監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

顔から汗をかくと、メイクがすぐに崩れてしまう…。ベタベタして、不快に感じる…。女性の大敵というイメージも強い汗ですが、美肌作りを助けてくれる働きもあることを知っていますか。

この記事では、顔から汗をかくことのメリットと良い汗のかき方を紹介します。汗を味方につけることできれいな肌を作りたい人は、ぜひ参考にしてください。

顔から汗をかくと美肌効果?

汗は、天然の美容液(天然の化粧水)ともよばれるほど肌の状態との関係が深く、美肌作りを助けてくれる存在です。ただし、どのような汗も美肌作りに貢献するわけではありません。

以下のような特徴を持つ「悪い汗」は肌トラブルを招くリスクがありますので、注意しましょう。

・大粒で濃度が高い汗
・ベタベタしていて、臭いが強い汗
・なかなか乾かず、不快に感じる汗

肌にとっての良い汗とは、サラサラとしていて、すぐに乾くものを指します。無意識のうちにかく汗(不感知発汗によってかく汗)も、良い汗の一種です。

良い汗をかくためには、以下のような取り組みを続けることが求められます。

・エアコンの設定温度を下げすぎない
・通気性のよい服を着る
・適度な運動習慣を身につける

顔から汗をかく方法の詳細は後ほど詳しく紹介しますので、合わせて参考にしてください。

汗をかくことが肌に良い理由4個

前述のように良い汗を顔からかくことは、肌にとってのメリットです。汗をかくことが肌に良い理由は、大きく分けて4個あります。

1. 老廃物の排出を促せる

まず、老廃物の排出を促すことができるということです。毛穴や肌の表面には、古い角質や皮脂、メイク汚れなど、不要なものが蓄積します。

不要なものが蓄積すると、新しい肌への生まれ変わりがスムーズに進まず、くすみや大人ニキビ、ごわつきなどのトラブルを起こしがちです。定期的に汗をかき、老廃物を排出してあげることが、理想の肌への生まれ変わりを助けてくれます。

2. うるおい不足を解消できる

次に、汗によってうるおい不足を解消できるということです。「汗の成分の99%は水である」といわれます。汗をかくことで肌表面にうるおいが行き渡り、乾燥の進行を防ぐことが可能です。

ただし、これは良い汗をかいた場合に限ります。悪い汗には脂質やタンパク質など水分以外の成分が含まれますから、肌表面のうるおい補給に不向きです。

うるおい不足を解消できないばかりか、さまざまな成分が刺激となって、美肌作りを妨げることがあります。汗によってきれいな肌を目指すためには、汗の質にこだわることが大切です。

3. バリア機能を強化できる

汗の中には、乳酸ナトリウムや尿素という天然保湿因子が含まれます。天然保湿因子は肌内部に水分を蓄えて、保持するための大切な成分。汗をかくことで天然保湿因子を補ってあげることは、バリア機能の強化につながります。

また、バリア機能の構成要素の1つである皮脂膜は、皮脂・汗が混ざり合って作られるメカニズムです。

これらの理由から、良い汗をかくことはバリア機能を強化することにつながると考えられます。

4. ストレスを解消できる

最後に、汗をかくための行為によってストレスを解消でき、肌トラブルを予防できるということです。たとえば、汗をかくために適度な運動を続けることは、ストレスを解消するための有効な対策の1つ。

ストレスを解消することで、大人ニキビや乾燥肌、脂性肌などのトラブルを起こしにくい状態に整えることが可能です。

さらに、適度な運動によって程よく身体を疲れさせると、睡眠の質が高まります。良質な睡眠をとることは、成長ホルモンによる肌トラブルの修復を促すための有効な手段です。

成長ホルモンには、肌の生まれ変わりを促進したり肌の水分保持量を高めたりする働きもありますから、適度な運動習慣を作り、日常的に良い汗をかきましょう。

汗をかくと毛穴の黒ずみがきれいになる?

