監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

鼻や頬に埋まったブツブツした黒い角栓。ニキビのような痛みや赤みはないけれど、黒い塊が埋まっていると気になるものです。

角栓が自然にとれるまで待つこともできますが、自分でキレイに除去できれば嬉しいですよね。ここでは、固い黒い角栓の原因や取り方、スキンケア予防法を解説しています。

黒い角栓の正体は?

主に顔のTゾーンなどに現れる「黒い角栓」の正体とは、皮脂や老化角質などが混ざり合ってできた角栓が黒く見える状態のことです。

角栓ができて毛穴を塞ぐと、皮脂が上手に排出されずに毛穴内にたまってしまいます。この状態を放置すると、皮脂が酸化して黒ずみ、ニキビの原因になることがあるのです。

Tゾーンなどの鼻周りによく見られるのが酸化による黒い角栓。黒色のポツポツがイチゴの種に似ていることから、一般には鼻にできる黒ずみ毛穴をイチゴ鼻と呼びます。メイクでも完全には隠しにくいのが黒い角栓の特徴です。

他にも、刺激や紫外線などの影響で、メラニンが沈着して黒ずんで見えるものもあります。角栓によって詰まった毛穴をそのまま放っておくと、皮脂が酸化して黒い角栓へと変化するのです。黒い角栓は徐々に固くなっていくため、通常のケアで取り除きにくくなります。

角栓が固い理由

ではなぜ、角栓は固くなって取れにくくなるのでしょうか。毛穴の中には皮脂腺が存在しており、この中に皮脂腺細胞が皮脂を分泌してため込みます。

皮脂腺内の皮脂がパンパンになると、細胞が破裂してしまうのです。毛穴の出口付近では、細胞の破裂物質を含んだ皮脂が古い角質などの汚れと混ざり、固くなって毛穴を詰まらせます。この状態をさらに放置すると、どんどん大きくなって固い角栓へと進行してしまうのです。

角栓が固くなるとザラザラした手触りになり、毛穴が白く盛り上がって見えます。もともと皮脂は毛穴に詰まりやすい性質なので、テカリやべたつきを放置すると固い角栓ができやすくなるのです。固くなった角栓は毛穴に膜を張ってフタをした状態なので、一見かさぶたのように見えます。

角栓ができる原因5個

次に、角栓ができる原因を詳しく見ていきましょう。

1. 皮脂や古い角質汚れ

角栓の主な原因として挙げられるのが皮脂や古い角質などの汚れです。毛穴内でも角層の代謝が行われおり、皮脂や古い角質などが混ざると白い角栓ができます。

そのまま放置すれば、どんどん角栓が大きくなって毛穴の出口を広げてしまうのです。さらに空気や紫外線にあたることで、黒ずみ毛穴になることもあります。

角栓ができると毛穴内に皮脂が蓄積することで毛穴が盛り上がってくるのです。これが面皰(コメド)と呼ばれるもので、面皰内でアクネ菌が繁殖するとニキビができやすくなります。

2. 乾燥

皮脂の多い脂性肌や混合肌だけでなく、乾燥肌でも皮脂の過剰分泌は起こります。肌が乾燥すると、潤いを補うために皮脂が通常より多く分泌するのです。

また、乾燥から肌を守ろうと角質が厚くなることで、毛穴が詰まりやすくなります。乾燥によって肌のキメが乱れると、白い角栓がポツポツと目立つようになるのです。

季節や環境、間違ったお手入れなどが原因で乾燥肌に傾くと、ターンオーバーサイクルが早まります。角質層は十分に育たないまま肌表面にでてくるため、肌はまた乾燥してしまうのです。

3. ターンオーバーの乱れ

加齢や紫外線などの影響を受けると、肌の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れやすくなります。健康的な肌は28日周期でターンオーバーを繰り返しています。

