監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

知らない間に増加した顔のシミ。鏡に映る自分自身の顔を見て、愕然とした経験を持つ女性も多いのではないでしょうか。何もしないで放置しては、さらにシミが悪化し、見た目年齢を老け込ませる要素といえます。

顔のシミの原因と自宅でできる改善・予防対策を知り、いつまでも若々しく、理想的な肌を目指しましょう。

顔のシミの種類5個

シミ改善に向けた最初の一歩は、トラブルの種類を知ることです。代表的なシミの種類は、5個あります。

種類発症時期特徴
老人性色素斑中年以降顔のあちこちに点在する茶色い斑点。はっきりとした境界線が見られること、ツルツルした表面であることが特徴です。出来始めは薄い斑点であったものが徐々に濃くなり、セルフケアでは消えにくい状態まで悪化するケースもあります。
炎症後色素沈着全年代ニキビや火傷、虫さされなどが見られた箇所に生じる茶色い斑点。老人性色素斑より境界線が曖昧で、分かりにくい特徴があります。
脂漏性角化症中年以降老人性色素斑のうち、盛り上がりが大きく、イボのように見えるシミのことです。顔の中では、こめかみあたりに生じることが多くあります。
肝斑30~40代一般的には、頬骨から頬にかけ、左右対称に見られるシミです。ホルモンバランスが影響するため、出産や月経不順、傾向避妊薬の使用など、何らかのタイミングを機に増加することが多いとされます。
雀卵斑(ソバカス)乳幼児期鼻を中心に小さな斑点が多数見られる症状です。乳幼児から思春期に増加し、徐々に落ち着くケースが多いとされます。

ここで扱うシミ対策は、主に老人性色素斑・炎症後色素沈着を前提とした方策です。脂漏性角化症・雀卵斑(ソバカス)は、セルフケアでは対処できないケースが多く、医療機関受診をおすすめします。肝斑は、ホルモンバランスから対策を行うことが多いため、セルフケアで良くなるケース・専門医による治療が必要なケースと、様々です。

なお、上の表の見分け方や特徴は、一般的な傾向をもとにした参考資料にすぎません。「顔のシミの種類をはっきり知りたい」と考える人は、医療機関のカウンセリングを受けましょう。

顔のシミの原因

顔のシミの根本的な原因は、「黒色メラニンの過剰生成」「ターンオーバー周期の乱れ」の2点です。

刺激をキャッチした肌は、チロシナーゼという酵素を活発に働かせ、黒色メラニンを生成します。通常量の生成であれば、ターンオーバー周期に従って排出され、顔のシミとはなりません。何らかの原因によって過剰な量が生成されると、排出が間に合わず、色素沈着を起こします。この色素沈着が顔のシミの正体です。

ターンオーバー周期の乱れた肌では、どうでしょうか。通常量の排出もうまくできず、黒色メラニンが滞留するため、顔のシミが増加します。

黒色メラニンの過剰生成・ターンオーバー周期の乱れにつながる代表的な行為や要素は、次のことです。

(1)紫外線ダメージの蓄積
(2)ホルモンバランスの乱れ
(3)誤ったニキビケア
(4)ストレスや喫煙習慣による活性酸素の増加
(5)ニキビや虫さされ、誤った洗顔・クレンジングなどの刺激
(6)肌の乾燥
(7)加齢の影響

肝斑以外のシミであっても、ホルモンバランスの影響を受けることは考えられます。乾燥や加齢といった内容もシミに関係するため、美白対策を行うとともに、基本的なスキンケアを見直すことが大切です。

突然・急にシミが増えることはある?

「急に増えた」と感じるシミは、肌の深いところに蓄積された「潜在シミ」が表面近くに押し出され、目に見える形のトラブルとして認識されたものです。一定の深さに来るまでは「シミがある」と感じない人が多いため、急に増えたように感じます。

つまり、「突然・急にシミが増えた」というわけではなく、起こるべくして生じたものです。潜在シミの段階から適切なケアを行うことで、色素沈着リスクを予防できます。

潜在シミの量を知るためには、大手化粧品メーカーの肌診断を受けましょう。特殊な機器を使用して、潜在シミを映し出し、黒色メラニン蓄積量を教えてくれます。一部のクリニックやエステサロンの無料カウンセリングでも、同様のサービスを受けることが可能です。現状を知るための重要なヒントとして、有効に活用しましょう。

