監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

美容面で大きな悩みの種になるのが、ニキビ跡による赤みや色素沈着。ニキビの炎症が長く続くと、何年も赤みが治まらないこともあります。

化粧水やパック、市販薬といったさまざまなアイテムがありますが、同じニキビ跡でもいくつかの種類があり、それぞれに合った対策も異なります。

そこで、ここではニキビ跡の赤みの原因とスキンケア方法、色素沈着を消す方法を併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

まずは、ニキビ跡の原因や正しいスキンケア方法をチェックして、健やかな肌へ導きましょう。

ニキビ跡の状態

初めに、ニキビ跡の種類は「赤み」「炎症後色素沈着」「凹凸のニキビ跡」の大きく3つに分けられます。以下では、それぞれのニキビ跡の状態を見ていきましょう。

赤み

ニキビ跡の赤みは、炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)と呼ばれています。炎症によりダメージを受けた毛細血管が拡張や新生することで、赤く透けて見えるのです。

肌全体が赤く見えたり、斑点状の赤みを帯びたりすることもあります。色白の方ほど赤みがでやすい傾向です。

赤く見えることから気にする方が多いですが、通常は徐々に落ち着いて目立たなくなります。しかし、ニキビの炎症が強ければ赤みが何年も続くこともあるのです。

炎症後色素沈着

ニキビの炎症が治まって腫れもひくと、平らで赤い痕が残り、やがて茶色くなる痕を「炎症後色素沈着」といいます。炎症により肌のターンオーバーが乱れて、メラニンを上手く排出できなくなることで起こる肌トラブルです。

刺激を受けたメラノサイトは、肌を守ろうとメラニンを過剰に生成します。メラニンが増えると肌に色素沈着を起こし、いわゆるシミのようなニキビ跡が残るのです。

自然と消えることが多いですが、日焼けをすることで色が濃くなることもあるので注意しなければならなりません。

凸凹のニキビ跡

一般的なニキビ跡は自然と薄くなり消えいきます。しかし、炎症の状態や程度によりニキビ周辺の組織が破壊されると、皮膚が盛り上がった状態の肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)や、へこんだ状態の陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)になることもあるのです。

炎症が繰り返されることで、毛穴自体の構造が変わってしまった状態なので、できてしまうと治療が難しい状態。

ニキビの種類の中でも、とくに強い炎症を伴う赤ニキビや黄ニキビでは、真皮まで影響を及ぼす可能性もあり、クレーターになりやすい傾向があります。表皮と異なり、真皮ではターンオーバーもないため、消えないニキビ跡が残ることもあるのです。

ニキビ跡の赤みは何ヶ月続く?

赤みを伴うニキビ跡には個人差がありますが、ニキビが完全に治ってから約1ヶ月で落ち着きます。ターンオーバーが正常なサイクルで行われる健康的な肌では、約2~3ヶ月で目立たなくなる傾向です。

ただし、ニキビの炎症が強かったり長引いたりすると、1年以上赤みを伴うこともあります。ニキビ跡と気づかずにニキビと間違えて潰すと、赤みが長引くことがあるので注意しましょう。半年~1年以上も赤みが続くのは、炎症のダメージにより肌も薄くなり、赤く見えてしまうからです。

では、なぜニキビ跡が赤みになるのでしょうか。次項でニキビ跡の赤みの原因について、詳しくチェックしましょう。

ニキビ跡が赤みになる原因3個

ここでは、ニキビ跡が赤みになる原因を解説しています。ニキビ跡が赤みになる原因は大きく分けて3つです。

1. 炎症の残骸

ニキビが治ったように見えても、表皮の下ではまだ炎症の残骸が残っていることもあります。赤みは炎症を起こした細胞から分泌された、蛋白分解酵素(たんぱくぶんかいこうそ)やサイトカインなどの物質の残骸によるものです。

2. 毛細血管の拡張

ニキビの炎症により、周辺の皮膚組織がダメージを受けると、肌を修復しようと毛細血管の拡張や新生が始まります。血液が患部に集中して増加するため、薄くなった皮膚を通して赤く透けて見えるのです。

3. 出血

膿をもつ大きなニキビや炎症の強いニキビが潰れると、出血して赤血球が血管から漏れ出すこともあります。皮膚は赤~赤紫色になり、色素沈着を起こす可能性もある状態です。

ニキビ跡のスキンケア方法5個

ここからは、ニキビ跡のスキンケア方法を紹介します。炎症後の赤みのある肌は、自らを治そうと働いている証なので、まだまだキレイな肌を目指せます。ぜひ毎日のスキンケアを見直して、ニキビ跡が気にならない美肌に導きましょう。

