監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

美肌づくりを考える際に必ずといってよいほど耳にする単語がターンオーバー。しかし、いざ「ターンオーバーとは何か」と聞かれると、しっかり説明できない人も多いのではないでしょうか。

肌のターンオーバーの意味を正しく把握して、整えるための対策をとることは、うるおいやツヤのある状態を維持するための不可欠要素に該当します。

肌のターンオーバーに関する基礎知識を今一度おさらいし、いつまでも若々しく魅力的な状態を維持しましょう。

肌のターンオーバーとは?

肌のターンオーバーとは

肌のターンオーバーとは、表皮の一番奥にある基底層で新しい細胞が生成されて古いものを押し上げ、垢や古い角質として剥がれ落ちるまでの流れを意味します。

新しい細胞が生成されてから約4週間で表皮の一番上の角質層に到達し、そこから2週間で垢や古い角質として剥がれ落ちることが通常です。私たちの肌はターンオーバーを繰り返すことで潤いやハリのある、健康的な状態を維持しています。

「ターンオーバーが乱れる」とは、新しい細胞が生成されていないうちに古いものが剥がれ落ちてしまったり、古い細胞がいつまでも滞留して生まれ変わりが進まなかったりすることです。

ターンオーバーが乱れると肌の乾燥やシミ、ニキビ、毛穴の開きなど、さまざまなトラブルが生じます。肌のくすみなど見た目年齢を左右する問題を生じさせることも多く、ターンオーバーを整えることが、若々しさを保つコツです。

肌のターンオーバーが乱れる原因

ターンオーバーが乱れる原因の1つは加齢です。一般的には年齢を重ねるごとにターンオーバー周期が長くなり、トラブルを起こしやすくなっていきます。

その他の原因は、寝不足や過剰なストレス、食生活の乱れなど生活習慣の問題です。過剰なダイエットやアルコール、喫煙習慣によってターンオーバーが乱れるケースも見られます。

スキンケアに関していえば、誤った洗顔とクレンジング、頻繁な角質ケアがターンオーバーの乱れを招く原因です。

たとえば、ゴシゴシこする洗顔や洗浄力の強すぎるクレンジングの使用を続けていると肌に大きな負担がかかり、ターンオーバーの乱れを招くことがあります。

頻繁な角質ケアは本来の周期よりも早く表面の細胞を剥がし、ターンオーバー周期を乱れさせる原因です。ターンオーバー周期が早すぎると十分なバリア機能を発揮できず、紫外線刺激などを受けやすい状態に傾きますから、さまざまな肌トラブルを招くことが多くあります。

肌のターンオーバーを整える方法4個[スキンケア]

ターンオーバーを整えるためには、正しいクレンジングと洗顔、保湿を続ける必要があります。以下のポイントを意識し、ターンオーバー周期の乱れを解消しましょう。

1. クレンジング方法を見直す

まず、ターンオーバーを整えるためのクレンジング方法を紹介します。マスカラやリップなどのポイントメイクは専用リムーバーを使用し、顔全体のクレンジングを行う前に落としましょう。

顔全体に使用するクレンジングは、メイクの濃さに合うものを選択します。比較的濃いメイクをした日にはクレンジングオイルやクレンジングバームなど洗浄力の強いタイプ、普段使いにはクレンジングミルクやクレンジングクリームなど肌に負担をかけにくいタイプがおすすめです。

いずれのタイプのクレンジングを使用する場合も適量を顔全体に優しくなじませて、メイクをしっかり浮かせましょう。クレンジングの使用量が少ないと摩擦によって肌の負担が増えますから、適量を使うことが大切です。

油分を含むクレンジングの場合は、すすぎの前に少量のぬるま湯をなじませ、白く濁った状態に乳化させます。きちんと乳化できたことを確認してからぬるま湯で十分にすすぎ、汚れをきれいに落としてください。

2. 1日2回・洗顔料で洗顔する

ぬるま湯のみの洗顔では汗やほこりが十分に落ちず、ターンオーバーの乱れを招くことがあります。ターンオーバーを整えるためには、朝・夜の1日2回、洗顔料で洗顔しましょう。ターンオーバーを整えるための洗顔のポイントは、以下5点です。

【1】洗顔料を十分に泡立てる
【2】皮脂分泌量の多い部位から少ない部位の順番で洗顔する
【3】ゴシゴシこすらず、泡のクッションを利用して優しく洗う
【4】体温より低い温度のぬるま湯ですすぐ
【5】すすぎ残しのないことを確認してから、清潔なタオルで水分を吸収する

