監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

シワやたるみ、くすみなどエイジングケア世代の悩みを解消するためには、「とにかく保湿」が大切です。では、そもそもなぜ保湿が必要なのかを考えたことはありますか。

この記事では、保湿が肌に良い理由と顔の正しいスキンケア方法をあらためて解説します。自分自身の肌と今一度向き合い、より良い状態をつくるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

保湿は美肌効果がある?

そもそも保湿とは、肌を乾燥から守るために水分や油分を補って、理想的な状態を維持するためのスキンケアです。

水分・油分のバランスが崩れると刺激に対する抵抗力が低下し、エイジングトラブルを引き起こしがち。そこで「とにかく保湿」のお手入れを行い、水分・油分のバランスを整えることが大切です。

水分・油分のバランスが崩れてしまう原因には、以下のような内容があげられます。

・紫外線ダメージの蓄積
・空気の乾燥
・誤ったスキンケア
・加齢の影響
・生活習慣の問題

上記のような原因によって弱った肌を整えるためのお手入れが保湿です。正しい保湿を怠ると水分・油分のバランスがさらに崩れて、エイジングトラブルを悪化させるリスクがあります。

もちろん「とにかく保湿」のお手入れを実践しても、すぐに変化が見られるとは限りません。しかし、継続的に取り組むことで刺激に負けない状態をつくり、理想の美肌に近づけることができます。

保湿が肌に良い理由3個

ここで、保湿が肌に良い理由をあらためておさらいしましょう。保湿には以下のようなメリットがあるからこそ、日々の習慣として、継続的に取り組むことが求められます。

1. バリア機能を強化できる

まず、正しい保湿によって、バリア機能を強化できるということです。バリア機能とは、肌内部の水分の蒸発を防いだり異物の侵入を防いだりする機能を指します。バリア機能の構成要素は、皮脂膜・細胞間脂質・NMFです。

皮脂膜皮脂と汗が混ざり合ったもの。角層の表面をおおい、水分の蒸散を防ぐ保護膜です。
細胞間脂質角層細胞同士の隙間を埋めて、繋ぎ合わせる働きを持つもの。「バリア機能の要」といわれることもある重要な成分です。
NMF(天然保湿因子)角層細胞の中にある水溶性のうるおい成分。基礎化粧品によって与えられた水分・保湿成分を蓄える働きも担います。

皮脂膜・細胞間脂質・NMF(天然保湿因子)のいずれが不足したとしても、バリア機能は低下します。バリア機能の低下は、肌の乾燥やエイジングサインの進行を招く原因の1つ。

そのため、正しい保湿によってバリア機能を強化することは、乾燥を防いだりエイジングサインの進行を食い止めたりするための重要要素と考えられます。

2. ターンオーバーを正常化できる

正しい保湿で水分・油分を補うことには、ターンオーバーを正常するねらいもあります。ターンオーバーとは、古い角層細胞(角質)が剥がれ落ち、新しいものへと生まれ変わるサイクルのことです。

健やかな肌のターンオーバー周期は28日程度といわれますが、肌の乾燥や加齢などの影響を受けて、短くなったり長くなったりすることがあります。

ターンオーバー周期の乱れは、毛穴の開きや黒ずみ、大人ニキビなどを引き起こす原因です。正しい保湿によってターンオーバー周期を正常化することは、これらのトラブルを解消し、滑らかな肌を作ることに貢献します。

3. 肌の調子を確認できる

保湿するために素手で顔に触れること自体にも、重要な意味があります。保湿する際には自分自身の肌と会話しつつ、「普段よりも乾燥している」「ベタつきがひどい」などのサインをとらえてください。

