監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

顔のテカリがとにかくひどい… 流行りのメイクをしても、昼にはドロドロ。皮脂の分泌過剰とは無縁のように感じる20代後半以上の女性からも、よく聞かれる悩みです。

顔のテカリの原因と皮脂の分泌を抑える方法を知り、コンプレックスを解消しましょう。

女性の顔のテカリの原因

顔のテカリの直接的な原因は、過剰な皮脂です。何らかの要因によって、皮脂腺の活動量が増加し、フライパンに油を塗ったように、テカテカと見えてしまいます。

では、皮脂腺の活動量が増えて、過剰な皮脂が分泌される原因はどこにあるのでしょうか。主な原因として、季節要因・ホルモンバランス・乾燥が考えられます。

1. 季節要因

まず、季節性のトラブルです。春から夏にかけて気温が上がり、代謝が活発となるにつれて、皮脂分泌が増加します。

湿度の高い夏場は、細菌の繁殖を起こしやすく、ニキビの増加・かぶれ・かゆみも気になる時期です。過剰に分泌された皮脂を放置するとトラブルにつながるリスクが高いことから、肌表面を清潔に維持するための対策が求められます。

2. ホルモンバランス

30代や40代の女性であれば、ホルモンバランスの影響を考えてみましょう。
女性ホルモンの分泌量が減少すると、男性ホルモンの影響を受けやすい肌質に傾きます。男性ホルモンには、皮脂分泌を活発にする働きがあることから、テカリやベタつきを感じるのです。

若い女性でも、ストレスや頑張り過ぎによって、ホルモンバランスが不安定となれば、同様の現象が懸念されます。生理前は顔がテカる・大人ニキビが増加するといった症状も、理屈としては同じです。

3. 肌の乾燥

過剰なスキンケアや紫外線ダメージの蓄積、加齢により、うるおい不足になったときにも、皮脂腺の活動量は増加します。乾燥を感じた肌が「皮脂膜を厚くして、自分自身を守らなければ」と頑張りすぎてしまうためです。テカリの見られる部位の内側では乾燥トラブルが進行し、インナードライに傾くことも多くあります。

さて、いかがでしょうか。1つだけが原因というわけではなく、複数要素が関係し、テカリが悪化するケースもあります。ここから紹介する正しい対処法を活用し、肌の状態を改善しましょう。

顔のテカリの防止対策5個[スキンケア]

まず、スキンケアによる対策です。洗顔やクレンジング、基礎化粧品の選び方により、皮脂量をコントロールすることができます。

1. 洗顔料を見直す

洗浄力の高い洗顔料を使用し、肌の乾燥が悪化すれば、皮脂量も増加します。肌に負担をかけにくいマイルドな商品に切り替え、過剰なお手入れを控えましょう。

季節要因やホルモンバランス、乾燥により皮脂量が増加した人には、脂性肌用洗顔料は不向きです。昔ながらの固形石鹸も肌への刺激が比較的強く、トラブルの目立つときには控えましょう。

2. メイクの濃さに応じたクレンジングの使い分け

メイクの濃さに合わせたクレンジングを正しく使うことにより、肌の負担を軽減できます。一般的には、メイクを落とす力の強い方から「クレンジングシート・オイル・リキッド・ジェル・クリーム・ミルク」の順番です。

メイクを落とす力が強いものほど肌に負担をかけやすく、外的な要因によって、皮脂分泌が増えた肌をいじめてしまうリスクがあります。

ナチュラルメイク程度であれば、クリームやミルクタイプのクレンジングでも十分に対応できます。クレンジングオイルは濃いメイクをした日にだけ活用し、日常的なケアとの使い分けも検討しましょう。

3. 化粧水で保湿する

バリア機能の低下した肌にうるおいを与えて、修復を促すためには、保湿ケアが欠かせません。「皮脂が多い=乾燥していない」とは考えず、保湿化粧水を使いましょう。

化粧水を付ける際には、メーカー指定の量を守り、顔全体を包み込むようになじませます。手とコットンはどちらを選択してもよいのですが、ゴシゴシこする付け方は間違いです。弱った肌をいたわるように、できる限りやさしくお手入れしましょう。

