監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

基礎化粧品の一種として毎日のように使用している化粧水。「洗顔後は化粧水をつけて、乳液やクリームで蓋をする」といった流れを当たり前のことのように感じるあまり、それぞれの基礎化粧品の役割を見失ってはいませんか。

この記事では、化粧水の役割や選び方、効果的な使い方を今一度おさらいします。「化粧水を上手に使いこなしたい」「正しい使い方を知りたい」という人は、ぜひ参考にしてください。

化粧水の役割と目的は?

化粧水の主な役割は、肌に対する水分補給を行うことです。水分不足を起こした肌は、潤いを維持する力やバリア機能(外部刺激に抵抗する力)が衰えます。そのため、化粧水によって適度な水分を補給し、バリア機能を整える作業が必要です。

さらに化粧水は、ごわつく肌を柔らかくして、美容液・乳液・クリームなどに含まれる保湿成分を浸透しやすい状態に整える役割も担います。

つまり、化粧水をつけることは、美容液などを効果的に使用するための下準備の一つ。化粧水のみをつける方法では十分に保湿することができず、肌の調子が整いません。

実際、「一般的な化粧水の約7割から8割は水分である」ともいわれます。水をつけただけでは肌の調子が整わないことと同じで、化粧水のみを使用する方法では、乾燥を悪化させるリスクがあります。

化粧水と美容液・乳液の違い

化粧水・美容液・乳液は、配合成分や役割が異なります。それぞれの役割を理解して正しい順序で使用することが、理想の肌を作るコツです。

化粧水・美容液・乳液の配合成分・主な役割は、以下の表を参照ください。

化粧水主成分が水で、みずみずしく潤いある肌を作るための基礎化粧品。洗顔によって弱アルカリ性に傾いた肌を弱酸性に戻し、美容液や乳液の働きを助ける役割も担います。
美容液シワやたるみ、シミ、毛穴の開きなど特定の肌トラブルに応じた美容成分を豊富に含み、集中的にケアするための基礎化粧品。シワやたるみに対してはエイジングケア成分配合のもの・シミに対しては美白有効成分配合のものといったようにトラブルに応じた美容液を使用することで、理想の状態を作るための手助けを担ってくれます。
乳液水性成分・油性成分がバランスよく配合された基礎化粧品。化粧水によって補った潤い・美容液によって補った美容成分を肌の内側に閉じ込めて、トラブル解消を助ける働きを担います。

なお、ここでいう「化粧水」とは、柔軟化粧水のことを指します。肌を一時的に引き締める収れん化粧水・肌の汚れを落とすために使用される洗浄化粧水(拭き取り化粧水)は役割が異なりますので、ご注意ください。

化粧水によく含まれる成分

化粧水によく含まれる保湿成分には、以下のようなものがあります。配合される成分によって期待される働きが変わりますので、代表的なものだけでも、覚えておくとよいでしょう。

ヒアルロン酸水分を保持する力が非常に高く、肌の弾力を高めることに貢献する成分。エイジングケア化粧水に配合されることも多く、ふっくらとハリのある肌への生まれ変わりを助けます。
セラミドバリア機能の構成要素「細胞間脂質」の主成分。セラミドを補うことによって低下したバリア機能を補完でき、キメの整った、理想的な肌を作ることに貢献します。
スクワラン人間の皮脂膜にも含まれる「スクアレン」の安定性を高めた成分。不足する皮脂膜の代わりを担って、外部刺激から肌を守る役割を果たします。
グリセリン角質層の水分を維持し、乾燥を防いでくれる保湿成分。ヒアルロン酸やコラーゲンとの相性がよい成分にあたりますので、組み合わせて使用することがおすすめです。
アミノ酸バリア機能の構成要素「NMF(天然保湿因子)」の主成分。サラサラとした質感の化粧水に使用されることが多く、敏感肌との相性もよい成分にあたります。

化粧水の効果5個

化粧水をより細かく分類すると、保湿化粧水・ニキビ用の化粧水・美白化粧水・収れん化粧水・洗浄化粧水(拭き取り化粧水)に分けられます。それぞれの働きや使用することによって期待される効果をおさらいし、目的に合う商品を選択しましょう。

1. 保湿化粧水の効果

保湿化粧水を使用する効果は、先に紹介した通りです。水分不足を起こした肌に潤いを補充したりごわつきを解消して美容液や乳液、クリームの浸透を助けたりする働きが期待されます。

2. ニキビ用の化粧水の効果

ニキビ用の化粧水は、抗菌性分や殺菌成分によってアクネ菌を退治するために使用します。抗炎症成分配合の化粧水は、赤ニキビなどの炎症を抑えることを目的として使用する商品です。

ニキビ用の化粧水にはグリコール酸やサリチル酸などターンオーバーを促進する成分が配合されることも多く、肌表面に滞留する角質を取り除くことができます。

結果として、新しい肌への生まれ変わりが進み、ニキビに悩まない理想的な状態を目指すことが可能です。

3. 美白化粧水の効果

美白化粧水は主に、シミや色素沈着を防ぐために使用する商品です。美白有効成分の含まれる化粧水を使用することで、メラニンの生成を抑えたり排出を促進したりして、シミや色素沈着を予防することができます。

配合される美白有効成分によって期待される効果が異なりますから、気になるトラブルに応じて、適したものを選んでください。

4. 収れん化粧水の効果

収れん化粧水は、一時的に肌を引き締め、皮脂や汗を抑制するために使用する商品です。メーカーによっては、収れん化粧水のことを「トーニングローション」や「引き締め化粧水」と呼ぶケースもあります。

