監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

年齢とともに気になるのが口元付近に現れる「マリオネットライン」線です。マリオネットラインができると、いつも怒っているかのように見えてしまいます。

顔の表情まで変えてしまうため、悩みを抱える方が多い傾向です。

そこで、今回はマリオネットラインの原因と改善、解消方法、予防法まで詳しく解説します。年齢のせいだと諦めずに、即効で消す方法を併せて見ていきましょう。

マリオネットラインとは?部位は?

マリオネットラインとは、唇の両端にある口角から下へ向かって伸びる深いシワのことです。

腹話術に使われる人形に似ていることから、マリオネットラインと呼ばれています。口角の下がりや「へ」の字口になっているのが特徴的です。頬へつながる筋肉と口角から下に向かう筋肉が交わる部位に現れます。

時期的にはほうれい線よりも遅く現れやすいです。小じわはシワに対して直角に引っ張ると消えますが、マリオネットラインのような深いシワは伸ばしても消えにくいのも特徴として挙げられます。

美容面では、暗い印象を与えたり実年齢よりも老けて見えたりと、悩みを抱える方が多いのです。マリオネットラインは、年齢とともにほとんどの方に現れます。

とはいえ、年齢を重ねても全く目立たない方もいるのはなぜなのでしょうか。次項で遺伝や現れやすい年齢について解説しているので、ぜひチェックしてみましょう。

マリオネットラインは遺伝?生まれつき?

マリオネットラインには、遺伝や生まれつきの骨格によっても目立ちやすいなどの特徴があります。遺伝や生まれつきの骨格により、シワやたるみが生じやすくなる場合もあるのです。

しかし、骨格が痩せていても、皮下脂肪が多い場合やハリのある肌ではマリオネットラインもできくいことがわかっています。

また、もともとエラの張った方では、皮膚が横に引っ張られるため、マリオネットラインもできにくいのです。

顔の骨格は左右対称ではないので、左側と右側でもシワの深さは異なります。年齢を重ねるごとに骨も痩せてくるので、シワやたるみができやすくなります。「遺伝や生まれつきなら仕方ない」と諦めずに、より若々しい見た目を手に入れましょう。

マリオネットラインが現れやすい年齢は?何歳から?

では、いつ頃からマリオネットラインができるのでしょうか。

程度には個人差が見られますが、40代後半から50代を過ぎたあたりから増える傾向です。稀に30代でもマリオネットラインができる場合もあり、年齢に関わらず現れることもあります。

中でも40代から50代は、女性ホルモンの影響を受けやすい時期です。しっかりスキンケアを行っていても、急にシワやたるみが増えることもあります。

マリオネットラインの形成や悪化を遅らせるためにも、原因や解消方法を詳しく見ていきましょう。

マリオネットラインの原因5個

次に、マリオネットラインはなぜできるのでしょうか。

主な原因は加齢による老化ですが、中には若々しい見た目を保っている方もいます。なぜ個人差がでてしまうのかを原因と合わせて見ていきましょう。

1. 皮膚や筋膜のたるみ

頬や口周りに皮下脂肪が多くなると、衰えた筋肉では重力に逆らえなくなります。その結果、顔全体の皮膚が下がりたるみも生じるのです。

マリオネットラインやほうれい線は表情じわとは異なり、皮膚のたるみや脂肪下垂、筋肉の衰えなどによるものです。特に頬に厚い脂肪があると、マリオネットラインやほうれい線が目立ちやすくなります。

加齢とともに皮膚がたるむと同時に、頬の脂肪が垂れ下がってくるのです。皮膚と脂肪のたるみが重なって、マリオネットラインとなる溝が形成されます。

反対に過度なダイエットや脂肪吸引なども、皮膚が余ってしまい、たるみができやすくなります。

2. 表情筋の衰え

よく笑う方と無表情の方では、表情筋が衰えるスピードも異なります。加齢とともに年々衰えてくる筋肉ですが、日頃から口周りの筋肉を使わなければマリオネットラインが生じやすくなるのです。あまり笑わない方は、年齢とともにどんどん表情筋も衰えてしまいます。

反対に、日頃から表情筋を動かしている方は、マリオネットラインもできにくい傾向です。

また、嚙まずに食べる方や姿勢の悪い方は、表情筋も衰えやすくなります。筋肉が緊張せずにゆるんだ状態が続くことで、徐々に筋力が低下してしまうのです。表情筋が衰えると、皮膚も同時に下がり始め、深いシワを形成します。

