監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

鼻の周りにポツポツ目立つ黒ニキビ。治ったと思ってもすぐにまた再発し、コンプレックスに感じる人もいるでしょう。ひどいコンプレックスを感じる人の中には「やってよいか」と不安を感じつつ、自分自身で芯出しする人もいます。

黒ニキビの芯出しは自分でやってよいかと正しい治し方を知り、トラブルを繰り返さない理想の肌を手に入れましょう。

黒ニキビとは?

そもそもニキビは、過剰に分泌された皮脂や角質、メイク汚れなどが毛穴内部に蓄積し、起こってしまうトラブルです。蓄積しているものが増えて、詰まったものが押し出されることで毛穴の入り口が開くと、空気に触れる部分ができてしまいます。

毛穴内部に蓄積したものが空気に触れて酸化し、黒く変色した状態が黒ニキビです。いわば、リンゴを切ったときに茶色く変色する現象と同じことが肌の上で起きているということ。

空気に触れる時間が長くなるほど白かったニキビが変色してきて、茶色や黒色になってしまいます。黒ニキビは炎症を伴わないニキビですから、痛みや熱感を伴いません。

そのため「ニキビができている」という自覚を持たず、毛穴の黒ずみなどと勘違いする人もいます。

黒ニキビの芯出しは自分でやっていい?

黒ニキビの芯出しを自分でやると、毛穴内部を傷つけて雑菌の繁殖を招いてしまうリスクがあります。可能であれば皮膚科・美容皮膚科を受診して、医師による芯出しを受けてください。「どうしても自分で芯出ししたい」という人は、「コメドプッシャー」と呼ばれる専用器具を用意して、正しい手順で行いましょう。

◎黒ニキビの芯出し方法
【1】コメドプッシャーを熱湯で消毒する
【2】コメドプッシャーを黒ニキビに重なるように押しあてる
【3】芯が出てきたらコメドプッシャーをあてたまま、ピンセットで抜く
【4】芯出しした後の毛穴にニキビ用の軟膏を塗る

「芯をきれいに取り除こう」と強く押すと、ニキビを悪化させる恐れがあります。一度できれいに芯出しできない場合は無理をせず、数回に分けて実践しましょう。コメドプッシャーを使用しないで指や爪で押し出すことは、雑菌の繁殖リスクを高めますから、避けてください。

黒ニキビを放置したら結果はどうなる?

黒ニキビを放置すると、毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖し、赤ニキビになってしまう恐れがあります。赤ニキビの中では炎症を引き起こす物質が大量に作られており、簡単には治りません。炎症を早めに鎮めないと、なかなか消えないニキビ跡ができてしまうケースもあります。

赤ニキビを放置した結果、毛穴内部で黄色ブドウ球菌が増殖した状態が黄ニキビです。黄ニキビは痛みやかゆみを伴うことが多く、無意識に掻きむしってしまうことで、症状が進行するケースもあります。

赤ニキビや黄ニキビをセルフケアで早急に治すことは難しく、皮膚科・美容皮膚科の受診を考えなければなりません。皮膚科・美容皮膚科では、内服薬や外用薬による治療や専門器具による芯出しを行います。

ニキビは重症化するほど治りが遅く、ニキビ跡の残るリスクも高まることが一般的です。黒ニキビのうちに正しい対処をとり、色素沈着やクレーター状の凹みを予防しましょう。

黒ニキビを自力で治す方法7個

黒ニキビをきれいに治すためには、皮膚科・美容皮膚科を受診し、専門的な治療を受けることが理想です。しかし、「仕事が忙しく、皮膚科・美容皮膚科に行く時間がない」という人もいるでしょう。そこで、以下では、黒ニキビを自力で治す方法を解説します。

1. 黒ニキビに触れない、潰さない

黒ニキビができるとつい気になり、指で触れてしまうことがあります。しかし、黒ニキビのできている部分は非常にデリケートな状態です。雑菌のついた手で触れたことが刺激になって、トラブルを悪化させるケースもあります。

黒ニキビを治すためには、「ニキビに触れない・潰さない」を守りましょう。就寝中に触れてしまう恐れがある場合は、ニキビパッチや絆創膏で保護することも一案です。黒ニキビに触れる、潰す以外には以下のような対処がNGケアにあたります。

