監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

まぶたや目の下が乾燥し、悩む女性は多くいます。症状が進行すると、かゆみや赤み、かさつきを招くリスクがあるため、早急な対策が必要です。

目の下が乾燥する原因と症状、スキンケアや生活習慣による対策を知り、日常的なストレスを軽減しましょう。

目の下は乾燥しやすい?

目の下は、皮膚は非常に薄いこと・皮脂腺が少ないことから、乾燥しやすい部位といえます。皮脂は、外部刺激に対するバリア機能を担い、うるおいをつなぎとめる役割を果たすもの。皮脂腺から適量を分泌することにより、肌の健康が保たれます。この皮脂腺が目の下には少ないため、バリア機能が働きにくく、シワやたるみ、色素沈着といったトラブルを起こしがちです。

エイジングサインとは無縁のように感じる年代の人も、クマがなかなか消えない・疲れ顔に見えるといった兆候があれば、目の下のケアを見直すべきサインといえます。若々しく、ハリのある目元を維持するためにも、適切な対策を行いましょう。

目の下が乾燥する原因5個

構造上の性質だけではなく、不適切なお手入れやメイク、生活習慣が乾燥を招くことも多くあります。具体的には、以下5つの習慣に心当たりはありませんか。

1. 濃いアイメイク

アイプチや二重テープ、目の際まで入れるアイラインにより、目元の皮膚がかぶれてしまうと、乾燥を悪化させることがあります。普段から行っているメイクであっても「どのような時も安心」というわけではありません。

体調や季節によっては、拒否反応を誘発し、かゆみや赤み、乾燥を招くことがあります。メイクの濃さに合わせて強いクレンジングを使用すると、目の下の負担は大きくなり、さらなる乾燥を招く悪循環となりかねません。

2. 誤ったスキンケア

化粧水や美容液が肌に合わない・つける時に強くこするなど、スキンケアの間違いは、目の下に負担をかけます。バリア機能がきちんと働く目の下以外にはトラブルが生じなくとも、デリケートな部分にだけ、かゆみや炎症、かさつきといった拒否反応を起こすことがあるため、ご注意ください。

年齢を重ねるにつれて、顔全体のバリア機能は低下します。これまでのお手入れが合わなくなり、乾燥を招くリスクがあるため、スキンケアの見直しが必要です。

3. 頻繁な摩擦刺激

目が疲れた時や眠い時、目の違和感を感じた時にこすってしまうと、摩擦刺激が加わります。繰り返し摩擦刺激が加わるとバリア機能がさらに低下。乾燥をひどく感じる状態になってしまいます。

目元への強い刺激は、視力低下や病気を招くことにもなりかねません。無意識のうちに習慣化している可能性もあるため、摩擦刺激を避けるとともに、バリア機能を強化する対策が求められます。

4. 目の疲れ

パソコンやスマホを長時間使用すると、目の周りの血行が悪くなり、乾燥を感じることがあります。血の巡りが悪いことで、肌の健康を維持するための水分や栄養素が届かず、トラブルを起こしやすい状態に傾くためです。

合わないメガネやコンタクトレンズの使用も、血行不良を招きます。視力低下につながるリスクもあるため、適切な度数のものを使用しましょう。

5. 生活習慣の乱れ

最後に、睡眠不足や不規則な食事、過剰なダイエットといった生活習慣の乱れです。これらのことで自律神経のバランスが乱れると、ターンオーバー周期に不具合が生じ、乾燥につながるおそれがあります。デリケートな目の下に症状がまず表れ、ほかの部位へと広がる可能性もあるため、早めの対処がおすすめです。

目の下が乾燥したときの症状

目の下の乾燥を疑うサインは、かさつきや突っ張りだけではありません。次のような症状に気付いた時には、目の下の乾燥を疑いましょう。

・ヒリヒリとした刺激を感じる
・かぶれのように赤く腫れる
・目の下がむずかゆい
・メイクのなじみが悪く、崩れやすい
・ひび割れを繰り返す

かゆみや赤み、炎症を伴う乾燥は、皮膚疾患が原因であることも多く、皮膚科にかかると安心です。

目の下の保湿改善対策5個[スキンケア]

目の下の乾燥を改善するためには、スキンケアアイテムやクレンジング・洗顔方法の見直しが不可欠です。5つのポイントを守り、お手入れを行いましょう。

1. 保湿重視の化粧水・美容液に切り替える

目の下の乾燥対策の基本は、とにかく保湿。低刺激・高保湿タイプの化粧水や美容液を使用し、バリア機能を強化します。化粧水や美容液の保湿成分は、天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質を補うものを選択しましょう。

 役割保湿成分
天然保湿因子(NMF)角質層の中で水分を保持し、バリア機能の中核を担います。肌の弾力と柔軟性を維持するためには欠かせない成分です。アミノ酸
細胞間脂質角質層の隙間を埋めて、水分の蒸発を防ぎます。天然保湿因子を安定させるために大切な存在です。セラミド・スフィンゴ脂質・大豆レシチンなど

