監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

有名女優やモデルさんが提唱している洗顔しないケア方法。美肌の人がもっともらしく話していると、信憑性がありますよね。

自分に合った洗顔とスキンケアは、美肌作りの基本です。もしかしたら、洗顔しないほうがよいのかも… そんなことを感じているあなたに紹介したい美肌作りの基礎知識を紹介します。

洗顔しないほうが美肌になる?

洗顔しないケア方法では、朝の洗顔を行いません。ぬるま湯で汚れを落とし、洗顔ケアを終わらせます。夜のケアもダブル洗顔は行わず、クレンジングだけで終わらせるといった手法です。海外セレブにも、同じようなケアを行っている人はいます。トナーで汚れを拭き取るだけで、朝の洗顔は終わりです。

いずれにしても「洗顔しない」ことにフォーカスしたケア方法にあたります。洗顔は美肌作りに欠かせないはずだったのに、なぜこんなお手入れをしている人がいるのでしょうか。

洗顔しないほうが美肌になると言われる理由

洗顔の目的は、皮脂汚れや古くなった角質をきちんと落として、きれいな状態にすることです。いらないものを落とすこと自体はよいのですが、手と肌・洗顔料との摩擦刺激がネックとなります。

弱った肌に過剰な負担をかけることで、かえって状態が悪化すれば、ニキビや乾燥、毛穴トラブルが悪化する原因です。トラブルが進行した肌にとっては、わずかな摩擦も刺激となります。「だったらいっそのこと、洗顔をやめましょう」というのが、洗顔しない人たちの言い分です。

洗顔しないケア方法は、すべての人に合うお手入れとは言えません。洗顔しないケア方法が向いているのは、乾燥肌・敏感肌タイプです。普通肌タイプでも、乾燥トラブルが進行しやすい冬場だけなら、試してみるのもよいでしょう。皮脂分泌がもともと多い脂性肌タイプだと、ニキビや毛穴トラブルを悪化させるリスクがあります。

正しい美肌作りの方法8選

洗顔しないケア方法以外にも、美肌に近づくお手入れや生活習慣はたくさんあります。美肌を作るお手入れのコツや注意点、ライフスタイルのヒントを順番に見ていきましょう。

①正しい洗顔を守ること

正しいやり方で洗顔すれば、摩擦刺激を軽減できます。以下の手順を守って、濃密な泡で洗顔しましょう。

(1)手をきれいに洗う
ハンドソープを使って、手をきれいに洗いましょう。汚れた手では、きめ細やかな泡がたたないうえ、雑菌を繁殖させるリスクがあるためです。指の間までしっかり汚れを落としてタオルで拭き、洗顔をスタートします。

(2)洗顔料を泡立てる
利き手とは反対側の手に洗顔フォームや石鹸を出し、水を数的加えながら泡立てます。利き手の指を泡立て器のように使い、空気・水・洗顔料を混ぜていくと、泡立ってくるはずです。さらに数滴水を足しつつ、モコモコ泡を作りましょう。

(3)肌に触れないように洗顔する
完成した泡をTゾーンに置き、ころがすようにのばしていきます。泡をクッションにして、直接肌には触れないように洗うところがポイント。小鼻や目元など入り組んだ部分は、指を使って洗います。

(4)ぬるま湯で泡を流す
33~35℃くらいのぬるま湯で、20〜30回くらいすすぎます。髪の生え際、小鼻のあたりはすすぎ残しが出やすいので、ご注意ください。泡がしっかり落ちたら、清潔なタオルで水分オフ。汚れたタオルを使うのも肌に負担をかけるため、洗い立てのタオルを用意しましょう。

②洗顔直後のスキンケアをきちんと行う

余計な皮脂や角質を落とした肌は、無防備な状態になっています。このまま放置すれば、乾燥トラブルが悪化する一方です。なるべく早く化粧水・美容液・乳液もしくはクリームでケアしましょう。

