監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

現代女性の肌悩みに多い「毛穴」。毛穴の悩みにはいくつか種類がありますが、年齢や肌状態、生活習慣によっても様々な原因があります。

この記事では毛穴が開いてしまっている「開き毛穴」についてその原因とおすすめのケア方法についてお伝えします。

角栓毛穴がポッカリ開いたまま…

大人の女性の肌悩みに最も多いとも言える「毛穴の悩み」。「毛穴がなんとなく詰まっている感じがする」、「ニキビやベタつきが気になることが増えた」など、毛穴の悩みから来る肌トラブルは少なくないと思います。

その影響から、詰まってしまった角栓による毛穴汚れを除去するシートパックや、スクラブを使用する女性は多いのではないでしょうか。

しかし、「せっかくシートパックやスクラブをしても開いた毛穴が元に戻らない」という状態になってしまうこともあります。この記事では、ケアをしても開いてしまった毛穴が戻らないという肌状態について詳しくお伝えします。

毛穴が開いた状態とは?

毛穴が開いた状態には大きく分けて2種類あります。

まず1つ目が、毛穴が丸くポッカリと開いてしまった「すり鉢毛穴」と呼ばれるものです。鼻や頬に目立ちやすく、皮脂分泌が比較的多い人や、気温が高い夏に気になる人が多いと言われています。そして、毛穴が開いたままの状態が長く続くことで「つまり毛穴」による毛穴の黒ずみや毛穴汚れによる肌のざらつきというお悩みにつながることもあります。

そして2つ目は、加齢などによる「たるみ毛穴」です。40代以上のお悩みに多く、毛穴が縦に伸びたように開いている状態を指します。頬の内側に感じやすい状態です。肌全体は乾燥していたり、テカリは感じていない方で毛穴の開きが気になり始めた方は「たるみ毛穴」の可能性があります。

このように、毛穴のお悩みにはいくつか種類があり、そのお悩みによって原因や最適なスキンケア方法が異なりますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

毛穴が開いたままになる原因4個

1. 皮脂分泌が多い時に見られる「すり鉢毛穴」

毛穴が丸くポッカリとすり鉢のように開いてしまっている肌状態を「すり鉢毛穴」と呼びます。このような肌状態に分類される方は、様々な原因から肌の上の皮脂分泌量が増えてしまっている傾向にあります。そしてその増えた皮脂には、オレイン酸などの「不飽和脂肪酸」が多く含まれています。

不飽和脂肪酸は魚や植物の脂に多く含まれるため、体のために積極的に摂取した方が良いと言われています。しかし一方で、肌の上に不飽和脂肪酸が多く存在してしまうと、かえって肌を炎症状態にしてしまいます。

肌が炎症状態になると肌のバリア機能が弱くなり、ターンオーバーが乱れてしまいます。すると結果的に肌のキメも乱れてしまい、毛穴がポッカリとすり鉢のように開いてしまうのです。

2. 加齢や紫外線ダメージによる「たるみ毛穴」

毛穴が縦に伸びてしまう肌状態を「たるみ毛穴」と呼びます。その原因は第一に「紫外線」です。

皮脂分泌が増え、その多い皮脂が毛穴に詰まることによる「角栓毛穴」に対し、「たるみ毛穴」は皮膚が弛むことによって起こります。そして、皮膚が弛む原因は加齢と紫外線による肌へのダメージです。

肌は表皮、真皮、皮下組織という3層から成り立っており、紫外線は3層の中で一番面積の多い真皮にダメージを与えます。その真皮は肌の潤いを保つコラーゲンや、肌の弾力を保つエラスチンによって構成されています。紫外線はそのコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、そのダメージが蓄積されると肌の「乾燥」と「たるみ」を引き起こしてしまいます。

3. 生活習慣やスキンケア不足による「肌の乾燥」

私たちの肌は表皮、真皮、皮下組織という3層から成り立っており、肌の一番上層である表皮は、角質層、顆粒層、有棘層、基底層という4層から成り立っています。

肌の一番外側である表皮の中のさらに一番外側の「角質層」が私たちの肌を保湿、保護し、細菌などの異物侵入を防ぐ役割があります。

しかし、日頃の生活習慣や睡眠不足、ストレスなどが原因で肌のバリア機能が乱れてしまうと、肌の乾燥に繋がります。肌が十分に保湿されていないと、肌を外部刺激から守るために皮脂をどんどん作り出します。よって、肌の乾燥はさらなる皮脂分泌によって肌のテカリを引き起こし、毛穴の開きにも繋がってしまいます。