・カバー力の高いファンデーションで隠す
・必要以上に洗顔する
・頻繁な角質ケアを行う

黒ニキビを早く治すための対策として、ピーリングや酵素洗顔料などによる角質ケアを実践することは間違いとはいえません。角質ケアを毎日行なったりゴシゴシこすってしまったりすることが問題です。

角質ケアの頻度は、週に1回〜2回程度が上限といわれます。肌の状態を見つつ適切な頻度を見極めて、過不足ない角質ケアを行ってください。

2. 毎日欠かさずメイクを落とす

メイク汚れが残ったまま就寝すると、黒ニキビを悪化させる恐れがあります。黒ニキビを早く治すためには毎日欠かさずメイクを落とし、就寝しましょう。

黒ニキビができているときのクレンジングは、極力肌をこすらずに、メイクを落とせる商品がおすすめです。

ジェルタイプのクレンジングはジェルがクッションの役割を果たしてくれて、肌に対する摩擦刺激を軽減しやすい商品にあたります。

クレンジングミルクも比較的伸びがよく、黒ニキビができているときでも使いやすい商品です。ただし、クレンジングミルクはメイクを落とす力のマイルドな商品ですから、濃いメイクをした日には、クレンジングオイルやクレンジングバームを使うことも検討しましょう。

水クレンジングやシートタイプのクレンジングは、弱った肌を刺激しやすく、黒ニキビが気になるときには不向きです。

いずれのタイプのクレンジングを選択したとしてもゴシゴシ強くこすってしまうと、黒ニキビを悪化させるリスクがあります。しっかりクレンジングすることを重視するあまり、過剰に時間をかけて、メイクを落とす場合も同様です。黒ニキビを治すためには適切なクレンジングを選択し、正しい方法でメイク落としを進めてください。

3. ニキビ肌に適した洗顔料を使用する

ぬるま湯のみの洗顔では、きれいに汚れが落ちません。適度な洗浄力を持ち、泡立ちのよい洗顔料を使用して、優しく洗顔してください。以下のような成分の含まれる洗顔料は、黒ニキビができているときにおすすめです。

◯抗菌・殺菌成分
ニキビの原因であるアクネ菌に対処するための成分。感光素201号・イソプロピルメチルフェノール・サリチル酸などが代表例です。

◯抗炎症成分
ニキビや肌荒れを抑えるための成分。グリチルリチン酸ジカリウム(2K)・アラントイン・サリチル酸などが代表例です。

なお、敏感肌の人が抗菌・殺菌成分の含まれる洗顔料を使用すると、刺激を感じるケースもあります。使用中にヒリヒリした感じを受けた場合は無理をせず、利用を中断してください。

抗菌・殺菌成分の含まれる洗顔料が苦手な人は、皮脂汚れや古い角質を除去してくれるクレイ配合の洗顔料を使うことも一案です。

酵素洗顔料も黒ニキビ解消を助けてくれる洗顔料にあたりますが、肌質によっては、刺激を感じることがあります。自分自身の肌に合う洗顔料を上手に使い、毛穴をきれいに維持してください。

4. ノンコメドジェニックテスト済みの基礎化粧品で保湿する

大人の女性の黒ニキビは、乾燥が原因で悪化することもあります。クレンジング・洗顔後は速やかに保湿し、外部刺激に対する抵抗力をつけてください。

保湿に使用する基礎化粧品は、ノンコメドジェニックテスト済みのものをおすすめします。ノンコメドジェニックテストとは、商品を繰り返し使用してもニキビの赤ちゃん(コメド)ができにくいことを証明するために実施する試験です。

商品のパッケージに「ノンコメドジェニックテスト済み」表記があれば、黒ニキビができやすい人も比較的、安心して使用できます。基礎化粧品で保湿する際のポイントは、2点です。

【1】メーカー指定の適量を使用する
基礎化粧品は商品ごとに配合成分や特徴が異なり、メーカーの指定する適量が決まっています。使用量が少なすぎることも多すぎることも肌トラブルの原因ですので、あらかじめ適量を確認し、正しく使用してください。

【2】乳液、クリームを省略しない
化粧水をつけることのみでは肌に補充した水分・保湿成分がすぐに蒸発してしまい、乾燥を悪化させる恐れがあります。黒ニキビができているときにも乳液、クリームを省略しないで、適切に保湿しましょう。

