監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

美肌自慢の女性からよく聞かれる美容法の1つが化粧水を重ね付けする方法です。しかし、「化粧水の重ね付けは意味がない」という声もあって、本当のところはどうなのかと迷う人もいるでしょう。

この記事では、化粧水の重ね付けの効果とやり方、注意点を解説します。化粧水の使い方を見直してよりきれいな肌を目指したい人は、ぜひ参考にしてください。

化粧水の役割

重ね付けの話に入る前に、化粧水の役割を確認しましょう。そもそも化粧水とは、7割から8割程度が水・残りの2割から3割程度が美容成分によって構成される基礎化粧品のことを意味します。

化粧水の主な役割は、大きく分けて3点です。

【1】洗顔によって失われた水分を補うこと
【2】乾燥した肌に潤いを与えて、美容液や乳液、クリームのなじみやすい状態を作ること
【3】洗顔によってアルカリ性に傾いた肌を弱酸性に戻すこと

乾燥してごわつく肌に美容液や乳液、クリームをなじませても浸透しにくく、保湿成分やエイジングケア成分の効果を引き出すことができません。

そのため、化粧水によって不足する水分を補い、柔らかい状態に変えてから次のステップに進むことが重要です。

アルカリ性に傾いた肌を放置することは、敏感肌やニキビなどのトラブルを招いてしまう原因の1つ。だからこそ、化粧水よって弱酸性に素早く戻し、トラブルを防ぐ作業が必要です。

化粧水の重ね付けの効果3つ!意味ない?

化粧水の重ね付けには多くのメリットがあるため、「意味がない」とはいえません。以下では、化粧水を重ね付けすることで期待されるメリット3点を紹介します。

1. 十分に水分補給することができる

まず、化粧水を少量ずつ重ね付けすることで、十分な水分補給ができる点です。肌が1回で吸収できる水分量には、限界があります。

1回で大量の化粧水をつけても水分補給がスムーズに進まず、思うように保湿できないケースがあるのです。

化粧水を重ね付けする際には1回で吸収できる分のみをまずなじませて、肌にしっかりなじんだことを確認してから2回目以降を重ねます。すると、1回で化粧水をつける方法と比較して多くの水分を、肌内部へと届けることができるのです。

2. 目元や口元の乾燥対策になる

次に、目元や口元などトラブルを起こしやすい部位に重ね付けすることによって、重点的な乾燥対策を実践できるということです。

目元や口元など皮膚の薄い部位は顔の中でもとくに乾燥しやすく、トラブルを起こしやすい部位といえます。

他の部位と同量の化粧水をなじませる方法では十分な乾燥対策を行えないリスクがあるため、少量を重ね付けし、重点的に対策しましょう。

目元や口元の乾燥を放置すると、シワやたるみなどのトラブルを悪化させるリスクがあります。エイジングサインの目立たない若々しい肌を維持するためにも、化粧水の重ね付けによる重点的な水分補給をおすすめします。

3. 化粧水の塗りムラを解消できる

最後に、化粧水の塗りムラを解消できるということです。手で化粧水をつける方法では小鼻の周りなど凹凸のある部分に塗りムラができやすく、顔全体に水分補給できないケースがあります。

顔全体に手のひらで化粧水をなじませた後、凹凸のある部分に重ね付けすることで、ムラなく水分を補給しましょう。

化粧水をムラなくなじませるためにはコットンを使用する選択肢もありますが、敏感に傾いた肌に対して負担をかけるケースもある点には注意が必要。肌に対する刺激を極力押さえつつムラなく化粧水をなじませるためには、重ね付けする方法を検討しましょう。

化粧水の重ね付けの回数は何回?

