監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

せっかくお化粧していても、頬の毛穴が大きく開いていたり黒ずみがあったりしたら残念ですよね。

今まで洗顔や毛穴パックをしても、角栓がきれいに取れなかった経験はありませんか?そもそも毛穴パックは肌を傷つけるから良くないと言われて試すのを躊躇したことはありませんか?

この記事は毛穴の正しいケアの仕方が知りたい方、毛穴が開いたり詰まったりする理由が知りたい方には価値ある内容です。毛穴を目立たなくする方法も紹介します。

頬の毛穴の開きの原因

顔にある毛穴で特に目立つのは、鼻の頭、小鼻、頬です。頬はその中でも面積が大きいので、毛穴が目立っていると気になります。ではなぜ頬の毛穴は目立ってしまうのでしょうか。頬の毛穴が開いてしまう原因は3つあります。それぞれについて、詳しく説明しましょう。

1. 過剰な皮脂分泌で毛穴が押し広げられる

皮脂は皮脂腺から分泌され、毛穴を通って皮膚表面に出てきます。皮脂分泌が過剰になると、皮脂の通り道である毛穴が押し広げられ、毛穴が大きくなるので目立つようになります。

皮脂は乾燥、外部からの異物や細菌から、肌を守る重要な役割を持っています。けれども皮脂の分泌が過剰になると毛穴の目立ちだけではなく、肌がべたつきメイクが崩れやすくなったり、アクネ菌が過剰に増えてニキビの原因になったりします。

皮脂分泌が過剰になる原因は様々です。思春期になるとアンドロゲン(性ホルモン)が増え、皮脂分泌が活発になります。肌が乾燥しているときにも、乾燥を防ごうとして皮脂が多く分泌されることがあります。

また食事内容も皮脂分泌に深く関わりがあります。脂肪分を多く含む食品、唐辛子など刺激のある食品を多く摂り過ぎると、皮脂分泌が活発になります。ビタミンB群は皮脂分泌をコントロールする働きがあり、不足すると皮脂分泌が多くなることがあるので注意しましょう。

2. 角栓が詰まって毛穴が大きくなる

角栓の正体は、皮脂と角質が固まったものです。通常は肌のターンオーバーで古くなった角質は垢として剥がれ落ちていくのですが、メイクが落としきれていなかったり、様々な理由で肌のターンオーバーが乱れてしまったりすると、剥がれ落ちるべき角質が皮脂と混ざり合って固まり、毛穴を塞いでしまいます。これが角栓です。

角栓ができた後も、皮脂腺で皮脂がどんどん作られるので、毛穴から皮脂が出ようとします。そこに毛穴の中にある角質が合わさって、角栓は大きくなってきます。すると毛穴は角栓で大きく広げられてしまうために目立ってしまいます。

角栓が目立ってくると、思わず手で押し出したりピンセットなどで引き抜いたりしたくなるかもしれません。しかしそのような間違ったケアをすると肌を傷めてトラブルの元になったり、その刺激で皮脂分泌がさらに多くなり、角栓ができやすくなったりしますので注意しましょう。

3. 肌のたるみとともに毛穴もたるんで大きくなる

肌の弾力性が低下すると、重力にしたがって肌がたるみます。毛穴も肌がたるむのと同じようにたるみ、縦長の毛穴になってしまいます。そのため毛穴が目立ってしまいます。肌のたるみによる毛穴の目立ちは、前述した2つの毛穴の目立ちと性質が異なるため、当然対処法も変わります。簡単にチェックできる方法があるので紹介します。

たるみ毛穴の見分け方

次のいずれかに該当すると、たるみ毛穴である可能性が高いです。
(1)毛穴の形が縦長、涙型、または帯状である。
(2)肌を上に引き上げると毛穴が目立たなくなる。
(3)30代後半かそれ以上の年齢。

