監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

シミが1個あるだけでも、見た目年齢が変わります。「まだシミができる年齢ではない」と考えている女性も油断大敵。できてしまってからのシミケアは、遠回りになりかねません。

エイジングケアを本気で考え始めた女性のため、シミ予防に役立つスキンケアやサプリメント、生活習慣のポイントを紹介します。

肌のシミとは?

肌のシミとは、メラノサイト(メラニン色素を作る細胞)がメラニン色素を過剰に産み出し、茶色い斑点ができてしまう症状です。加齢によって起こるシミは「老人性色素斑」と呼ばれるもの。紫外線を浴びて生成されたメラニン色素が排出されず、数ミリから数センチ程度の斑点が増えていきます。

3歳頃から見られるシミは、雀卵班(俗称・ソバカス)と呼ばれるものです。老人性色素斑より小さく、数ミリ以下の斑点が見られます。30代・40代の女性に見られるホルモンバランスの乱れによるシミは「肝斑」です。肝斑の場合、頬骨やこめかみあたりを中心として、左右対象の斑点が見られます。

ニキビ痕やカミソリ負けによってできるシミは「炎症後色素沈着」という分類です。年齢や性別に関わらずできるリスクがあるものの、時間の経過とともに薄くなり、自然に治るケースもあります。

シミの予防方法3個【スキンケア】

シミ予防に役立つスキンケアのポイントは、健やかな肌を維持すること・美白ケアの2点です。基本のお手入れをきちんと行ったうえで美白成分配合のスキンケアを活用し、シミやくすみを予防します。

1. 朝・晩2回の正しい洗顔

朝・晩2回の正しい洗顔を継続することにより、肌の健康状態がよくなると、ターンオーバー周期が安定します。ターンオーバー周期を整えることによってメラニン色素の排出が正しく行われるようになり、シミ予防に有効です。

肌に負担をかけにくい洗顔は、次の手順で進めます。

【1】洗顔料を泡立てる
泡立てネットを使用して、濃密な泡を作りましょう。手のひらに泡をのせ、そのまま裏返したとき、落ちない程度の濃密さが目安です。泡立てが不十分だと、摩擦刺激を与えやすく、シミの原因となるリスクがあります。泡立てネット・泡立て器など専用アイテムを活用し、モコモコの泡を作ってください。

【2】顔を洗う
Tゾーンなど皮脂分泌が多い部分を最初に洗い、ほほ・目元や口元と進めます。泡のクッションを利用して、直接肌には触れないように洗うことが大切です。

【3】ぬるま湯ですすぐ
すすぎに適したお湯の温度は、体温よりやや低い温度のぬるま湯です。純然たる脂性肌の女性だけは、もう少し温かいお湯でも構いません。すすぎ残しがあると、肌に負担をかけてしまいます。こめかみや小鼻などすすぎ残しが起こりやすい部分に注意して、洗顔料と肌の汚れを落としてください。

2. 保湿ケアでバリア機能を強化する

シミ予防を行う際にも、保湿ケアが欠かせません。十分な保湿によってバリア機能を強化することによって、紫外線刺激に対する防御力が高まり、メラニン色素の過剰な生成を防いでくれます。

保湿ケアを行う際のポイントは、化粧水・美容液・乳液もしくはクリームの3点セットを正しく活用することです。化粧水は洗顔によって失われた水分を補うもの・美容液は肌の状態を整える美容成分を与えるもの・乳液やクリームは適度な油分を与えるものと、三者三様の役割があります。自己判断による省略は避け、トラブルに負けない肌を育てましょう。

3. 美白成分配合の化粧水やクリームを使う

十分な保湿は継続しつつ、美白成分配合の化粧水やクリームを活用することにより、積極的なシミ対策を行えます。化粧水やクリームを選ぶ際には、配合された美白成分の種類に注目しましょう。以下の分類を念頭に、状態に合わせたスキンケア商品を活用することがシミ予防を助けてくれます。