顔のシミのおすすめ改善対策3個[スキンケア]

さて、ここからは、分野別のシミ改善対策を紹介します。まずは、スキンケアによる対策です。

1. 洗顔方法を見直す

洗顔は、古くなった角質や皮脂、ちりやほこりを取り除き、新しい肌への生まれ変わりを助けてくれます。黒色メラニン排出とも深い関わりがあるため、毎日欠かさず洗顔しましょう。

具体的な洗顔方法は、朝・夜2回の泡洗顔をおすすめします。朝の洗顔は、睡眠中に付着した汚れを落とすためのもの。夜の洗顔は、クレンジングで落としきれなかった汚れや肌表面に滞留した角質、皮脂を取り除くためのものです。タイミングにより役割が異なることから、1日2回の洗顔が基本です。

泡洗顔は、摩擦刺激をできるだけ与えず、汚れをきちんと取り除くことのできるケア方法に該当します。濃密な泡を作ることにより、汚れ吸着力が高まるため、しっかりと泡立ててから洗顔しましょう。ゴシゴシこする洗い方は、摩擦刺激の原因です。泡のクッションを利用し、表面を滑らせるように、できるだけやさしく洗ってください。

2. 保湿ケアでバリア機能を正常化

洗顔後に行うケアは保湿です。水分不足を起こした肌に水分と栄養を与えることにより、バリア機能を強化します。

バリア機能の衰えた肌は、紫外線の影響を受けやすく、潜在シミの原因です。化粧水や美容液による保湿をまず行い、肌の健康状態を回復させたうえで美白ケアを検討しましょう。

3. 日焼け止めは毎日使う

日焼け止めを使用しましょう。紫外線から肌を守り、シミの悪化を防ぐためです。UVカット機能のついた化粧下地だけで対策すると、厚塗りになりやすく、不自然に見えてしまいます。伸びのよいミルクタイプの日焼け止めは、デイリー使いにおすすめです。

日焼け止めを塗る時のポイントは、パッケージ記載の使用量を守ることです。塗る量が少ないと、期待通りの働きを発揮できず、紫外線ダメージを受けてしまうリスクがあります。ミルクタイプの日焼け止めを顔全体に塗る時の目安は、500円玉大程度です。鼻周りやあごなど塗り忘れが出やすい部分を含め、顔全体に伸ばしてください。

顔のシミのおすすめ改善対策4個[化粧品]

1. 美白美容液やクリームを活用する

保湿をきちんと行ったうえ、美白美容液やクリームを使用することにより、積極的なシミ対策が可能です。次の成分が含まれるケア商品には、シミを薄くするもしくはできにくくする働きが期待されます。

美白成分主な働き詳細
トラネキサム酸予防メラノサイトの働きを抑え、メラニン蓄積を防ぎます。炎症を抑える働きがあり、赤いシミ対策も可能です。
アルブチン予防メラニンを黒く変える酵素(チロシナーゼ)の働きを抑制し、シミや日焼けを防ぎます。
コウジ酸予防シミの予防や糖化による黄ぐすみ対策に有効な成分。顔全体を明るくし、透明感を出したい女性におすすめです。
ビタミンC誘導体予防・改善黒くなったメラニンを還元し、排出を促します。毛穴の引き締めや皮脂量のコントロールも得意分野。炎症後色素沈着予防にもひと役買います。
トレチノイン予防・改善ビタミンAの誘導体です。ターンオーバーを促し、黒色メラニンの排出を促進します。

2. ハイドロキノンクリームをスポット使い

スポット的に濃いシミをケアする際には、ハイドロキノンクリームを検討できます。ハイドロキノンは、黒くなったメラニンを還元し、シミを消す働きが期待される成分。一定濃度までの配合であれば自宅ケア商品への配合が認められ、濃いシミに対する有効な対策として知られています。

ハイドロキノンクリームを使う時には、次の手順で行いましょう。

【1】クレンジング・洗顔・保湿ケアを行う
ハイドロキノンクリームは、クレンジングや洗顔、保湿の後に使用します。保湿を行わずに使用すると、赤みが出る・ヒリヒリするといった反応を誘発することがあるため、ご注意ください。