顔から汗をかくことで、毛穴の黒ずみを解消できるケースもあります。毛穴の黒ずみの主な原因は、皮脂や古い角質などの汚れが蓄積し、酸化してしまうことです。顔から汗をかくことでターンオーバーを促すと、毛穴に詰まった汚れを排出させることができます。

また、汗をかくことで刺激に負けない状態を作ることは、過剰な皮脂分泌を防ぐための有効な対策です。結果として毛穴の詰まりを起こしにくく、黒ずみの目立たない肌への生まれ変わりを後押しできます。

ただし、汗によって黒ずみが悪化するケースもあることには注意しましょう。たとえば、汗によって崩れたメイクを放置したケースです。

ファンデーションやチーク、化粧下地などが毛穴に詰まると蓄積汚れが増えてしまい、黒ずみが悪化することもあります。ランニングやウォーキング後は適切なスキンケアを行って、黒ずみ悪化を防ぎましょう。

毛穴の黒ずみを除去するスキンケア方法

できてしまった黒ずみは、ホットタオルを使用したスキンケアで、きれいスッキリ取り除きましょう。

ホットタオルを使用したスキンケアは、以下の手順で進めます。

【1】フェイスタオルをお湯に浸してよく絞り、ホットタオルを作る
【2】ホットタオルを体温程度の温度まで冷ます
【3】黒ずみの気になる部分にホットタオルをあてる
【4】2分から3分程度パックして、ホットタオルを外す
【5】洗顔料を十分に泡立てて、普段通りに洗顔する

このお手入れのポイントは、ホットタオルによって毛穴を大きく開かせてから洗顔することにより、こびりついた黒ずみ汚れを落とすことです。黒ずみを取り除いた後の肌は無防備な状態になりますから、十分に保湿しましょう。

ホットタオルを使用したスキンケアの実践頻度は、週に1回から2回程度をおすすめします。頻繁にお手入れしすぎるとうるおいを維持するために必要な皮脂まで落としてしまうリスクがありますので、注意しましょう。

顔から汗をかく方法おすすめ5選

顔から汗をかく方法には、さまざまな種類があります。たとえば以下のような方法は誰でも気軽に挑戦しやすく、無理なく継続できますよ。

1. 有酸素運動する

有酸素運動とは比較的身体に対する負荷が軽く、呼吸をしながら継続できる運動です。たとえば以下のような運動が有酸素運動にあたります。

・ウォーキング
・サイクリング
・エアロビクス
・階段昇降運動(踏み台昇降運動)

いずれの運動を選択するにしても、自分自身の体力レベルに応じて、無理のない程度で試してください。ウォーキングやサイクリングはペースを調整することで、軽く汗ばむ程度まで、負荷を上げることができます。

階段昇降運動(踏み台昇降運動)とは、10cmから20cm程度のステッパーを用意し、のぼる・おりるを繰り返す運動です。専用のステッパーがない場合は雑誌を重ね、10cmから20cm程度の高さにしたものを使用することもできます。

有酸素運動のみで汗をかけない場合には、身体がある程度温まったところでより負荷の高いエクササイズに切り替える方法も検討しましょう。

「ポカポカするまでウォーキングし、徐々にテンポを上げて、ランニングに切り替える」といったように少しずつ負荷をあげる方法であれば、足への負担を軽減できます。

2. 半身浴する

半身浴はゆっくり身体を温めて、適度な汗をかくための有効な選択肢です。38℃程度のぬるま湯に20分から30分つかり、身体を芯から温めましょう。「半身浴しているものの、汗をかかない」という人は、やり方が間違っているかもしれません。

半身浴で汗をかくためのポイントは、以下3点です。

【1】十分に水分補給してから、半身浴する
半身浴する30分程度前から少量ずつ、水分補給を行いましょう。冷たい飲み物を飲むと身体が冷えてしまいますから、常温の水もしくは白湯を選び、十分な水分を蓄えてください。