メラニンの生成を抑制するものメラニン生成酵素チロシナーゼの働きを弱めることにより、メラニンの生成を抑制する成分です。

【具体例】ビタミンC誘導体・アルブチン・コウジ酸・プラセンタエキス・トラネキサム酸など。
メラニンの排出を促進するものターンオーバーを促進することにより、メラニンの排出を促してくれる成分です。

【具体例】ビタミンC誘導体・プラセンタエキス・リノール酸など。
メラニンを還元し、無色化するものメラニン色素を無色化し、濃いシミを防ぐ働きが期待される成分です。

【具体例】ビタミンC誘導体など。

シミの予防方法5個【サプリメント】

シミ予防に役立つサプリメントには、いくつかの種類があります。配合成分によって期待される働きが異なるため、使い分けが大切です。ここでは、シミ予防で検討できる代表的な配合成分5種類を紹介します。

1. ビタミンCサプリメント

美白成分のところで見たように、メラニンの生成抑制や還元作用が期待されます。ビタミンCは体内に蓄積できないことから、継続が大切です。大量に摂取しても排出されてしまううえ、悪影響が生じるリスクもあるため、用法・用量を守りましょう。

2. L−システインサプリメント

L−システインは、メラニンの生成を抑制する働きが期待される成分です。ターンオーバーを促し、生成されたメラニンの排出を促進する働きも期待されます。

なお、ビタミンCやL-システインは、メラニンの生成を抑制するものの、メラノサイトを殺してしまうわけではないことが分かっています。白斑問題から美白成分に抵抗を感じる人もご安心ください。

3. プラセンタサプリメント

プラセンタとは、動物の胎盤から抽出したエキスを原料とする成分です。美と健康維持に欠かせない五大栄養素が含まれることから、シミ予防を含めたエイジングケアサプリメントとして使われます。

プラセンタを飲むタイミングは、寝る前がおすすめです。成長ホルモンが活発に分泌されるタイミングに合わせてサプリメントを服用することにより、肌トラブルの修復を助けてくれます。

4. ヨクイニンサプリメント

ヨクイニンとは、ハトムギの種から硬い皮を取り除いて作られる生薬です。肌トラブル全般に適した漢方薬「桂枝茯苓丸料加薏苡仁」にも、ヨクイニンが含まれます。主な働きは、体内の水分バランスを整え、ターンオーバーを正常化することです。炎症を抑制し、肌の状態を整える働きから、イボやニキビ対策にも活用されます。

ほかのサプリメントとの大きな違いは、東洋医学の理論をベースとしている点です。シミ予防を行いながら肌質を改善し、大人ニキビや肌荒れの悩みを解消したい人に適した種類と考えられます。

5. アスタキサンチンサプリメント

アスタキサンチンの特徴は、ビタミンCの約6,000倍という、強い抗酸化力を持つことです。紫外線によって発生した活性酸素を抑制し、シミを防ぐ働きが期待されます。また、アスタキサンチンサプリメントは、できてしまったシミに対する対策としても有効です。

服用を続けることによって、すでにあるシミが小さくなる・新しいシミができにくくなるといった変化が期待されます。

シミの予防方法5個【食べ物・飲み物】

シミ予防に役立つ成分は、食べ物や飲み物からでも摂取できます。白くてきれいな肌を作るために食べたい食材・飲みたい飲み物をおさらいしましょう。

1. ビタミンA・C・Eを摂取する

免疫力を高めるともに肌荒れ防止に貢献するビタミンA・抗酸化力の高いビタミンC・代謝を高めてターンオーバー周期を安定させるビタミンEを、バランスよく摂取しましょう。

ビタミンA(βカロテン)を含む食材:レバー・うなぎ・鶏肉・かぼちゃ・ほうれん草など
ビタミンCを含む食材:ピーマン・キウイ・グレープフルーツ・イチゴなど
ビタミンEを含む食材:ナッツ類・アボカド・かぼちゃなど