化粧水や美容液は、正しい付け方を守ることも大切です。目の下の乾燥を改善するため、以下のことに注意しましょう。

・洗顔後に時間をあけず、保湿を行う
・化粧水や美容液の使用量を守り、目の下から順番につける
・朝の保湿を省略せず、1日2回のお手入れを行う
・化粧水が肌になじんだことを確認してから美容液を使用する
・コットンの使用を控え、手でつける

2. アイクリームを使用する

化粧水・美容液をつけるだけでは、水分がすぐに蒸発してしまい、乾燥トラブルを悪化させます。補充した水分を内側に閉じ込めるため、乳液もしくはクリームを使用しましょう。乾燥している目の下に対しては、アイクリームをおすすめします。顔全体に使用するクリームよりしっかりとしたバリアを形成し、デリケートなパーツを守るためです。

アイクリームの正しい塗り方も、今一度おさらいしましょう。

【1】アイクリームを人肌に温める
商品指定量のアイクリームを手の甲に出し、人肌程度に温めます。

【2】点置きする
薬指にアイクリームを取り、眉頭から眉尻に向かって、点置きします。強く押さえ込むことは避け、トントンとリズミカルに進めてください。

【3】アイクリームを伸ばす
片側の手でこめかみを引き上げながら、アイクリームを伸ばします。こめかみあたりまでクリームを伸ばすことで、目尻のシワやたるみの予防が可能です。

3. マッサージで血行促進

目の疲れを感じた日には、マッサージを行いましょう。血行がよくなるほどバリア機能修復がスムーズになされ、化粧水や美容液、クリームとの相乗作用が期待されます。

【マッサージ手順】
(1)人差し指・中指を目の下のくぼみにあて、目頭からこめかみへと滑らせる
(2)同じ指を目の上のくぼみにあて、目頭からこめかみへと滑らせる
(3)目頭・鼻の付け根の中心あたりに人差し指を置き、弱い力で指圧する
(4)人差し指・親指で眉を挟み、揺らしながら、眉頭から目尻まで動かす

デスクワークの途中で目を休め、ストレッチを行うだけでも、血行不良を予防できます。上下左右に目を動かしたり、ウィンクを繰り返したりと、簡単なストレッチを休憩時間に行いましょう。

4. マイクロニードルパッチで集中ケアする

目の下の集中ケアには、マイクロニードルパッチを活用できます。マイクロニードルパッチとは、ヒアルロン酸やコラーゲンでできた特殊な針を肌に貼り、保湿を行うケアアイテムです。

従来のシートパックと比較して、効率的な保湿を行えます。いわば、医療機関で受けるヒアルロン酸注入をセルフケアで行えるようなもの。ここ数年で広まった画期的なお手入れです。

5. アイメイク用リムーバーを活用する

目の下にアイメイクが残ってしまうと、乾燥トラブルを悪化させます。顔全体のクレンジングを行う前にアイメイク用リムーバーを活用しましょう。アイメイクを落とす際には、次の道具を用意します。

・アイメイク用リムーバー
・コットン
・綿棒

アイメイクを落とした後に顔全体のクレンジング・洗顔も行うため、必要なものをすべて手元にそろえてください。目元のクレンジングは、2ステップで進めます。

【1】アイシャドウとマスカラを拭き取る
ぬるま湯をふくませたコットンにアイメイク用のリムーバーをふくませ、2枚に裂きます。1枚を三角形に折り、目の下に添えてください。もう1枚をやさしく滑らせ、アイシャドウとマスカラを拭き取ります。

【2】アイラインを落とす
アイメイク用のリムーバーをしみ込ませた綿棒で、アイラインを落とします。上まぶた→下まぶたの順番で行うことがきれいに落とすポイントです。

アイメイク用リムーバーは、一般的なクレンジングよりもメイクを落とす力が強く、乾燥がひどい時に使用すると、刺激を感じることがあります。そのような時には、顔全体のクレンジング・洗顔だけでも問題ないレベルのメイクに留めましょう。

目の下の保湿改善対策5個[メイク]

メイク前のひと工夫や日中のつなぎ保湿を行うことで、帰宅時までよれず、きれいな目元を維持できます。夕方のお疲れ顔防止目的でも活用したいテクニックは、以下5つです。

1. 保湿力の高い下地を使う

目の下の乾燥が気になる時の下地は、保湿力の高いものを選択しましょう。ジェルタイプよりはクリームやリキッドタイプ、その中でもヒアルロン酸やコラーゲン、セラミドといった保湿成分を含むものがおすすめです。

化粧下地にはファンデーションとの密着を高める働きがあるため、基礎化粧品のすぐ後に使ってください。目の下の乾燥しやすい部分まで忘れずに下地をつけることで、メイクのヨレを予防できます。