1. クレンジングは素早く短時間で済ます

自分の肌に合うクレンジング剤を使い、短時間でメイクを落とすことが大切です。なるべく肌に負担をかけないために、素早くクレンジングを行いましょう。

こすりすぎは肌に刺激となるので、クッション性のあるクレンジング剤がおすすめです。さまざまな情報の影響で、丁寧にマッサージしながらメイクを落とす方が多いようですが、肌をこすっていることに変わりありません。

ニキビ跡を濃くしないためには、クレンジングで肌をこすらないことが重要なポイントです。また、クレンジングの際は、ぬるま湯でサッとすすぎを行いましょう。冷たい水では油分を落としにくく、お湯では肌の乾燥を招きやすくなります。

メイク落としはオイルクレンジングでも構いませんが、その後に洗顔やすすぎをきちんと行いましょう。肌に油分が残ると、ニキビの発生や悪化を招いてしまいます。

2. 肌をいたわりながら優しく洗顔する

ニキビ跡の洗顔では、とにかく摩擦や刺激を与えないことが大切です。ダメージを受けた肌の上からさらに刺激を加えると、赤みやシミが残りやすくなります。

刺激によりメラニンの合成を促してしまうため、洗顔やクレンジングの際は肌をこすらないように意識してください。気にしすぎて必要以上に触ったりこすったりすると、色が濃くなることもあります。

洗顔の手順は、適度な泡を作り、皮脂の多い部位からUゾーン、目元や口元に薄く付けてすすぎましょう。たっぷりの泡で優しく包み込むイメージで洗うのが洗顔時のポイントです。過度な洗顔は肌を傷つけて、余計にニキビや肌荒れの原因になるので控えましょう。

3. それぞれの症状に適したケアをする

赤みや色素沈着には、それぞれに適した成分を配合したニキビ予防化粧品や市販薬でケアしましょう。

ニキビ跡の周辺の皮膚は、バリア機能も低下した状態です。赤みや色素沈着を抑えるケアをし、肌の働きをサポートすることが大事。

以下は、ニキビ跡のケアに適した代表的な成分です。

症状成分
赤みヘパリン類似物質・アラントイン・グリチルリチン酸2Kなど(抗炎症・保湿成分)
色素沈着ビタミンC誘導体・ハイドロキノン・プラセンタなど(保湿・整肌・美白有効成分)

クレーター状のニキビ跡には、美容皮膚科などで肌のターンオーバーの働きを促すケアが必要です。

自己判断での間違ったスキンケアは、ニキビ跡をさらに悪化させることもあります。化粧品だけではクレーター状のニキビ跡を消すことは厳しいので、医療機関で相談してください。

4. しっかり保湿をする

肌の潤いを補い、健やかな肌の状態へ整えることが大切なポイント。ニキビ跡のある周辺の皮膚は、炎症により肌のバリア機能も低下した状態です。

また、ニキビ跡の治療中には、肌が乾燥しやすくなるので、十分な保湿を心掛けましょう。ノンコメドジェニックやハイポコメドジェニックといったニキビ予防化粧品がおすすめです。ニキビの原因菌であるアクネ菌が好む油分を配合せず、コメド(面皰)の発生を防いでくれます。

乾燥肌の方は、セラミドやヒアルロン酸、ヘパリン類似物質などの保湿成分を配合したものを選びましょう。

肌のキメを整えて必要な潤いを補い、しっとりとした肌に導きます。脂性肌の方は皮脂の分泌量やアクネ菌の繁殖を抑えるニキビ予防化粧品で保湿しましょう。サッパリタイプの化粧水を使うと、べたつきやテカリを抑えてサラサラの肌をキープしてくれます。

保湿は肌の状態を整えるために大切なスキンケアですが、過度な保湿はNGです。乾燥が気になるからと、油分の多いクリーム等で重ね塗りをすると、ニキビの悪化や発生につながります。化粧品に記載されている使用量を守り、清らかで美しい肌に導いてあげてください。

5. 紫外線のダメージから肌を守る

ニキビ跡は紫外線を浴びることでシミとして残ることもあります。日焼けをしやすい夏だけでなく、1年を通して紫外線対策を行いましょう。

メイクをしない日でも、日焼け止めはムラなく塗ることをおすすめします。日焼けをするとシミが消えにくくなるので、徹底した紫外線対策が必要です。ただし、いつでも紫外線防御値が高いものを使えばいいわけではありません。

日常生活では、SPF10~20、PA+~++程度で十分です。炎天下での野外活動や、山や海などの日差しの強い場合には、SPF30~50、PA++~++++など、適切な数値の日焼け止めを使用しましょう。

シチュエーションに適した日焼け止めを選び、肌への負担を抑えることも重要です。肌が乾燥していると日焼けやすくなるので、ヒアルロン酸などの保湿成分を配合した日焼け止めがおすすめです。

また、日焼け止めは時間や汗などの影響で防御効果も落ちてくるため、外出時は2~3時間おきに塗り直しましょう。

ニキビ跡の色素沈着を消すにはどうしたらいい?

