監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

酵素洗顔は、毛穴の角栓・黒ずみに悩む女性の味方です。ただし、酵素洗顔の使い方や選び方を誤ると角栓・黒ずみがうまく取れず、確かな効果を実感できないケースがあります。

酵素洗顔の使い方や注意点を今一度見直して、角栓・黒ずみを解消しましょう。

酵素洗顔とは?

まず、酵素洗顔とは何かをおさらいしましょう。酵素洗顔とは、酵素の力で角栓や黒ずみを取り除く洗顔料のことを指します。酵素洗顔に含まれる酵素は、タンパク質分解酵素・皮脂分解酵素に分けることが可能です。

◯タンパク質分解酵素
タンパク質が原料の汚れを分解し、くすみや黒ずみの目立たない肌への生まれ変わりを助ける酵素。たとえば、プロテアーゼやパパイン酵素などがタンパク質分解酵素の代表格です。

◯皮脂分解酵素
毛穴に詰まった皮脂などを分解し、ざらつきや角栓の目立たない肌への生まれ変わりを助ける酵素。たとえば、リパーゼが皮脂分解酵素に該当します。

いずれの酵素も水に触れると失活する特徴を持ちますので、酵素洗顔はパウダー状の商品が目立ちます。1回分ずつが個包装になっている商品も多く、お手入れを行う前に水を足し、酵素の働きを引き出すことが一般的です。

酵素洗顔で角栓や黒ずみが取れない原因4個

「酵素洗顔しても角栓や黒ずみが取れない」という人は、使用する商品選びやお手入れ方法が誤っているかもしれません。以下では、角栓や黒ずみが取れないときに疑いたい原因4個を解説します。

1. 複数種類の酵素が配合されていない商品を使っている

角栓には過剰に分泌された皮脂・角質などが含まれますから、複数種類の酵素が配合されている商品を活用しないと、効果が出ないことがあります。また、配合されている酵素の種類と気になるトラブルがマッチしていないことも、酵素洗顔で角栓や黒ずみが取れない原因の一つ。

角栓や黒ずみなどの目立つ肌には、皮脂分解酵素の配合されている商品がおすすめです。タンパク質分解酵素のみが配合されている商品を活用しても角栓や黒ずみが取れないケースも存在しますので、配合成分にこだわって、酵素洗顔を選択しましょう。

2. 角栓が毛穴の壁にこびりついている

角栓の原料の約7割は古い角栓など、タンパク質汚れです。毛穴の壁にこびりついたタンパク質汚れは、単に酵素洗顔するだけでは落としきれないことがあります。

毛穴の壁にこびりついた角栓を取るためには、ホットタオルでパックしてから酵素洗顔する方法が選択肢です。ホットタオルによってこびりついた角栓を剥がし、取れやすい状態に変えてから酵素洗顔を行うと、トラブルを解消できるケースもあります。

3. メラニン毛穴になっている

毛穴の黒ずみの原因は、角栓のみではありません。過剰なお手入れや紫外線刺激によってメラニン色素が蓄積し、できてしまった黒ずみは、メラニン毛穴と呼ばれます。

メラニン毛穴の特徴は、ドーナッツのように中心部分が空洞になった黒ずみが見られることです。また、メラニン毛穴は、指の腹で触れてもザラザラしません。

メラニン毛穴に該当する黒ずみを解消するためには、美白ケアが必要です。そのため、酵素洗顔によってターンオーバーを促進する対策のみでは、解消できないことがあります。

4. 黒ずみの原因が産毛である

角栓や黒ずみの原料には、顔の産毛も含まれます。ターンオーバー周期に沿って抜け落ちた産毛が毛穴に詰まり、角栓と混ざり合うことで、黒ずみができるのです。

産毛が原因の黒ずみは、酵素洗顔のみでは取れません。エステサロンやクリニックで産毛の脱毛を受けることにより、黒ずみの解消を目指してください。

酵素洗顔の正しい使い方

【1】洗顔前に手を洗い、ぬるま湯で顔全体を予洗いする
【2】一回分の酵素洗顔を手の平に出し、ぬるま湯・空気と混ぜて泡立てる
【3】角栓や黒ずみがとくに気になる部位を洗顔する
【4】Uゾーン(顎やほほ)を洗顔する
【5】目元や口元を洗顔する
【6】ぬるま湯で十分にすすぐ
【7】清潔なタオルで水分を吸収する

