監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

大人の女性を悩ませる肌トラブルの一つがニキビです。「ニキビの芯は自分で取ってもよいのか」「そもそも、ニキビの芯はなぜできるか」といった疑問を持ち、回答を探す人も多いでしょう。

ニキビの芯が同じ場所に繰り返しできる場合、さまざまな理由が考えられます。トラブルの理由と正しい対処法を知り、ニキビを繰り返さないきれいな肌を作りましょう。

大人ニキビとは?

まず、大人ニキビとは何かをおさらいします。大人ニキビとは、主に20歳を過ぎてから頬やあご、フェイスラインなどにできるニキビのことです。

思春期ニキビと大人ニキビには、できやすい場所が異なります。思春期ニキビのできやすい部位は、鼻など皮脂分泌量の多い場所です。大人ニキビの場合は、頬やあごなど乾燥しやすい部位にも見られることが多くあります。

また、大人ニキビは、顔の中の同じ場所にできやすく、繰り返すリスクが高い特徴を持つトラブルです。前のニキビが治り、安心したところで新しいニキビができて、憂鬱になることもしばしば。

「生理の前は必ずといってよいほど大人ニキビができてしまう」「ストレスが溜まると、ニキビができる」など、特定の状況になったときにトラブルを繰り返す人もいます。

ニキビの芯が同じ場所にできる理由4個

ニキビの芯が同じ場所に繰り返しできる原因は、複数あります。代表的な原因を知ることで、ニキビを繰り返さない理想の肌を目指しましょう。

1. 毛穴の詰まり

まず、毛穴の詰まりです。過剰な皮脂・ほこり・メイク汚れ・古い角質などが毛穴に詰まるとニキビの芯が作られて、白ニキビや黒ニキビができてしまいます。

毛穴の詰まりによるニキビは一見すると治ったように見えても、毛穴の奥にニキビの芯が残っているケースが多く、トラブルを繰り返しがちです。

また、毛穴の詰まりを招くそもそもの習慣を改めなければ何度でもトラブルが再発し、いつまでたってもきれいな肌にはなりません。

2. ホルモンバランスの乱れ

生理前やストレスが溜まったときなど特定の状況になったとき、ニキビができてしまう人は、ホルモンバランスの乱れを疑いましょう。性別に関係なく私たちは、男性ホルモン・女性ホルモンの両方を持っていて、一定のバランスを維持しています。

ストレスや睡眠不足などの影響によって一時的に男性ホルモンが優位になると皮脂分泌量が増えて、毛穴の詰まりを起こしやすくなり、ニキビの芯ができてしまいます。

生理前に分泌される黄体ホルモンも、皮脂分泌量を増やす働きを持つホルモンです。そのため、生理前になるとニキビの芯ができてしまい、何度も繰り返すことがあります。

3. シャンプーや洗顔料などのすすぎ残し

シャンプーやトリートメント、洗顔料をしっかり落とせていないことでも、ニキビの芯が同じ場所にできてしまいます。シャンプーなどが毛穴に詰まり、ニキビの芯を作ってしまうことがあるためです。

シャンプーやトリートメントのすすぎ残しを防ぐためには、髪を洗ってから洗顔する方法をおすすめします。洗顔料のすすぎ残しを防ぐためには、この後に紹介するように、十分な回数すすぎましょう。

4 そもそもニキビでない可能性もある

何をやっても治らないできものはそもそもニキビではなく、粉瘤かもしれません。粉瘤とは、肌の下に袋ができて古い角質や皮脂が溜まり、腫瘍ができるトラブルです。

粉瘤は一見するとしこりニキビのように見えることもあるので、気になった場合には診察を受けましょう。

粉瘤を治すためには、皮膚科に行って、中の膿を取り出してもらったり袋を除去してもらったりする必要があります。適切な治療を受けないと何度もトラブルを繰り返しますから、注意してください。

ニキビができた後の対処法5個

できてしまった大人ニキビは極力早く、きれいに治したいと思いますよね。以下では、ニキビができた後に実践したい対処法を解説します。

1. 摩擦せずに、優しい力で洗顔する

ニキビができた肌はわずかな刺激にも反応する、デリケートな状態です。1日2回・優しい力で洗顔して、ニキビの悪化を防ぎましょう。ニキビができたときの洗顔のポイントは、以下2点です。