では、ニキビの炎症後に残るシミには、どのようなケアが必要なのでしょうか。

以下は、炎症後色素沈着を消すためのポイントです。
・メラニンの生成を抑える美白化粧品を使用する
・ピーリングでメラニンの排出をサポート
・こまめな紫外線対策を心掛ける

ニキビ跡の色素沈着を消すためには、メラニンの生成を抑制する美白化粧品や市販薬を用いたケアが有効です。濃くなったシミは、炎症によって真皮までダメージを受けている可能性もあります。

化粧品だけで消すのは難しいので、皮膚科やクリニックでの治療が必要です。ピーリング化粧品でメラニンや古い角質の排出をサポートする方法もありますが、ニキビのある場合や肌が敏感な状態であれば使用を控えてください。

セルフケアで行うよりも、皮膚科やクリニックで相談することを推奨します。また、日焼けをするとメラニンの生成を促してしまうので、こまめな紫外線対策を心掛けましょう。

ニキビ跡を改善する方法3個

ニキビ跡を改善するには肌のターンオーバーを整えることが必要です。肌のターンオーバーを活性化させることがニキビ跡の改善につながります。

では、ターンオーバーを整えるには何をすればよいのかを見ていきましょう。

1. 生活習慣を整える

ニキビ跡を根本的に改善するためには、質のよい睡眠と適度な運動が必要となります。特に睡眠は、就寝中に細胞分裂をして皮膚のターンオーバーを促すため、どんな美容法よりも大切です。

以下は、質のよい睡眠をとるポイントです。
・スマホやテレビを控える
・照明は真っ暗にする
・寝る前はノンカフェイン飲料を飲む
・心地よい香りのアロマを使用するなど

基本的な質のよい睡眠の取り方を紹介しましたが、自分自身が心地よく眠れる環境を作ればOKです。また、激しいトレーニングよりも、ヨガや体操などの適度に体を動かす運動がおすすめ。

適度な運動をすることで血流もアップし、ストレスも上手に発散できます。ニキビ跡に睡眠不足や運動不足、ストレスは大敵なので、できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

2. バランスのよい食事を摂る

ニキビ跡の改善にはビタミンCが重要ですが、さまざまな栄養素を一緒に摂ることで効率よく肌に届けられます。皮脂の分泌量が多い場合には、ビタミンB2やB6を積極的に摂りましょう。脂質の代謝を促し、脂肪の分解をコントロールする重要な栄養素です。

ビタミンB2は牛乳やレバー、いわしなど、ビタミンB6はマグロやにんにく、ピーナッツなどに多く含まれています。また、ビタミンAやβカロチンは、ニキビの炎症を防ぐために必要な栄養素です。

ビタミン類を始め、タンパク質やミネラルなど、さまざまな食材を通して豊富な栄養を摂りましょう。毎日続けて食事のバランスを整えるのが難しい場合には、ビタミンを配合したサプリメントなどで補ってください。

3. 対策を続けても改善しないときは皮膚科へ

大きなクレーター状のニキビ跡が残ると、スキンケアで治すのは厳しいものです。凸凹のニキビ跡を本気で消したい場合には、医療機関の受診を検討する必要があります。

また、以下のような場合には、なるべく早めに専門の医師に相談してください。
・まだ肌に炎症がある
・何度もニキビを繰り返す
・なかなか赤みや色素沈着のニキビ跡が改善しない
・クレーターやケロイドなどのニキビ跡

皮膚科やクリニックでは、飲み薬や塗り薬、レーザーなどの医療機器を用いて、症状に適した治療が行われます。

ニキビの治療では保険が適用される場合もありますが、ケミカルピーリングやイオン導入などのニキビ跡の治療では、保険適用外なことがほとんどなので事前に費用を調べておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、ニキビ跡の赤みの原因やスキンケア方法を解説してきました。1度できてしまうと、消えるまで時間がかかってしまうニキビ跡。

赤みには抗炎症作用のある成分で肌を整え、色素沈着には美白効果のある成分を配合した化粧品や市販薬でメラニンの生成を抑えるケアを続けましょう。また、食生活や生活習慣を整えることが美しい肌を育みます。

ニキビ跡を残さないためには、正しいスキンケアでニキビの発生を防ぐことが重要なポイントです。正しいニキビケアとは、洗顔で清らかな肌を保ち、刺激の少ないノンコメドジェニック化粧品でしっかり保湿すること。肌の状態を整えて、赤みやシミ、凸凹のない美肌を目指しましょう。