【2】ハイドロキノンクリームを塗る
濃いシミ部分にハイドロキノンクリームを薄く塗ります。肌荒れやひどい乾燥の見られる箇所への使用は避け、ピンポイントで塗りましょう。

【3】翌朝は必ず洗顔する
ハイドロキノンは、夜のケアに使用します。翌朝は必ず洗顔し、日焼け止めを塗ってください。ハイドロキノンの残る肌に紫外線を浴びてしまうと、シミを悪化させるリスクがあります。朝のケアでの使用は避け、副作用リスクを軽減しましょう。

3. コントロールカラーを仕込む

薄く広範囲に広がるシミを隠すためには、コントロールカラーを活用しましょう。シミやクマ、たるみといった顔の中の暗い部分に使う色味は、イエローやオレンジです。元々の肌の色となじませ、健康的な肌の色に見せる働きが期待されます。

コントロールカラーを使用するタイミングは、ファンデーションよりも前です。ベースメイクの最初に仕込むことで、ファンデーションを厚塗りしなくても、シミを隠すことができます。塗る量が多すぎると不自然な印象に見えるため、少量を乗せた後に指先でなじませることがコツ。この後にコンシーラーやファンデーションを使用するため、完璧に隠れなくても大丈夫です。

4. コンシーラーで濃いシミを隠す

部分的に濃いシミを隠すためには、コンシーラーを使用します。以下の手順で使用すると、美しく、自然な印象に仕上げることが可能です。

【1】肌の色に合うコンシーラーを選択する
顔に試し塗りを行い、元々の肌色に最も近いコンシーラーを選択します。手や腕だけでは細かい色味の調整が難しいため、顔の上でチェックしましょう。複数の色味がセットになったパレットタイプは、肌とのなじみを確認しながら調整できます。日焼けや肌の調子による色の変化に対応しやすく、非常に便利な商品です。

【2】濃いシミの上だけ、厚めに塗る
隠したいシミの上だけにコンシーラーを厚塗りします。【1】の工程で、溶け込むようになじむ色味を選択すれば、厚塗りしても目立ちません。筆ペンタイプのコンシーラーなら直接、パレットやスティックタイプであればスポンジの角を使い、狙った部分にだけ塗ってください。

【3】はみ出した部分をなじませる
シミからはみ出したコンシーラーは、ベースメイクとなじませます。コンシーラーを塗った時とは別のブラシを使用し、放射線状に伸ばすことがポイント。シミが隠れた後はなるべく触らず、フィックススプレーやフェイスパウダーで固定しましょう。

顔のシミのおすすめ改善対策5個[食べ物]

シミのないきれいな肌を作るためには、内側からの対策も必要です。そこで、ここでは、シミ対策のおすすめ食材を紹介します。

1. トマト

1つ目は、夏野菜の代表格「トマト」です。強力な抗酸化作用を持つリコピン、活性酸素を抑えるβ-カロテンなど、白くてきれいな肌への生まれ変わりを助ける栄養素が非常に豊富。ビタミンEと同時摂取することにより、メラニンの生成を抑制する働きが高まるため、ナッツやアボカド、植物オイルとの組み合わせをおすすめします。

2. スイカ

スイカには、トマトの約1.5倍ものリコピンが含まれます。肌の健康を維持するためのミネラル、ビタミンもバランスよく含まれ、シミ予防やターンオーバーの正常化を助けてくれます。

また、奇跡の美容成分ともいわれるシトルリンは、スイカから発見されたもの。シミのないきれいな肌への生まれ変わりに必要な栄養素や酸素を顔まで届け、トラブル解消を促します。

3. ナス

ナスの紫色は、アントシアニン系色素に由来するもの。エイジングケア食材として名高いブルーベリーやシソ、ブドウなどと同じように、シミ対策を助けてくれます。

ナスに含まれる色素の正式名称は、ナスニンです。肌代謝を促し、新しい肌への生まれ変わりを助ける優秀な栄養成分。コレステロールの低下・血栓予防など健康メリットも多く、積極的に食べたい野菜の1つといえます。

