
きれいな肌を維持するためには、クレンジングと洗顔が欠かせません。重要性は知っていても「どちらかを省略できないか?」「洗顔だけ(クレンジングだけ)でも大丈夫なのでは?」と考える人は多いものです。
クレンジングと洗顔の違いやお手入れの目的、正しい方法を知り、美肌づくりに活用してください。
目次
クレンジングの意味と役割とは?
クレンジングは、洗顔料では対応できないメイクや皮脂を落とすために使用します。「油汚れには油」というように、クレンジングに含まれる油性成分が皮脂やメイクを溶かし、巻き込むように落としてくれる仕組みです。
放置したメイク汚れは、過酸化脂質に変化して、シワやたるみ、乾燥といった肌トラブルを招きます。肌の基礎力が衰えてしまうと、なかなか元には戻りません。
健やかできれいな肌を維持するためには、毎日欠かさずにクレンジングを行い、ダメージを与えない習慣が大切です。
洗顔の意味と役割とは?
次に、洗顔の役割を紹介します。洗顔の役割は、古くなった角質やほこり、汗といった油性汚れ以外を落とし、トラブルを防ぐことです。
汗や皮脂、空気中のほこりは、就寝中にも付着します。そのままメイクを行うと崩れやすく、大人ニキビや毛穴の開きの原因にもなりがちです。
乾燥がひどいときには、ぬるま湯だけで洗顔する方法もありますが応用的な手法といえます。原則的には、朝・夜2回の洗顔を行うものと考えましょう。
クレンジングと洗顔の違い
クレンジングと洗顔には、お手入れのタイミングや落とす対象、省略可否に関する違いがあります。相違点をまとめたものが次の表です。
クレンジング | 洗顔 | |
---|---|---|
種類 | オイル・ジェル・クリームミルク・拭き取り式など | 洗顔フォーム・固形石鹸など |
タイミング | 原則的には夜だけ行う | 原則的には朝・夜2回行う |
落とす対象 | メイク・皮脂汚れ | ほこり・汗・古い角質 |
省略可否 | 日焼け止めを含めたメイクを行わない日は省略可能。 | 原則的には省略不可。乾燥や炎症がひどいときだけ、洗顔料を使わない方法も検討される。 |
最近では、ダブル洗顔不要のクレンジング、メイクも落ちる洗顔料など、2つの働きを掛け合わせた商品も増えています。使用する目的や肌の状態、メイクの濃さに応じて、適したものを選択しましょう。
クレンジングと洗顔の順番と時間
汚れをきちんと落とすためには、クレンジング⇒洗顔という順番を守ってください。
メイク汚れの上から洗顔を行うと、汚れ残りを起こしやすく、ケアの意味をなしません。マスカラの繊維質や化粧品の成分が表面を傷つけ、炎症を起こすリスクもあります。肌トラブルを防ぐためにも、正しい順番でお手入れしましょう。
クレンジングにかける時間は、1分以内が目安です。クレンジングオイルを使ってマッサージしたりゆっくり時間をかけて洗ったりする方法は、間違いケアに該当します。クレンジングの洗い流しを几帳面に行わなくとも、洗顔の際に落ちるため、大きな問題にはなりません。肌に負担をかけないように、手早く行うことの方が大切です。
洗顔にかける時間も、1分以内を目安としましょう。洗浄成分と肌の接する時間が長いほど、肌への負担は大きくなります。ただし、洗顔のすすぎで、汚れ残りが生じることは危険です。すすぎ残しがないことを鏡でチェックし、まっさらな状態にしたうえで、保湿ケアを行います。
クレンジングの正しいやり方
クレンジングの正しいやり方は、使用する種類によって異なります。オイルタイプのクレンジングは、次の手順で使いましょう。
1. 手を洗う
ハンドソープで手を洗い、適量のオイルを出します。使用量が少なすぎると、摩擦刺激を与えやすく、肌にとってのストレスです。商品指定の量を使い、肌トラブルを防ぎましょう。
2. 適量をなじませる
Tゾーン・頬・目元・口元の順番で、オイルを顔になじませます。クルクルと円を描きながら、ソフトな力で行ってください。
3. 乳化させる
手に残ったクレンジングに少しずつ水を足し、白く濁った状態にしたうえで、顔全体へとなじませます。乳化が不十分な状態のまま洗い流すと、スベスベした質感になりません。汚れ落ちを悪くする原因にもなるため、忘れずに行いましょう。
4. ぬるま湯で洗い流す
ぬるま湯を使い、クレンジングを落とします。お湯の温度が熱すぎると必要な皮脂まで流してしまうため、35℃程度が適温です。温度計を使用する必要はありませんが、体温よりやや低い温度に調整しましょう。
オイルタイプ以外のクレンジングのやり方
オイルタイプのほかには、クリームタイプ・ジェルタイプ・ミルクタイプがあります。各タイプを使用するメイク落としは、次のように進めてください。
◎クリームクレンジング
洗い流す商品は、オイルタイプと同じように使います。
拭き取る商品は、メイクとよくなじませた後にティッシュペーパーを1枚乗せ、軽く押さえるようにして、大方の汚れを落としましょう。その後、2つ折りにしたティッシュペーパーを使用し、小鼻や目元、口元など、細かい部分を拭きます。
◎クレンジングジェル
クレンジングジェルは、手で軽く温め、転相させてから使用します。
