監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

皮脂や汗の分泌量が増加し、乾燥とは無縁のように感じる夏。ベタつきを気にして保湿ケアを怠ると、知らず知らずのうちにダメージが進行し、多くのトラブルを招いてしまうことがあります。

夏に多い肌トラブルと原因、必要なスキンケアを見直し、適切な対処を行いましょう。

夏に多い肌トラブル

夏場に多い肌トラブルは、表面はしっとり潤っているかのように見えるものの、内部は乾ききっているインナードライ状態です。過剰に分泌される皮脂によって、ベタつき、ニキビが発生するにも関わらず、シワやたるみ、毛穴の開きといった症状を併発し、大きなストレスを感じます。

この状態の肌は刺激に対して敏感に傾くため、シミや肌荒れを招きやすく、ダメージが進行しやすいシーズンです。

さらに、夏のお手入れ不足は、秋の不調につながります。暑さの和らぐ季節になって、大人ニキビや敏感肌、シミの増加といった症状が気になる人も多いのではないでしょうか。

楽しい夏の思い出ではなく、肌トラブルを持ち越してしまっては、残念ですよね。夏のおすすめスキンケアから気になるものを選択し、猛暑に負けない対策を行いましょう。

夏のおすすめスキンケア方法12選

それでは早速、夏に適したスキンケアを紹介します。洗顔から保湿、美白、日焼け肌のアフターケアなど、様々なジャンルのケアを紹介するため、肌の状態に応じた内容を実践しましょう。

1. 朝・夜2回の泡洗顔で汚れを落とす

汗や皮脂でべたつく夏場は、過剰な洗顔に陥りがちです。朝・夜2回の泡洗顔を基本とし、どうしてもベタつきが気になる時には、柔らかいハンカチや刺激の少ない洗顔シートで拭き取りましょう。朝・夜2回の洗顔は、ベーシックな泡洗顔を行います。

◯泡洗顔の手順
(1)ぬるま湯で予洗いし、大方の汚れを落とします。
(2)洗顔料を十分に泡立て、濃密な泡を作って下さい。
(3)Tゾーン→頬→目元や口元の順番で泡を乗せ、円を描くように洗顔します。
(4)体温よりややぬるめのお湯で、十分にすすぎましょう。

2. 冷やし化粧水でコットンパック

強い紫外線を浴びた肌は、熱がこもった状態です。熱を解消してあげないと、肌内部で炎症を起こし、シミやシワ、たるみを招くリスクがあるため、冷やし美容を行いましょう。

冷やし美容で使用するアイテムは、冷蔵庫で保管できるタイプの化粧水です。冷蔵庫から取り出した化粧水をコットンに含ませ、顔全体をパックします。

◯コットンパックの手順
(1)大判サイズのコットンがヒタヒタになるくらいまで化粧水を含ませます。
(2)半分の薄さに割いたものをもう1回割き、4枚のコットンを作りましょう。顔全体をパックする場合は、2枚のコットンを使い、合計8枚を作ります。
(3)コットンの端を中心近くに密着させ、シワが入らないようにパックします。

顎のラインやこめかみは、下から上に引き上げるように密着させると、リフトアップが可能です。このまま数分パックを行い、含ませた化粧水が乾く前に剥がして下さい。

3. 美白美容液でシミ予防

紫外線を浴びるとすぐ、メラニン生成メカニズムが働きます。美白有効成分の含まれる美容液を活用し、シミ予防を行いましょう。シミ予防に役立つ美白成分には、次のような種類があります。

「メラニンを作れ」と命令を出す物質を抑制するタイプカモミラET・トラネキサム酸など
黒色メラニンを生み出す酵素(チロシナーゼ)の働きを阻害するタイプビタミンC誘導体・アルブチン・エラグ酸・プラセンタエキス・ルシノールなど
黒色メラニンの排出を促すタイプビタミンC誘導体・プラセンタエキス・リノール酸など
黒色メラニンを還元し、無色化するタイプビタミンC誘導体・コウジ酸など

紫外線を浴びる前であれば、メラニン生成の命令を抑制するカモミラETやトラネキサム酸を含む美容液、紫外線を多く浴びてしまった後であれば黒色メラニンの排出を助けるビタミンC誘導体やプラセンタエキスといったように、時期に応じた美容液の使い分けを行うこともおすすめです。

4. 乳液やクリームで蓋をする

化粧水や美容液によるケアの後は、乳液やクリームで蓋をします。肌表面のベタつきが気になる人には、サラサラした質感の夏用乳液がおすすめ。乾燥が気になる人は、保湿力の高いクリームを選択しましょう。

乳液やクリームの省略は、インナードライを悪化させ、べたつく肌を招いてしまうリスクがあります。肌質に合うアイテムを選び、適度な油分を補うことが大切です。

5. ローズヒップオイルでオイルパック

Tゾーンはべたつく・頬はかさつくといった混合肌のトラブルには、ローズヒップオイルによるお手入れがおすすめです。ローズヒップオイルはビタミンCを豊富に含むオイルであるため、シミ予防やハリ・ツヤ対策に適しています。

