監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

きちんとお手入れしているつもりなのに、顔の皮むけがひどく気になる。肌の調子が悪いときはいつも、皮むけが起こる。そのような悩みを抱えて、対処法を探してはいませんか。

この記事では、顔の皮むけの原因と対処法を解説します。気になるトラブルを解消し、滑らかな美肌を維持したい人はぜひ参考にしてください。

ターンオーバーとは?

ターンオーバーとは、肌の奥深くで新しい肌細胞が作られてから表面近くに押し上げられて剥がれ落ちるまで、一連の流れのことを指します。「ターンオーバーに何日かかるか」を示す用語が「ターンオーバー周期」です。

ターンオーバーを繰り返すことで私たちの肌は健康的な状態を維持していて、紫外線やほこりなどに対する抵抗力が備わります。

ターンオーバーが正常に行われないとさまざまな刺激に対する抵抗力が低下して、皮むけなどのトラブルを起こしがちです。ターンオーバーが正常に行われないことが原因で、シワ・たるみ・シミといったエイジングトラブルが悪化するケースも多くあります。

ターンオーバーを正常な状態に整えることは、美肌作りを進める上で欠かせない重要なステップです。

ターンオーバーの正常な状態は?

ターンオーバーの正常な状態とは、ターンオーバー周期が約28日で、早くも遅くもないことです。

ターンオーバー周期が早いと十分に成長していない肌細胞が表面に来てしまい、刺激に対する抵抗力が低下します。ターンオーバーが遅いと古い肌細胞がいつまでも滞留し、新しいものへの入れ替わりが進みません。

一般的にターンオーバーは加齢によって遅くなる傾向がありますから、20代のお手入れをいつまでも続けることは、ターンオーバーの異常を招く原因です。

年齢に応じたお手入れに切り替えて、ターンオーバーを正常に維持することが、若々しい素肌を維持するためのポイントにあたります。

また、栄養バランスの悪い食事や睡眠不足、過剰なストレスもターンオーバーの異常を招く原因です。理想的な生活習慣に切り替えることで、ターンオーバーを正常な状態に整えましょう。

顔が皮むけする原因5個

顔が皮むけする原因には、肌の乾燥やスキンケアの誤り、ターンオーバーの乱れなどがあります。日焼けや病気によって皮むけすることもありますから、正しく原因を把握しましょう。以下では、顔が皮むけする原因5個について、分かりやすく解説します。

1. 肌の乾燥

まず、肌の乾燥です。保湿不足などの理由で角質層の水分が不足し、肌細胞同士のくっついている力が衰えると、皮むけがおこります。

肌の乾燥による皮むけは、湿度の低下する冬から春にかけて悪化しやすいことが特徴です。顔の皮むけのみではなく、ごわつき・くすみ・赤みなどのトラブルを併発することもあります。

2. スキンケアの誤り

次に、スキンケアの誤りです。ゴシゴシこする洗顔やクレンジング、過剰な角質ケアなど誤ったスキンケアを続けていると、肌細胞が剥がれやすい状態になってしまいます。

剥がれやすい状態になった肌細胞に何らかの刺激が加わったとき、ポロポロとむけてしまうのです。スキンケアの誤りは乾燥を悪化させる要因にもあたりますから、どんどん皮むけがひどくなる悪循環に陥ってしまうケースもあります。

「皮むけしやすい」と感じたときには速やかにスキンケア習慣を見直し、トラブルの悪化を防ぎましょう。

3. バリア機能の低下

バリア機能が低下すると刺激に対する抵抗力が低下して、皮むけを引き起こすことがあります。バリア機能とは、皮脂膜・NMF・細胞間脂質からなる肌の保護機能のことです。

バリア機能があるからこそ肌内部に潤いを閉じ込めて、健康的な状態を維持できます。バリア機能が低下した肌は紫外線やほこり、摩擦などへの抵抗力が衰えた状態ですので、わずかな刺激に対しても敏感に反応し、皮むけなどのトラブルを起こしがちです。

