
「せっかく時間をかけたメイクが日中に崩れている」という経験は多くの方にとって心当たりがあるものでしょう。朝整えたメイクが夜まで維持することができれば、メイク直しの手間がかからず、また化粧崩れを気にする必要も無くなるのでとても気楽です。
しかし、自分は化粧が崩れやすい肌質だから、と諦めていないでしょうか。化粧崩れは肌質の他にも様々な原因があります。もしかしたら少しの工夫ですぐに改善することもできるかもしれません。
今回は化粧崩れの原因と対策方法をご紹介します。化粧崩れはどんな肌質の人にも起こってしまうトラブルです。自分の肌のコンディションや環境と照らし合わせながら、化粧崩れを防止するための参考にしてみてください。
化粧崩れがひどい…どんな状態?
「化粧崩れがひどい」というときは、主にファンデーションが崩れています。日中に顔に塗ったファンデーションがひび割れたり、肌に密着せず浮いて悪目立ちしている状態のことを指します。
しかしファンデーションのようなベースメイクだけでなく、ポイントメイクのヨレももちろん化粧崩れです。例えば、上まぶたのアイメイクやマスカラが落ちて下まぶたを汚してしまったり、チークが不自然になったりします。
化粧崩れがひどくなってしまうと、化粧室ですぐに元通りにするのは難しく、ベースメイクからやりなおさなければいけません。そうならないためにも、化粧崩れの原因から取り除くことが大切です。次に化粧崩れの原因をご紹介します。
化粧崩れの原因5種類
化粧崩れの原因は主に5つです。肌質や体質に原因があることもありますし、メイクの方法に問題があることもあります。一つずつ見ていきましょう。
1. 乾燥
乾燥した肌は角質層がゴワゴワになったり、皮脂の過剰分泌の原因にもなったりするため化粧が崩れやすくなる主な原因ということができます。
角質層は「角質細胞」の隙間を「細胞間脂質」が埋めることでなめらかな状態を保つことができます。しかし乾燥肌の場合は「細胞間脂質」が不足している場合が多く、「角質細胞」が浮いてしまったり、逆にお互いにひっついてしまっています。また脂質が少ないために滑らかさが失われがちです。
角質がゴワゴワしていたり、なめらかさが失われたりすることによってメイクの密着度がさがり崩れやすくなってしまいます。反対に、乾燥を感じた肌が水分を守るために皮脂を多く分泌してしまうこともあります。
乾燥は頬や顎などの目立ちやすいパーツに起きやすいので、化粧崩れが目立つところも悩みのポイントです。
2. 多すぎる油分
肌に油分が多すぎるとメイクがすべって崩れやすくなってしまいます。肌に油分が多い原因として2つ考えられます。もともとの肌が皮脂を過剰分泌している場合と、スキンケアの油分が残っている場合です。
皮脂を過剰分泌している場合
皮脂は肌のバリア機能を保つためにも必要です。しかし、乾燥や生活習慣の乱れによって皮脂の分泌は多くなってしまうことがあります。
多すぎる皮脂はメイクと肌との密着度をさげて、すべりやすくしてしまいます。ベースメイクがヨレやすいため、その上に重ねるポイントメイクも崩れやすい状態です。
脂性肌ではないという方の中でも、部分的に皮脂分泌が多い方もいます。毛穴が多いところや開いているところは皮脂の分泌が多くなりやすく、おでこから眉間・鼻にかけてのTゾーンは油っぽくなりがちです。
スキンケアの油分が残っている場合
スキンケアの油分が残っていると、メイクの成分と混ざってお互いの効果を下げてしまいます。乳液の保湿効果を損ねてしまったり、メイクは肌への密着度が下がりヨレ安くなってしまうでしょう。それぞれの効果を十分に発揮するためにもスキンケアと混合することは避けるべきです。
3. 汗や湿気
汗をかきやすい体質、または湿気が多い環境で長く過ごしていることも化粧崩れの原因になります。肌とメイクの間に水分が多くなって、浮きやすくなってしまうのです。
汗は暑いときにかくものだけではなく、皮膚を守るために常に分泌されています。顔には汗が出る汗腺は多く分布しているので、メイクをするときはどこのパーツも汗による影響を受けやすいでしょう。
体温が上がると皮脂の分泌量も多くなるため、暑いところで過ごすときには特に対策が必要です。汗も皮脂も多く分泌されるため、余計に化粧崩れしやすくなります。
汗をかくことは体温を調節するために必要な機能ですから、メイクを工夫するのがいいでしょう。
4. ベースメイクの厚塗り