【2】浴室を26℃から28℃に温める
半身浴中に上半身が冷えてしまうと、汗をなかなかかけません。浴室を26℃から28℃まで温めて、身体の冷えを防いでください。

自宅のお風呂場に浴室暖房機がない場合はバスタオルを肩にかけて、冷えを防ぐ方法がおすすめです。もしくはお風呂の蓋をあけることで浴室内に湯気を充満させると、適度にお風呂場が温まります。

【3】必要に応じてお湯を足し、適温を維持する
半身浴の最中にお風呂の温度が下がってきたら、熱いお湯を足してください。ぬるすぎるお湯に長時間つかることは身体を冷やす原因ですから、避けましょう。

半身浴は全身浴と比較して身体に対する負荷が少なく、体力に自信のない人でも挑戦しやすい入浴法です。ただし、全身浴ほど短時間で体温を上げることは難しい入浴法にあたりますから、20分から30分はお湯につかって、じっくり身体を温めましょう。

3. 高温反復浴する

半身浴が苦手な人は、高温反復浴を試してはいかがでしょうか。高温反復浴とは、40℃から42℃程度の熱いお湯に短時間・肩までつかる入浴法です。

ダイエット目的で挑戦する人の多い入浴法ではありますが、汗をかくための対策としても活用できます。

【1】身体が冷えている場合は、かけ湯によって身体をならす
【2】40℃から42℃のお湯に、5分程度肩までつかる
【3】湯船から出て、5分程度休憩する
【4】あらためて湯船に入り、3分程度肩までつかる
【5】湯船から出て、3分程度休憩する
【6】あらためて、3分程度湯船につかる

高温反復浴の休憩時間は、身体や髪を洗って過ごしましょう。入浴中にお湯の温度が下がると効果が薄れてしまいますので、適度にお湯を足しながら、適温を保ってください。

4. サウナに入る

身体を芯から温めるためには、サウナに入る方法もおすすめです。以下の手順でサウナに入ることによって、大量の汗をかけます。

【1】髪と身体を洗う
サウナに入る前の下準備として、髪と身体を洗います。肌の汚れを落とすことで汗の出口を作り、発汗を促すイメージです。サウナ室はたくさんの人が出入りする場所ですから、周りに対するエチケットとしても、きちんと汚れを落としてください。

【2】サウナに入る
サウナに入る時間は、6分から12分程度が目安です。サウナ室は、高い位置に座るほど体感温度が上がります。高い位置に座って「熱い」と感じる場合には無理をしないで、低い位置へと移動しましょう。

【3】水風呂につかる
かけ湯もしくはシャワーで汗を流し、水風呂につかります。水風呂につかる時間は、2分程度がおすすめです。水風呂が苦手な人は、冷水シャワーをあびてください。

【4】サウナ→水風呂を2回から4回繰り返す
水風呂から出たら身体を拭き、再びサウナに入ります。「8分から12分程度サウナに入る・2分程度水風呂につかる」を1セットとして、2セットから4セット繰り返しましょう。

【5】休憩する
休憩スペースに移動し、10分程度休みます。十分な水分補給を行いつつ、リラックスして過ごしてください。

サウナに入ってから汗が出てくるまでの時間には、個人差があります。自分自身の身体と会話しつつ、気持ちよく汗をかける時間を探してください。

5. 足湯に入る

最後に、足湯に入る方法です。足下を温めることで全身の血行が良くなると、顔から汗が出てきます。

◎足湯の入り方
【1】40℃から42℃くらいのお湯を用意する
【2】くるぶしまでお湯にひたして、足湯する
【3】足を拭き、保湿クリームを塗る
【4】十分な水分補給を行う

足湯の時間は、わずかに汗ばむ程度までを目安とします。15分から20分程度で汗が出てくる人もいればもう少し長時間かかる人もいますので、様子を見つつ、調整しましょう。足湯を終えた後に白湯を飲むと内蔵も温めることができ、より代謝が高まります。

まとめ

顔からかく汗には、老廃物の排出を助けたり肌にうるおいを補充したりする働きがあります。ただし、どのような汗も美肌作りを助けてくれるわけではありません。この記事の内容を参考に、日常的に良い汗をかき、うるおいあふれるつや肌を目指してください。