これら一つでも当てはまる場合には、たるみ毛穴の可能性があります。ケアの方法は後ほど説明します。

頬の毛穴の黒ずみの原因

実は頬の毛穴の黒ずみの原因は、鼻にある毛穴の黒ずみの原因とは異なります。鼻の毛穴の黒ずみの多くは、長期に渡り毛穴に詰まったままになっている角栓が酸化して黒くなったものと言われています。鼻の角栓が除去されにくい理由として、鼻の頭や小鼻は凹凸が多く、皮脂分泌が多い上にメイク汚れも落としにくいためと考えられます。

これに対して頬は面積が広く平らでメイク汚れを落としやすいため、角栓が長期間毛穴に詰まったままになり酸化して黒ずむことが少ないのでしょう。頬の毛穴の黒ずみの原因は、次のように考えられています。

1. 開いた毛穴の影

皮脂分泌が多いと毛穴が開きます。また肌の弾力性が低下すると毛穴もたるむので、毛穴が長細く開いて見えます。その他毛穴が漏斗状(ろうとじょう)・すり鉢状に開くこともあります。これは皮脂分泌の特に多い毛穴や老化、ターンオーバーの乱れなどで見られます。

このように毛穴が開いていると光が当たった時に影ができてしまい、それが毛穴の黒ずみの原因になっています。

2. 毛穴漏斗部(けあなろうとぶ)の過剰なメラニン

毛穴が漏斗状もしくはすり鉢状に開いていると、紫外線を浴びたときに、すり鉢部分にメラニンが生成されます。このメラニンが毛穴の黒ずみの原因になっています。これは毛穴の汚れなどではなく、シミです。

頬の毛穴の年代別特徴

頬の毛穴の状態は、皮脂分泌の量や肌の水分量や弾力性など、肌のコンディションに左右されます。これらの変化は生活習慣によっても変わってきますが、年齢が大きく関わっています。次に年代別に頬の毛穴の特徴を整理します。

10代の毛穴の特徴

10代は思春期を迎える年代です。性ホルモンの分泌が増えるとともに、皮脂分泌が活発になるため毛穴が大きく開き、目立ってきます。

10代の肌はみずみずしく弾力性があるため、肌の乾燥により角栓ができたりたるみによる毛穴が目立ったりすることはありませんが、過剰な皮脂分泌のためにニキビができやすく、炎症が原因で毛穴周辺にメラニンが生成されることがあります。

20代の毛穴の特徴

20代も性ホルモンの分泌が盛んなため、皮脂の分泌量も多くなります。10代との違いは、クレンジングで落としきれなかったメイク汚れや仕事・人間関係のストレス、睡眠不足などが原因で角栓が毛穴を塞ぎ、毛穴が目立つようになります。

20代の後半になると、肌の乾燥を感じる人が増えてくるので、角栓のつまりがさらに多くなります。

30代の毛穴の特徴

30代になると徐々に性ホルモンの分泌量が減ってくるため皮脂分泌量は落ち着いてきますが、仕事や人間関係などによるストレス・乾燥に加え、肌機能の衰えが顕著になってきます。具体的には肌の弾力性が低下したり、乾燥による肌荒れやターンオーバーが乱れたりします。

そのため若い世代のような皮脂分泌によって毛穴が開いて目立つのではなく、角栓が詰まって毛穴が目立つようになり、たるみ毛穴も現れ始めます。

40代以降の毛穴の特徴

40代以降になると、性ホルモンの減少により皮脂の分泌がさらに減少し、肌の乾燥が加速します。また肌の弾力性も低下するため、毛穴の詰まりからたるみ毛穴へと変化していきます。

頬の毛穴が目立つのは解消できる?

皮脂分泌・角栓・たるみが原因の頬の毛穴の目立ちが解消できるのか、考えてみましょう。
皮脂分泌が原因で毛穴が目立つ場合は、皮脂分泌の量をうまくコントロールすることができれば解消する可能性は大いにあると言えそうです。

では角栓が原因の場合はどうでしょうか。角栓は皮脂と古い角質が混ざったものが毛穴に詰まっているものでした。詰まっている角栓を上手く除去することができ、さらにそのあと角栓ができないようにするか早めに除去できるようになれば解消できそうです。

