監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

ポコッと毛穴を中心に現れる塊のような「ニキビの芯」。顔にできると、気になって自分で押し出したくなるのが人の自然な心理です。

硬く盛り上がって目立つこともあり、美容面でも人目が気になって憂鬱な気分になりますよね。メイクをしてもキレイに隠れなかったり、触ると痛かったりと悩みを抱える女性が多い傾向です。

そこで今回は、ニキビの芯が埋まって取れないときの対処法を解説しています。ニキビ跡を残さず美しい肌に導くためにも、正しい対処法をチェックしておきましょう。

ニキビの芯の正体とは?

初めに、ニキビの中心にある芯の正体は何なのでしょうか。ニキビの芯の正体は、「酸化した皮脂や古い角質などの汚れの蓄積」です。

毛穴に皮脂などの汚れが溜まることで、面皰(めんぽう)と呼ばれる「コメド」ができます。コメド内は豊富な皮脂と酸素の少ない状態です。

このような環境を好むアクネ菌が増殖して炎症を起こし、さらに進むと膿や出血を伴うこともあります。やがてニキビがつぶれると、米粒ほどの大きさの白色や黄色の液体がでてきます。

液体はコメド内の皮脂や角質などの汚れで、ニキビの芯の正体です。この芯をピンセットで引っ張って抜いたり、爪で潰したりすると、肌の深部(真皮)にまでダメージが及び、後にクレーター状の凸凹したニキビ跡になることもあります。

真皮にまでダメージを与えてしまうと、セルフケアで治すのは困難です。ニキビ跡を残さないためにも、ニキビの芯ができる原因を確認しましょう。

ニキビの芯ができる原因5個

ここでは、ニキビの芯ができる原因をチェックして肌トラブルの少ない美肌に導きましょう。

1. ホルモンバランスの乱れ

大人ニキビの原因の1つが、ストレスによるホルモンバランスの乱れです。では、なぜストレスがニキビの発生や悪化につながるのでしょうか。

ストレスを感じると体はストレスに対抗するために、コルチゾールというホルモンを分泌します。このストレスホルモンと同時に、男性ホルモンのアンドロゲンを産生してしまうのです。

男性ホルモンが優位になると、皮脂の分泌量が増えて、角質肥厚を起こし毛穴を詰まらせやすくするのです。

女性なのに男性ホルモン…と疑問に感じる方もいるでしょう。男性も女性も分泌量は異なりますが、男性ホルモンと女性ホルモンの両方を持っています。

2. 月経前

普段は健康的な肌なのに、月経前になると急にニキビができる方もいるでしょう。月経前にニキビができやすくなるのは、女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響です。

黄体期(排卵から月経が始まるまでの期間)には、プロゲステロンの働きが活発になります。プロゲステロンの主な働きは妊娠機能の維持ですが、同時に皮脂の分泌量を増加させてしまうのです。

皮膚のバリア機能が低下するため、ニキビや肌荒れを起こしやすくなります。皮脂量の増加により、Uゾーンなどにポツポツとニキビができることもあるのです。月経前のニキビは珍しいものではなく、多くの女性が悩まされています。

3. バリア機能の低下

紫外線や気温などの影響を受けて、肌のターンオーバーが乱れると、肌を守るバリア機能が低下します。バリア機能の低下した肌は、外部刺激から肌を守るために、どんどん角層を厚くする(角質肥厚)のです。

角質肥厚が起こると、毛穴の出口を塞いでしまい、皮脂や古い角質などの汚れがうまく排出されません。

アクネ菌は毛穴に溜まった皮脂をエサにして増殖します。そのため、バリア機能が低下するとニキビが発生しやすくなるのです。

繰り返すタイプのニキビでは、バリア機能の低下が原因と考えられます。

4. 食事・生活習慣の乱れ

大人ニキビでは、主に睡眠不足や過度なダイエットなどの生活習慣の乱れが大きく影響します。就寝前に携帯やパソコンなどの明るい画面を見ると、脳がリラックスできずに覚醒してしまいます。

睡眠不足が続くと肌のターンオーバーも乱れ、皮脂や古い角質が上手く排出されません。結果的に、毛穴に汚れが詰まってニキビの原因となるのです。

また、過度なダイエットでは栄養が極端に不足するため、免疫力が低下してニキビもできやすくなります。特にビタミンB2やビタミンB6が不足すると、ニキビや口内炎が起こりやすくなるため注意しましょう。