ベースメイクを厚く塗りすぎると、肌と密着できていない部分が剥がれやすくなってしまいます。
厚塗りは濃いメイクをしている人だけと思われるかもしれませんが、意外にも多くの方が厚く塗りすぎていることがあります。原因は使用量を守れていなかったり、必要以上にたくさんのアイテムを使ってしまうためです。
また、ブラシやパフの使い方が誤っており、思っているよりも多く肌に塗っている場合もあります。特に見落としがちなのがメイクアイテムの手入れ不足です。メイクに使う小物に前回使ったファンデーションやパウダーが残っており、肌についてしまうことがあります。
メイク小物は正しく、そして清潔な状態で使うのが基本です。知らない間に厚塗りをしてしまっているかも、という方は自分のメイク小物の見直しが必要かもしれません。
5. 相性が悪いメイクアイテム
肌質に合っていないメイクアイテムは、メイクの密着度を下げるだけでなく完成度まで落としてしまいます。乾燥肌には乾燥肌向けのメイクアイテム、脂性肌には脂性肌向けのメイクアイテムを使うことが理想です。
また、肌のコンディションは一年を通して一定の状態というわけではありません。季節や体調に合わせたメイクを使うといいでしょう。そのためにはしっかり自分の肌を観察して、正しく把握することが必要になります。
化粧崩れしない防止方法7個
それぞれの原因に対する予防の方法をご紹介します。自分の化粧崩れの原因だと思う項目を参考にして、ぜひ普段の生活に取り入れてみてください。
1. 【乾燥】には【保湿】!普段のスキンケア+メイク前も
乾燥した肌はとにかく保湿が重要です。うるおいを補給する化粧水と、水分が蒸発しないように守る乳液やクリームは必ずセットで使うようにしましょう。
保湿をするタイミングは洗顔後、入浴後が基本です。朝と夜の2回行うと良いでしょう。顔を洗ったあとは、顔に付着した水分が蒸発するのと同時に肌のうるおいまで失ってしまう状態になっています。タオルで優しく水分を拭き取り手早く化粧水を塗りましょう。
鼻周りや目元は細かい部分なので、塗り忘れてしまい、部分的に乾燥してしまうことがあります。化粧崩れを予防するためには、パーツの乾燥も見逃せません。保湿のときに意識して塗るようにしましょう。
メイクの前にしっかり保湿をすることで、化粧の密着度が上がります。乾燥気味の方はいきなり日焼け止めや下地を塗るのではなく、化粧水で一旦うるおいを補給することを習慣にするといいでしょう。
2. 【汗や湿気】には【ウォータープルーフ】アイテムを使う
汗をかきやすい、湿気が多い環境で過ごすという方はウォータープルーフのメイクアイテムを使いましょう。ウォータープルーフのメイクアイテムは水に強く、汗をかいても落ちにくいアイテムのことです。
使うときの注意点としては、メイクを落とすときにクレンジングをしっかり行うことが推奨されます。
お湯などでは落ちにくいので、ウォータープルーフのメイクも落としやすいクレンジングを使って、地肌にメイクが残らないように気をつけましょう。マスカラなどのポイントメイクにはリムーバーを使えば簡単に落とすことができます。
3. 【汗をかきやすい】体質には【ベースメイクの見直し】が必要
「少し動いただけでも汗をかいてしまう」「周りの人よりも暑がり」だと感じる方はベースメイクの順番を見直すといいでしょう。
通常のベースメイクは以下のような順番で行われます。
・日焼け止め→下地→ファンデーション→パウダー
もしも汗をよくかくという方は、下地のあとにパウダーを挟む方法がおすすめです。その場合以下のような順番になります。
・日焼け止め→下地→パウダー→ファンデーション→パウダー
こうすることによって、パウダーが下地の密着度を増し、また余分な水分や油分をパウダーが吸着する効果を有効にすることができます。
コンシーラーやクリームチークを使う方は最後のファンデーションとパウダーの間に行うことで自然と密着度を上げることができます。出来上がりのバランスを見ながら、ぜひ試してみてください。
4. 【皮脂の過剰分泌】には【メイク前のスキンケアの見直し】がおすすめ
脂性肌の方や一時的に皮脂が多くなっている場合、メイク前のスキンケアを見直すことで化粧崩れを予防することができます。
まずは余分な皮脂をとりのぞくために拭き取りをしましょう。専用の拭き取り化粧水でもいいですし、普段遣いの化粧水をコットンに染み込ませて、肌の表面を滑らせるように優しく拭き取るのもおすすめです。