レモンやグレープフルーツ、キウイなど、ソラレンを含む食材を食べるなら、日光が沈んだ後をおすすめします。ソラレンによって紫外線を吸収しやすい状態になり、シミを増やすリスクが伴うためです。

2. フィトケミカル食材で紫外線対策する

フィトケミカルとは、野菜や果物が紫外線や害虫からの攻撃を受けないために産み出した植物性化学物質です。たとえば、トマトに含まれるリコピン・かぼちゃや人参に含まれるβ-カロテン・ナスに含まれるアントシアニンなどが該当します。フィトケミカルの別名は「食べる日焼け止め」です。植物が持っていた紫外線防御機能を私たちが引き継ぎ、シミ予防に活用できます。

フィトケミカル食材を無理なく毎日摂取するためには、朝のトマトジュースがおすすめです。昼や晩に飲むよりもリコピン吸収率が高く、準備の手間もかかりません。リコピンは加熱によって吸収率が高まる特徴もあるため、温めたトマトジュースをスープ代わりに飲む方法もおすすめです。オリーブオイルと塩コショウで味付けするだけで、シミ予防スープがすぐにできます。

3. 間食はナッツもしくはハイカカオのチョコレート

糖質の過剰摂取を続けていると、肌の糖化リスクが高まります。どうしても間食したいときには、ナッツもしくはハイカカオのチョコレートを選択しましょう。ナッツには、ビタミンやミネラルが含まれます。市販のお菓子のように大量の白砂糖を含む心配もなく、おすすめの食材です。

カカオ含有量の高いチョコレートには、カカオポリフェノールが入っています。カカオポリフェノールは、紫外線による炎症予防やシミ対策に役立つ成分。血流を促し、代謝を高める働きも期待されます。

4. 飲み物からポリフェノールを摂取する

緑茶やコーヒーからもポリフェノールを摂取できます。嗜好品というイメージが強いコーヒーですが「1日2杯以上飲む人は飲まない人と比較し、シミを抑制できた 」といった研究結果があるほど、シミ予防に役立つ飲み物。ポリフェノールの持続時間は4時間程度とされることから、こまめな摂取がおすすめです。

緑茶に含まれるポリフェノールはカテキンです。抗酸化作用によってメラニンの生成を抑えるだけでなく、脂質や糖質に作用し、吸収を抑制できます。緑茶を飲んだ後の出涸らしには、代謝を高める成分「クロロフィル」が入っていることから、捨ててしまってはもったいない。少量の醤油をたらしておひたしにしたり乾煎りしてふりかけにしたりすることで、ターンオーバーの正常化を助けてくれます。

5. 米麹の甘酒で腸内環境を正常化する

米麹の甘酒には、ビタミンB群・アミノ酸など美肌作りを助けてくれる成分が含まれます。

米麹の甘酒=コウジ酸をイメージする人も多いのですが、スキンケアを使ったときのお話です。「甘酒を飲むことによって、メラニン生成を抑制できる」というわけではありません。

米麹の甘酒特有のメリットとして、オリゴ糖を含むことがあげられます。オリゴ糖は、善玉菌のエサになり、腸内環境正常化を助けてくれる成分です。腸内環境がよいと、活性酸素に対する抵抗力を持つ腸内細菌が元気に働き、シミ予防に役立ちます。

シミの予防方法5個【化粧品】

化粧品によるシミ予防のポイントは、紫外線対策を行うこと・美白成分配合コスメを使うことです。すべてを使うというよりは、5個の中から自分に合うものを選び、お手入れに役立てましょう。

1. 日焼け止めを毎日塗る

老人性色素斑はもちろんのこと、肝斑や炎症後色素沈着も紫外線刺激によって悪化します。年間通して日焼け止めを活用し、最小限の影響に留めましょう。ただし、SPF値が高いものほどよいわけではありません。SPF30以上の日焼け止めは、肌に負担が大きくなります。日常使いには、ミルク・ジェルタイプのマイルドな日焼け止めを選択し、肌の負担を軽減しましょう。

