監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

毛穴から飛び出て気になる角栓。触ってみると意外に硬く、ザラザラした感触を感じたことがある方もいるでしょう。

角栓ができてしまうと簡単に取ることができず、また何度も再発してしまうという悩みは多くの人にとって共通です。

角栓が硬い理由が分かれば、少ない負担で角栓を取り除くことができるでしょう。今回は硬い角栓ができる理由とおすすめの取り方を紹介します。

角栓とは?

角栓とは毛穴の中で角質と皮脂が固まってできたものです。角栓の形成には肌のターンオーバーが関わっています。

ターンオーバーとは、皮膚の奥で生まれた肌細胞が徐々に表面に上がってきて、表面上の古い肌が剥がれる一連の流れのことを指します。

表面近くまで上がってきた細胞を角質細胞と呼びます。人の肌は角質細胞の層に覆われており、肌を外部ダメージから守り、うるおいが外に逃げていかないように保持する役割を果たしています。

このターンオーバーは肌の表面だけでなく、毛穴の内部でも起こっています。毛穴の内部で剥がれた角栓は、正常なターンオーバーが行われていれば自然と外に排出されるはずです。しかし、ターンオーバーの周期が乱れていたり、肌のコンディションが悪かったりすると毛穴の中に溜まってしまうのです。

毛穴に残った不要な角質に、分泌された皮脂が絡みついて固くなったものが角栓と呼ばれています。

角栓が硬い理由

では、角質と皮脂でできている角栓がなぜ硬く取りづらいのでしょうか。それは剥がれた角質からは水分が失われているためです。

角栓を構成している角質細胞は、核を持っていない死んでいる細胞です。細胞そのもののしなやかさはありません。角質層が厚くなると肌がゴワゴワしてくるように、肌に長く張り付いていると、角質は固くなってしまいます。

角栓になってしまった角質も同様に硬くなります。そのうえ皮脂がくっついて毛穴の中でギュッと圧迫されるため、徐々に硬さを増していくのです。

さらに角栓は付着している周囲の肌に炎症を起こして硬くさせることがあります。これが触って硬さを感じる原因でしょう。角栓そのものや毛穴周辺の肌の変化によって、硬さが増します。

角栓が簡単に取れないのはなぜ?

角栓はタンパク質と皮脂が混ざっているわけではなく、タンパク質の層と皮脂の層が重なってできています。

皮脂とタンパク質を一気に吸着して洗い流すことは難しく、タンパク質の層が取れたら皮脂の層が残り、皮脂の層を取ってもタンパク質の層が残るため、なかなか洗い流すことができません。

またもう一つの理由に角栓が毛穴にとって必要だからという見方もあります。実は角栓には毛穴を外部刺激から守る役割もあるのです。

大気中に存在する目に見えないほど小さな汚れやメイクが毛穴に入り込んでしまうと、炎症を起こしニキビなどの肌トラブルに繋がる可能性があります。そうならないように肌が自分を守る機能として角栓を作るのです。

簡単に取れてしまうと役目を果たせないため、毛穴にしっかり密着して取れにくくなっていると考えられます。

角栓の原因4個

角栓ができやすくなる原因として以下の4つが考えられます。

(1)ターンオーバーの乱れ
(2)皮脂の過剰分泌
(3)乾燥
(4)間違ったスキンケア

原因によって必要なスキンケアは異なります。自分の肌質を照らし合わせながら、まずは、なぜ角質ができやすいのかを探ってみましょう。

1. ターンオーバーの乱れ

先述の通り、角栓の形成にはターンオーバーの乱れが大きく関わっています。ターンオーバーが乱れていると不要な角質が自然に排出されにくくなるためです。

ターンオーバーの周期はおよそ28日といわれています。これより遅すぎても、早すぎても角栓の原因になると考えられます。

ターンオーバーの周期が遅くなると、角質がうまく剥がれ落ちずに角質層が厚くなります。すると毛穴の出口も狭まるため、中で剥がれた角質がうまく外に出られません。

また周期が早すぎると、角質が成熟しないまま剥がれてしまいます。一番表面の角質はきちんと成熟してから剥がれることで、新しい肌細胞とスムーズに入れ替わることができます。