肌の変化を感じたときには、基礎化粧品の使い方を変えたり量を調整したりすることで、コンディションを整えます。

女性の肌は毎日変化するからこそ保湿時間を状態チェックの良い機会と考えて、より良いお手入れ方法を探すことが大切です。

顔のスキンケア方法7個

保湿のメリットを理解したところで、「では、美肌になるためにはどのようなお手入れを実践すればよいのか」と感じた人も多いのではないでしょうか。

以下では、美肌になるためのスキンケア方法7個を紹介します。

1. クレンジングを怠らない

「化粧をしたまま就寝すると、5歳もしくは10歳老ける」ともいわれます。帰宅後すぐにクレンジングすることで日焼け止めや化粧をきれいに落とし、肌の老化を食い止めましょう。毎日使用するクレンジングを選ぶ際のポイントは、以下2点です。

【1】洗い流すタイプを選ぶ
拭き取るタイプのクレンジングは肌に対して摩擦刺激を与えやすく、日常使いに不向きです。美肌になるためのスキンケアでは、クレンジングオイルやクレンジングミルク、クレンジングクリームなど、洗い流すタイプを使ってください。

【2】メイクの濃さに合う種類を選ぶ
クレンジングの洗浄力は、種類によって異なります。濃いメイクをした日にはクレンジングオイルやクレンジングバームなど、洗浄力の強いものを選択しましょう。軽めのメイクをした日には、クレンジングミルクやクレンジングクリームがおすすめです。

いずれの種類のクレンジングを使用するにしても、ゴシゴシこする落とし方は避けてください。適量を手の平にとり、化粧とよくなじませれば、十分に汚れは落ちます。

油分を含むクレンジングを使用する際には、すすぐ前に少量のぬるま湯で乳化して、水分とクレンジング・化粧汚れが混じり合う状態を作ることも大切です。乳化した後はぬるま湯で十分にすすぎ、クレンジングを終えてください。

2. 1日2回の泡洗顔で汚れを落とす

毎日の洗顔は、スキンケアの中でも重要性の高い項目です。1日2回・正しい手順で洗顔することにとり、肌トラブルの進行を防ぎましょう。

◎正しい洗顔手順
【1】洗顔を始める前に手を洗う
【2】体温より低い温度のぬるま湯で顔全体を予洗いする
【3】洗顔料を十分に泡立てる
【4】皮脂分泌の多い部位から少ない部位の順番で洗顔する
【5】体温より低い温度のぬるま湯でよくすすぐ
【6】清潔なタオルを使用し、水分を吸収させる

ゴシゴシ強い力でこすっても、きれいに汚れが落ちるわけではありません。よく泡立てた洗顔料を顔に置き、泡のクッションを利用して洗うことで、きれいに汚れを落としてください。泡立てが苦手な人は専用グッズを活用し、手を逆さにしても落ちない程度の濃密泡を作ることが大切です。

予洗いやすすぎに使うお湯の温度が高すぎると、肌の乾燥を悪化させるケースがあります。美肌になるためには、触れたときに「熱い」と感じない程度の温度のぬるま湯を使ってください。

3. 化粧水で水分を補う

クレンジング・洗顔後は速やかに化粧水をなじませて、失われた水分を補います。商品指定の量の化粧水を手の平に出し、両手で挟み込むように温めた後、顔全体に伸ばしましょう。化粧水のつけ方のポイントは、以下2点です。

【1】商品指定の量を守る
化粧水の使用量が少ないと肌を摩擦してしまい、バリア機能が低下します。パッケージの記載をよく読み、適量を使ってください。

【2】ハンドプレスでなじませる
化粧水を顔全体に伸ばした後は、ハンドプレスで仕上げます。額・まぶた・頬・フェイスラインと部位別に10秒程度ずつ手の平を優しくあて、化粧水の浸透を促してください。

「とにかく保湿したい」と大量の化粧水をなじませる方法は、正しい顔のスキンケアとはいえません。1回あたりに使用する化粧水の商品指定の量を守り、保湿不足を感じる場合は少量を重ね付けする方法をおすすめします。

4. 美容液で美容成分を補う

美容液は、肌にとって必要な美容成分を補充するためのものです。一般的には化粧水の後・乳液やクリームの前に使用します。

美容液を選ぶ際のポイントは、肌の悩みに応じた種類を使うことです。美容液には保湿や美白、エイジングケアなどさまざまな種類がありますので、自分のなりたい肌をイメージし、適したものを使ってください。