2. 目元用コンシーラーを活用する

下地の次に使用するアイテムは、目元用コンシーラーです。やや明るい色味を選ぶことで目の下のトラブルを目立ちにくくし、ファンデーションを厚塗りしなくても、きれいな肌に見せてくれます。

「なぜ、コンシーラーが保湿対策?」と感じる人もいるはずですが、ファンデーションの厚塗りは肌トラブルを悪化させやすく、あまりおすすめできません。コンシーラーで質感を整えることにより、ファンデーションが薄塗りでも、きれいなベースが仕上がります。

3. リキッドやクッションファンデを使う

乾燥肌に適したファンデーションは、リキッドもしくはクッションです。適度な油分を含むファンデーションの方が粉吹きしにくく、しっとりとした肌に見せてくれます。

ヨレを防ぐためのポイントは、頬や額、あごといった広い部分から塗り始め、スポンジやブラシに残ったファンデーションで、目元のカバーを行うことです。最後の仕上げに何もついていないスポンジで軽く押さえ、余計なファンデーションを取り除きます。

4. アイシャドウベースを使う

ベースメイクを仕上げた後は、アイラインやアイシャドウを乗せますよね。これらの刺激も乾燥を悪化させる原因ですから、美容成分配合のアイシャドウベースを使いましょう。リピジュア・コラーゲン・ヒアルロン酸などを配合した商品は、目の下の乾燥が気になる人におすすめです。

5. スティック美容液で保湿する

目の下の乾燥をメイクの上から処置するためには、スティック美容液を活用します。ファンデーションや皮脂を軽く拭き取り、スティック美容液を重ねてください。美容液の上からパウダーを重ねると、メイク仕立ての質感がよみがえります。

スティック美容液ではなく、メイクの上から使用できるアイクリームでも、同様のケアは可能です。質感や保湿成分を比較し、肌の状態に合うものを活用しましょう。

目の下の保湿改善対策3個[日常生活]

目の下の乾燥を改善するためには、ライフスタイルの見直しが大切です。食事や睡眠、疲れ目対策など、日常生活のポイントを確認しましょう。

1. 乾燥肌改善を助ける栄養素を摂取する

乾燥肌改善を助けてくれる栄養素には以下のようなものがあります。栄養バランスのよい食事をベースに美肌食材を取り入れ、健康な肌への生まれ変わりを促進しましょう。

タンパク質肌や筋肉、髪の毛の原料。肉や魚、乳製品に含まれる動物性タンパク質と大豆製品に含まれる植物性タンパク質をバランスよく摂取しましょう。
ビタミンB群ビタミンB2やビタミンB6は、タンパク質の分解や合成を助けてくれます。女性ホルモンのバランスを整える働きも期待される大切な栄養素です。
ビタミンA代謝を促し、バリア機能形成を助けてくれます。緑黄色野菜に多く含まれるため、副菜や汁物での摂取がおすすめです。
ビタミンCストレス・紫外線・色素沈着・身体の酸化対策に有効な栄養素です。熱に弱い性質があることから、生の野菜や果物からの摂取をおすすめします。
ビタミンE若返りのビタミンともいわれる栄養素です。血行不良によるクマ、目の下の乾燥が気になる人は意識的に摂取しましょう。
ミネラル肌や粘膜の健康維持に必要な栄養素。ビタミンの働きを助ける栄養素にもあたるため、意識的に摂取しましょう。
オメガ3脂肪酸良質な脂質を適量摂取することが、乾燥しにくく、健康的な肌を作る近道です。アマニ油、エゴマ油などから摂取できます。

2. ぬるめのお風呂でリラックスする

長過ぎる入浴は、乾燥を悪化させるおそれがあります。40℃以下のお湯に20分から30分程度つかり、全身の血流をよくすることで、ダメージ修復を促しましょう。身体の芯から温まることで副交感神経優位となり、安眠を促す働きも期待されます。

お風呂の中でスマホやテレビを見てしまうと、副交感神経への切り替わりがうまくいかず、心身が休まりません。「浴室は疲れを癒すための場所」と考え、ゆったりと過ごすことを優先しましょう。

3. 睡眠の質を高める

バリア機能の修復を促すためには、質のよい睡眠が大切です。寝始めの3時間に質のよい睡眠をとることで、成長ホルモン分泌が促され、健康な肌への生まれ変わりを助けてくれます。

睡眠の質を高めるためには、以下のような対策がおすすめです。

・夕方以降はカフェインの入った飲み物を控える
・決まった時間に起床し、就寝する
・読書やテレビ鑑賞は寝室以外の場所で行い、眠くなってからベッドに入る
・明るさや部屋の温度など、眠りやすい環境を整える
・午後15時以降は昼寝を控える
・深夜の夜食やアルコールを控える


まとめ

目の下が乾燥する原因と今すぐにでも実践できる対策を紹介しました。目の下にハリが出ると、顔全体を明るく、若々しい印象に見せてくれます。すぐに変化が見られなくても諦めず、継続的に対策しましょう。