表皮の基底層で新しい細胞が作られ、約14日間をかけて角層に移動します。さらに約14日間で垢となって肌の外へ排出される仕組みです。

しかし、加齢や紫外線などによってターンオーバーが乱れると、乾燥や肌荒れが起こりやすくなります。

30代後半になってTゾーンや頬の角栓が気になり始めた方も多いのではないでしょうか。加齢とともに肌のターンオーバーが遅くなるため、古い角質が毛穴にたまりやすくなります。

4. メイク習慣

毛穴の開きや黒ずみは、ファンデーションやコンシーラーで隠したくなるものですよね。以下には、多くありがちなメイク習慣をまとめています。

・毛穴に化粧下地を塗りこむ
・コンシーラーの厚塗り
・長時間のメイク

コンシーラーやファンデーションの厚塗りは、クレンジングの際にキレイに落とせていればいいですが、クレンジングが不十分で毛穴を詰まらせることもあります。

5. 間違ったスキンケア

意外に多いのが間違ったスキンケアによる毛穴詰まりです。

以下は、間違ったスキンケアの主な例です。
・角栓を押し出す
・朝は水だけで顔を洗う
・スクラブ洗顔でゴシゴシ洗う
・クレンジングオイルでマッサージする
・過度な洗顔や毛穴パック
・保湿不足

毛穴詰まりを気にする方ほど肌を強くこする傾向がありますが、皮膚に刺激を与えるケアはNGです。肌に刺激や摩擦を与えてしまうと、皮膚の防御機能が働いて過剰な皮脂を分泌します。また、刺激によりメラニンが活性化して色素沈着を起こし、毛穴が黒ずむこともあるのです。

角栓は鼻や頬にできやすい?

まず、角栓は皮脂腺の多い部位にできやすいものです。ザラザラとした手触りで、見た目はポツポツと目立ちます。

皮脂腺の多い場所は、額や小鼻、鼻のてっぺん、頬、顎です。この中でも額や眉間、小鼻、鼻のてっぺんでは皮脂量が多く、毛穴が詰まりやすい部位といえます。

空気や紫外線を浴びやすい鼻のてっぺんは、黒い角栓へと進行しやすいのです。とくに10代の思春期では、Tゾーンを中心に皮脂線の働きが活発になるため、ニキビや毛穴詰まりに悩まされる方が多くいます。

20代では思春期ほどではないですが、まだ皮脂の分泌も盛んな状態で、皮脂やメイク残りやすく、鼻や頬に角栓ができやすい状態です。

30代や40代では、肌のターンオーバーが徐々に遅くなるため、乾燥によって皮脂量が増えたり古い角質が剝がれにくくなったりして、角栓を形成することもあります。

黒い角栓の取り方3個

ポツポツやザラザラの黒い角栓は、どうすればキレイに取り除けるのでしょうか。ここからは、黒い角栓の取り方を解説します。

1. ホットタオルで角栓を浮き上がらせる

頑固な黒い角栓は、ホットタオル等で肌を柔らかくほぐして毛穴の入り口を広げましょう。事前に毛穴を開くことで、その後の洗顔や角質ケアで黒い角栓が取り除きやすくなります。

以下はホットタオルの作り方です。
・水で濡らしたタオルを絞る
・タオルをクルクルと巻く
・乾燥を防ぐためにラップで包む
・500Wで約30秒温める
・火傷に気を付けながら取り出す
・適温になるまで少し待ってから使用する

無理やり角栓を引き抜いたり押し出したりするよりも、肌への負担は少なくできるでしょう。ごわつきやザラつきを感じる肌も、事前にホットタオル等で温めることで肌が柔らかくなります。

2. 角栓を柔らかくして除去する化粧品を使う

頑固な黒い角栓をスッキリ取り除くには、酵素洗顔やクレイパックなどの角質ケアができるものを活用しましょう。

ゴシゴシ洗いしなくても、肌にのせるだけで皮脂汚れを溶かすケアが適切です。目元や口元などの皮膚が薄い部位を避けて、毛穴詰まりの気になる部分のみに使用します。

保湿の際は、角栓の元となる皮脂をコントロールするビタミンC誘導体を配合した化粧品をプラスすると良いでしょう。

乾燥肌の方は、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分を配合した化粧品で潤いをたっぷり補給してください。肌の潤いを保つことで、乾燥による皮脂の過剰分泌を抑えます。