2. UV下地を活用する

UV下地を使うことでも、紫外線刺激を阻止できます。日焼け止めの上にUV下地をつける人もいますが、塗りムラの原因です。SPF30の日焼け止めとUV下地を併用したからといって「合計60の働きをしてくれる」とはならないため、あまり意味がありません。

自宅にいるときや日常的な買い物程度の外出にはUV下地を単独使い・本格的な外出には下地にもなる日焼け止めを活用するなど、シーンに合わせた使い分けをおすすめします。

3. UVカットリップで唇の日焼けを防ぐ

皮脂腺がなく乾燥しやすい唇は、紫外線の影響を受けやすいパーツです。UVカットリップを毎日使い、紫外線刺激から守ってあげます。顔用の日焼け止めは刺激が強く、唇には不向きです。特別な指定がなければ、唇を避けて使ってください。

4. 美白成分配合のパウダーを活用する

日焼け止め・UV下地と併用し、シミ予防対策を万全にしたいときには、美白成分配合のパウダーを活用しましょう。メイクの仕上げに使うことで、ヨレを防止し、サラサラした質感を長続きさせる働きも期待されます。皮脂が気になる夏場には、パウダーを下地代わりにする使い方も可能です。汗や皮脂を吸収し、ファンデーションのヨレを防いでくれます。

5. 睡眠中にはナイトパウダーを活用する

ナイトパウダーとは、洗顔・スキンケアをした後に使う夜専用のパウダーです。美白成分配合のナイトパウダーを活用することにより、睡眠中のベタつきストレスを予防し、シミ対策も行えます。美白成分だけでなくニキビ対策成分の入った商品を選択すれば、肌荒れしがちな女性も安心です。

シミの予防方法3個【生活習慣】

最後に、シミ予防のために継続したい生活習慣を紹介します。スキンケアやサプリメントの働きを助けるためにも、以下の習慣を継続しましょう。

1. 規則正しい生活を送る

目覚めてから14時間から16時間経過すると、メラトニンが分泌されます。メラトニンとは、活動状態と休息状態を切り替えて、眠気を促すホルモンです。メラトニンがたくさん分泌されるほど、睡眠中の成長ホルモンも出やすくなります。成長ホルモンは、紫外線などによるダメージを受けた肌を修復し、健康な状態に戻すために働いてくれるホルモンです。

シミ予防はもちろんのこと、肌のツヤ・ハリを維持するためには、規則正しい生活を送ることによってメラトニンの分泌量を増やし、成長ホルモンの出やすい環境を作りましょう。

2. ストレスを溜め込まない

疲れやストレスが溜まったとき、シミやくすみの目立つ肌を見て、愕然とした経験はありませんか。疲労やストレスは、シミの原因となる活性酸素を増加させます。血流が低下してターンオーバー周期が乱れることも、シミやくすみの原因です。

仕事や家事はほどほどにして、ストレス発散する機会を作り、心身をいたわることが健康な肌を維持するコツです。

3. UV加工のサングラスやコンタクトレンズを着用する

紫外線によって角膜が炎症を起こすと、視床下部へと情報が運ばれ、全身のメラノサイトに影響するといわれています。UVカット加工がなされたサングラスやコンタクトレンズを着用し、目からの日焼けを予防しましょう。

サングラスやコンタクトレンズを選ぶ際には、紫外線透過率・紫外線カット率が参考になります。

紫外線透過率:
レンズをかけても通してしまう紫外線量を示しています。「1%未満」の記載であれば、99%以上の紫外線をカットできるということです。

紫外線カット率:
レンズによってカットできる紫外線量を示しています。「99%」の記載であれば、1%の紫外線しか透過しないということです。

まとめ

スキンケアやサプリメント、生活習慣に関するシミ予防方法を紹介しました。「白い肌は七難隠す」といわれるように、シミの目立たないきれいな肌を維持することが女性としての魅力や自信につながります。できることからコツコツと、美と健康を維持するライフスタイルを始めましょう。