また、皮脂分泌の多い部分に炎症を起こしているときには、コットンが刺激となるリスクがあります。摩擦刺激を与えないように、手を使ったスキンケアがおすすめです。

4. 美容液でバリア機能を修復する

美容液には、化粧水よりも積極的にケア成分を送り込む役割があります。化粧水がしっかりなじんだことを確認したうえ、顔全体に重ねてください。

「皮脂コントロール美容液」「皮脂抑制美容液」などと銘打つ商品の中には、純粋な脂性肌を想定し、作られたものが多くあります。エイジングケア成分や保湿成分に注目し、バリア機能修復を助ける美容液を選択しましょう。

5. 乳液やクリームで蓋をする

化粧水と美容液をつけた後には、乳液もしくはクリームで蓋をします。皮脂量が多いといっても、洗顔直後は無防備な状態となりますよね。皮脂が分泌されるまで待つ間に乾燥トラブルが進行するリスクもあるため、乳液やクリームが不可欠です。

例外として、皮膚科の医師から乳液やクリームを使わないように指導された場合には、そのとおりにケアします。「油分をある程度は乗せないと肌の調子が整わない」と感じるようなら、通院時に相談しましょう。

顔のテカリの防止対策5個[メイク]

今すぐにテカリを何とかしたい人は、ベースメイクを工夫しましょう。5つのポイントを守ることで、テカらない・崩れない理想的なツヤ肌に見せてくれます。

1. 皮脂抑制成分配合スキンケアでベースを作る

洗顔後の下準備には、皮脂抑制成分配合のスキンケアをおすすめします。皮脂抑制成分とは、余計な皮脂を取り除くわけではなく、分泌されないようにする成分です。

具体的には、ライスパワー® No.6が皮脂抑制成分に該当します。皮膚科医の監修のもとで行った3ヶ月の連用試験では「皮脂分泌を抑止しすぎて乾燥トラブルが生じることはなかった」ことが示されました。

そのほかのアプローチとして、冷蔵庫で冷やした化粧水を活用する方法や氷で冷やす方法が紹介されることもありますが、根本的な皮脂抑制はできません。冷やし過ぎによって肌がダメージを受け、テカリを悪化させることもあるためご注意ください。

2. 皮脂吸着成分配合の下地をつける

ベースメイクの持ちをよくするためには、皮脂吸着成分配合下地を活用しましょう。皮脂が分泌されても下地が食い止めてくれるため、メイクの持ちがよくなります。ムラなく下地を伸ばすことで、持続力を高めることも可能です。次の手順に従い、テカりにくい肌を作りましょう。

(1)小豆粒大程度の下地を手のひらに出します。
(2)両頬・額・あご先・鼻筋の5点に乗せます。
(3)顔の内側から外側に向かい、滑らせるように伸ばしてください。
(4)目元や口元はやや薄く、ほかの部位を仕上げた後に伸ばします。

3. ファンデーションを厚塗りしない

ファンデーションを塗るときのポイントは、薄く・ムラなくつけることです。パウダーファンデーションには、大きめのブラシや専用パフを使用します。

全体を仕上げた後にきれいなブラシで顔をなで、余計な粉を落としてあげます。リキッドファンデーションを塗る際にも、厚塗りは禁物です。下地と同じ5点置きし、Tゾーンに塗る量はごく少量に留めます。

4. フェイスパウダーを仕上げに使う

ベースメイクの仕上げには、フェイスパウダーを活用しましょう。付属のパフに適量のパウダーをのせ、手の甲で余計な粉を落としてから、顔全体につけてください。

パウダーをつける際に叩き込むように塗る方法は、肌に負担がかかります。せっかく仕上げたベースメイクが崩れてしまうリスクもあるため、あくまでやさしく、壊れ物を扱うように付けてください。

5. フィニッシングミストを使う

フィニッシングミストとは、汗や皮脂によるメイクのヨレを防ぐため、最後に使うスプレーです。フィックスミストという名称で、販売するメーカーも見られます。

使用するタイミングは、アイシャドウやリップ、チークなど、すべてのメイクを終えたときです。軽く目を閉じ、顔全体にかけるだけで、メイクと肌との密着を高めてくれます。

顔のテカリの防止対策5個[食べ物]