スキンケアを何個も使うのは面倒ですが、役割が異なります。そろえたいアイテムは、3つです。

化粧水:洗顔で失われた水分を補い、美容液が働きやすい状態に導くもの
美容液:保湿・シミ対策など、悩みに応じて必要な栄養を与えるもの
乳液もしくはクリーム:水分や美容液成分を内側に閉じ込めるもの

化粧水だけ・乳液だけといった応用的な手法は、基本をマスターしたうえで検討しましょう。家事や育児、仕事が忙しくて、どうしてもケアできないときには、オールインワンジェルをおすすめします。オールインワンジェルとは、化粧水・美容液・クリームなど複数の機能を兼ね備えたハイブリッド型のスキンケアです。

個別に量の調整ができない・配合美容成分が多くなるといったデメリットはありますが、限られた時間で美肌作りを目指す人には、非常に便利なアイテムと考えられます。保湿・美白・アンチエイジングなど用途を絞ったオールインワンも増えているので、肌質に合うものを探してみましょう。

③クレンジングの使い分け

クレンジングとひと口にいっても、選択肢は無数にあります。形状別の特徴を理解して、利用目的や肌質に合わせた使い分けがおすすめです。

◯シートクレンジング
シートで拭き取るタイプのクレンジングです。簡単にメイクを落とせる代わりに刺激が強く、乾燥肌・敏感肌なら避けたいアイテムにあたります。旅行中や外出先でのメイク落としなど、緊急時だけの使用に留めましょう。

◯オイルクレンジング
濃いメイクもしっかり落とせる反面、乾燥肌を悪化させるリスクがあります。「どうしてもオイルを使いたい。だけど乾燥させたくない」という人は、天然オイルを使ったクレンジングを試してみましょう。ホホバオイル・アボカドオイルなどお好みのオイルをメイクとなじませ、クルクルとマッサージするように落としていきます。

◯ミルククレンジング
クレンジング力はマイルドですが、肌の負担になりにくく、敏感肌・乾燥肌向きの種類といえます。ウォータープルーフ処方のベースメイクやアイメイクを落とすのは苦手な種類にあたるため、ほかのアイテムとの併用も検討しましょう。

◯クリームクレンジング
こっくりとしたテクスチャーが特徴的な種類です。摩擦刺激を与えにくく肌の負担を軽減できるうえ、しっかりとしたクレンジング力も備えています。ミルクやジェルのような軽さはなく、濃厚なテクスチャーが苦手な人には不向きです。

◯ジェルクレンジング
さっぱりとした使い心地とクレンジング力、お手入れしやすさのバランスがとれた種類です。シートクレンジングからの切り替えでも使いやすく、短時間でメイク落としが終わります。

④シャンプーは美容院方式を採用すべし

市販のシャンプーには、強い洗浄成分が入っています。顔につくと負担が大きく、肌荒れの原因になりがちです。天井を向いて髪を洗い、すすいだ水を背中の方へと落としてあげれば、トラブルを予防できます。

お風呂場で洗顔するなら、身体・髪を洗った後に顔という順番がおすすめです。シャンプー・トリートメントを最後にすると、刺激成分がついた手でスキンケアを始めることになります。顔を洗ってからスキンケアまでの時間も空いてしまうので、美肌にはマイナスです。

⑤紫外線対策は年間を通して行うこと

紫外線は、いわずと知れた美肌の大敵。影響が大きい7月・8月はもちろんのこと、年間を通した対策が必要です。そうはいっても、日焼け止めの過剰な使用は負担がかかってしまいます。強い紫外線を長時間浴びないライフスタイルに切り替えて、影響を軽減しましょう。

◎紫外線をなるべく浴びないライフスタイルの例
・正午を挟んだ数時間の外出を避けて、午前中や夕方に買い物やウォーキングに出掛ける
・サングラスやアームカバー、日傘を使う
・つばの広い帽子をかぶる
・日陰が多い道を選ぶ