4. 季節を問わず降り注ぐ「紫外線」

「たるみ毛穴」の原因に大きく関係する紫外線ですが、年齢を重ねていない若い方にも紫外線は季節を問わず毛穴が開く原因になります。

冬の紫外線も肌には十分ダメージを与え、肌が炎症状態になるリスクがあります。肌が炎症状態になるとターンオーバーが乱れ、毛穴の開きに繋がります。日焼け止めを季節問わずに塗布することは将来の「たるみ毛穴」の予防になりますので、メイク下地とは別に日焼け止めを塗布しましょう。

開いた毛穴の応急処置

1. メイクのお直し時はあぶらとり紙ではなく、ティッシュでケアをする

外出先で日中毛穴の開きが気になる時は、摩擦リスクの高いあぶらとり紙ではなく、清潔なティッシュで肌を軽く押さえましょう。

あぶらとり紙は肌を保護する必要な皮脂も吸収してしまい、その結果、皮脂が増える可能性もあります。余分な皮脂のみをティッシュで押さえることで肌にダメージを与えることなく、お直しをすることができます。

2. ビタミンCが含まれた化粧水またはパックを使用する

ビタミンCには皮脂分泌量を抑制してくれる働きがあります。小鼻の横やTゾーンなどの毛穴が目立ちやすい部分に使用すると、たった一晩でも効果を実感しやすいです。

皮脂分泌の抑制は日中のテカリやニキビの防止にも繋がり、毛穴の開きに付随した肌悩みの予防にも繋がります。パックをする方が効果実感は高いですが、化粧水を多めに塗布したり、毛穴の開きが特に気になる箇所をコットンパックするだけでも効果は得られます。

毛穴を閉じる方法7個

1. オイルクレンジングを使用する

メイク汚れは油汚れです。その時の肌状態によって最適なクレンジングは異なりますが、皮脂分泌が多いことによる毛穴の開きや汚れが気になる方は、オイルクレンジングがおすすめです。

洗浄力が高いのでゴシゴシと肌を擦らずにスルスルとメイクを落とすことができ、未来の肌トラブルの予防も期待できます。しっかりと保湿力をキープしながら汚れも落とせるオイルクレンジングもたくさんありますので、自身の肌に合うものを探してみてください。

2. 酵素洗顔を使用する

自宅で普段から取り入れやすい毛穴ケアとして「酵素洗顔」がおすすめです。酵素洗顔はパウダー状で販売されていますので、しっかりと泡立てネットなどで泡立ててから毛穴の開きが気になるところを中心にのせ、肌が動かない程度の優しい力加減で洗浄してみてください。

酵素が肌の上で硬くなってしまった角質を柔らかくし、余分な角質が外に排出されやすくなります。

3. 朝も洗顔料で顔を洗う

肌荒れを感じない人にも重要ですが、朝も洗顔料を使用しての洗顔をおすすめします。朝の肌は私たちの想像以上に汚れています。

夜のスキンケアによるベタつきが肌に残りすぎていたり、また、寝ている間にも私たちは汗をかきます。その汗と肌表面の皮脂が混ざることによって肌の上で雑菌が繁殖しやすい状態になり、その汚れは水だけでは落ちないと言われています。その状態で肌の上にメイクをすると肌のバリア機能を弱めてしまう一因になり得ますので、朝も洗顔料で洗浄ケアを行い、毛穴が開かないようにしましょう。

4. お風呂で湯船に浸かりながらホットタオルでさらに顔を温める

体を温めることの大切さはむくみの解消や体の循環機能を整える上で有用とされていますが、それは肌にもとっても大切なことです。外気が下がる冬場は特に、肌も硬くなり強ばりやすいとされています。

毛穴を引き締めるスキンケアの浸透率を高めるためにも、体と同時に顔やデコルテまで温めることで肌が柔らかくなり、老廃物を効率よく排出できるようになります、その結果、いつものスキンケアの浸透率も高まります。

5. ローションパックを冷やしてから使用する

ホットタオルや入浴で温めた体と肌は、肌が柔らかくなりスキンケアの浸透率も高くなります。そのような時はローションパックによって、密閉状態で保湿をしながら有効成分を肌に届けるケアがおすすめです。

