監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

赤く腫れた中心部にプクっと現れる黄ニキビ。中にたまった膿がパンパンになると、潰して出し切りたいと思うのが人の心理です。

本当は痛いのに、忙しいからと我慢をする方もいるでしょう。化膿して大きいニキビができると、その日の気分は下がってしまいますよね。炎症が治まると自然にとれることもありますが、果たして放置してもよいものなのでしょうか。

そこで今回は、ニキビに膿がたまる原因や理由と、治し方、対処法を詳しく解説します。ニキビ跡を残さないためにも早めの対処が大切なので、ぜひ参考にしてください。

ニキビの膿がパンパンで痛い・気になる…

化膿したニキビは赤みも目立つため、必要以上に鏡を見て気にする方も多いのではないでしょうか。強い炎症を起こしている状態なので、ジンジンとした痛みを伴います。ニキビが気になるあまり、自分で潰したり針を刺したりして膿を出す方もいるようです。

しかし、自己判断で間違ったケアをすると、いずれニキビ跡に悩まされるかもしれません。やがて膿がパンパンに膨れ上がると、痕が残らないかと心配ですよね。できることならニキビ跡を残さずに、キレイに治したいものです。

では、なぜ膿がパンパンになるほどたまってしまうのでしょうか。

ニキビの膿がパンパンな状態とは?

炎症を起こした赤ニキビが細菌に感染することで、化膿した黄ニキビに悪化します。赤ニキビの段階で炎症を抑えられると良いのですが、忙しくて対処できずに感染が進んでしまうことも珍しくありません。

アクネ菌などの細菌により増殖や感染することで炎症が起こると、肌を守るために白血球がニキビの中心部に集結して細菌と戦います。白血球が集まると、赤く腫れたニキビの真ん中にプクっと黄白色の盛り上がった膿が現れるのです。

この膿の中には、アクネ菌などの細菌と白血球の残骸がある状態。膿の量が少なければ自然に治ることもありますが、多くなるほど膿を包んでいる面皰が耐え切れずに破れる(自壊する)可能性も高まります。

大人ニキビができる原因は、アクネ菌の好む皮脂だけではありません。炎症が長引く、または黄ニキビが繰り返しできるときには、間違ったニキビケアをしていないかを見直すと良いでしょう。

ニキビに膿がたまる原因・理由

膿がパンパンにたまる原因は、アクネ菌や白血球などの残骸によるものです。そもそもニキビは、皮脂などの汚れが毛穴に詰まり、コメド(面皰(めんぽう))を形成することから始まります。コメドは小さく、目で確認できないほどの大きさです。

やがてコメドが大きくなると、白ニキビになり、皮脂の酸化などにより黒ニキビができることもあります。白ニキビや黒ニキビでは、まだ炎症が起きていない状態です。肌表面はブツブツして、ザラザラとした手触りが特徴として挙げられます。

コメド内では酸素が少なく皮脂の多い密閉空間のため、このような環境を好むアクネ菌が繁殖して増えると皮膚に炎症を起こすのです。このように、皮膚の炎症により赤く腫れた状態は、赤ニキビと呼ばれています。

赤ニキビを放置すると、アクネ菌などの細菌を退治するために白血球が集まり攻撃し始めるのです。化膿したニキビをよく見ると、白色や黄色の液体が混ざっているのが確認できるでしょう。このような黄色い膿をもった状態はニキビの最終段階です。

さらに炎症が進むと、毛穴の壁が壊れて広がることもあります。強い炎症が続くと、凹んで痕が残ることもあるため、注意しなければなりません。

ニキビを潰すのはNG?放置?

膿を完全に出し切ると、原因菌も外に排出できるため、ニキビの治りが早まります。しかし、膿がパンパンに盛り上がって今にも潰れそうな黄ニキビも、針で刺したり潰したりするのはNG。

指などで無理やりニキビを押しつぶしても、中にたまった皮脂などの汚れを完全に取り除かなければ、炎症が悪化することもあるのです。また、押し潰すときに周りの皮膚組織が傷ついて、消えにくい痕が残ることもあります。

とはいえ、何事もなかったかのように放置するのも良くありません。

黄白色の膿には、白血球の残骸やアクネ菌などの細菌がたまった状態です。さらに化膿したニキビ内では、アクネ菌が酵素を産生します。この酵素は、毛穴周辺の皮膚組織を破壊してしまうため、クレーター状のニキビ跡が残ることもあるのです。