食生活と肌トラブルは、非常に深い関係があります。テカリ防止に役立つ栄養素を意識的に摂取することにより、皮脂量のコントロールが可能です。ここでは、意識的に摂りたい栄養素5つと取り入れ方を紹介します。

1. ビタミンB2

脂質や炭水化物の代謝を助け、皮脂の過剰分泌を防いでくれるビタミンです。タンパク質の代謝を促し、肌の修復に活用できる状態へと変える働きを担うことから、バリア機能正常化にも役立ちます。

ビタミンB2を含む食べ物の代表例は、緑黄色野菜やレバーです。卵や乳製品もビタミンB2を含みますが、食べ過ぎには注意しましょう。

2. ビタミンC

「美肌といえば」というイメージの強いビタミンC。強い抗酸化力が水分と油分のバランスの整った健康肌への生まれ変わりを助けてくれます。

ビタミンC豊富な食材例は、グァバや焼き海苔、パプリカなどです。イチゴやレモンは、手頃な値段で購入でき、美肌のために続けやすい食材でしょう。

厚生労働省の推奨するビタミンC摂取量・1日あたり100mgは、イチゴ5個でクリアできます。ただし、果物にも糖分が含まれるため、過剰摂取は禁物です。甘いお菓子を食べる代わりに適量のイチゴを食べる、などの取り入れ方をおすすめします。

3. 大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、女性ホルモンエストロゲンと似た働きを担い、ホルモンバランスが原因のトラブル解決を助けてくれます。生理周期や加齢による皮脂分泌過剰に悩む女性にとって、心強い栄養素といえるでしょう。

大豆イソフラボンの含まれる食べ物には、豆腐・納豆・きな粉などがあります。脂質の摂取量をコントロールするため、ソイミートを活用する方法も一手です。市販のソイミートには、大豆特有の香りを和らげ、「肉らしさ」を高めた商品が多くあります。そぼろやハンバーグなど、定番おかずの肉代わりに活用しましょう。

4. ビタミンA(βカロテン)

緑黄色野菜に多く含まれるビタミンA(βカロテン)は、肌の再生を促す脂溶性ビタミンです。肌のハリ・ツヤ対策にもおすすめできる栄養素ですから、意識的に摂取しましょう。

厚生労働省の定める「健康日本21」では、野菜の目標摂取量を1日あたり350gとしています。このうち120gは緑黄色野菜から摂取することが目標です。

平日の自炊が難しい人は、葉野菜のおひたし、根菜のきんぴらといった副菜を週末に作っておき、すぐに食べられる状態でストックしましょう。

5. 食物繊維

お通じをよくし、脂質や糖分のデトックスを助けてくれます。不溶性・水溶性によって働きが異なることから、食物繊維豊富な食べ物を組み合わせて食べましょう。

トレンドのおからパウダーは、食物繊維豊富なお助け食材に該当します。ご飯におからパウダーを混ぜるだけで、食物繊維の摂取量がアップ。食べ過ぎを予防し、テカリの原因となる糖分を無理なく制限することができます。

水溶性食物繊維は、海草類からの摂取が手軽です。おからパウダーと同じくトレンドの寒天も、水溶性食物繊維豊富な食材に含まれます。サラダ用寒天を副菜に使用したり、トマトジュースと粉寒天で手作りおやつを作ったりと、食べ方のバリエーションは豊富です。お気に入りレシピを探し、日々の習慣として継続しましょう。

顔のテカリの防止対策5個[生活習慣]

「肌の調子が整わない」と感じたタイミングこそ、生活習慣を見直すよい機会です。テカリを防止するためには、次のことに気をつけましょう。

1. 睡眠の質を高める

過剰な皮脂分泌を防ぐためには、睡眠の質が問われます。眠りに入ってすぐのノンレム睡眠の間に成長ホルモンを分泌させ、トラブル修復を促すことが大切です。睡眠の質を高めるためには、次のような工夫ができます。