一番困難なのは、たるみ毛穴です。たるみ毛穴は肌の弾力性が低下することが原因なので、解消するためには肌の弾力性を回復させることが必要です。肌の弾力性を担っているのは肌のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などです。これらが肌で生成されるようになると、弾力性が回復します。顔のシワやたるみの解消と同じく、改善するまでにはかなりの手間と時間が必要です。

頬の毛穴の改善対策方法9個

1. クレンジングでメイクをしっかり落とす

メイクが落としきれていないと毛穴詰まりの元になりますので、クレンジングで肌に不要な物をしっかり落とすことが必要です。

クレンジングは洗浄力と肌質の相性があるので、自分の肌に合ったクレンジングを選びましょう。アイメイクなどは落ちにくいので、指の腹で優しく細かい部分までクルクルしながら落としていきます。頬の角栓が多く見られる部分や、鼻の頭と小鼻もクルクルと指の腹でマッサージしながらメイクを落としていきます。顎や額も忘れないようにしましょう。

クレンジングが肌に残らないように、しっかりと水で洗い流しましょう。ダブル洗顔不要のクレンジングの場合でも、肌の状態を見て油っぽく感じたり汚れが落ちきれてないと感じたりしたら、洗顔することをおすすめします。肌質によってはダブル洗顔すると肌を傷めることもあるので、ヒリヒリしたり乾燥がひどくなったりするようであれば、洗顔は避けたほうが無難です。

2. 洗顔で肌に不要な汚れを除去する

20代後半以降になると肌の水分量が足りないと感じる人が多くなるので、そのような場合には洗浄力がマイルドな洗顔料がおすすめです。洗顔はゴシゴシこすらず、しっかり泡立てて泡のクッションを感じながら泡で包むように優しく洗います。すすぎはしっかり行いましょう。洗浄剤が肌に残っていると、炎症の原因になりますので気をつけましょう。

洗顔後は毛穴の状態をチェックしましょう。正しくクレンジングと洗顔を続けているにも関わらず、なかなか毛穴がきれいにならない場合には、週に1回程度クレイ洗顔や酵素洗顔をするのも良いでしょう。クレイ洗顔は粒子径の細かい土が入っているので、毛穴のお掃除に適しています。酵素洗顔にはタンパク質を分解する酵素が配合されているので、角栓を溶かす働きをします。しかしクレイ洗顔も酵素洗顔も肌への刺激が強いため、毎日使うことは避けたほうが良いと言われています。クレイ洗顔や酵素洗顔は毎日のケアで角栓が残ってしまう場合に、週1回の毛穴ケアとして使うことをおすすめします。

3. 保湿は丁寧にしっかりと行う

洗顔後は肌の水分が蒸発しやすいので、直ちに化粧水で保湿をしましょう。肌をしっかり保湿するためには、化粧水の種類にこだわるだけではなく塗布の仕方も大切です。肌は外から異物を入れないように保護していますし、肌は薄い産毛で覆われているので、化粧水を無造作にさっとつけただけでは角質層になじみにくいのです。ひと手間かけることで格段に肌の保湿感が変わります。次に手順を紹介しますので、お試しください。

まず手のひらに化粧水を適量とり、顔全体になじませます。ここで終わらせないのがポイントです。産毛があるために、肌までしっかり化粧水が届いていない状態なので、まず指の腹で目の周りや小鼻のような凹凸のあるところを中心に、トントンと優しくなじませます。次に手のひらで顔を包んで数秒間押さえます。これを顔全体に行います。化粧水は顔に均一に塗り広げるのではなく、乾きやすいところに重ねづけすると良いです。毛穴は化粧水が馴染みにくいので、念入りにタッピングやプレスして馴染ませます。

4. 毛穴引き締め成分配合の化粧品を使う

毛穴の開きが特に気になるときには、収れん化粧水を使って上記のようにひと手間かけて化粧水を肌になじませると仕上がりが違います。

収れん化粧水はアストリンゼントローションとも呼ばれ、毛穴を引き締める効果のある収れん剤が配合されています。収れん剤には収れん効果の強い酸化亜鉛や、皮膚への作用が緩和と言われるクエン酸・コハク酸、緩和な収れん作用のある植物抽出物であるハマメリスやアロエなどがあります。