4. 日焼け

大量の紫外線をあびると肌表面の水分・油分が失われて、ヤケドのような状態になります。ヤケドを治すための反応として皮むけが起こり、新しい肌細胞へと入れ替わる仕組みです。

日焼けによってめくれた皮を無理に剥がすと、肌に大きな負担をかけます。うっかり日焼けしてしまったときには、保冷ジェルで冷やしたり十分に保湿したりしながら、自然に皮がむけるのを待ちましょう。

5. 脂漏性皮膚炎・アトピーなどの病気

なかなか治らない皮むけは、脂漏性皮膚炎・アトピーなどの病気も疑われます。不安な人は皮膚科に行き、判断をあおぎましょう。

脂漏性皮膚炎・皮脂分泌量の多い鼻の脇やTゾーン、口周りなどに起こりやすいトラブル
・フケのような大量の皮むけが現れて、かさつきやかさぶたが気になることもある
アトピー・バリア機能が低下して炎症を起こし、皮むけ・かゆみ・湿疹などを引き起こすトラブル
・花粉症や食物アレルギーを持つ人が発症しやすい
・重症化すると粉ふきしたようになったり赤みを帯びて盛り上がったりする

上記の他にも、顔の皮むけを引き起こす病気は多数あります。病気の中には適切な治療を行わないと治らないものもありますから、「皮むけ程度」とは考えず、早めの受診がおすすめです。

顔が皮むけしたときの対処法5個

顔が皮むけしたときには原因に応じた対処法をとり、症状の改善を目指しましょう。以下では、皮むけを改善するために日常生活の中で実践したい対策5個を紹介します。

1. 洗顔方法を見直す

皮むけが気になるときには洗顔方法を見直し、肌の負担を軽減する必要があります。以下の手順に従って朝・夜の1日2回、正しい方法で洗顔しましょう。

【1】十分な量の洗顔料を手のひらに出し、よく泡立てる
【2】皮脂分泌量の多い部位から乾燥しやすい部位の順番で優しく洗う
【3】体温より低い温度のぬるま湯で、よくすすぐ
【4】髪の生え際やフェイスラインなどにすすぎ残しのないことを確認してから、清潔なタオルで水滴を拭き取る

正しい洗顔方法を守ると、肌の負担を抑えつつ、要らない汚れのみを落とせます。顔の皮むけが気になるときには普段以上に丁寧に洗顔し、肌の負担を軽減しましょう。

2. 十分に保湿する

肌の乾燥やバリア機能の低下による皮むけは、十分に保湿することで、改善できるケースがあります。洗顔後は速やかに化粧水をなじませて、水分・油分のバランスを整えましょう。

使用する化粧水は、セラミドやアミノ酸などバリア機能の働きをサポートしてくれる成分を配合しているものがおすすめ。化粧水のパッケージに記載されている量を最低基準と考えて、過不足なく潤いを補充しましょう。

化粧水の後には、必要に応じて、美容液をなじませます。肌の乾燥やバリア機能の低下が気になるときには保湿美容液を選択し、健やかな状態に戻すために必要な成分を補充しましょう。化粧水や美容液をなじませた後には、乳液やクリームで蓋をします。

基本の保湿方法は上記の通りですが、皮むけがとくにひどくて、化粧水や美容液を負担に感じる場合にはこの限りではありません。

普段使用している化粧水などにも刺激を感じる場合には、オイルやワセリンなどシンプルなケア商品を使用し、様子を見る方法がおすすめです。皮むけが落ち着いてからバリア機能を補完するためのお手入れを再開し、正常な状態へと戻します。

3. 刺激の強いケア商品を使用しない

皮むけが気になるときには注意したい成分がいくつかあります。たとえば、以下のような成分の含まれるケア商品は肌に過剰な負担を与えて、皮むけを悪化させるリスクがありますので、注意しましょう。