・寝る前の喫煙や飲酒を控える
・ブルーライトを発する機器を寝室に持ち込まない
・ぬるめのお湯にゆったり浸かり、副交感神経のスイッチを入れる
・眠気を感じてからベッドに入る

22時から2時の間に寝ることより、ぐっすりと眠ることが大切です。ストレスや生活リズム、服薬中の薬による不眠を感じる人は、専門の医療機関に相談しましょう。

2. ストレスを溜めない

人間関係や仕事のストレスが貯まったとき、肌荒れや顔のテカリがひどくなり、困った経験はありませんか。脳がストレスを感知すると、ホルモン分泌量をコントロールしにくくなります。ホルモンバランスの乱れが脂性肌につながることは、上で見たとおりです。趣味や散歩、小旅行など、日常生活から離れ、リラックスする時間を大事にしましょう。

3. 適度な運動で代謝を促す

適度な運動も、テカり防止に役立ちます。肌代謝を促すことで、バリア機能正常化を助け、皮脂量をコントロールしやすい状態となるためです。

運動が苦手な女性は、ウォーキングやサイクリング、ヨガなど、楽しみながら行える活動を始めてみましょう。地域のサークル活動やスクールに参加し、誰かと一緒に活動することも、モチベーションの継続に役立ちます。

4. あぶらとり紙の使用を控える

あぶらとり紙の頻繁な使用は、活発化した皮脂腺に「もっと頑張って」と激を飛ばすようなもの。過剰な使用は控えて、適度な回数に留めましょう。

できることなら、あぶらとり紙より負担の軽い方法によるお直しが理想です。やわらかいティッシュで軽く押さえ、ミスト化粧水をつけた上から、パウダーを重ねましょう。

5. お酒とタバコをほどほどにする

お酒の飲み過ぎから肝臓がオーバーワークになってしまうと、血中の毒素排出が間に合わず、肌トラブルを悪化させるリスクがあります。甘いカクテルにはたくさんの糖質が含まれることも、皮脂の過剰分泌を招く要因の1つ。完璧に禁酒、とはいかなくても、適量に留めましょう。

タバコの煙に含まれる粒子は毛穴を塞ぎ、肌荒れの原因となります。ニコチンやタールはターンオーバー周期の乱れにつながり、バリア機能を損なうことも懸念点です。

長年の習慣を急に変えることは大変ですが、きれいな肌を維持するためには、禁煙をおすすめします。市販のニコチンガムやパッチを活用する・禁煙外来を受診するなど、無理なくタバコを辞めるための対策を考えてみましょう。

午後になると顔がテカるときの防止対策

午後になると顔がテカる原因として、保湿不足と誤ったベースメイクが考えられます。朝の洗顔後に十分な保湿を行い、ていねいにベースを作ることにより、テカリ防止が可能です。

メイク手順を守って対策したにも関わらずテカリがひどい場合には、肌質と使用商品のミスマッチが疑われます。下地やファンデーション、パウダーをあらためて見直しましょう。

また、汗をかいたらハンカチで拭くことでも、顔のテカリを予防できます。エタノールやメントールの含まれる汗拭きシートは避け、ハンカチを使用しましょう。たくさん汗をかいた後は、保湿ケアも必要です。メイクの上から使用できる保湿スティックを持ち歩き、お直し前に活用しましょう。

夏の顔のテカリの防止対策

夏のテカリ防止には、紫外線対策が不可欠です。日焼け止めの使用はもちろんのこと、日傘や帽子を活用し、肌の負担を軽減します。

毛穴が開きやすい人は、引き締めケアを行うことも大切です。保湿成分×毛穴引き締め成分の含まれた化粧水・美容液を活用することにより、皮脂量を制御できます。

毛穴引き締めに役立つ成分は、ビタミンCです。ビタミンCコスメ単体では乾燥を悪化させるリスクがあるため、保湿ケアと一緒に使いましょう。

まとめ

顔のテカリの原因や防止対策を紹介しました。夏本番を迎える前にできる限りの対策を行うことにより、コンプレックスの解消も可能です。努力の方向性を間違えて、時間もお金も無駄にしては、悲しい気持ちになってしまいます。正しい対処法を今一度見直し、日々の生活でできることから対策しましょう。