3. 弾力の低下

加齢や紫外線によって真皮の弾性線維の変性や減少によって肌の弾力が低下します。弾性線維の変性とは、肌の老化が進んでいることです。肌内部の弾力やハリが失われると、肌はゴワゴワした状態になります。

また、マリオネットラインの周辺に小じわも多くなる傾向です。加えて、過度なダイエットなどで急激な脂肪の減少が起こると、深いシワがさらに目立ちます。

肌の老化をストップすることはできませんが、遅らせることは可能です。早めのケアでシワやたるみにブレーキをかけていきましょう。

4. 紫外線による影響

長年に渡って紫外線を浴び続けると、しわやたるみが生じやすくなります。紫外線を浴びると肌内部で活性酵素が発生し、真皮でハリや弾力を保っているコラーゲン線維やエラスチン線維などを分解する酵素の生成を促します。

その結果、肌のハリや弾力が失われることで乾燥やシワ、たるみが加速してしまうのです。
肌老化の約80%が紫外線の影響といわれています。

幼少期から外で遊ぶことが多く、こんがりと日焼けした肌は大人になってからシミやシワが増えやすい傾向です。

また、肌質にもよりますが、仕事などで日中の紫外線を浴び続けた方にも多く見られます。特に顔や首は日光に当たりやすい部位なので注意しなければなりません。

5. 長年の生活習慣

個人差はありますが、長年の生活習慣もマリオネットラインを作る原因です。

以下は、主にシワやたるみの原因となる生活習慣です。
・姿勢
・女性ホルモンの減少
・塩分・アルコールの摂りすぎ
・偏った食生活
・ストレス
・間違った美容法など

マリオネットラインの原因となるのが長年の姿勢や表情のクセ、嚙み合わせです。猫背などの姿勢が悪ければ、顔が前かがみになり首や顎の筋肉にゆるみが生じます。

同様に、噛まずに食べることも筋肉量が低下するため、口周りのシワやたるみができやすくなるのです。

そして塩分やアルコールの摂りすぎも、顔がむくみやすくなるので良くありません。顔がむくむと重さに耐えきれず、皮膚が垂れ下がる原因になります。

マリオネットラインの改善・解消法5個

次は、気になるマリオネットラインの改善・解消法を解説しています。肌の外側と内側からのケアで、若々しい肌年齢に導きましょう。

1. エイジングケア化粧品で肌年齢を若々しく保つ

肌年齢を若々しく保つには、シワに効果のあるエイジングケア化粧品を使用しましょう。深いシワを消すのは難しいですが、十分に保湿することでマリオネットラインも目立たなくなります。

ビタミンC配合の化粧品や部分美容液などを使用し、老けて見える肌に若々しさを取り戻しましょう。

以下には、シワに効果があり、若々しい肌に見せるための成分をまとめています。
・ナイアシンアミド
・レチノール
・幹細胞
・ペプチド
・高濃度ビタミンC

高級化粧品だからと効果も高いわけではなく、安くても良質な保湿成分を配合しているものもあります。化粧品選びでは、自分の肌に合う化粧品を見極めることが大切です。

また、スキンケアで大切なのは、肌に余分な刺激を与えないことです。保湿成分を浸透させようと、過剰なパッティングや擦りこみをするのは控えましょう。マリオネットラインの深い溝にも、十分に保湿化粧品をなじませるのがケアのポイントです。

2. 顔のエクササイズで表情筋を鍛える

寝起きにできる顔のエクササイズで表情筋を鍛えて、実年齢よりもずっと若く見える肌を手に入れましょう。

個人差はありますが、約1~2週間で顔の表情が明るくなります。朝起きたら顔のむくみを解消し、血行を促すために顔全体の筋肉を動かす顔体操を行いましょう。

以下は、むくみの解消や血行を促進する顔体操の手順です。

(1)大きく息を吸う
(2)ゆっくり息をはきながら顔の中央に全部分を引き寄せる
(3)口はとがらせるようにして、アヒル口をイメージして行う
(4)息をシューっと全てはきだす
(5)口をパッと開いて脱力させる

脱力させることで、縮まった筋肉が一気にゆるんでリラックスできます。深いシワを改善するために、毎朝の顔体操で表情筋を鍛えましょう。簡単にできる体操なので、ズボラな方にもおすすめです。

3. リフトアップに効果的な美容グッズを使用する

フェイシャルエクササイズとよばれる表情筋を鍛える体操は、表情を一気に動かすためシワをより深くすることがあります。しかし、シワやたるみを放置するわけにもいきません。