体温より高い温度のお湯で顔をすすぐと、肌のうるおいを維持するために必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥を悪化させることがあります。ターンオーバーを整えるためには30℃〜34℃程度のぬるま湯を使用しましょう。

洗顔を終えた後は清潔なタオルを軽く顔にあてることで、水分を吸収します。タオルでゴシゴシこする方法は摩擦刺激を与えますから、あくまでも優しい力で、ポンポンと顔にあてる方法が正解です。

3. 洗顔後は速やかに化粧水をなじませる

ターンオーバーの乱れた肌は潤い不足の状態です。洗顔を終えた後は速やかに化粧水をなじませて、肌の乾燥を阻止しましょう。

◎正しい化粧水の付け方

【1】乾燥した手のひらに、500円玉大の化粧水を出す。
【2】両方の手のひらで挟み込むように化粧水を温める。
【3】両方の手のひらで顔全体を包み込むように化粧水をなじませる。
【4】目元は、指の腹を使用して、軽くパッティングするようになじませる。
【5】手に残った化粧水をフェイスラインや首筋、デコルテになじませる。
【6】両方の手のひらで顔全体を包み込むようにハンドプレスする。

最後の仕上げにハンドプレスすることで、化粧水の浸透力が高まります。肌の状態を確かめるように両方の手のひらを顔にあて、優しくハンドプレスしてください。

一連の工程を終えたときに乾燥を感じる部位には、少量の化粧水を重ね付けし、重点的な乾燥対策を行うこともおすすめです。

目元や口元など乾燥しやすい部位にはしっかり潤いを届けて、肌を健やかに維持するために必要な水分を補います、

4. 乳液やクリームを省略しない

化粧水で潤い補充した後は、乳液もしくはクリームをなじませます。化粧水のみで保湿を終えると補充した潤いがすぐに逃げてしまいますから、乳液・クリームを忘れずに使用しましょう。

乳液やクリームを塗るときにマッサージする方法は、適切とはいえません。「顔の内側から外側へ」の動きを守り、優しい力でなじませましょう。

乳液やクリームに苦手意識を持つ人はサラサラとした質感で、油分の少ない商品を選んでください。「ベタつきやテカリをひどく感じるときのみサラサラとした質感の乳液を使用する」など、肌の調子に合わせて使用する商品を変えることもおすすめです。

肌のターンオーバーを整える方法3個[食べ物]

肌のターンオーバーを整えるためには、さまざまな栄養素を含む食べ物をバランスよく食べることが基本といえます。基本を念頭に置いた上で意識したい食事のコツは、以下3点です。

1. 動物性タンパク質・植物性タンパク質をバランスよく食べる

タンパク質は肌細胞の原料となって、ターンオーバーを活発にしてくれる栄養素です。肉や魚、卵などの動物性タンパク質・大豆製品などの植物性タンパク質をバランスよく摂取しましょう。動物性タンパク質・植物性タンパク質は1:1の比率で食べることが推奨されます。「肉だけ」「豆腐だけ」など偏った、タンパク質のとり方は避けてください。

2. 過剰に脂質を制限しない

過剰に脂質を制限すると肌のうるおいを維持するために必要な皮脂が作られず、乾燥を招きます。肌の乾燥はターンオーバーの乱れを招く一因ですから、良質な油を適量摂取してください。

良質な油とは、悪玉コレステロールを減らしてくれる不飽和脂肪酸のことを指します。サバやイワシなどの青魚、エゴマ油やアマニ油などの植物オイルに含まれる脂質が、不飽和脂肪酸の代表例です。

揚げ物やお菓子に含まれる酸化した油は肌トラブルを招く原因ですので、とりすぎに注意しましょう。乳製品や油っぽい肉に含まれる飽和脂肪酸もとりすぎによる肌トラブルを招きやすい種類ですから、適量に留めることが大切です。

3. ビタミン豊富な野菜を食べる

ターンオーバーを整えるためには、ビタミン豊富な野菜を食べることも大切です。ニンジンや小松菜、ほうれん草などに含まれるビタミンAはターンオーバーを促進して、肌や粘膜に潤いを与える働きを担います。

モロヘイヤなどに含まれるビタミンB2はタンパク質や脂質の代謝を助けて、ターンオーバーを後押しする栄養素です。カボチャやアボカドなどに含まれるビタミンEは、血行を促進してターンオーバーを助けてくれる栄養素にあたります。