化粧水の重ね付けの回数に、明確な決まりはありません。「2回や3回で十分」という人もいれば、4回や5回の重ね付けを必要とする人もいます。

手で化粧水をつける場合、手の平が乾燥していると化粧水を吸収してしまいますから、重ね付けの回数が多くなりがち。空気の乾燥している季節は潤い不足がひどくなって、普段以上の回数、重ね付けしなくてはならないこともあります。

結論としては、化粧水の重ね付けの回数は、肌の調子を確かめつつ調整する方法がおすすめです。「乾燥がひどい」と感じるときには回数を多くする・「調子がよい」と感じるときには回数を少なくするなど、自分自身の肌と向き合いつつ、必要な回数を決めてください。

化粧水の重ね付けのやり方

化粧水の付け方が間違っていると、肌の調子が整いません。正しい重ね付けのやり方を覚えて、日々の習慣として継続しましょう。

◎重ね付けのやり方
【1】500円大程度の化粧水を片方の手のひらに出す。
【2】両方の手の平を重ね合わせるようにして挟み込み、化粧水を温める。
【3】顔を包み込むように両手をあて、全体に化粧水をなじませる。
【4】頬・額・フェイスラインの順番で手の平をあて、ハンドプレスで浸透を促す。
【5】小鼻や目元、口元などの細かいパーツは指の腹でそっと押さえ、浸透を促す。
【6】手の平を顔にあてて、吸い付く感じがあるかを確かめる。
【7】潤い不足を感じた場合は、同じことを繰り返す。(重ね付け)
【8】首やデコルテラインにも、化粧水をなじませる。

化粧水の重ね付けは上記の手順で進める他、お風呂上がりにスプレータイプの化粧水を吹きかけ、つなぎ保湿を行う方法も考えられます。

スプレータイプの化粧水で水分を補充した後に身体を拭いたり服を着たりすることで、本格的な保湿を行うまでの時間を稼ぐイメージです。

重ね付けのやり方に明確なルールがあるわけではありませんので、自分に合う方法を探し、肌の調子を整えてください。

化粧水の重ね付けは違う種類を使ってもいい?

化粧水の重ね付けでは、違う種類を使用することもできます。たとえば「一種類の保湿化粧水では物足りない」と感じる場合は、違う種類の保湿化粧水を組み合わせ、重ね付けする方法を検討しましょう。

保湿化粧水2個を重ね付けする際には、それぞれの使用量を調整することが大切です。メーカー指定の使用量は、一種類のみをつけることを前提に決められたものです。保湿化粧水2個を重ね付けする場合にはそれぞれの使用量を半分程度にすることで、付け過ぎを防いでください。

また、化粧水の重ね付けでは「保湿用をなじませた上から皮脂対策用を塗る」といったように異なる機能を持つもの同士を組み合わせる方法も検討できます。

違う種類の化粧水を重ね付けする場合の順番は、保湿力の高いものからさっぱりした質感のものへと進んでください。異なる機能を持つもの同士を組み合わせることによってお互いの弱点を補い合い、複数のトラブルの解消を目指すことが可能です。

化粧水の重ね付けをするときの注意点5個

化粧水の重ね付けのやり方を間違えると効果が半減するばかりか、肌トラブルを招いてしまうリスクがあります。以下の注意点を守ることで化粧水の働きを引き出し、効果的なお手入れを実践しましょう。

1. ハンドプレスを正しく行う

ハンドプレスとは、化粧水を広げた後に手の平で10秒程度押さえて、浸透を促す美容法を意味します。「押さえる」といっても強い圧をかけることは、間違ったやり方です。手のひら・指の腹と顔を密着させて、優しく包み込むように押さえましょう。

また、化粧水を1回つけるごとにハンドプレスすることは、肌の潤い状況を確認するための有効な手段です。「化粧水を重ね付けした方がよいか、もう十分に水分補給できたか」を確認する意味も込めて、丁寧にハンドプレスしてください。