しかしターンオーバーが早すぎると、うまく肌から離れることができません。中途半端に剥がれた角質が芯となって皮脂が絡まり、角栓の原因になるということも考えられます。

2. 皮脂の過剰分泌

皮脂の過剰分泌も角栓の大きな原因と考えられています。皮脂は毛穴の奥から分泌されており、あまり多く分泌されていると、毛穴から出ることができず中で固まってしまいます。

また皮脂が過剰な状態だと毛穴周りの細胞が変化して固くなることがあります。皮脂が肌に乗った状態で紫外線などの外部ダメージを受けて、肌に炎症を起こしているパターンです。炎症と言っても見た目はほとんど変わらず、痛みなどもありません。しかし繊細な毛穴周りの皮膚細胞が硬くなり、毛穴の中の分泌物を排出しにくくなります。

皮脂そのものは肌のバリア機能のために大切な役割を持っているのですが、過剰に分泌されて肌のモイスチュアバランスが崩れ、角栓などの肌トラブルを引き起こします。

3. 乾燥

オイリー肌にできやすいと思われがちな角栓ですが、実は乾燥も角栓を生み出す原因です。

乾燥した肌は角質層をなめらかな状態に保てなくなります。角質細胞と細胞間脂質によって作られている角質層ですが、乾燥が進んでいる肌は細胞間脂質が不足したり角質細胞がキレイに並べなくなったりして肌のコンディションが悪くなります。

このような状態だと角質がうまく剥がれることができません。キレイに角質細胞が剥がれる肌を保つためには、しっかりと内側からうるおいを保つことが重要なのです。

4. 間違ったスキンケア

過剰なスキンケアやスキンケア不足によって繊細な毛穴のコンディションはすぐに崩れてしまいます。

角栓が気になる場合、どうしても強く洗顔をしたり、角栓を一気に取り除くケアをしてしまったりすることもあるでしょう。しかし過剰なケアは角栓には逆効果です。角栓を取り除き、再発しないようにするにはターンオーバーを整える必要があります。無理な力を加えると自然なターンオーバーの周期を維持することができません。

逆にメイクの落とし忘れや保湿不足などのスキンケア不足もターンオーバーを乱れの原因です。角栓が特に鼻に目立つ理由は、皮脂が分泌しやすいという理由の他に、こまかい凸凹のためにスキンケアが行き届いていないという可能性も考えられます。

どちらの場合でも角栓が何度もできてしまうという方はスキンケアを一度見直すといいでしょう。

角栓の取り方

角栓を取るおすすめの方法は、毛穴を温めて緩めたあと、角栓を浮かすように洗い流す方法です。3STEPにわけて解説します。

STEP1:毛穴をゆるめる

毛穴をゆるめる簡単な方法は3つあります。

(1)ホットタオルで温める
(2)スチーマーを使う
(3)入浴する

ホットタオルはお湯で濡らしてもいいですし、水で濡らしたタオルをレンジで温めるのもおすすめです。スチーマーは専用の機械が必要になりますが、卓上や鏡の前などライフスタイルに合わせて気軽に行うことができます。

STEP2:角栓を浮かせる

毛穴をゆるめたら次に角栓を浮かせます。おすすめのアイテムはオイルクレンジングとクレイパックです。使いやすさやテクスチャーの好みによって使い分けてみてください。

どちらも角栓が特に気になるところに優しく塗って、汚れを浮かせます。このときゴシゴシ擦って毛穴を傷つけないように注意しましょう。

STEP3:保湿をする

角栓が取れた後の毛穴は無防備にな状態なので、必ず保湿をしましょう。化粧水などのうるおいを補給し、水分を保持するために乳液やクリームでしっかり蓋をします。

皮脂の分泌が多すぎる肌質の場合、乳液やクリームは薄付きで構いません。ベタベタしない程度にさっと塗ることで、肌のコンディションを保つことができます。

角栓の改善対策4個[スキンケア]

角栓を取り除いた後は、再度角栓ができないように日々のスキンケアが大切になります。角栓ができやすい肌質を改善するスキンケア方法を紹介しましょう。

1. 保湿

乾燥や皮脂の過剰分泌は肌の水分と皮脂のバランスが崩れることで起こります。肌のモイスチュアバランスを保つためには、日々の保湿が重要です。

お風呂あがりや洗顔後は必ず保湿をしましょう。濡れた肌は水分の蒸発とともにうるおいが失われやすくなっています。できるだけすぐに化粧水や導入美容液を使いましょう。

また化粧水とクリームは基本的にセットで使います。化粧水はうるおいを与え、クリームはうるおいを肌になじませて保持するという異なる働きがあるためです。

クリーム類はベタベタすると感じる方は一度に塗る量が多すぎるかもしれません。肌質とのバランスを見ながら量を調整してみましょう。パーツごとに必要な量も違うかも知れません。