凸凹したクレーター状のニキビ跡が残ると、スキンケアでは改善が困難なので、なるべく早めに皮膚科を受診してください。ニキビの状態に適した治療を早々に始めることが重要なポイントです。

化膿したニキビの治し方

プクっと盛り上がった形状が目立つことから、黄ニキビはなるべく早く治したいですよね。化膿したニキビには、どのような治し方があるのでしょうか。

病院やクリニックなどの皮膚科では、毛穴詰まりを改善してコメドのできにくい状態に整えるアダパレンや過酸化ベンゾイルなどを配合した塗り薬が処方されます。加えて、ニキビの原因菌であるアクネ菌に効果を示す抗菌薬の塗り薬や飲み薬が有効です。

塗り薬は市販でも購入可能ですが、抗菌薬の飲み薬に関しては病院で医師から処方してもらう必要があるため、皮膚科を受診してください。膿を完全に出し切るために、面皰圧出と呼ばれる施術が行われることもあります。

自然に潰れて大量に膿が出たときは、患部を清潔に保ち、抗菌薬を配合した塗り薬を使用してください。また、1日2~3回を目安に、石鹸でしっかり洗顔をして清潔を保つことが重要です。

ニキビ跡を残さないためには、炎症が起こる前に専門医に相談して治療を開始することをおすすめします。

炎症によってニキビ周辺の皮膚組織が破壊されると、凸凹したクレーター状のニキビ跡が残りやすくなるのです。深部にダメージが及ぶほど、完全には元通りに戻すことが難しくなります。

化膿したニキビの対処法8個

次に、化膿したニキビはどう対処すればよいのでしょうか。
ここでは、意識したい8つのポイントを解説しています。

1. クレンジング後はしっかりすすぐ

クレンジング後は、肌に洗浄成分や油分が残らないようにしっかりとすすぎを行ってください。化膿したニキビのある肌には、洗浄成分が肌に残ると刺激になるので注意しましょう。

また、油分やオイルなどの成分が肌に残ることで毛穴を覆ってしまうと、ニキビの原因になることもあるのです。

オイルを含んだクレンジングは、毛穴に残りやすいことからニキビ肌には不向きといわれています。クレンジングオイルを使うときは、W洗顔やしっかりすすぎを行い、肌にオイルや洗浄成分が残らないように注意しましょう。

ニキビのできやすい肌には、サッパリとした洗い上がりのジェルクレンジングがおすすめです。メイクや肌質に合ったクレンジングを使用し、メイク汚れをキレイにオフしましょう。

2. 優しく洗顔して清潔を保つ

どんなニキビケアにも重要なのが、洗顔で肌を清潔に保つことです。洗顔の際は、ニキビに刺激を与えないように弱酸性タイプのニキビ肌に適した洗顔料を使用しましょう。

脂性肌では1日に2~3回、乾燥肌では1日に1~2回が洗顔回数の目安です。肌質や季節、運動の有無によって必要回数は異なるので調整してください。

大切なのは、肌をキレイに清浄して今あるニキビの悪化や新たなニキビの発生を防ぐことです。

洗顔の手順

以下は、基本となる洗顔方法の手順です。

(1)まずは手を洗って清潔にする
(2)ぬるま湯で顔をすすいで汚れを落とす
(3)泡立てネット等で洗顔料を泡立てる
(4)手のひらいっぱいの泡を作る
(5)皮脂の盛んな部位から顔全体に広げる
(6)しっかりとすすぐ
(7)清潔なタオルで水気を軽くとる

洗う時は、皮脂を浮き上がらせるようなイメージで優しく洗浄します。化膿して大きく腫れたようなニキビは潰れやすいので、摩擦を起こさないように泡だけで洗いましょう。

肌に油分や汚れが残ると過酸化脂質に変化して、ニキビなどの肌荒れが起こりやすくなります。髪の生え際や顎などは洗い残しの多い部位なので、注意しながらすすいでください。タオルで顔を拭いた後は、ニキビ予防化粧品等で素早く保湿しましょう。

3. ノンコメドジェニック化粧品を使用する

ノンコメドジェニック化粧品とは、アクネ菌が増殖する原因となりやすい油分を少なくしたものです。新たなニキビや悪化を防ぐために、油分の少ないノンコメドジェニック化粧品の使用をおすすめします。