4. ブロッコリー

ひと口大のブロッコリーには、約5.4mgのビタミンCが含まれます。これは、レモンやみかんと比較して、優秀な水準です。効率的なビタミン摂取を行いやすく、シミ対策に役立つ食材と考えられます。長時間茹でてしまうと栄養を損なうため、蒸し器や電子レンジを使用し、食感を残す程度に調理しましょう。

5. ハトムギ

ハトムギには、体内の水分・血液代謝を促し、メラニン排出を助ける働きが期待されます。白米と比較して食物繊維含有量が多く、腸内環境正常化を助ける点もメリットです。白米にハトムギを混ぜ、炊き込む方法であれば、簡単に継続できます。圧力鍋で炊き、下処理を行ったものを、サラダやスープの具材に活用する方法もおすすめです。

顔のシミのおすすめ改善対策3個[その他]

最後に、サプリメントや市販薬によるシミ対策を紹介します。自宅ケアでは対処できないシミに検討できるクリニックの治療メニューもひと通り確認しましょう。

1. 飲む日焼け止めで紫外線ケアする

まず、飲む日焼け止めによる対策です。飲む日焼け止めとは、抗酸化成分を配合し、シミやくすみを予防するサプリメント。単体利用ではなく、塗る日焼け止めの補完として活用します。

飲む日焼け止めに含まれる抗酸化成分の代表例は、次のものです。

フェーンブロックシダ植物から抽出される植物由来の抗酸化成分。「PLエキス」といった名称が使用されることもあります。
ニュートロックスサンローズマリーやシトラスを主原料とする抗酸化成分。国産の日焼け止めサプリメントに多く採用されます。

飲む日焼け止めは、身体の内側から紫外線対策を行うため、顔を含めた全身のシミ予防が可能です。ビタミンC・ハトムギエキスといった美容サポート成分を配合し、シミ予防と美肌対策を同時に行うことのできる商品も見られます。

塗る日焼け止めをきちんと塗ったつもりであっても、紫外線ダメージを受けてしまう場面は多いもの。身体の内側・外側の両面からアプローチすることにより、シミの増加を防ぎましょう。

2. 市販のシミ治療薬を服用する

飲む日焼け止めによる対策だけでは、できてしまったシミを消すことは困難です。より積極的な対策を希望する女性は、市販のシミ治療薬を検討しましょう。シミ治療薬に含まれる主な成分は、次のものです。

成分主な働き
L-システインメラニンの生成を抑制し、色素沈着を予防できます。シミの改善目的で服用する場合、1日あたり240mgが目安です。
ビタミンC (アスコルピン酸)肌に塗る場合と同様に、黒色メラニンの還元作用が期待されます。シミ改善目的で服用する場合、1日あたり1,000mgが目安です。
ビタミンE血行を改善し、代謝を促すことにより、シミ改善を助けます。
ビタミンB2肌細胞の保護や再生、粘膜の健康維持を助けてくれます。
ビタミンB6ビタミンEやビタミンB2同様に、肌の代謝を促進し、黒色メラニン排出を助けます。

3. 医療機関で治療する

シミトラブルの相談先は、皮膚科・美容皮膚科・美容外科などが候補です。美容皮膚科や美容外科は、美容医療に注力し、見た目の美しさを追求する治療方針、皮膚科では保険適用治療が主な方針といった違いがあります。老人性色素斑や炎症後色素沈着をきれいに消したい場合には、美容皮膚科や美容外科がよいでしょう。

美容皮膚科や美容外科では、次のような治療を組み合わせ、総合的な対策を行います。

・レーザー治療で色素を除去する
・フォトフェイシャルで濃いシミを薄くする
・ハイドロキノンやトレチノインなど、塗り薬を活用する
・ケミカルピーリングやイオン導入で肌質を改善する

予算や目標とする肌の状態、シミの種類によって、組み合わせが異なります。カウンセリング時に要望を伝え、検討できるメニュー内容と組み合わせ、費用の目安を確認しましょう。

まとめ

顔のシミの種類と改善対策を紹介しました。シミの目立たない年齢であっても油断せず、万全の対策を行うことで、将来的なエイジングトラブルリスクを軽減できます。既にできてしまったシミも、諦める必要はありません。トラブルを放置し、自宅のケアでは対処できない状態に陥ることがないように、今の自分にできることから対策しましょう。