さらに、そのローションパックを冷やすことで同時に肌を引き締めることができるので、保湿力のアップと毛穴の引き締め効果が期待できます。

6. 食生活を見直す

油分が多い食事や糖質の多い食事は、本来は肌の上で皮脂分泌量を調節してくれるビタミンが糖質の分解に使われてしまいます。

その影響で皮脂分泌量がコントロールされないため、日中にテカリを感じたり、毛穴に角栓が詰まってしまうのです。肌トラブルと毎日の食事は大きく関係しています。

ビタミンB群

角栓毛穴を引き起こす皮脂の分泌量を抑え、肌をコントロールしてくれます。揚げ物や糖質を分解するビタミンB群は現代人が積極的に摂取すべきビタミンの1つです。スイーツを控えていてもフルーツやお酒、お米やパスタも炭水化物であり糖質です。ぜひ意識して日常で摂取していきましょう。

<皮脂分泌を調節し、糖質を分解するビタミンB1>
玄米、豚肉、小麦胚芽、舞茸などに含まれています。

<皮脂分泌の調節に加え、ハリや弾力アップにも繋がるビタミンB2>
卵、青魚、納豆、アボカド、牛乳、レバーなどに含まれています。

7. 日頃から水分を多く摂取する

肌の乾く原因には「水分不足」も考えられます。毎日食事以外で取り入れる水分がコーヒーやジュースの方は要注意です。

カフェインや多くの糖分が含まれるジュースは肌を炎症状態に傾けやすいため、食事以外の水分摂取はできるだけ「水」にしましょう。

食事から摂取した栄養分は水に溶けた状態で体に吸収され、体内の隅々まで巡ります。そして老廃物も水に溶けた状態で排泄されるので、予想以上に体と肌の排泄には水が必要です。カフェインは体内の水分を減らしてしまうので、多量摂取には気をつけましょう。

角栓毛穴のNGスキンケア

肌を保護する皮脂まで剥がす「毛穴パック」を使う

実は本来、角栓はお肌に雑菌の侵入などを防ぎ保護してくれる必要なものです。これを一気にシートパックなどで剥がしてしまうと、肌を守る角栓が一気になくなってしまい、肌を守らなければいけないという指令が出され、肌はさらに角栓を作り出そうとしてしまいます。

無理矢理押し出したりつまみ出すことは、さらなる悪化に繋がるので、表面の気になる角栓のみをケアしましょう。

必要以上に「乳液」や「クリーム」を使う

肌状態が安定しない時は、肌が水分不足により乾燥していることがあります。皮脂分泌が多く毛穴の開きが気になる時は、肌自らの力で天然の乳液やクリームが作り出し、肌の上では水分より油分が多い状態になります。

そのような時は乳液やクリームなどの油分による保湿ケアではなく、化粧水による水分を与えることで「水分」と「油分」のバランスが整い、肌のバリア機能が回復しやすくなります。

角栓毛穴のNG生活習慣

メイク道具を洗わずに使用する

メイクで使用したブラシやパフを洗わずに使用することは、危険です。パフの上で皮脂汚れと肌の上の悪玉菌が混ざった状態を放置すると、黄色ブドウ球菌などの雑菌が繁殖します。

この雑菌はニキビや肌荒れの原因だけでなく、シミやシワのエイジングサインにも繋がると言われています。最低でも週に1度は洗い、清潔なメイク道具を使用しましょう。

お風呂場でシャワーを強く顔に当てる

肌の一番外側で外的刺激から保護する皮脂膜はティッシュと同じ薄さで非常に繊細です。肌が弱っていて毛穴が開いている時にシャワーを直接顔に当ててしまうと、さらに肌を傷つけてしまいます。

また、35度以上のお湯は皮脂膜を破壊し、肌に必要な皮脂まで全て流してしまいます。シャワーによる水圧と高い温度のお湯は毛穴をさらに広げる恐れがあるので、メイク落としは先に洗面所で済ませましょう。

まとめ

多くの女性が抱える「毛穴の肌悩み」についてお伝えしました。毛穴を開かせない上で一番大切な考え方は「肌のバリア機能を弱める習慣や食生活を見直し、毛穴の開きを事前に防ぐこと」です。

肌のバリア機能が弱まる原因には「乾燥」「摩擦」「紫外線」が挙げられます。全てから完璧に肌を守ることは難しいですが、季節や肌状態に応じた最適なケアを日々実施することで肌が荒れてしまっても、その肌トラブルを最小限に抑えられます。

また、将来のお肌のたるみを防ぐ1番の方法は「紫外線ケア」です。季節を問わずに日焼け止めを肌にも体にも塗布することで、将来のエイジングサインを予防できます。ぜひ参考にしてみて下さい。