5. 溜まった古い角質はピーリングで除去する

クレンジングや洗顔をしていてもなかなか角栓が除去されない場合、一旦古い角質を強制的に剥がしてしまう方法があります。ゴマージュやスクラブのように、細かい粒で古い角質を落とす方法と、リンゴ酸やグリコール酸のような酸(フルーツ酸)を使って古い角質や角栓を取り除く方法があります。

美容皮膚科では毛穴やニキビ跡の治療に高濃度の酸を使って角質を除去しますが、家庭でセルフケアをする場合には、市販のゴマージュやスクラブ入りの洗顔料か、低濃度にフルーツ酸が配合された洗顔料を使うことができます。

家庭でのピーリングであっても、肌のコンディションによっては炎症が起きることがあるため、多くても週に1回の使用に留めましょう。

6. たるみ毛穴にはエイジングケア用化粧品がおすすめ

たるみ毛穴は毛穴の詰まりではなく、肌のたるみによってできてしまうものでした。だから角栓除去は解決策にはなりません。失われた肌のハリを改善することが、たるみ毛穴の改善にもつながります。

しかし肌のハリを改善するためには、肌の弾力性を担っているコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が必要です。加齢により減ってしまった肌内のこれらの成分を高めるためのケアが必要になります。

失われたハリの改善をするためには、エイジングケア用の化粧品が最適です。エイジングケア用の化粧品には、高保湿作用のある成分や、コラーゲンの生成力をサポートすると言われている成分が配合されています。

ハリの改善に良いと言われている成分に、レチノール・ナイアシン・ビタミンC誘導体などがあります。肌にうるおいが戻りふっくらすると、たるんでいた毛穴も目立たなくなるでしょう。

7. 下地で肌の凸凹を滑らかに見せるテクニック

スキンケアでは開いた毛穴や詰まった毛穴のケアを紹介してきましたが、毛穴を完全になくすことはできません。目立たなくなってもやはり毛穴は存在します。

そこでメイクで毛穴を目立たなくする方法も紹介します。メイクの下地は化粧ノリや化粧持ちを良くするために使いますが、肌の凸凹を目立たなくして滑らかに見せる役割もあります。

下地は顔全体に均一に塗るのではなく、額や頬など顔の中でも高さがある部分を中心に塗っていきます。毛穴が気になる場合には、毛穴がカバーできるように塗ります。指を横滑りさせるのではなく、上からトントンとたたき込むような感じにすると、毛穴の凹部分が目立たなくなります。

8. ファンデーションで光の乱反射を利用

ファンデーションも毛穴を目立たなくする役割があります。ファンデーションには光を乱反射する粉体を使っていますが、これにより肌表面の小さな凸凹(シワや毛穴)が目立ちにくくなります。

このファンデーションの役割を生かすために、ファンデーションの塗り方にも気を配ることが必要です。ただ均一に塗り伸ばすのではなく、毛穴の凸凹が隠れるように指の腹で優しくトントンと馴染ませるとうまく行きますので、お試しください。

9. レーザー

美容皮膚科ではレーザーによる毛穴治療も行われています。メラニンに反応するレーザーは、濃い産毛が除毛されて毛穴が小さくなります。

色々な波長の光やレーザーの作用により、熱の刺激で過剰分泌している皮脂腺は縮小し、皮脂分泌が抑えられます。たるみ毛穴にも有効で、レーザーの熱が真皮層まで届き、線維芽細胞を刺激するのでコラーゲンの生成が促され、肌のハリや弾力に変化が見られるようです。

まとめ

毛穴の目立ちの原因は一つではなく、対処法も一つではないことがわかっていただけたでしょうか。毛穴のケアは無理をせずに肌をいたわりながら、焦らず気長に続けていきましょう。毛穴を完全に消すことは不可能ですが、目立たなくすることはできます。毛穴の改善対策をしているときも、毛穴の変化をよく観察して適切なケアを心がけてください。