3. 自己ケアで取れない汚れは美容皮膚科へ

角質ケア化粧品でも取り切れない汚れは、美容医療の力に頼りましょう。美容皮膚科で行われる毛穴治療には、ピーリングや光、レーザーなどがあります。

肌の状態に合わせていろいろな治療法を組み合わせるのが主流です。通常のお手入れだけでは、なかなか黒い角栓が取れなかったり、除去できてもすぐにまたできてしまったりする場合に大いに役立ちます。

美容目的の治療では保険が適用されないので、事前に費用や副作用を調べておくと良いでしょう。

黒い角栓を防ぐスキンケア方法5個

黒い角栓は1度できてしまうと、頑固で落としにくいものです。そこで、角栓が黒ずむ前の予防ケア方法を見ていきましょう。毛穴を詰まらせないように、毎日のスキンケアで皮脂の通り道を作ることが重要です。

1. クレンジングと洗顔方法の見直し

毛穴詰まりによる角栓を防ぐには、日々のクレンジングと洗顔方法を見直しましょう。どちらも大切なポイントは、きちんと汚れを取り除くことと、肌への刺激をなるべく減らすことです。

クレンジング

自宅に着いた後は、すぐにクレンジングを使ってメイクを落としましょう。皮脂が酸化すると黒い角栓ができやすくなるので、肌にメイクをのせている時間をなるべく減らすことが大切です。

クレンジング料は十分な量を使ってメイクをオフしてください。使用量が少ないと、肌への摩擦やメイク残りにつながります。肌に軽くなじませるだけで、メイクを浮かせるような洗い流すタイプのクレンジングが理想的です。

拭き取りタイプは、摩擦が生じて肌に負担をかけやすいので優しく行いましょう。脂性肌にはサッパリとした使用感のジェルタイプ、乾燥肌には肌をこすらずにメイクオフできるクリームタイプのクレンジング料がおすすめです。

洗顔

皮脂が気になるからと、必要以上に何度も洗顔をするのはNGです。反対に肌の乾燥を招き、余分な皮脂の分泌を促してしまいます。

日中のテカリやべたつきは、ティッシュ等で軽く取り除けばOKです。ゴシゴシ洗いは控えて、肌に負担の少ない洗顔を心掛けましょう。

以下は、基本となる洗顔方法です。
(1)手を洗う
(2)ぬるま湯で顔をすすぐ
(3)適量の洗顔料を手に取ってたっぷりの泡を作る
(4)TゾーンからUゾーン、目元、口元の順に泡を広げる
(5)ぬるま湯でしっかりとすすぐ

冷たい水や熱いお湯は、皮脂をきちんと落とせなかったり、過度な乾燥を招いたりすることもあるので、洗顔時はぬるま湯が鉄則です。

2. 角質ケア化粧品で蓄積した汚れを取り除く

週に1度を目安に酵素洗顔やクレイパック、ピーリングなどの角質除去作用のある化粧品でケアすることが大切です。定期的な角質ケアで、肌を柔らかく保ち、角栓が固くなるのを未然に防ぎましょう。

どれも洗浄力が高めなので、毛穴が詰まりやすい部位だけでOKです。敏感肌や乾燥肌の方には、刺激の少ないものや美容皮膚科等で受けられる毛穴ケアが適しています。

市販のピーリングやスクラブ洗顔は、物理的に汚れを取り除くものなので、摩擦によって肌を傷めないように注意してください。

刺激の少ないものや柔らかいスクラブを選ぶなどして、肌への負担をなるべく抑えることが重要です。角質ケアの後は乾燥しやすくなるので、丁寧な保湿を心掛けましょう。

3. 角栓を除去したら引き締め保湿をする

角栓の汚れを取り除いた後は、収れん効果と皮脂抑制効果のある化粧品で肌を整えましょう。汚れをキレイに除去できても、開いた毛穴は自然に閉じてくれません。

洗顔後に水で毛穴を引き締める方法もありますが、体温の上昇とともにまた開いてしまいます。毛穴を開いたままにしておくと汚れがたまって角栓ができやすくなるので、収れん化粧水等でキュッと引き締めましょう。