一部の合成界面活性剤クレンジングや洗顔料に配合されることの多い洗浄成分。「合成界面活性剤のすべてが悪」というわけではありませんが、洗浄力が強すぎる合成界面活性剤の配合された基礎化粧品は、乾燥やバリア機能の低下を悪化させるリスクがあります。
一部の香料基礎化粧品やクレンジング、洗顔料によい香りをつけるために配合される成分。合成界面活性剤同様に「香料のすべてが悪」というわけではありませんが、具体的にどのような成分が使用されているかを調べることが困難ですから、皮むけが気になるときには注意しましょう。
エタノール清涼感を持たせたりベタつきを抑えたりするために配合されることの多い成分。揮発性(すぐに蒸発する性質)を持つ成分で、蒸発する際に肌の水分も奪い去り、乾燥を悪化させるリスクがあります。

上記の表はあくまでも注意したい成分の一例です。肌質は人それぞれ異なりますから、「自分に合わない」と感じる成分の配合されているスキンケアアイテムの使用は避けてください。

4. 紫外線対策を怠らない

顔の皮むけが気になる肌は紫外線刺激を受けやすい、デリケートな状態です。普段以上にしっかりと紫外線対策を行い、さらなるダメージを防いでください。

紫外線対策の基本は、適切な強さの日焼け止めを毎日欠かさずに塗ることです。日焼け止めの強さの基準は、以下の表を見てください。

◎日焼け止めの強さの目安

SPF15〜30、PA+〜++近所へ買い物に行ったり通勤・通学したりと、日常的な活動のみで過ごす日に適した強さ。
SPF30〜50、PA++〜+++屋外スポーツを数時間楽しんだりやや長めにウォーキングしたりする日に適した強さ。
SPF50+、PA++〜++++マリンレジャーやハイキングなど、アクティブに活動する日に適した強さ。

近年では、シトラスとローズマリーから抽出した植物成分「ニュートロックスサン」・強い抗酸化力を持つ「クコの実エキス」などの配合されたサプリメントを飲み、身体の内側から紫外線対策する方法も広まっています。

顔の皮むけが気になるときには塗る日焼け止めと飲む日焼け止めを併用し、紫外線対策を強化する方法も考えましょう。

5. 規則正しい生活を意識する

起床・睡眠時間がバラバラだったり朝食を抜いたりすると、自律神経のバランスが崩れて、ターンオーバーに影響が出ます。毎日決まった時間に起床して朝食をとり、日中はアクティブに活動したうえで夜更かしせずに就寝する、理想的な生活リズムに切り替えましょう。

休日の寝だめは時差ぼけのような状態を招き、肌の不調につながることがあります。可能な限り過剰な寝坊や昼寝は控えて、理想的な生活リズムを守ってください。

さらに、ターンオーバーを正常に整えるためには、睡眠の質を高めることが大切です。以下の注意点を守り、睡眠の質を高めることで、乾燥やバリア機能の低下による皮むけの改善を図ってください。

・就寝前はカフェイン飲料、アルコールを摂取しない
・就寝前のハードな運動は控える
・ベッドの中でスマホやタブレットをいじらない
・清潔なシーツや枕カバーを使用する

生活習慣の見直しは、皮むけ以外の肌トラブルを改善するためにも有効な対策です。できることから少しずつ改善し、美肌つくりに貢献する生活習慣を身につけましょう。

まとめ

顔の皮むけの原因には、肌の乾燥やスキンケアの誤り、バリア機能の低下などが考えられます。皮むけが気になるときには、洗顔方法を見直したり十分に保湿したりすることでターンオーバーを正常に戻し、肌の調子を整えましょう。

この記事で紹介した対策を実践してもなお治らない皮むけは、何らかの病気も疑われます。不安な症状がある人は皮膚科に行き、専門家の意見をあおいでください。