拭き取ったあとは肌の表面をなめらかに整えるためにも化粧水をたっぷり塗ります。何も塗らないほうがいいように思われるかもしれませんが、拭き取ったあとに化粧水をムラなく塗ることによって肌を均一な状態に整えることができます。
5. 【スキンケアの油分が残っている】場合には【メイク前に一呼吸おくこと】が大切
スキンケアが終わったあとは、しっかり間を置いてからメイクを開始することですぐに解決できます。スキンケアの油分がメイクの邪魔することのないように、しっかり角質層に浸透してからメイクを始めましょう。
6. 【ベースメイクの厚塗り】には【メイク小物に一工夫】
厚塗りを予防するためには、まずアイテムによって推奨されている使用量を守って使います。顔の大きさによって使う量は変わりますが、多すぎることがないように基本は守るようにしましょう。
そしてメイクをするために使うブラシやパフなどの小物を用意するのもおすすめです。ファンデーションには付属のものがついている場合がありますが、専用のブラシやパフを使うことで薄付きでもしっかり効果を出すことができます。ムラなく塗りやすくなるので、その点でも化粧崩れを予防することができるでしょう。
ブラシやパフを使う場合は、使うたびにパウダーやリキッドをしっかり含ませることが大切です。表面につけただけではムラになりやすく、小物を使う効果が薄れてしまいます。
例えばパウダーを付けるとき、ブラシには根本までしっかり粉を落とし、パフは揉み込むようになじませます。この一手間をかけてから肌にのせることで化粧のノリが変わるので、ぜひ試してみてください。
またメイク小物は常に清潔な状態を保つことも重要です。以前メイクしたときのリキッドやパウダーが残っていたということがないように、できるだけこまめにお手入れをしましょう。
7. 【相性が悪いメイクアイテム】は【肌質チェック】
自分の肌と相性の良いメイクアイテムを選ぶためには、自分の肌質を知る必要があります。鏡でしっかりチェックしてみたり、コスメカウンターなどでプロに見てもらったりするのもいいでしょう。
肌質は個人によって異なるのはもちろん、同じ人の肌でも夏と冬で変わります。女性の場合は一ヶ月の中でも肌のゆらぎが出るでしょう。一度チェックしたら終わり、ではなく、定期的に肌を観察して自分の肌質を確かめるようにしましょう。
肌質が分かれば、それにあったメイクアイテムを選ぶことができます。まずは乾燥しやすい肌なのか、油っぽい肌なのかというポイントだけで構いません。少しずつ自分の肌質を理解して、相性の良いアイテムを揃えましょう。
化粧崩れの直し方3個
最後に化粧崩れが起きてしまったときの直し方をご紹介します。
1. ティッシュで軽くオフ
この方法はアイメイクが崩れて下まぶたにうつってしまったときや、ファンデーションがよれて不自然な部分ができてしまったときにおすすめです。
崩れが目立つ部分に軽くティッシュを押し当ててメイクをオフしましょう。それだけでも見た目がなめらかになることがあります。ポイントはティッシュで擦らないこと。擦ると余計にメイクがよれて化粧が崩れてしまいます。
2. フィックスミストで密着度アップ
フィックスミストを使えば浮いてきたメイクをもう一度肌に密着させることができます。ファンデが浮いてきてしまったり、乾燥して粉をふいた状態になったときにおすすめです。
なるべく細かい霧状になるものを選びましょう。水分がつきすぎてベタベタになってしまうことを防ぐためです。顔全体に軽く吹き付けて馴染むのを待つようにしましょう。
3. コンシーラーやパウダーでカバー
目元や小鼻の周りなど、崩れやすいところはオフしたあとに更にカバーする必要があるかもしれません。
化粧崩れがひどい場合はティッシュなどでオフしたあとに、コンシーラーやパウダーを重ねるといいでしょう。コンシーラーはスティックタイプのものや、筆のものがおすすめです。
パウダーを使えば広い範囲の化粧直しをすることができます。薄いコンパクトのものなど持ち歩きやすいアイテムを選んで賢く直しましょう。
まとめ
化粧崩れの原因と、改善方法をご紹介しました。化粧崩れを予防するためにはなめらかな肌の状態を保つことが大切です。いつも化粧が崩れてしまうという方は、スキンケアも見直してみるといいでしょう。
健やかな美肌を保ち、メイクと肌の密着度を上げる工夫をすれば日中もメイク崩れを気にせず過ごすことができます。ぜひ今回の記事を参考にして、化粧崩れしにくい肌を目指してください。