転相とは、ジェル内の油分を表面に出し、メイクとのなじみをよくすることです。油分が表面に出た状態のジェルをメイクとなじませ、ぬるま湯ですすいでください。オイルフリーのジェルを使用する場合には、転相を省略できます。
◎クレンジングミルク
ミルクタイプの使い方は、オイルタイプ・クリームタイプと同じです。
水分が多く、伸びがよい種類にあたることから、ベタつきが苦手な人には適しています。クリームと比較してクッション性は低いため、やさしい力で使用しましょう。
洗顔の正しいやり方
次に、洗顔の正しいやり方を紹介します。洗顔石鹸・洗顔フォームのどちらを使う場合でも、基本の手順は変わりません。肌に負担をかけにくく、汚れをしっかり落としてくれる洗顔手順をおさらいしましょう。
1. 洗顔料を泡立てる
洗顔料を泡立てることにより、肌への負担を軽減できます。泡立てネットを使用して、濃密な泡を作ってください。泡タイプの洗顔料を使用すれば、この行程を省略できます。
2. 顔を洗う
クレンジングと同じように、皮脂量の多いTゾーンから泡を乗せ、頬と目元、口元へと進めます。目元や口元の乾燥が気になるときには、泡を乗せるだけでも構いません。顎周りや髪の生え際など洗い残しの出やすい部分も忘れずに、汚れをきちんと落とします。
3. ぬるま湯ですすぐ
20〜30回を目安として、顔全体をすすぎます。すすぎに使うお湯の温度は、クレンジング同様の35℃です。顔のベタつきが気になるときにはやや高め・乾燥が気になるときにはややぬるめと、温度を変える方法もあります。
洗顔後の肌は、無防備な状態です。タオルで水分を吸収させた後は保湿を行い、乾燥を予防しましょう。
クレンジングと洗顔が一緒にできるダブル洗顔不要商品の仕組み
「ダブル洗顔不要」をうたうクレンジングを使用することにより、油性汚れとそのほかの汚れを1つで落とすことができます。
一般的なクレンジングとの大きな違いは、界面活性剤の配合量です。界面活性剤には、物質の境界線に働きかけ、本当ならば混じることができないもの同士をつなぎ合わせる働きがあります。
よって、界面活性剤の配合量が多いクレンジングは、皮脂やメイク、ほこり、古くなった角質などをまとめて落とすことができるのです。
ダブル洗顔不要商品のメリット・デメリットは、次のように考えられます。
メリット | デメリット |
---|---|
・洗顔回数が多いことから生じるかさつきを予防できる ・スキンケア時間を短縮でき、多忙な女性も継続しやすい ・クレンジングと洗顔を購入するより経済的 | ・オイルタイプのダブル洗顔不要商品はベタつきを感じやすい ・メイク汚れを落とす力が不足する商品も見られる ・界面活性剤の種類によっては、肌荒れを招くリスクがある |
一般的なクレンジングにも、界面活性剤を使用した商品は多くあります。メイクを落とす力の弱い商品も見られる・肌荒れを招くリスクがあるといった特徴も、ダブル洗顔不要商品特有の事象とはいえません。
「ダブル洗顔不要の方がよい(もしくは悪い)」と言い切れる問題ではなく、相性が大切です。どのようなケア商品にも、メリット・デメリットがあることを理解し、自分に合うクレンジングや洗顔料を使用しましょう。
ダブル洗顔不要商品は不安…大丈夫?
ダブル洗顔不要商品に関する不安は、大きく2つ考えられます。
まず「界面活性剤により、肌荒れを起こすことはないのか?」といった不安です。
界面活性剤とひと口にいっても、いろいろな種類があります。刺激を与えにくい界面活性剤を使用した商品であれば、比較的安心でしょう。拭き取り式ではなく、洗い流すタイプのクレンジングを選択することによっても、肌荒れリスクを軽減できます。商品指定の使用量を守る・やさしくなじませるといった正しい使い方を守ることも大切です。
また、上でも軽く触れたとおり、一般的なクレンジングにも肌荒れリスクは伴います。クレンジングや洗顔料、基礎化粧品を使用し、赤みや炎症を起こした経験のある人は、パッチテストを行いましょう。さらに、界面活性剤ではなく、ミネラルオイルやエタノール、香料や着色料が刺激となり、肌荒れを起こすこともあります。肌に合わない成分を把握し、不使用商品を選ぶことが大切です。
次に「本当にメイクが落ちるのか?」といった不安です。
この不安に関しては、メイクの濃さに合うクレンジングを使うことで解決できます。オイルタイプのクレンジングは洗浄力が強く、濃いメイクも落とすことが可能です。
ただし、ダブル洗顔不要商品のオイルタイプに対して、べたつく・乾燥するといった印象を持つ人もいます。クリームタイプやミルクタイプは、洗浄力と乾燥しにくさのバランスがよく、オイルタイプが苦手な人におすすめです。
まとめ
クレンジングと洗顔の違いや正しいケア方法、商品選びのポイントを紹介しました。どれほど高価な化粧水や美容液を使用しても、肌の汚れの上につけては、よい変化が生まれません。
毎日行うことだからこそ、自己流のケア方法に陥りやすく、エイジングサインや肌荒れを招くリスクがあります。今日の夜からでも、正しいクレンジングと洗顔を行い、美しくツヤのある肌を目指しましょう。