監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

美白ケアをしているのに、シミが薄くならないという経験をしたことはありませんか?シミは4種類に分類され、それぞれに原因やケアの方法が異なることをご存知でしょうか。

美白ケアに効果が見られない場合、そのシミに効果のないケアをしている可能性があります。

この記事は、シミの種類・見分け方と、それぞれのシミができる原因に関する情報を、わかりやすく整理しています。美白ケアの方法を間違うと、逆にシミを濃くしてしまう危険性もあります。狙ったシミに効果があるケア方法を見つけるためにも、シミの見分け方をマスターしましょう。

シミとは?

シミとは皮膚にメラニンが蓄積した結果、その部分だけ元々の肌色よりも濃くなって見える部位のことをいいます。メラニン色素は肌の細胞の一つである、メラノサイトにより作られます。メラノサイトは表皮の一番奥にある基底層に存在しています。

メラニンは日焼けやシミの原因になるため多くの女性から嫌われていますが、メラニンは紫外線などのダメージから体を守るために、なくてはならないものなのです。

通常はメラニンが作られても、肌のターンオーバーによりメラニンを含んだ古い角質細胞が順に剥がれ落ち、また元の色の肌に戻ります。しかしメラノサイトを刺激する原因、例えば紫外線やかぶれなどの炎症が続いていると、メラニンはつくられ続けます。

肌のコンディションも悪くなり、ターンオーバーが乱れがちになり、メラニンがどんどん蓄積されて頑固なシミが形成されます。頑固なシミにならないうちに、適切にケアすると比較的早くシミを消すことができますが、放置していたシミはなかなか消すことができなくなるので要注意です。

シミの種類4つと見分け方

シミには大きく4つに分けることができます。それぞれに特徴があり、自分で簡単に見分けることができるシミもあれば、判断が難しく専門医の診断が必要なシミもあります。シミの種類を見分けることの必要性は、シミの種類によってシミのセルフケアや治療の方法が変わるからです。

以下に4つのシミの種類と見分け方について詳しく説明します。

①肝斑

肝斑は30~40歳代の女性によく見られるシミです。多くは両頬あたりに左右対称に現れますが、シミの大きさ・形などは左右全く同じとは限りませんし、位置も少し違うこともあります。また、口の周りや額あたりに見られるケースもあります。

肝斑ができる原因は日焼けでできるシミとは違い、紫外線だけでなく女性ホルモンのバランスが関与することがわかっています。妊娠すると急に現れだすシミの一つとして、肝斑が考えられます。肝斑は2種類の女性ホルモンのうち、プロゲステロン(黄体ホルモン)が深く関わっていると考えられています。黄体ホルモンは妊娠を継続するために重要な働きをするホルモンであり、妊娠時に肝斑がよくできるのは、黄体ホルモンの分泌が増えるためと考えられています。反対に更年期に入ると女性ホルモンが減少するため、肝斑は薄くなってくると言われています。

肝斑ができる場所の多くは、頬骨に沿って広がったシミです。シミの境界がはっきりせず、ほんやりと広がったシミが左右対称に存在します。形は蝶々のような形をしていたり、筆でシュッと書いたような形をしていたり様々です。また、頬骨だけではなく、ひどい場合には顔全体に広がることもあります。

②老人性色素斑(日光黒子)

老人性色素斑はシミの輪郭がはっきりとして、表面が平らなシミです。中年以降で頻発しますが、20代で発症することもあります。老人性色素斑の発症原因は主に紫外線であることから、紫外線を浴びた場所に現れます。シミの大きさは小さなものは数㎜、大きいものだと5㎝くらいにもなります。老人性色素斑は紫外線に長期間さらされる顔に多く現れ、60代になるとかなりの確率で発症すると言われています。

老人性色素斑は後に脂漏性角化症へ移行することがあります。脂漏性角化症は、老人性色素斑の表面が次第に隆起したもので、良性腫瘍の一つです。老人性色素斑や脂漏性角化症は、悪性腫瘍である悪性黒色腫(メラノーマ)との判別が困難な場合があるので、正確な判別は専門医を受診しましょう。

老人性色素斑が出来る場所は顔に限らず、紫外線をよく浴びている場所、例えば手の甲や腕などにもできます。

③雀卵斑(そばかす)

そばかすは雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれ、主に顔でよく見られる米粒大の小さな茶色の斑点のことをいいます。スズメの卵の殻の模様に似ていることから、雀卵斑という名がつけられています。そばかすは遺伝的な要因が強く、家族にもそばかすがある人がいます。そばかすは幼児期からみられ、思春期に濃くなり、その後個人差はありますが徐々に目立たなくなっていきます。

そばかすのほとんどは遺伝によると言われていますが、紫外線の強い時期にはそばかすが濃くなるので、紫外線対策は必要です。そばかすができる場所は、顔だけではなく肩から腕や手、背中などにもできます。

④炎症後色素沈着

炎症後色素沈着とは、皮膚が炎症を起こした後に起きる色素沈着のことを言います。炎症後にシミができる理由は、炎症が引き金となりメラノサイトが刺激され、メラニンを生成するからです。炎症後色素沈着ができるのは、蚊などの虫に刺された場所やニキビなど皮膚が炎症を起こした場所です。