生のままではたくさんの野菜をとることができませんから、蒸し野菜や野菜スープなど、加熱した状態で食べる方法がおすすめです。野菜を使用した副菜を毎食1品用意して、3食に分けて食べる方法も検討しましょう。

肌のターンオーバーを整える方法3個[生活習慣]

次に、肌のターンオーバーを整えるための生活習慣を紹介します。以下のようなことを日頃から心掛けて、理想の肌を目指しましょう。

1. 十分な睡眠時間を確保する

睡眠中に分泌される成長ホルモンには、ターンオーバーを促進させる働きがあります。成長ホルモンをきちんと分泌させるためには深夜0時頃までには就寝し、7時間程度の睡眠をとることがおすすめです。

どうしても十分な睡眠時間の確保が難しい場合は成長ホルモンがとくに活発に分泌される寝入りばなから熟睡できるように、睡眠の質を高めてください。

睡眠の質を高めるためには、寝る前のカフェイン飲料を控える・肌触りのよい寝具を使う・寝室に入る光りを遮断するなどの対策を検討できます。

2. ストレスを溜め込まない

ストレスを受けると交感神経が優位になって、自立神経のバランスが崩れます。自律神経のバランスの崩れは身体の冷えにつながり、ターンオーバーの乱れを招く要因です。

ターンオーバーを整えるためにはストレスを溜め込まず、リラックスする時間を作ってください。ヨガやストレッチを楽しむなどの方法であれば、まとまった時間が確保できなくても、無理なく継続可能です。

身体を動かすことが苦手な人には、好きな音楽を楽しんだりセルフマッサージしたりする方法を検討できます。

リラックス方法は人それぞれ異なりますから、自分自身が「心地よい」と感じることであれば、どのような手段でも構いません。ストレスを実感する前に発散する習慣を作ることが、ターンオーバーを整えることに貢献します。

3. 紫外線対策を怠らない

紫外線ダメージの蓄積は肌に大きな負担をかけて、ターンオーバーの乱れを招く原因です。シワやたるみを招く原因にもあたりますから、十分に対策することで、ダメージを食い止めましょう。紫外線ダメージを最小限に留めるために検討できる対策は、以下のような内容です。

・日焼け止めを毎日使い、こまめに塗り直す
・正午前後(紫外線の強い時間帯)の外出を控える
・日影の多い場所を歩く
・つばの広い帽子をかぶる
・日傘を使う
・サングラスをかける
・襟付きのシャツや薄手のカーディガンを着用する

サングラスをかけることは、目から入る紫外線を防ぐための有効な手段です。紫外線対策として上着を羽織る場合は白やクリームなどの薄い色味ではなく、黒など濃い色味のアイテムを選択するとよいでしょう。素材でいえば、木綿やポリエステル、木綿混紡の生地の上着がおすすめです。

肌のターンオーバーを整える方法2個[サプリ]

日々の食事から摂取することが難しい栄養素はサプリメントを活用し、効率的にとる方法を検討できます。ターンオーバーを整えるために検討できるサプリメントの具体例は、以下2個です。

1. アミノ酸サプリメント

アミノ酸はタンパク質を構成するために必要な栄養素といわれ、ターンオーバーを促進するために欠かせない存在です。

しかし、非常に多くの種類のあるアミノ酸を食事から過不足なく摂取することは大変ですよね。そこで活用できるアイテムが、アミノ酸サプリメントということです。

美容目的でアミノ酸サプリメントを購入する場合には、システイン・プロリン・アルギニンの含まれる商品をおすすめします。「アミノ酸とコラーゲン」など美容に役立つ栄養素を組み合わせて開発されたサプリメントを選ぶことでも、肌の基礎力の底上げが可能です。

2. マルチビタミンサプリメント

マルチビタミンサプリメントとは、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEとビタミンB2・B6・B12などが含まれているサプリメントのことを指します。

いずれのビタミンもターンオーバーを整えるために欠かせない栄養素にあたりますから、サプリメントを活用し、補うこともよいでしょう。

なお、「マルチビタミンサプリメント」とひと口にいっても、配合されているビタミンの種類は、商品ごとに異なります。自分にとって必要なビタミンがしっかりと配合されていることを確認し、サプリメントを購入しましょう。

まとめ

スキンケアや生活習慣、食生活の見直しによって、肌のターンオーバーを整える方法を紹介しました。

ターンオーバーはささいなことがきっかけで乱れてしまうことも多く、正常な周期を維持するためには、大変な努力を要します。一つの対策を試して変化が見られなくても諦めず、地道な努力を続けることで、誰もがうらやむ理想の肌を目指してください。