一回あたりのお手入れに使用する酵素洗顔の量は、商品ごとに異なります。個包装になっていない酵素洗顔を使用する場合は商品説明をよく読み、多すぎず・少なすぎない適量を使ってください。

酵素洗顔の効果を十分に引き出すためには、泡立てを正しく行うことも大切です。酵素洗顔は一般的な洗顔料と比較して泡立ちにくい特徴を持ちますので、必要に応じて泡立てネットを活用し、十分に泡立ててください。

泡立てネットを活用する場合は、少量の水分を含ませた状態で酵素洗顔をふりかけ、揉み込むように動かします。手で泡立てる場合は手の平をお椀型にして、くるくるとホイップするように泡立てましょう。

酵素洗顔のすすぎには、体温よりやや低い温度のぬるま湯を使用します。お湯の温度が高すぎると肌のうるおいを維持するために必要な油分まで取り去り、乾燥を悪化させるリスクがありますので、ご注意ください。

酵素洗顔の頻度やタイミング

酵素洗顔を頻繁に行いすぎるとターンオーバー周期が乱れて、乾燥を悪化させる恐れがあります。

酵素洗顔の頻度は一週間に一回を目安として考えて、頻繁すぎるお手入れを避けましょう。酵素洗顔に初めて挑戦する人には二週間に一回程度から試して、様子を見る方法もおすすめです。

酵素洗顔を行うタイミングは、クレンジングを行った後です。酵素洗顔した後の肌は無防備な状態になりますから、朝のスキンケアで使用することは、避けましょう。

その他、生理前や体調が優れないときなど肌の調子が不安定になりやすいタイミングも、酵素洗顔には不向きです。自分自身の肌の調子を適切に把握し、敏感気味に傾いているときには、酵素洗顔の使用を避けてください。

酵素洗顔を使う時の注意点3個

酵素洗顔の使い方を誤るとかえって肌に負担をかけて、トラブルを招くリスクがあります。酵素洗顔を使用する際に最低限意識してほしい注意点は、以下3個です。

1. 摩擦刺激を与えないように洗顔する

酵素洗顔はただでさえ、肌に負担をかけやすいスキンケア商品です。酵素洗顔中にゴシゴシ強くこすると肌に強い刺激を与えて、トラブルを招くリスクがあります。酵素洗顔する際には優しい力で、弱った肌をいたわるようにお手入れしましょう。

また、酵素洗顔の泡立てが足りなかったり洗顔に使用する泡が少なかったりすることも、肌に負担をかけてしまう原因です。ボトルタイプの酵素洗顔を使用する場合はお手入れを始める前に適量を確認し、十分な量の泡を作ってください。

2. 肌がヒリヒリするときは無理をしない

敏感肌の人が酵素洗顔を使用すると「洗顔中にヒリヒリする」「赤くなってしまった」などのトラブルを感じるケースも存在します。

酵素洗顔の最中もしくは直後に何らかのトラブルが生じたときには無理をせず、お手入れを中止して様子を見ましょう。お手入れを中止してもトラブルが解消されない場合は、皮膚科にかかると安心です。

3. 洗顔に時間をかけすぎない

酵素洗顔にかける時間は、30秒以内が目安です。洗顔時間が長過ぎると肌に負担をかけますから、スピーディーにお手入れしましょう。

ただし、洗顔後のすすぎを急いで行うあまりに酵素洗顔を落としきることができないと、肌トラブルを招いてしまうことがあります。最低でも30回は顔をすすぐことを意識し、肌トラブルを防ぎましょう。

なお、酵素洗顔による肌への負担を和らげるためには、天然由来の酵素配合の酵素洗顔を選ぶこともおすすめです。合成酵素は汚れを落とす力が強く、角栓や黒ずみに対して強力にアプローチできる反面、肌に負担をかけやすい種類といえます。

酵素洗顔後のスキンケア4個

酵素洗顔後のスキンケアを誤ると、すべすべの肌は手に入りません。角栓や黒ずみを予防・改善するためのスキンケアのポイントを把握し、理想の肌を手に入れましょう。

1. 肌に合う基礎化粧品で保湿する

酵素洗顔後は速やかに、肌に合う化粧水・乳液もしくはクリームで保湿します。肌の乾燥による過剰な皮脂が気になる場合はセラミドなど、保湿力の高い成分の配合されている化粧水を活用するとよいでしょう。

