監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

メイク落としや洗顔に気を使っているつもりでも目立ってしまう毛穴の黒ずみ。間違ったケアで悪化させてしまう女性は多いものです。

黒ずみのできる原因と正しいケア方法、予防対策について、基礎知識をおさらいしましょう。

毛穴の黒ずみが目立つ肌の状態とは?

健康な肌と黒ずみが目立つ肌の大きな違いは、バリア機能に関することです。健康な肌は、角質層に十分な水分・表面近くに適度な皮脂膜があることで、正常なバリア機能を維持しています。

毛穴の黒ずみが目立つ肌は、角質層の水分不足が進行し、カラカラに乾いた状態です。小さなスポンジがいくつも並んだ様子をイメージすると分かりますが、内部の水分が抜けると1つ1つが縮むため、隙間ができてしまいます。

隙間だらけになった肌は、バリア機能が正常には働きません。皮脂分泌過剰・ターンオーバー周期の乱れが起こり、詰まり毛穴になってしまいます。詰まり毛穴を放置することによって生じるトラブルが黒ずみです。

毛穴の黒ずみの原因2個

原因を特定したうえで正しいケアを行うことが毛穴レス肌の近道です。詰まり毛穴から黒ずみに進行する原因は、大きく2つ。次のうち、どちらのタイプに該当するかを考えてみましょう。

1. 角栓

皮脂や古くなった角質・空気中の汚れが蓄積し、巨大化すると、肌表面に飛び出します。飛び出した部分が空気に触れ、酸化したものが黒ずみです。肌の状態のところでも見たように、黒ずみの下では、乾燥やターンオーバー周期の乱れが起こっているはず。

角栓を取るケアだけでは、根本的な解決となりません。黒ずみ対策ケアと併行し、乾燥対策やターンオーバー周期を正常化する対策が必要です。

2. 色素沈着

皮脂や紫外線は、肌にとっての刺激です。刺激を受けた肌は、自分自身を守るため、メラニンを生成します。ターンオーバー周期の乱れた肌では、メラニンの排出が間に合いません。毛穴の側面にメラニン色素が蓄積され、シミになってしまいます。

色素沈着タイプの黒ずみは、汚れによるものではないということです。洗顔やクレンジングでは解決できず、シミケアと同じ対策を検討しましょう。

毛穴の黒ずみを取るケア方法6個

さて、ここからが本題です。原因別に3個ずつ・合計6個の毛穴の黒ずみ対策を紹介します。

角栓による黒ずみを取るケア方法3個

角栓を押し出すお手入れや粘着シートで剥がすケアは、肌に負担をかけてしまいます。毛穴汚れを残さない正しいクレンジングと洗顔、週1回の集中ケアを続けることで、きれいな肌を目指しましょう。

1. ホットクレンジングジェルを活用する

ホットクレンジングジェルとは、肌に伸ばすと温かく感じるメイク落としのことです。温められたときに毛穴が開き、内部に入り込んだメイク汚れまで、きれいに洗うことができます。クレンジングの前に蒸しタオルで毛穴を開かせ、ケアするお手入れは有名ですよね。このお手入れと同じことがホットクレンジングだけで行えます。

ホットクレンジングを使ったメイク落としは、次の手順で進めます。

【1】手で温める
ホットクレンジングは、乾いた肌に使います。適量のジェルを手のひらに出し、両手で挟み、やわらかくなるまで温めてください。

【2】顔全体になじませる
顔の内側から外側に向かって、温かいジェルをなじませます。黒ずみが気になるところは指の腹を使い、小さめの円を描くように動かしましょう。一般的なクレンジング同様に時間をかけた洗い方は、乾燥の原因です。1分以内を目安として、手際よく進めてください。

【3】ぬるま湯ですすぐ
ぬるま湯を手ですくい、顔全体に数回かけます。最初の数回は、汚れを含んだジェルを肌から浮かせるためのもの。本格的なすすぎは、小鼻や目元、口元など細かい部分に気をつけながら、ていねいに行いましょう。

ホットクレンジングジェルは、ダブル洗顔不要のタイプが主流です。クレンジングの後には、化粧水・美容液・乳液もしくはクリームを使い、いつも通りにケアしてください。

2. 酵素洗顔で週1回の集中ケア

酵素洗顔とは、毛穴に詰まった角栓を酵素の力で分解し、落としやすい状態にする洗顔料のことをいいます。ホットクレンジングジェルではケアしきれない黒ずみの集中ケアにおすすめです。酵素洗顔の頻度は、週1回を目安とします。商品指定の頻度があれば、その通りに従いましょう。