◎美容液の主な種類と使用目的

保湿美容液美容液の中でもスタンダードな種類。セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分を含み、ふっくらとしてツヤのある肌への生まれ変わりを助けてくれます。
美白美容液メラノサイトの働きを抑制したりメラニンの排出を促したりすることでシミやくすみを防いでくれる美容液。美白美容液の中には、美白成分・保湿成分の両方が配合されていて、乾燥対策・美白対策を同時に進められるものもあります。
エイジングケア美容液ビタミンC誘導体やレチノール、コラーゲンなどエイジングトラブル対策に役立つ成分の配合された美容液。エイジングケア美容液の中には、シワやたるみなど特定の目的を解消することに特化して、開発されるものもあります。

気になるトラブルが複数ある人は、2個以上の美容液を併用する方法も、間違いではありません。「保湿美容液+エイジングケア美容液」などのように自分自身の肌にとって必要なものを見極めて、上手に併用してください。

5. 乳液やクリームで油分を補う

「とにかく保湿したい」と考える人は、乳液やクリームを忘れずに使用しましょう。乳液やクリームは化粧水や美容液で補った水分・美容成分を肌の内側に閉じ込めて、極力長く留めるための基礎化粧品です。乳液やクリームを省略することは肌の乾燥・ベタつきの原因ですので、注意しましょう。

乳液・クリームを両方使用する必要があるかは、肌質に応じて判断します。乾燥肌や敏感肌でかさつきが気になる人は両方を併用することで、積極的な保湿を行いましょう。

混合肌の人には、乾燥が気になる部分のみ併用する方法をおすすめします。脂性肌・大人ニキビが気になる人には、乳液のみ使用する方法がおすすめです。

6. 定期的に角質ケアする

古い角質が滞留したままでは、化粧水や美容液が浸透しません。「化粧水のなじみが悪い」「肌のごわつき、ざらつきが気になる」と感じたときには、角質ケアを行ってください。

角質ケアにはさまざまな種類がありますから、自分に合うものを定期的に使用することで、肌の調子が整います。

酵素洗顔プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)やリパーゼ(皮分解酵素)の力で古い角質、皮脂を分解し、落とすタイプの商品。
ピーリングサリチル酸(BHA)やフルーツ酸(AHA)などの力で古い角質、皮脂を分解し、落とすタイプの商品。
クレイパック天然泥の力で蓄積汚れを吸着し、落とすタイプの商品。
炭酸洗顔料毛穴の汚れや肌表面の古い角質を吸着し、落とすタイプの商品。
スクラブ砂糖や塩、重曹などの粒子が含まれた洗顔料で、古い角質などをこすり落とすタイプの商品。

角質ケアの頻度の目安は、多くても週1回から2回です。過剰な角質ケアを行うことはバリア機能の低下を招く原因ですから、注意しましょう。

7. UVケアを怠らない

理想の美肌を維持するためには、毎日のUVケアも大切です。適切な強さの日焼け止めを使用し、紫外線ダメージを最小限に食い止めましょう。

◎日焼け止めの強さの目安

SPF15〜30、PA+〜++近所への買い物や通勤、通学など日常的な活動のみを行う日に適した強さ。
SPF30〜50、PA++〜+++テニスやサイクリング、ウォーキングなど、やや長めの屋外活動に適した強さ。
SPF50+、PA++〜++++マリンスポーツやハイキングなど、炎天下で長時間活動する日に適した強さ。

日焼け止めの働きは時間の経過とともに薄れますから、2時間から3時間ごとに塗り直しましょう。汗をかいたり海で泳いだりした後にも日焼け止めを塗り直し、「うっかり日焼け」を防いでください。

まとめ

この記事では、保湿のメリットと正しい顔のスキンケア方法について解説しました。

保湿には水分・油分のバランスを整える働きが期待され、肌本来のうるおう力を引き出すために欠かせない作業といえます。保湿を含む日々のスキンケアを正しく実践することによって、理想の美肌を目指してください。