どうしても乳液、クリームに抵抗を感じる人は、軽い質感の保湿ジェルを使うことが一案です。オイルフリーの保湿ジェルはベタつきにくく、お手入れ後の不快感を軽減できます。

5. 紫外線対策を怠らない

大量の紫外線を浴びると肌のバリア機能が低下し、ターンオーバー周期が乱れて、毛穴が詰まりやすい状態になってしまいます。

また、紫外線は、活性酸素を発生させて皮脂を酸化させる要因の一つ。晴れた日はもちろん曇りや雨の日にも万全の紫外線対策を行い、黒ニキビの解消を目指しましょう。

黒ニキビができているときに適した日焼け止めは、伸びがよくて塗りやすい商品です。日焼け止めを塗る際に強くこすってしまうと摩擦刺激を与えますから、優しく肌にのばしてください。

日焼け止めを塗る以外には、以下のような対処をとることも、紫外線対策に貢献します。

・外出中は日陰を歩く
・紫外線の強い時間帯の外出を控える
・日傘をさす
・UVカット効果のある衣服をはおる
・つばの広い帽子をかぶる
・サングラスをかける

紫外線は正午前後にもっとも強くなるといわれます。買い物など時間帯をずらせる用事は10時前もしくは16時以降など、紫外線の比較的弱い時間帯に行いましょう。

6. 栄養バランスのよい食事をとる

栄養バランスのよい食事は、身体の内側からの黒ニキビ対策に貢献します。肌の原料になるタンパク質、皮脂量をコントロールしたりターンオーバー周期を安定させたりすることに貢献するビタミンB群、腸内環境を整えてくれる食物繊維などをバランスよく摂取しましょう。

◯タンパク質の多い食材
肉、魚、大豆製品など

◯ビタミンB群の多い食材
レバー、カマンベールチーズ、いわし、まぐろ、アーモンドなど

◯食物繊維の多い食材
穀類、イモ類、ごぼう、きのこ類、海草類など

また、大人の女性の黒ニキビ対策としては、肌の乾燥や色素沈着を防いでくれるビタミンA、酸化ストレスから肌を守るビタミンEを意識的に摂取する方法もおすすめです。ニキビ跡になることを防ぐためにはビタミンCを意識的に摂取しましょう。

◯ビタミンAの多い食材
レバー、うなぎ、緑黄色野菜など

◯ビタミンEの多い食材
アーモンド、アボカド、モロヘイヤ、ほうれん草など

◯ビタミンCの多い食材
アセロラ、柑橘類、キウイ、パプリカなど

さらに、黒ニキビを早く治すためには、脂質・糖質の多いメニューを控えることがおすすめです。揚げ物やスイーツは適度に留めて、過剰な皮脂の分泌を防ぎましょう。

極端に辛い食べ物、カフェインを含む飲み物も胃を刺激して、黒ニキビを悪化させるリスクがあります。スパイスたっぷりの料理はしばらく控えて、胃に優しい食事をとることが、黒ニキビの改善を助けてくれます。

7. 睡眠不足を解消する

肌トラブルの回復を助ける成長ホルモンは、睡眠中、集中的に分泌されます。

特に睡眠の始めの90分が成長ホルモンの分泌が活発になりやすいので、スマホなどは音を消して、途中で目が覚めないような工夫をしましょう。

黒ニキビを早く治すためには夜更かししないでぐっすり眠り、睡眠不足を解消しましょう。0時をまわる前の就寝を目標に、一日の生活リズムを見直しましょう。そして、毎日同じ時間にしっかり起床し、太陽の光りを浴びることで、睡眠の質が高まります。

過剰な夜更かしを避け、寝入りばなからぐっすり眠ることが、黒ニキビの改善を後押しします。黒ニキビが気になるときこそ無理をせずに自分自身をいたわり、十分な睡眠時間を確保しましょう。

まとめ

黒ニキビの芯出しを安全に行うためには、皮膚科・美容皮膚科にかかることがおすすめです。どうしても自分自身でやりたい人は専用器具を使用して、正しい手順で挑戦しましょう。

黒ニキビを繰り返さない肌を作るためには、スキンケア・生活習慣の見直しが必要です。この記事の内容を参考に正しい対処をとり、黒ニキビの根本的な解決を目指してください。