2. 正しい洗顔

角栓ができやすいときに一番に見直してほしいのが洗顔です。正しい洗顔を行っていれば、不要な角質が自然に剥がれ、ターンオーバーを整えられます。

洗顔のポイントは3つです。
(1)たっぷりの泡で行う
(2)30秒から1分で洗う
(3)ぬるま湯で洗い流す

肌へのダメージを減らし、汚れをしっかり取るにはきめ細かいたっぷりの泡が必要です。泡立てネットなどを使って、ふんわりとした泡立てましょう。

洗顔料をあまり長く顔につけておくのはおすすめできません。顔全体の泡を転がすように手早く1分以内で洗うのが理想です。

最後のすすぎはしっかり行いましょう。洗顔料や汚れを残さないためです。熱すぎるお湯は乾燥しやすくなるため、体温と同じ水温を目安にぬるま湯ですすぎます。

3. 適度な角質ケア

適切なターンオーバーの周期を保つために角質ケアがおすすめです。角質がたまりすぎると角栓だけではなく、ごわつきやくすみの原因にもなります。このようなトラブルを感じるときは角質ケアが必要だというサインかもしれません。

拭き取り化粧水やフェイススクラブを使って、優しく角質ケアを行いましょう。角質を剥ぎ取るために、つい力が入ってしまうかも知れませんが過剰な力は必要ありません。あくまでソフトに行うようにしてください。

ただし過剰な角質ケアは、逆にターンオーバーを早めてしまう可能性があります。商品に書かれている使用頻度を守り、また肌の状態をしっかり観察しながら行うようにしましょう。

4. 紫外線対策

年々強くなる紫外線は美肌の大敵です。肌に大きなダメージを与えて老化を早め、角栓などの肌トラブルを起こしやすくします。

日中、外に出るときは、日焼け止めを欠かさず塗るようにしましょう。紫外線防止効果があるアイテムを複数使うと、より効果を高めることができます。さらに日傘や帽子を使うことで、しっかり紫外線から肌を守ることができるでしょう。

日焼け止めなどの習慣が徹底できている方は、プラスでビタミンCを朝のスキンケアに取り入れることをおすすめします。外出前にビタミンCを予め塗っておくことで、受けた紫外線のダメージを抑えられるためです。

角栓の改善対策3個[生活習慣]

角栓になりやすい肌を改善するためには、スキンケアだけではなく元の肌からキレイにするために生活習慣を整えることも大切です。睡眠・食・ストレスの3つのポイントに分けて解説します。

1. 睡眠をしっかりとる

睡眠時間は肌がダメージを回復するためにとても大切な時間です。日中のダメージを修復し、元のなめらかさを取り戻します。夜、十分な睡眠時間を取れていないという方は、それだけ肌のダメージを蓄積しているかもしれません。

肌のコンディションを保つために、夜6時間から8時間の睡眠時間を確保するようにしましょう。

2. バランスの良い食生活を心がける

食生活は肌のコンディションに直結すると言っても過言ではありません。肌の美しさを保つために不可欠なビタミン類はもちろん、不要なものをデトックスする食物繊維などの栄養素も毎日取ることが大切です。また脂質や糖質に偏りすぎた食事は皮脂の過剰分泌につながります。

肌は内臓の鏡ともよばれており、不調はすぐに肌に出てしまいます。スキンケアを見直した後は、食生活も振り返ってみましょう。

3. ストレスを溜め込まない

過剰なストレスは皮脂の分泌を多くし、肌にも悪影響があることが分かっています。毎日の生活でストレスはつきものですが、うまく発散する方法をもっておきたいものです。

人と話すことや、創作をすること、運動してデトックスするなど発散の方法は様々です。心の状態も日々整えることで、肌の美しさを保ちましょう。

まとめ

角栓の原因や改善方法を紹介しました。いつの間にかできてしまう角栓ですがアプローチする方法は、いくつもあります。スキンケアを正しく行い、生活習慣を整えていけば自然と気にならなくなってくるでしょう。

今は気になる状態でも、角栓も肌に必要だからこそできているのです。根気強くスキンケアをして、肌を美しく磨き上げましょう。