酵素洗顔を行うときのポイントは、2点あります。

【1】夜の洗顔ケアに使う
古くなった角質を落とすことで、バリア機能が低下します。紫外線刺激による黒ずみ悪化を防ぐためには、夜の使用がおすすめです。酵素洗顔した後の肌は化粧水や美容液が浸透しやすく、保湿ケアに適しています。まとまったお手入れ時間を確保できる休日の夜を選び、集中ケアを実践しましょう。

【2】よく泡立てて使用する
きめ細やかな泡を作ることで、汚れ除去力が高くなります。一般的な洗顔料より泡立ちにくい商品もあるため、ぬるま湯を足しながら、十分な量の泡を作ってください。

応用的な使い方として、少量の水を酵素洗顔料に混ぜ、ペーストにしたスクラブを黒ずみにのせるケア方法もおすすめです。この方法のメリットは、黒ずみが気になる部分だけのスポットケアができること。足す水が多すぎると泡立ってしまうため、指先から1滴ずつたらすように混ぜてください。

3. エステやクリニックに相談する

正しいクレンジング・洗顔・集中ケアを続けても改善されない黒ずみは、専門家に相談しましょう。エステでは、専用機器を使ったディープクレンジングや毛穴吸引、毛穴洗浄などを行います。基本的にはセルフケアと同様のアプローチを取りますが、エステ仕様のアフターケアを併用することによって、負担をかけにくいお手入れが可能です。

クリニックでは、医療機器を使った黒ずみケアを受けられます。黒ずみケアとエイジングケアが同時にできるレーザー治療は、皮膚科特有のメニュー。黒い色素に反応させて照射するため、ほかの部分にダメージを与えにくい特徴があります。

毛穴ケアで有名なクリニックは、一般的な医療機関のイメージと異なり、エステのような空間です。敷居が高いわけではないため、なかなか改善されない黒ずみは、カウンセリングで相談しましょう。

色素沈着による黒ずみを取るケア方法3個

色素沈着による黒ずみを取るためには、剥がすケア・消すケアが考えられます。たとえば、こんな対策を試してみましょう。

1. ピーリングで黒ずみを剥がす

色素沈着が見られる肌は、ターンオーバー周期が遅くなり、生まれ変わりが阻害されている可能性が疑われます。ピーリングによって外的にターンオーバーを起こすことで、黒ずみを取ることが可能です。

ピーリングを行う際の選択肢として、エステやクリニックに行く方法・自宅で行う方法の2種類が考えられます。自宅で行う方法は、好きなときにお手入れできる・費用が安いといったメリットがある反面、使い方を間違えてしまうと肌荒れを招くリスクもあります。時間とお金に余裕があれば、専門家に相談し、ケアを受ける方法がおすすめです。

自宅でピーリングを行う場合は、以下の手順で進めましょう。

【1】黒ずみ部分にジェルをのせる
パッケージで指定された量のジェルを出し、黒ずみ部分にのせてください。量が少なすぎると摩擦刺激を与えやすいため、正しい量を使いましょう。

【2】指の腹でクルクルとなじませる
洗顔と同じ要領で、マッサージを行うようになじませます。毛穴の側面にできてしまった色素沈着を剥がすイメージを持ち、ポロポロとした塊が出てくるまで続けてください。

【3】ていねいにすすぐ
ぬるま湯を使って、顔全体をすすぎます。小鼻のあたりはすすぎ残しが出やすいため、とくにていねいにすすぎましょう。

ジェル以外にも、リンゴ酢や拭き取り化粧水、重曹ペースト、クエン酸など、いろいろなピーリング方法が考えられます。どの方法を選択した場合でも、お手入れの目的は同じです。過剰なピーリングは、ターンオーバー周期を必要以上に早めてしまうリスクがあります。

ピーリングした後には、きちんと保湿を行いましょう。肌の生まれ変わりがスムーズに進むように早めに就寝し、ゆっくりと休めてあげます。

2. ハイドロキノンクリームで黒ずみを消す

ハイドロキノンは、シミの漂白剤ともいわれる強力な成分です。2001年の薬事法改正により、医師の処方箋をとることなく、購入できるようになりました。

ハイドロキノンの大きな特徴は、黒くなったメラニン色素を還元し、無色透明状態に戻すことです。毛穴の黒ずみを目立ちにくくし、トラブル改善を助けてくれます。

繰り返しになりますが、ほかの美白成分に輪をかけて強力な作用を持つため、使用量や期間を守り、正しく活用してください。ヒリヒリする・赤くなったといったトラブルが出た際には、すぐに使用を中止して、医療機関に相談しましょう。