このローズヒップをお風呂前の顔になじませ、ラップで覆った状態で、バスタブにつかります。数分間置いた後に顔のオイルを洗い流すと、毛穴の汚れがすっきり落ち、Tゾーンのベタつきも解消されます。オイルでモチモチになった肌は保湿化粧水が浸透しやすく、お風呂上がりのスキンケアの働きを後押し。週に1回のスペシャルケアに位置づけ、試してみてはいかがでしょうか。

6. カレンデュラオイルでバリア機能をサポート

美容オイルの新顔として注目されるカレンデュラオイル。抗菌・抗炎症作用やマイルドな収れん作用など、夏の肌トラブルをサポートする働きが多く、日焼け後のケアにおすすめできます。

カレンデュラオイルの取り入れ方は、次のような方法が候補です。

・皮脂かぶれや炎症の気になる場所に薄く伸ばす
・クリームに少量を混ぜ、保湿力を高める
・ホホバオイルやアーモンドオイルにブレンドし、顔や身体をマッサージする

赤ちゃんのおむつかぶれや授乳中のボディケアにも活用される優しさは、刺激に対して敏感に傾いた肌の保護や保湿にぴったりです。

7. ナイトマスクで徹底保湿

ナイトマスクとは、塗ったまま眠るだけで、肌のハリ・ツヤ対策を行うジェルやクリームのことを言います。一般的なパックのように所定の時間を経過した後、剥がしたり洗い流したりする手間がなく、エアコンや紫外線ダメージによる乾燥肌の徹底保湿におすすめです。

ナイトマスクの中には、カモミールやジャスミン、ラベンダーなど、天然ハーブの香りでストレスを和らげ、睡眠の質を高めるように工夫されたものもあります。寝苦しい夏の夜の睡眠の質改善対策として、スペシャルケアに活用しましょう。

8. 炭酸パックでくすみ・毛穴トラブルを解消

弾ける泡の刺激で血行促進、トラブルの目立たない健やかな肌への生まれ変わりを促進する炭酸パックは、夏の疲れが気になる時期こそ、行いたいスキンケアです。

美容オイルやビタミンC誘導体、コラーゲンやプラセンタを含む市販のパックを使用すれば、より積極的な保湿ケアや毛穴の引き締め対策を行えます。

9. タオルを使った温冷パック

夜更かしした翌日にまぶたのむくみが気になって、ショックを受けた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。イベントごとが目白押しの夏場はとくに、疲労による代謝の衰え・むくみを生じるリスクが高く、朝に行うリセットケアが大切です。

リセットケアの方法は、「温める」「冷やす」を交互に行う温冷パック。血流を促すとともに毛穴を引き締め、夏疲れを感じさせない明るい顔を作ってくれます。

◯温冷パックの手順
(1)フェイスタオルを水で濡らし、1分程度レンジで温め、温タオルを作ります。
(2)別のタオルを冷たい水に浸し、冷タオルを作ります。
(3)温タオルを顔に乗せて、20秒から30秒程度パックします。
(4)冷タオルに変えて、頬が冷たく感じるまで、顔全体を冷やします。

フェイスラインをすっきりさせるためには、頬の肉を軽くつまみ、老廃物の排出を促すこともおすすめです。ここまでは、夏の朝のスキンケアの下準備。顔の土台ができたところで、化粧水や美容液、乳液・クリームによるケアを行い、一日を通して快適でトラブルに負けない肌を作りましょう。赤ら顔の人は赤味を悪化させる可能性もあるので控えましょう。

10. 皮脂分泌抑制成分配合の化粧水でテカり予防

夏の朝のスキンケアは、水分・油分のバランスを整え、毛穴やテカり、乾燥のトータルケアを行うことが大切です。

過剰な皮脂分泌を防いでくれるライスパワーNo.6を含む化粧水は、さっぱりした使用感にも関わらず、十分な保湿力。メイク前に仕込むことで、夕方までサラサラ・しっとりと、理想的な状態をサポートできます。化粧水をつける時のポイントは、以下2点です。

【1】手のひらで温めてから顔に乗せる
化粧水を両手で挟みこむように温め、体温と同じ温度になったところで、内側から外側になじませます。目元や口元など、トラブルが生じやすい部分はとくに丁寧に、指先で押し込むようになじませます。

【2】ハンドプレスで十分に浸透させる
手のひらで顔全体を包み込むようにカバーすると、化粧水のなじみが良くなります。十分に化粧水を入れ込むことで、明るく、透明感を感じる肌のベースができるため、1回ずつのハンドプレスを忘れずに行いましょう。

化粧水をきちんとなじませることで、美容液・乳液・クリームの美容成分との相乗作用を発揮します。夏の朝は、いつもより15分早起きし、十分なお手入れ時間を確保しましょう。