5. 間違ったスキンケア

過度な洗顔や保湿剤の塗りすぎなどの間違ったスキンケアは、毛穴詰まりを誘発します。1日に何度も洗顔したり、必要以上にクリーム等を重ね塗りしたりするのはよくありません。

美肌を保つためにスキンケアは大切ですが、やりすぎに注意しましょう。肌に密着性のあるファンデーションや、クレンジング不足によるメイク残り、油分の多い化粧品は毛穴を詰まりやすくします。

また、ニキビのできやすい肌への刺激は禁物です。洗顔ブラシやタオルでゴシゴシと顔をこすると、肌が乾燥して余計に皮脂の分泌を促します。強い摩擦が加わると、肌表面に小さな傷ができることもあります。

ニキビの芯が埋まってる理由

では、なぜニキビの芯は埋まった状態なのでしょうか。皮膚に芯が埋もれていると自分で取り出すのは難しいものです。

以下にニキビの芯が埋まっている理由をまとめています。

・皮脂や角質などにより毛穴が詰まり
・毛穴の出口の角質が厚くなる

過剰な皮脂の分泌や皮膚の角質肥厚により、毛包内に汚れが溜まること毛穴が詰まります。過度な洗顔による刺激や皮脂などの汚れを放置すると、肌を守ろうと毛穴周辺の角層が厚くなり、ニキビの芯が埋まった状態になるのです。

また、ホルモンバランスが乱れると皮脂の分泌が盛んになるため、結果的に毛穴が詰まりやすくなります。逆をいえば、スキンケアや生活習慣を見直すと、毛穴を塞がずニキビができにくい肌を目指せるのです。

ニキビの芯が埋まっている理由を踏まえて、次項で対処法をチェックしましょう。

ニキビの芯が埋まってる時の対処法7個

では、ニキビの芯が埋まっている時の対処法を解説します。一気に実践するのは大変でしょうから、できることから1つずつ始めましょう。

1. 帰宅後はすぐに顔を洗う

外出して帰った後は、すぐにクレンジングや洗顔を行いましょう。帰宅後ではなく、夜の入浴のついでにメイクを落とす方も多い傾向です。

しかし、皮脂やメイクなどの汚れを長く放置するほど、毛穴を塞ぎやすくしニキビが悪化することもあります。

メイクをしている場合には、肌に刺激の少ないクレンジング料を使い、洗い残しがないようにしっかりとすすぎを行いましょう。クレンジングでは、こすらずにメイクを浮かせることが大切なポイントです。

また洗う際は、顔をゴシゴシとこすらず、ぬるま湯で肌をいたわるように行いましょう。

2. 肌に刺激を与えない

これ以上ニキビを悪化させないためには、肌に刺激を与えないことが大切です。以下では、肌に刺激を与えないために気をつけるポイントをまとめています。

・髪の毛などが患部に当たらないようにする
・刺激の少ない化粧品を使用する
・過度な洗顔は控える
・むやみに顔を触らない
・清潔な物を使う

ニキビの洗顔の基本は、1日2回を目安に肌質に合わせて回数を調整します。過度な洗顔は、ターンオーバーのサイクルや肌のバリアを崩してしまうため、ニキビの悪化につながります。そして、洗顔ブラシやタオルなどで強くこするのは、肌を傷つけて乾燥を招くので控えましょう。

また、手と同様に、日常で使う用品には雑菌やホコリが付着しています。タオルや枕カバー、メイク用のスポンジなど、肌に触れるものを清潔に保つことも重要です。あまり神経質にならないように、意識したいポイントとして覚えてください。

3. 油分の少ない化粧品で保湿する

肌の乾燥が気になる場合には、油分の少ないノンコメドジェニックやハイポコメドジェニック化粧品で保湿しましょう。

使用することでニキビが治るわけではありませんが、新たなコメドをできにくくするための予防化粧品です。

反対に、油分の多い化粧品で過度な保湿をすると、かえってニキビの状態を悪化させてしまいます。なるべく油分の少ない化粧品を使い、乾燥から肌を守りましょう。

乾燥肌でニキビのできやすい方には、肌のキメを整えるセラミドや、肌の炎症を抑えるヘパリン類似物質などの成分を配合した保湿剤がおすすめです。

4. メイクを工夫する

毛穴が詰まっている状態なので、なるべくナチュラルメイクを心掛けましょう。密着性の高いファンデーションやコンシーラーの厚塗りは、さらにニキビを悪化させることもあるため控えてください。