3. シミ対策の飲み薬を服用する

色素沈着タイプの黒ずみには、ドラッグストアで購入できるシミ対策用の飲み薬を検討できます。毛穴の黒ずみケアに適した代表的な成分は、次のものです。

L−システイン:
小麦や大豆に含まれるアミノ酸の一種です。ターンオーバー周期を安定させ、メラニン色素の排出を促す働きが期待されます。ストレスや紫外線によって発生した活性酸素を除去する抗酸化作用も特徴的な働きです。大人ニキビ・ゆらぎ肌対策を行いたい人にもおすすめできます。

ビタミンC(アスコルピン酸):
黒く変わったメラニン色素を還元し、無色に戻す働きが期待されます。コラーゲン生成を担当している線維芽細胞を増やし、毛穴の引き締め対策を行うことも可能です。普段の食事では不足しているビタミンCを補うことで、黒ずみ・毛穴の目立ちにくいきれいな肌への生まれ変わりが期待されます。

毛穴の黒ずみ予防!きれいな毛穴を保つコツ5個

きれいな毛穴を維持するためには、黒ずみ予防が大切です。スキンケアや生活習慣の工夫によって、毛穴レス肌を維持しましょう。

1. 保湿ケアを毎日行う

保湿ケアが不十分だと、余計に皮脂が分泌されます。クレンジング・洗顔後の保湿ケアを徹底し、油分と水分のバランスを整えましょう。化粧水をきちんと浸透させた後に美容液、乳液(クリーム)を重ねることで、ベタつきストレスを軽減できます。皮脂分泌が活発となる夏場には、さっぱりしたタイプの化粧水や美容液を選択する方法もよいでしょう。

2. UVケアを怠らない

紫外線刺激は、黒ずみを招くだけでなく、シワやたるみにつながります。日焼け止めもしくはUVカット機能のついた下地を毎日使い、紫外線対策を徹底しましょう。日差しが強い夏場には、日傘や帽子を併用する方法もおすすめです。目から入る紫外線によって影響を受けることもあるため、サングラスを着用しましょう。

日焼け止めを塗った日には、クレンジングや洗顔が必須です。汚れが残ったまま就寝すると、毛穴の詰まりや色素沈着を悪化させるおそれがあります。メイクのように目に見えない汚れだからこそ、ていねいに洗顔しましょう。日常使いの日焼け止めはクレンジング不要タイプを選択し、過剰な負担を避けることも大切です。

3. 汗をかいたらすぐに拭き取る

顔の汗を放置すると、肌の状態は悪化します。汗が蒸発する際に水分も一緒に逃してしまい、うるおい不足となるためです。乾燥が進行するとターンオーバー周期が乱れるため、黒ずみを悪化させるリスクがあります。

夏場の外出には、2〜3枚のタオル・ハンカチを用意し、汗をかく度に拭いてください。ランニングや屋外スポーツでたくさんの汗をかいたときには、メイクを落として洗顔します。「何度も洗顔すると乾燥する」といった理由で洗顔を控える人もいますが、汚れた肌を放置することの方がハイリスクです。洗顔後にていねいな保湿を行うことで水分を補い、乾燥を予防します。

4. ベースメイクを厚塗りしない

カバー力の強いファンデーションや下地を厚塗りすると、毛穴に汚れが溜まりやすく、肌に負担をかけてしまいます。ミネラルファンデーションや美容成分配合のコスメを選び、ナチュラルメイクがおすすめです。

5. 皮脂の分泌過剰を防ぐ生活習慣

糖質・脂質の多い食事やアルコールの過剰摂取、睡眠不足は、皮脂の過剰分泌を招くおそれがあります。栄養バランスのとれた食事と規則正しい睡眠リズムによって、過剰分泌を抑制しましょう。

「糖質や脂質をすべてカットすればよい」というわけではなく、1日あたりの摂取量目安を守り、タンパク質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・良質な脂質のバランスをとることが大切です。アルコールにしても、同じ理屈があてはまります。節度を守って適量を飲むくらいであれば、過剰な我慢は不要です。

「甘いものが止められない」「お酒が大好き」といった人がストイックな制限を始めると、ストレス要素が増えることにより、肌荒れを招くことがあります。週に1回は甘いものを食べてもOK・お酒の席は1次会で切り上げるなど、自分なりのルールを決めて、長期的に続けることが大切です。

まとめ

毛穴の黒ずみを取る方法と予防方法を紹介しました。黒ずみ対策は1日や2日で変化が見られるわけではなく、数ヶ月単位の継続が必要です。なかなか改善できなくても諦めず、対策を継続しましょう。

俗説的に広まっている毛穴ケアには、負担が大きく、危険な方法も見られます。流行のケアには惑わされず、正しいお手入れによって、毛穴レス肌を目指してください。