11. 収れん化粧水で毛穴を引き締め

夏の朝のスキンケアにもうひと工夫。保湿の仕上げに収れん化粧水を使用し、開いた毛穴を引き締めましょう。

ビタミンC誘導体を含む収れん化粧水は、シミ予防や肌荒れ対策、毛穴の引き締めと、嬉しい働きが豊富です。コットンにたっぷりと出し、Tゾーンなど皮脂浮きの気になる部分に付けて下さい。

12. 保湿スティックで潤いチャージ

夏場の乾燥に対するお助けケアアイテムは、スティックタイプの美容液です。目元や口元、頬など、乾燥が気になる部分に直接使い、帰宅までのつなぎ保湿を行います。理想を言えば乾燥を感じた時にはメイクを落とし、化粧水や乳液を塗ってからお直しを行うことがセオリーです。

ただ、勤務中にも関わらず、ここまで大掛かりなお直しをできる人は少ないのではないでしょうか。せめてもの対策として潤いチャージすることが、肌トラブルを防ぐためのポイントです。保湿スティックを上手に使い、乾燥肌の進行を食い止めましょう。

暑くてたくさん汗をかいたときのスキンケア対策4個

35℃を超える猛暑日は、通勤を行うだけでも汗をかき、憂鬱な気分になってしまいますよね。汗は体温調整機能があるため、身体にとっては不可欠なもの。

ただし、かいた汗を放置すると、汗かぶれや乾燥、かゆみを生じるリスクが伴う厄介者です。以下のような対策を実践し、肌トラブルを予防しましょう。

1. 濡れタオルやハンカチで拭き取る

もっとも簡単な対策は、濡れタオルやガーゼ、ハンカチで拭き取り、清潔さを維持することです。濡れタオルは、汗の中の雑菌を取り去り、繁殖予防ができるため、体臭対策にも貢献します。

いつまでも汗が止まらない時には、冷たいタオルを首筋に当て、クールダウンを行いましょう。太い血管があるところを冷やすことで、効率的に汗を止め、メイク崩れを予防できます。

2. リフレッシュシートを使用する

これまでの汗拭きシートは、アルコールやメントールを含むものが多く、さっぱりタイプが主流でした。これらの商品は清涼感が高く、体臭予防にはなるものの、夏疲れを感じた肌に負担をかけ、肌荒れを招いてしまうリスクがあります。

近年増えてきた女性用のリフレッシュシートは、化粧水成分を配合し、乾燥対策まで可能なものが多くあります。汗や皮脂を吸収し、サラサラの質感に整えてくれるため、メイクを落とせない環境で行う応急処置にぴったりです。

3. スキンケア発想の日焼け止めを使用する

汗を拭き取った後には、日焼け止めの塗り直しが必要です。この時に使用する日焼け止めをスキンケア発想のものに切り替えると、紫外線対策と乾燥予防、シワやシミケアなど、夏に欠かせない対策を全てまとめて行えます。「スキンケア発想」とざっくりとしたひと言でまとめましたが、日焼け止めの進化は目覚ましく、ハイスペックな商品が豊富です。

◯進化した日焼け止めの例
・美白有効成分を配合し、美容液×日焼け止めと2役こなす日焼け止め
・スクワランやモリンガエキスを配合し、バリア機能の強化を担う日焼け止め
・電子機器のブルーライト、赤外線など、紫外線以外の刺激に対する防御も担う日焼け止め

汗をかいた後の肌はデリケートな状態に傾くため、これらの商品を有効に活用し、刺激に対する防御層を作ることが大切です。

4. 万能バームで汗かぶれを予防する

すでに汗かぶれや炎症が見られるデリケートな肌に過剰なスキンケアを行うと、悪化を招く恐れもあるため、シンプルなケア商品による肌の保護をおすすめします。

全身に使用できる万能バームを持ち歩き、汗を優しく拭き取った後の保湿ケアに活用しましょう。肌荒れが気になる時のおすすめ商品は、カモミールやカレンデュラ、など炎症を鎮める成分を配合し、デリケートな肌を守ってくれるタイプです。

つけすぎるとベタつきが気になるため、かゆみや刺激を感じたパーツに少量伸ばし、なじませるように使用しましょう。

まとめ

年齢を重ねるごとにバリア機能は低下するため、季節に応じたお手入れを行わなければ、かゆみや炎症、肌荒れを起こしやすくなってしまいます。敏感に傾いた肌は、普段と同じスキンケアに対しても刺激に感じ、トラブルを起こしてしまうことがあるため、定期的な見直しは不可欠です。

毎日のお手入れ時間で肌の調子を確認し、必要とするスキンケアを行うことが年間通してトラブルなく、健やかな肌を作ります。汗対策や皮脂、毛穴対策、保湿など、様々なケアの中から今の自分に合うものを考え、適切なスキンケアを行いましょう。