また、ターンオーバーの乱れはニキビの原因となる1つです。きちんと保湿をして、肌の新陳代謝をサポートすることが重要となります。

ターンオーバーの働きに重要となる角質層を健やかに保つためには、保湿ケアがとても大切です。ノンコメドジェニック化粧品を用いて、皮脂と水分のバランスを整えましょう。

4. ニキビ予防化粧品で肌を整える

医薬部外品のニキビ予防化粧品には、抗菌・抗炎症・角質剥離・溶解などの効果を示す有効成分が配合されています。

以下は、ニキビ予防化粧品を選ぶときに重要なポイントです。

・刺激が少ない
・コメドを誘発しにくい
・アクネ菌の栄養源にならない

この3つのポイントが揃ったニキビ予防化粧品を使用しましょう。加えて、ニキビの炎症を鎮めて、皮脂をコントロールしてくれるものが理想的です。

5. ビタミンや食物繊維をたっぷり摂る

ニキビのできにくい健やかな肌を目指すには、バランスの良い食事を心掛けましょう。

ビタミンB2やビタミンB6が不足すると、ニキビができやすくなります。ビタミンCは、肌の炎症を鎮めてくれるので併せて取りたい栄養素です。また、便秘が続くとニキビもできやすくなるため、食物繊維も適切な量を摂りましょう。

以下の表は、ニキビケアに摂り入れたい栄養素と含有食品をまとめたものです。

栄養素含有食品
ビタミンB2のり・レバーなど
ビタミンB6まぐろ・にんにくなど
ビタミンC赤ピーマン・イチゴなど
食物繊維玄米・大豆・サツマイモなど

上記の表を参考に、ビタミン類や食物繊維を十分に摂り、体の内側から肌を整えることがニキビケアのポイントです。

6. しっかり睡眠をとり休息する

ニキビのできやすい方は、質のよい睡眠をとってゆっくり体を休ませてあげましょう。ストレスや疲れがたまると、体の免疫機能が低下してニキビもできやすくなります。

睡眠不足が続くと、肌に十分な栄養が行き届かず、結果的に肌荒れやニキビを招いてしまうのです。質の良い睡眠を心掛けることで、体や肌のリズムが整います。

大切なのは心地よく入眠し、熟睡できているかです。自分が心地よく眠れる部屋の環境を整えて、十分な睡眠と休息をとりましょう。

7. 適度にストレスを発散する

ストレスは美肌の天敵とも呼ばれており、男性ホルモンの活性化により過剰な皮脂の分泌を促します。皮脂が盛んになると毛穴詰まりも起こりやすくなるため、ニキビができやすい肌環境を作ってしまうのです。

現代社会においてストレスは避けられないものですが、上手に発散できる方法を見つけてください。カラオケやスポーツ、入浴など、自分の好きなものでストレスを発散するのがおすすめです。週に1度はゆっくりと過ごせる時間を作り、ストレスをためないように工夫しましょう。

8. ヘアスタイルやメイクを工夫する

ニキビに刺激は厳禁なので、髪の毛やメイクで刺激を与えないように工夫しましょう。まず、髪の毛が顔にかからないように、ヘアピンで留めたりゴムなどで束ねたりしてまとめます。

髪の毛でニキビを隠すと、かえって治りが遅くなることもあるのです。しかし、どうしても隠したいときは自宅だけでも髪をアップして、ニキビに触れる頻度を減らします。

化粧をするときは、なるべくナチュラルメイクを心掛けて、ファンデーションやコンシーラーの厚塗りは控えてください。黄ニキビが目立って気になるときには、アイメイクやリップが注目されるように工夫します。

厚塗りで隠すのではなく、ニキビを目立たせないメイクアップを心掛けましょう。メイクアップ化粧品は、油分の少ないノンコメドジェニックと記載のあるものを使用してください。

まとめ

今回は、ニキビの膿がパンパンになる原因や治し方、対処法を解説しました。化膿したニキビは大きく目立ち、美容面で悩みを抱えやすい肌トラブルです。

ニキビケアに重要なのは、主に洗顔やスキンケア、生活習慣の3つ。早い段階のニキビにも適した治療があるため、ニキビに気づいたらなるべく早めに医療機関を受診してください。

ニキビ跡を残さないためには、適切な塗り薬や飲み薬を使用した治療を早期に始めることが大切です。肌環境へ整えて、ニキビのない憧れのツルツル肌を目指しましょう。