美容皮膚科のレーザー治療を受ける

本格的なたるみ毛穴の改善ケアを行うためには、美容皮膚科に相談しましょう。美容皮膚科で行う治療の中でもメジャーなメニューがレーザー治療。医療用のレーザーマシンを使用し、肌表面に傷をつけることにより、きれいな肌への生まれ変わりを促します。

「傷をつける」と考えるとこわい行為のようにも感じますが、とても小さな穴であるため、目立つことはありません。傷が治る時にコラーゲンの生成が促進されて、目立つ毛穴を引き締める働きが期待されます。

毛穴の状態によっては、次の治療メニューを組み合わせ、総合的な対策を行います。

・ヒアルロン酸注射
・ケミカルピーリング
・イオン導入
・グロースファクター注射治療
など

どのメニューを選択しても、1回の施術で、トラブルの根本的な解決ができるわけではありません。通院回数や治療費用の目安をあらかじめ確認し、無理のないケア方法を検討しましょう。

まとめ

たるみ毛穴のケア方法とカバーメイクテクニックを紹介しました。たるみ毛穴を放置すると、複数の毛穴がつながって、帯状毛穴になってしまうケースもあります。何歳になっても美しさを諦めず、前向きな努力を続ける女性は素敵です。毛穴トラブルを年齢のせいにすることは避け、今の自分にできる対策を実践しましょう。