化粧水のみで保湿を終えることは、肌の乾燥を悪化させる要因です。酵素洗顔後のトラブルを防ぐためにも乳液もしくはクリームを、忘れずに使用しましょう。

化粧水・乳液もしくはクリームで保湿する際のポイントは、以下2点です。

【1】普段よりもやや多めの量を使用する

普段と同じ化粧水、乳液もしくはクリームを使用する場合はやや多めの量を使用して、念入りな保湿を行ってください。

ただし、極端に多い量の化粧水、乳液もしくはクリームを使用することは、肌のベタつきや毛穴トラブルの再発を引き起こす原因です。肌の乾燥具合や実感している悩みを考慮し、自分自身にとっての「適量」を見極めましょう。

【2】コットンを使わず、手のひらで保湿する

角栓や毛穴の黒ずみの目立つ肌はバリア機能が低下していて、刺激に対して敏感な状態です。保湿に使用するコットンの繊維を負担に感じるリスクもありますから、手の平で優しくなじませます。

化粧水、乳液もしくはクリームの効果を引き出すためには顔になじませた後、軽く押し込むように手の平を当てる「ハンドプレス」を行うこともおすすめです。小鼻や目元など細かい部位は指の腹で軽く押さえて、化粧水、乳液もしくはクリームの浸透を促します。

2. フェイスパックやスチーマーによる集中ケアを避ける

酵素洗顔後の肌は乾燥しやすい状態になりますが、過剰なお手入れを行うことはハイリスクです。フェイスパックやスチーマーによる集中ケアは後日に回して、シンプルな保湿のみに留めてください。フェイスパックは集中的な保湿を行える反面、肌に対して摩擦刺激を与えやすい弱点を持ちます。

酵素洗顔して敏感になった肌はわずかな摩擦刺激で傷ついてしまうことがありますので、フェイスパックによる集中ケアは避けましょう。

スチーマーとは、温かい蒸気を顔に当てることで血行を促進し、健やかな肌への生まれ変わりを後押しする集中ケア用アイテムです。スチーマーによる集中ケアもフェイスパック同様、酵素洗顔して敏感になった肌に負担をかけるリスクがありますから、ご注意ください。

3. 日焼け止めを毎日塗る

酵素洗顔した翌日以降は適切な強さの日焼け止めを毎日塗り、紫外線ダメージを防ぎましょう。使用する日焼け止めの強さは、その日の活動内容に応じて選択します。

◎日焼け止めの強さの目安

SPF15〜30、PA+〜++通勤・通学など日常的な活動のみを行う日に適した強さ。
SPF30〜50、PA++〜+++ウォーキングしたり屋外スポーツを楽しんだりする日に適した強さ。
SPF50+、PA++〜++++マリンスポーツやハイキングなど、炎天下で長時間活動する日に適した強さ。

紫外線ダメージの蓄積は、肌の乾燥や皮脂の過剰分泌を招き、毛穴の詰まりを悪化させる原因です。角栓を酸化させて黒ずみを悪化させる原因にもあたりますから、酵素洗顔後はもちろん、日頃からの紫外線対策を徹底しましょう。

4. 誤った角栓、黒ずみケアをやめる

誤った角栓・黒ずみケアを続けることは、トラブルの再発を招きます。酵素洗顔後のきれいな毛穴を維持するためには、以下のようなお手入れをやめましょう。

・ゴシゴシこする洗顔やクレンジングを行う
・朝と夜の1日2回以上洗顔する
・ピンセットや毛抜きで角栓を引き抜く
・剥がすタイプの毛穴パックを頻繁に使用する
・スクラブ洗顔を毎日行う
・指で無理矢理角栓を押し出す

上記はいずれも肌に対する負担が重く、過剰な皮脂を分泌させたりバリア機能の低下を招いたりするリスクを伴うお手入れです。

角栓を無理に引き抜いたり指で押し出したりするお手入れは雑菌の繁殖を招き、大人ニキビを引き起こしてしまうリスクもあります。酵素洗顔によって作った理想的な状態を長続きさせるためにも、上記のようなお手入れは卒業しましょう。

まとめ

酵素洗顔とは、タンパク質分解酵素・皮脂分解酵素などが配合されている洗顔料のことを指します。「酵素洗顔」とひと口にいっても汚れを落とす力やお手入れに際してかかる負担は商品ごとに異なりますから、自分自身に合うものを選ぶことで、きれいな毛穴を作りましょう。

角栓や黒ずみを解消するためには酵素洗顔を正しく使用すること・アフターケアを丁寧に行うことも大切です。この記事の内容を参考に酵素洗顔を正しく使用し、理想の肌を手に入れてください。