ファンデーションは、軽い付け心地のパウダータイプをおすすめします。メイクアップ化粧品は、油分の多いものを避けて、ノンコメドジェニック試験済みなどと記載されているものを使用しましょう。ノンコメドジェニック化粧品は、アクネ菌の増殖の原因となる油分を配合していません。

ニキビを隠すのではなく、明るいカラーで色を補ってニキビを目立たなくさせることもできます。例えば、目元や唇にはニキビができないので、アイメイクやリップメイクを目立たせるのもおすすめです。ネックレスやイヤリングなどを着用して、ニキビ以外のものに人の目を引く方法もあります。

さまざまな工夫をして、ニキビの発生や悪化を防ぎましょう。

5. 生活習慣を整える

できる限り生活習慣を改善して、ホルモンバランスを整えましょう。睡眠不足は免疫力の低下やターンオーバーの乱れにつながります。自分が心地よい眠りにつける環境を用意して、質のよい睡眠を心掛けてください。

また、適度に運動することで体の基礎代謝を高め、ストレスも上手に発散できます。ストレッチやヨガなどの柔軟体操であれば、運動が苦手な方でも始めやすいです。柔軟体操には、血行を促進してリラックス効果が期待できます。

シャワーだけで済ませている方は、入浴もおすすめです。体を温めることで、血行を促して体の新陳代謝を高めてくれます。疲れているときはぬるま湯に浸かると、副交感神経の働きが活発になりリラックスできるでしょう。

美肌を保つためにどれも大切なことなので、できることから始めてはいかがでしょうか。生活習慣を見直せば、ニキビができにくい肌に導けるはずです。

6. バランスのよい食事で健やか肌に導く

健やかな肌を目指すには、食事のバランスを整えましょう。美肌の栄養素となるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを中心に、タンパク質やミネラルを含む食材を同時に摂取することが大切です。

また、ビタミンB2やビタミンB6も併せて摂ることで、ニキビのできにくい健やかな肌を目指せます。

ビタミンを効率的に肌に届けるためには、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが重要です。普段の食事では難しい方は、サプリメントなどで足りない栄養を補うと良いでしょう。

7. どうしても芯を取りたいときは皮膚科へ

まだ炎症を起こしていない白ニキビや黒ニキビは、市販薬や正しいスキンケアで次第に治ることもあります。しかし、炎症や膿をもつ赤ニキビや黄ニキビを自分で潰したり、放置したりするのはNGです。炎症が長く続くほど肌へのダメージも大きくなるので、ニキビ跡も残りやすくなります。

また、自己流でニキビの芯を取り出すと、毛穴周辺の皮膚組織を傷つけてしまいます。ダメージを受けた皮膚は自らを守ろうと、角質肥厚を起こしてさらに毛穴を塞ぐといった悪循環に陥ってしまうのです。

そこで、コメド内に溜まった汚れをキレイに取り出す必要があります。溜まっている皮脂などの汚れを完全に取り出せなければ、炎症が悪化してニキビ跡も残りやすくなるのです。

ニキビを潰すことが悪いのではなく、適切に対処することが重要なポイントとなります。どうしてもニキビの芯を取り出したい場合は、迷わずに皮膚科へ受診しましょう。

まとめ

ここでは、ニキビの芯が埋まって取れない時の対処法を解説してきました。ニキビは1度できてしまうと、治すのが大変ですよね。目立つところにできれば、どうしても憂鬱な気分になってしまいます。

日頃からニキビ予防化粧品で肌を整え、健やかな状態を保つことが美肌に導く近道です。どうしても芯を抜きたい時は、自分で無理やり押し出すのでなく、熟練した皮膚科医に委ねましょう。

また、正しいスキンケアを行い、食事と生活のバランスを整えて、ニキビを悪化させないことが大切です。適切な対策を実践して、ニキビ跡のないツルツル肌を目指しましょう。