最近では、骨粗しょう症予防のため、適度な日光浴を推奨する説もあります。紫外線に、カルシウムの吸収を助けてビタミンD生成を促す働きが期待されることが理由です。美肌を維持しつつ身体のことも考えるなら、ランチタイム・1日5分の「手の平日光浴」を試してみましょう。メラニン色素が比較的少ない手の平は、シミやシワができにくい部位にあたるためです。

日光には、幸せホルモン「セロトニン」分泌を促す働きも期待されます。美肌作りに影響が少ない方法で、上手に日差しを浴びましょう。

⑥有酸素運動で血流アップ

適度な有酸素運動は、血行をよくしてくれます。ウォーキングやサイクリング、ホットヨガなど、楽しく継続できる運動を週1回からでも継続しましょう。血行が悪いと、美肌維持に欠かせない栄養素や酸素が届かず、くすんだ肌になりがちです。どんなに高価なスキンケアを試しても、思うような変化を得られません。

「忙しくて、運動する時間がとれない」という人は、意識的に階段を使ったり大股で歩く習慣をつけたりといった工夫からスタートすることもできます。ストイックになりすぎず、できる範囲で挑戦しましょう。

⑦腸内環境を整える

食生活のポイントは、腸をキレイにすることです。善玉菌・悪玉菌のバランスが整うと、いらないものをきちんと排出、必要な栄養素を吸収できる身体に近づきます。納豆やキムチ、チーズといった発酵食品は、乳酸菌を豊富に含む食材の代表格です。「生きたまま腸に届く」を売りにしている乳製品を意識的に取り入れることも、美肌をサポートしてくれます。

高脂肪・高タンパクに偏りがちな外食は、頻度をなるべく減らしましょう。外食した翌日の食事で腸内環境をリセットする習慣も大切です。リセット食には、納豆に味噌汁、根菜をたっぷり使ったおかずといった、シンプルな和食をおすすめします。

外食はまったくダメというわけではなく、頻度や程度の問題です。厳しいルールを自分に課して、ストレスになってしまうのは、お肌によくありません。外食は週に1回まで・外食の翌日は自炊するなど、マイルールを決めて運用しましょう。

⑧30代を過ぎたら良質な睡眠がより大切

「寝る子は育つ」といったことわざもありますが、成長ホルモンの分泌が減ってくる30代以上の女性こそ、睡眠の質を考えたいもの。成長ホルモンが集中的に分泌される寝入りばなの3時間を大事にしましょう。入眠直後から熟睡するには、こんな工夫がおすすめです。

・肌触りがよい寝具やパジャマを使用する。
・就寝60分から90分前を目安に20分程度の全身浴。お湯の温度はぬるめに調整。
・テレビやスマホ、パソコンの電源をオフ。寝る前30分はブルーライトを浴びない。
・夜18時以降はカフェイン飲料を控える。
・遮光カーテンや雨戸を使って、寝室を暗くする。
・ラベンダーやカモミールの香りでリラックス。

成長ホルモンには、古くなった細胞を修復する働きがあります。お肌に関していえば、ターンオーバー(肌代謝)リズムを整えて、古くなった細胞を排出し、生まれ変わりを促してくれるものです。睡眠の質が下がると成長ホルモンが十分に分泌されにくく、ごわつきやシミ、くすみといったトラブルをまねきます。

良質な睡眠は、美肌に貢献するだけでなく、ダイエットや健康維持も助けてくれる女性の味方。睡眠を軸として生活リズム全般を見直し、心と身体のメンテナンスに努めましょう。

まとめ

洗顔しないシンプルケア理論と美肌作りのヒントについて紹介しました。「どれか1つだけ行えばよい」というわけではなく、肌に悪い習慣はやめてよい習慣を取り入れることにより、10年後や20年後のコンディションが変わってきます。肌の状態や必要としている対策は、タイミングによっても異なるもの。寝る前・起床後など決まった時間に肌と向き合い、ケア方法やライフスタイルを見直しましょう。