【1】洗顔料を十分に泡立てる
低刺激の洗顔料を適量手に出し、十分に泡立てます。泡立て完了の目安は、手の平を逆さにしても落ちないくらい濃密な泡ができることです。泡立てが苦手な人は専用グッズを使用して、両手にこんもりと乗る程度の濃密泡を作りましょう。

【2】ぬるま湯でしっかりすすぐ
洗顔料のすすぎ残しはニキビを悪化させる要因です。体温より低い温度のぬるま湯を使用し、しっかりとすすぎましょう。すすぎの回数は、20回〜30回が一つの目安。すすいだ後にこめかみやフェイスラインを触り、すすぎ残しのないことを確認した上で、洗顔を終えてください。

「ニキビが気になるから」とゴシゴシ強くこすったり必要以上に洗顔したりすることは、トラブルを悪化させる要因です。十分に泡立てた洗顔料を使用し、正しい方法で洗顔すれば、顔の汚れはきちんと落ちます。ニキビができている時こそ王道的な方法に則り、正しく洗顔してください。

2. 保湿重視のスキンケアでバリア機能を強化する

肌の乾燥は、大人ニキビの悪化につながる主要な要因の一つです。洗顔後は速やかに化粧水をなじませて、たっぷりの水分を補充しましょう。

化粧水は、清潔な手の平にだし、顔を覆うようになじませることがポイントです。肌をゴシゴシこすったり強くたたくようにつけたりする方法は、適切といえません。化粧水をなじませた後は、両方の手の平で顔全体を覆う「ハンドプレス」で浸透を促しましょう。

化粧水の後には、乳液もしくはクリームで蓋をします。ニキビを気にして油分を含む基礎化粧品の使用を控えることは、乾燥を悪化させるリスクがありますから、注意しましょう。乳液やクリームのベタつきが苦手な人は軽い質感の商品を選択し、適量を薄く伸ばしてください。

3. 市販のニキビ治療薬を使用する

ニキビを早く、きれいに治すためには、皮膚科の受診がおすすめです。しかし、やむを得ない事情によって「皮膚科に行く時間がない」というときには、市販の治療薬を活用してもよいでしょう。一般的にいわれるニキビの進行度合い別・ニキビ治療薬の選び方は、以下の表の通りです。

白ニキビ・イオウ、サルチル酸など角質を柔らかくする成分配合の治療薬を選択する。
赤ニキビ・イブプロフェンピコノール、グリチルリチン酸2カリウムなど、ニキビの炎症を抑える成分配合の治療薬を選択する。
・レゾルシン、イソプロピルメチルフェノールなど、アクネ菌の殺菌作用がある成分配合の治療薬もおすすめ。
黄ニキビ

市販のニキビ治療薬は皮膚科でもらえる薬と比較してマイルドな作用のものが目立ちますが、「すべての人に副作用が生じない」という保証はありません。

ニキビ治療薬を塗った後に赤み・かゆみ・発疹などの症状が出る場合は一旦使用を中止して、医師もしくは薬剤師、ドラッグストアの登録販売者に相談しましょう。

4. ノンコメドジェニックの化粧品を使用する

ニキビを早く治すためには、化粧品選びを見直すことも必要です。普段のメイクにノンコメドジェニックの化粧品を使用すると、ニキビの悪化・再発を防げます。ノンコメドジェニックとは、ニキビの芯(コメド)のできにくさを立証する試験です。

さまざまなメーカーからノンコメドジェニックのファンデーションやチークなどが発売されていますので、肌に合うものを選び、普段の化粧に活用しましょう。

5. 食習慣を見直す

日々の食習慣を見直すことは、内側からのニキビケアに役立ちます。朝食を抜いたり暴飲暴食したりすることは避け、1日3回、栄養バランスを考慮して食べましょう。バランスのよい食事を基本としたうえで、以下のような栄養素を意識的に摂取することも、ニキビケアに貢献します。