そこで低周波美顔器やマウスピース型の器具を使うと効果的です。

低周波美顔器は、電極をたるみの気になる部位にあててリフトアップできます。マウスピース型の美容グッズは、市販でも購入でき、口に挟んで使うものです。

また、お金をかけたくない場合には、ペットボトルに少量の水を入れて行う口元トレーニングも良いでしょう。美容グッズを活用することで、今あるシワを深くせずに筋力トレーニングができます。

4. 適度な運動や入浴をする

マリオネットラインを改善するには、適度な運動や入浴を心掛けましょう。運動や入浴をすることで、血液やリンパの流れを促進したり、ストレスを解消したりする効果があります。

簡単にできるストレッチやぬるま湯に浸かると、リラックス効果が高まってストレスや体の疲れを和らげられるでしょう。

さらに肌の代謝を高めるにも効果的なので、しわを防ぐためにも最適です。肌に優しい温度は38~40度で、熱すぎても冷たすぎても良くありません。

運動した後は、体中の血液を循環させるため、約20分を目安に入浴しましょう。栄養や酸素が体中に効率よく運ばれて、使ったエネルギーを十分に補充できます。

5. 即効で消すには美容皮膚科へ

即効でマリオネットラインを消したい場合は、信頼できる美容皮膚科を探しましょう。

ヒアルロン酸やボトックスなどの注射やレーザー、高周波治療、手術など、治療法は徐々に増えているのです。手術ではメスを入れるため落ち着くまで2~3週間かかりますが、マイナス10歳の若返りが期待できます。

マリオネットラインやほうれい線のような深いシワは、シワ対策化粧品で和らげることはできますが完全には消えません。

シワのある部位に注入するヒアルロン酸は製剤の種類にもよりますが、約1年の効果があり、ダウンタイムもほぼありません。ヒアルロン酸注射は、即効でシワを目立たせたくない特別な日の前でも行えます。保険適用の治療ではないので、事前のカウンセリングで費用や安全性を確認しておきましょう。

マリオネットラインの予防法3個

それでは、マリオネットラインを防ぐにはどうすれば効果的なのでしょうか。日々の生活習慣に少し工夫を加えるだけで、シワやたるみの予防ができます。シワの進行を遅らせるために予防法を確認しておきましょう。

1. 表情に緊張感をもつ

シワやたるみを予防するには、口元を意識することがもっとも大切です。気づけば口を開けていたり、姿勢が悪かったりすると、筋肉がゆるんでいる状態です。

普段から美しい姿勢でいる方は、容姿もキレイに見えます。毎日の生活の中で、表情に緊張感をもつだけでもシワやたるみの予防になるのです。

無表情やだらしのない姿勢になっていないかを、何気なくチェックすると良いでしょう。よく噛む、よく笑うことも大切なので、表情を豊かにすることを意識しながら過ごしてください。

2. 食生活や生活習慣を整える

深いしわを作らないためには、バランスの良い食事と規則正しい生活を送りましょう。ストレスはためず、適度な運動を取り入れることも大切です。

睡眠不足や過度なダイエットはしわを作る原因になります。しわだけでなく、さまざまな肌トラブルを防ぐために、食生活と生活習慣を整えることは大切です。

バランスのよい食事といえば和食ですが、朝昼晩と作るのは気が遠くなることもあります。1日に3回の調理が難しい場合でも、夜だけ作ることを目標とするのも良いでしょう。

一度にすべてを変えることは難しいので、1つずつ始めてみると次第に慣れてきます。構え過ぎず気軽にスタートして、少しずつでも体のバランスを整えていきましょう。

3. こまめな紫外線対策を心掛ける

出かける前の15~30分前には、日焼け止めを厚めに塗り、肌になじませましょう。外出後の2~3時間を経過した後は、こまめに塗布し直します。スポーツなどで汗を多くかいたときは、清潔なタオルで拭いてから行いましょう。

以下は、紫外線対策のポイントです。
・日差しの強い10時から14時までは外出を避ける
・適切なSPF値の日焼け止めを使用する
・抗酸化作用をもつ食品やサプリメントなどを摂る
・UVカット効果のある帽子やサングラスなどを活用する

日常生活ではSPF20前後で、海や山などの日差しの強い場所ではSPF30~50、PA++~+++のものを目安に使用しましょう。

日頃から抗酸化作用のある食べ物を摂っていると、肌が日焼けによるダメージを受けにくくなります。

まとめ

実年齢より老けて見えるマリオネットラインの原因と改善、解消方法を解説してきました。深いシワになってしまうと、化粧品によるケアだけでは限界があります。

マリオネットラインを作らないためには、明るい表情で過ごし、正しい生活を送ることが大切です。美容医療も視野に入れて、若々しく生き生きとした年齢肌を保ちましょう。