2. 肌の機能が低下しているときには無理をしない

肌の機能が低下して敏感になっているときには、化粧水の成分すら刺激に感じて、赤みやかゆみなどのトラブルを引き起こすリスクがあります。

化粧水を広げた際に「ヒリヒリする」「しみる」と感じる場合は重ね付けを控えてください。無理に重ね付けしてしまうと、トラブルが悪化するケースもあります。

肌の機能の回復を待ち、落ち着いてから重ね付けすることで、健やかな肌への生まれ変わりを助けることが可能です。

3. 保湿しすぎない

「それほど乾燥がひどくない」と感じているにも関わらず化粧水の重ね付けを繰り返すと、保湿しすぎになりがちです。保湿しすぎは皮脂の分泌量を減少させて、肌がもともと持っていた「潤う力」を損なわせるリスクがあります。

皮脂は「天然の保湿クリーム」ともいわれるほど、大切な機能を果たす存在です。皮脂の分泌量が減ったことで肌が乾燥してしまうと、大人ニキビや毛穴トラブルを起こすリスクが高くなります。

保湿しすぎになっているかどうかを簡易的にチェックするためには、手の甲を軽く頬に当ててください。当てたときに頬が吸い付く感覚やベタつきを感じるようなら、保湿しすぎが疑われます。

水分・油分のバランスのとれた肌は、サラサラしているもしくは手の甲の一部のみに軽く吸い付く感覚を受ける程度の状態です。やみくもに化粧水を重ね付けすることは避け、肌の調子に応じて調整しましょう。

4. 肌質に合う化粧水を使用する

重ね付けに使用する化粧水は、肌質に合うものを選択しましょう。日本人の肌質は普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌に分類できます。肌質の分類と化粧水の選び方、お手入れのコツは、以下の表を参照ください。

普通肌肌の水分・油分のバランスがよく、トラブルを起こしにくい肌質です。過剰なお手入れの必要ない肌質ですので、好みの質感かつ水分を十分に補える化粧水を使用しましょう。
乾燥肌肌の水分・油分ともに不足し、かさつきや粉ふきなどのトラブルを起こしやすい肌質です。セラミドやアミノ酸などを含む化粧水を使用し、バリア機能を補完するお手入れを検討しましょう。
脂性肌肌の油分が多く、ニキビや毛穴トラブルを起こしやすい肌質です。保湿不足で脂性肌気味に傾くケースもありますからさっぱり系の化粧水にこだわりすぎず、肌の調子の整うものを探してください。
混合肌油分の多い部位・水分不足を感じる部位の混在する肌質です。保湿力の高い化粧水で十分な水分を補った後、テカリやベタつきの気になる部位のみ収れん化粧水を重ねるなど、気になるトラブルに応じて複数種類を重ね付けするお手入れを検討しましょう。
敏感肌バリア機能が低下して、刺激に対して敏感になっている状態です。セラミドやアミノ酸などバリア機能を補完する成分が入っていて、刺激成分の含まれない化粧水を選択しましょう。

5. 乳液やクリームを省略しない

化粧水の重ね付けするだけでは水分がすぐに蒸発し、十分な保湿ができません。化粧水を重ね付けした後に乳液やクリームを重ねることで、適度な油分と保湿成分を補いましょう。

美容液を使用する場合は、化粧水を重ね付けした後・乳液やクリームの前につけます。美容液の主な役割は、シワやたるみ、シミなど気になるトラブルに応じた美容成分を肌に届けてあげることです。

美容液には化粧水よりも豊富な美容成分が含まれているものが多く、保湿やエイジングケア、美白など、気になるトラブルに応じた積極的な対策を実践できます。

乳液やクリームの主な役割は、化粧水によって補った水分・美容液によって与えた美容成分を閉じ込めることです。クリームの方が乳液よりも油分の配合量が多く、水分を閉じ込める力が強いといえます。

まとめ

化粧水の重ね付けの効果とやり方、注意点を解説しました。化粧水を重ね付けする方法にはさまざまなメリットがある反面、注意点を守ることなくお手入れすると、肌トラブルを招いてしまうリスクがあります。この記事で紹介した内容を今一度読み返し、正しいやり方でスキンケアを進めてください。