タンパク質肌細胞の原料となる栄養素。肉や魚、大豆食品などに含まれます。
ビタミンAターンオーバーを整えて、肌の乾燥や色素沈着を防いでくれる栄養素。ニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜に含まれます。
ビタミンB2皮脂のバランスを調整して、肌を健やかな状態に維持してくれる栄養素。卵や納豆、焼き海苔などに含まれます。
ビタミンB6ホルモンバランスを整えたり肌を健やかな状態に維持したりするために必要な栄養素。青魚やバナナ、にんにくなどに含まれます。
ビタミンC身体の酸化を防ぐとともに、コラーゲンの生成を促す栄養素。赤ピーマンやキャベツ、柑橘類などに含まれます。

ニキビを早く治すためには、糖分・脂質の多い食べ物を控えることもおすすめです。甘いものや脂肪の多い肉を食べる頻度を減らして、ニキビの目立たないきれいな肌を目指してください。

ニキビ跡を作らない方法3個

ニキビができてしまった後の対処を誤ると、色素沈着やクレーター状の凹みが残ることがあります。以下の対処を取ることで、ニキビ跡を防ぎましょう。

1. できたニキビを潰さない

ニキビを自分で潰してしまうと、周囲の肌を傷つけたり雑菌の繁殖を招いたりするリスクがあります。できたニキビを指でいじったり芯を無理矢理取り出したりする方法も同様です。

ニキビ跡を作らないためには、できたニキビを極力触らず、正しい方法で治してください。「どうしても、中の膿を取り出したい」という場合は皮膚科に行き、面皰圧出(専用の器具を使用して、ニキビの芯などを取り出す治療)を受ける方法が検討されます。

面皰圧出は白ニキビ〜黄ニキビまですべての段階のニキビにおすすめの治療法といわれますから、極力早い段階で皮膚科に行き、専門家の処置を受けてください。

2. ビタミンC美容液を使用する

茶色の色素沈着を防ぐためには、ビタミンCもしくはビタミンC誘導体配合の美容液を使用します。ビタミンCやビタミンC誘導体はターンオーバーを促す作用を持つ成分です。そのため、茶色の色素沈着のもとを排出し、ニキビ跡を防ぐことができます。

ただし、ビタミンCやビタミンC誘導体配合美容液の中には刺激の強い商品もありますから、使用するタイミングが大切です。ニキビの炎症がひどいときは無理をせず、おだやか作用の美容液を選択しましょう。

ニキビができている肌は、ただでさえ敏感です。過剰な刺激を与えることで症状を悪化させることのないように、状態に応じたお手入れを実践する必要があります。

3. 紫外線対策を怠らない

ニキビができているときに大量の紫外線を浴びると皮脂が酸化し、症状を進行させる恐れがあります。重症ニキビになるほどニキビ跡のできるリスクは高まりますから、紫外線対策を万全に行ってください。

紫外線対策の基本は、適切な強さの日焼け止めを毎日使用することです。使用する日焼け止めの強さの目安は、以下の表を参照ください。

◎日焼け止めの強さの目安

SPF15〜30、PA+〜++通勤・通学など日常的な活動のみを行う日に適した強さ。
SPF30〜50、PA++〜+++短時間の屋外スポーツやウォーキングなどを行い、ややアクティブに過ごす日に適した強さ。
SPF50+、PA++〜++++マリンスポーツを楽しんだりハイキングしたりと、炎天下で長時間活動する日に適した強さ。

なお、市販の日焼け止めの中には、刺激の強いものもあります。ニキビの跡を防ぐためには、低刺激の日焼け止めを使ってください。

敏感肌向けに開発された日焼け止めには低刺激の商品が目立ちますので、ニキビができているときにも使用しやすい傾向があります。化粧品同様、「ノンコメドジェニック」の日焼け止めを選択し、ニキビの悪化を防ぐ方法もよいでしょう。

まとめ

同じ場所にニキビを繰り返す人に向けて、原因と対処法を解説しました。ニキビを繰り返す理由は、できやすい部位によって異なります。理由を正しく把握したうえで適切な対策をとることが、理想の肌を手に入れるための第一歩です。

ニキビができたときの対処法を誤ると、ニキビ跡ができてしまったりなかなか治らなかったりするリスクがあります。この記事の内容を参考にできてしまったニキビをきれいに治し、トラブルを繰り返さない状態を目指してください。