その他、継続的な摩擦や炎症などでも炎症後色素沈着が起こります。たとえばナイロンタオルやボディブラシなどで肌を強くこする習慣がある場合や、アトピー性皮膚炎などです。炎症後色素沈着を改善するためには、まず炎症を鎮めなくてはなりません。炎症がある間は、メラニン色素が作り続けられるからです。

シミと間違えやすい後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)について

一般的なシミと異なる点はメラニンが存在する場所です。一般的なシミはメラニンが表皮内に存在しているのに対して、後天性真皮メラノサイトーシスはメラニンが真皮に存在します。つまり一般的なシミよりも、メラニンが皮膚の深いところに存在しています。通常は左右対称に現れるので、対称性真皮メラノサイトーシスと呼ばれることもあります。

左右対称に現れる点で肝斑とよく似ていますが、後天性真皮メラノサイトーシスは医学的にはシミではなく「あざ」に分類されています。発生する場所(表皮と真皮)が違うこともあり、肝斑とは治療法が異なります。また肝斑との判別も容易ではないため、専門医に診断してもらってからケアするのが賢明です。後天性真皮メラノサイトーシスは、真皮層にメラニンが沈着しているため、他のシミに比べて改善に時間がかかると考えられています。

シミ4種類の特徴をまとめた比較表

4つのシミの種類とそれらがどのようなものかがわかったところで、情報を整理してそれぞれのシミの特徴を比較してみましょう。

シミの種類特徴
肝斑・左右対称に現れる。
・30-40代の女性に多い。
・ADMとの判別が困難なこともある。
老人性色素斑・明瞭な輪郭。
・シミの直径は数ミリから5㎝程。
・過去に紫外線をよく浴びた部分によくできる。
そばかす・幼児期からシミがあり、思春期に濃くなる。
・米粒大のシミ。
・顔だけではなく肩、腕、手など紫外線に当たる部位にもある。
炎症後色素沈着・日焼け後や傷の跡にできるシミ。

シミを見分ける必要がある理由

シミには4種類あることを説明しましたが、なぜシミの種類を見分けなくてはならないのでしょう。それはシミの種類によって、シミのセルフケアや治療の方法が違うからです。シミによってはセルフケアでは改善しないものもあります。

自分のシミが4種類のシミの中のどれに該当するかを見分けることで、シミの効果的なケアを選ぶことができます。シミをひとくくりに考えてケアしても、全く効果が出なかったら残念ですよね。手間をかけてケアするのだから、誰もが効果的な方法を選びたいと思うでしょう。シミを見分けることが正しいケアの第一歩なのです。

もう一つ大事なことがあります。それは顔にできるシミは1種類だけではなく、同じ場所に違う種類のシミが混在している場合があるということです。シミの種類によってケアまたは治療の仕方が変わると述べましたが、この場合はシミを悪化させないために、専門医の判断が必要になる場合があることを覚えておくと良いと思います。

シミ対策で大切なこと3つ

シミ対策の方法はいろいろありますが、実践するまえに知っておかなくてはならない大切なことが3つあります。シミのケアを効果的に行うためにも、次の3つのことをきちんと理解しておきましょう。

①消したいシミの種類が何であるか把握してからケアする

シミのケア方法はシミの種類によって異なるので、気になるシミの種類を把握しておくことが肝心です。ここを抑えておかなければ、無駄にお金を使いその結果効果もないという残念な結果になる可能性大です。シミの種類によってはセルフケアが有効なシミもあれば、病院での治療が必要なシミもあります。

ケアを始める前に、ぜひ気になるシミが4つのシミのどれにあたるかを調べましょう。専門医の判断が必要なシミもあるので、必要に応じて皮膚科へ行き、相談されると良いでしょう。

②紫外線防止は必須

シミの種類の中には紫外線が原因でできるものと、そうでないものがあります。紫外線が原因でできるシミはもちろん、そうではないシミでも紫外線対策は必須です。肝斑やそばかすは紫外線が原因でできるシミではありませんが、紫外線を浴びることによりシミが濃くなることがわかっています。

また、紫外線防止剤SPF値が高いものであっても、一度塗ると終日紫外線を防げるものではありません。特に汗を欠く季節には、2-3時間に一度は塗り直しが必要です。

③食事や休息・睡眠にも気を使おう

抗酸化作用のある食品はメラニン生成を阻害する作用があるため、新たなシミができるのを抑えます。化粧品やサプリメントだけに頼ろうとせず、食品からも美白に効果的な栄養素を積極的に取り入れましょう。

さらにシミの中には肝斑のように、ストレスやホルモンバランスの乱れによってもできる場合があるので、適度な気分転換や休息、睡眠を取るようにしましょう。

まとめ

シミは4種類に分類されること、シミの原因はシミの種類により異なることが、この記事を読んで理解いただけたと思います。まずは消したいシミがどんなシミなのかを理解することから始めましょう。それが本当の美白ケアの第一歩です。

習慣が原因になっている場合には、その習慣を改めることも必要になるでしょう。正しい紫外線対策も必要です。これらの基本をしっかり作り、本気のシミ対策に取り組みましょう!