また、角質ケアをした後の肌は乾燥しやすいので、しっかり保湿します。皮脂分泌が盛んなTゾーンには、乳液やクリームなどの油分が多い化粧品は薄めに塗り、化粧水や美容液で不足しがちな水分をたっぷりと補いましょう。保湿の際は、手で温めてから優しくハンドプレスしながら肌になじませます。

4. 紫外線対策をする

黒い角栓の原因の1つがメラニンによる色素沈着なので、しっかり紫外線対策を行いましょう。日焼けをすると角層の一部が剥がれることで、肌が乾燥しやすくなります。肌の赤みがひいてくるとメラニン色素が生成され、シミや黒い角栓もできやすくなるのです。

また、角質層が水分不足になれば、肌のごわつきや肌荒れなどのトラブルを招きやすくなるため、美しい肌を保つうえで紫外線対策は欠かせません。

ほとんどの化粧下地やファンデーションにはUVカット剤が配合されています。UVカット効果のある化粧品に加え、日傘や帽子、サングラスなどを活用して肌ダメージを防ぎましょう。

5. 食生活習慣の改善

食事や生活習慣の乱れは、乾燥や毛穴詰まりなどの肌トラブルにつながります。バランスの良い食事をして、生活リズムを整えることが大切です。

以下には、とくに意識したい2項目をまとめています。

さまざまな栄養素をバランスよく摂取する

糖質や脂質の多い食事が中心の生活では皮脂の分泌量が増えることもあるので、いろいろな食材をバランスの良く摂取しましょう。バランスを考えるなら、和食中心の献立がおすすめです。

また、過剰な皮脂の分泌を抑えるためには、ビタミンB2やビタミンB6、ビタミンEを含む食品を意識して食べましょう。

以下には、角栓予防に役立つ成分をまとめました。

成分肌への作用含有食材
ビタミンB2糖質・脂質・タンパク質の代謝卵・牛乳・レバーなど
ビタミンB6新陳代謝の促進・乾燥予防にんにく・まぐろなど
ビタミンE皮脂の酸化・肌荒れ予防アーモンド・うなぎ・たらこなど

加えて、キメの整った美肌を保つうえで必要な栄養素は、ビタミン類やタンパク質、ミネラル、鉄分などです。この中でも女性は月経により鉄分不足になりやすいので積極的に摂取しましょう。

生活習慣を整える

不規則な生活や睡眠不足、ストレスなど、過剰な皮脂分泌や乾燥などの肌の不調を招く習慣は少しずつでも改善していきましょう。

睡眠不足が続くと肌のターンオーバーが乱れて、乾燥や肌荒れを生じやすくなります。自分が心地よく眠れる部屋の環境に整えて、質の良い睡眠をとりましょう。

また、過度なストレスがたまることで男性ホルモンの働きが活発になり、皮脂量の増加につながります。休みの日はゆっくりできるように自分の時間を作り、上手にストレスを解消しましょう。

まとめ

今回は、固い黒い角栓の取り方や予防法を解説しました。鼻や頬に埋まった硬くて黒い角栓は、ホットタオル等で温めて肌をほぐすことで、汚れを取り除きやすくできます。

角栓の形成を未然に防ぐには、日々の洗顔やクレンジング、保湿といったスキンケアの基礎がとても大切。加えて、バランスの良い食事や質の良い睡眠、適度にストレスを解消することが健やかな肌を保つ秘訣です。外側と内側から肌の状態を整えれば、毛穴が目立たない美肌に近づけるでしょう。