他の化粧水と収れん化粧水の大きな違いは、使用するタイミングです。収れん化粧水は保湿化粧水(もしくは美白化粧水)・乳液によるお手入れを行った後に使用するものが多く、潤いを補充する役割は担いません。

5. 洗浄化粧水(拭き取り化粧水)の効果

洗浄化粧水(拭き取り化粧水)とは、クレンジング・洗顔で落としきれない汚れを取り去るために使用する商品です。顔を拭き取る際に古い角質も取り除くことができ、ターンオーバーを促進する働きが期待されます。

ターンオーバー周期の乱れは、肌のごわつき・くすみを招く原因です。洗浄化粧水(拭き取り化粧水)を上手に活用することで、ごわつき・くすみの気にならない美しい肌への生まれ変わりが期待されます。

化粧水の選び方

化粧水を選ぶ際のポイントは、大きく分けて3点あります。まず、自分の肌に合う成分・合わない成分を知り、相性のよいものを選ぶことです。

化粧水を使用したときに刺激を感じたり赤くなったりしたときには一旦中止し、皮膚科に相談してください。「自分の肌に合う成分が分からない」という人には、お試しセットを活用し、相性を見極めるとよいでしょう。

次に、気になるトラブルに応じたものを選ぶことです。「シミが気になる人は美白有効成分配合のもの」「シワやたるみが気になる人はエイジングケア成分配合のもの」といったように、自分に合う化粧水を探しましょう。

最後に、化粧水の使用感から選ぶことです。「化粧水」とひと口にいってもとろみのあるものからサラサラした質感のものまで、いろいろな商品が見られます。化粧水は毎日使用するものだからこそ着けたときに違和感を持ちにくい、好みの質感の商品を選択すると安心です。

化粧水の効果的な使い方5個

化粧水の使い方を誤ると肌に対する水分補給がスムーズに進まず、肌の調子が不安定になることがあります。化粧水を効果的に使うために最低限抑えてほしいポイントは、以下5個です。

1. 洗顔後5分以内になじませる

洗顔直後の肌は、バリア機能が一時的に低下し、外部刺激を受けやすい状態に傾きます。何もつけずに放置すると肌の乾燥が進行し、化粧水がなじみにくくなりますから、5分以内に保湿しましょう。

入浴後はとくに髪を乾かしたり身体の保湿を行ったりしているうちに顔の乾燥が進行し、かさつきやニキビ、ごわつきなどのトラブルを起こしがちです。「洗顔後、5分」というタイムリミットを意識し、速やかに化粧水をなじませることで、さまざまなトラブルを防いでください。

2. 化粧水の適量を守る

次に、化粧水の適量を守り、十分に水分補給することです。化粧水をつける量が少なすぎると顔全体に水分をゆきわたらせることができず、乾燥を悪化させるリスクがあります。

一般的にいわれる化粧水の適量は、500円玉大程度です。化粧水のボトルを降る回数でいうと、5回から8回程度が目安といえます。500円玉大の量を手の平に溜めることが難しい場合は2回に分けても大丈夫です。適量の半分程度をまずなじませてから、残りの半分を付け足しましょう。

なお、反対に化粧水をつけすぎることもまた、肌にとってはマイナスです。表面に残った化粧水が蒸発する際、もともとあった水分まで奪ってしまい、乾燥を悪化させるケースがあります。

まとめると、化粧水の使用量は、「多すぎず・少なすぎず」の適量を守ることが大切です。新しい化粧水を使用する際にはメーカー指定の量を確認し、過不足なく保湿しましょう。

3. 体温程度に温めた化粧水を使用する

化粧水を出したら両方の手の平で挟み込み、体温程度の温度まで温めましょう。化粧水を温める目的は、肌に浸透しやすい状態に変えてあげることによって、水分補給をスムーズに進めることです。

冷たいままの化粧水を乗せると浸透するまでに時間がかかり、効果を発揮しにくくなりますから、注意しましょう。

4. 正しい順番でなじませる

温めた化粧水を最初に乗せる部位は、両頬と目元です。顔全体を包み込むようなイメージで手の平をあて、化粧水を浸透させます。その後、額やあごに対しても同様に手の平をあて、化粧水をなじませましょう。

このときに強くこすったり無理に押し込んだりすることは、肌トラブルを招いてしまう原因です。手の平と顔を密着させるように優しく手をあて、化粧水の浸透を促しましょう。

目元や口元の乾燥がとくに気になる場合には、顔全体を保湿した後、少量を重ね付けしてください。重ね付けする際にも、強くこすったり無理に押し込んだりする付け方は控えましょう。デリケートな部位をいたわるように保湿を進め、顔全体の質感を整えます。

5. ハンドプレスで潤いを閉じ込める

ハンドプレスとは、顔を包み込むように手の平をあて、化粧水の浸透を促すことです。目元や口元の重ね付けまで終わった後にあらためてハンドプレスを行うことで化粧水のなじみがよりよくなって、効果を引き出すことができます。

手の平をあてている時間は、10秒程度が適切です。化粧水を付けるときと同じように手の平を優しく顔に沿わせ、ハンドプレスしてください。

ハンドプレスし終えた後に勢いよく手を離すことは、角質を剥がしてしまう原因です。ゆっくりと本をめくるときのようなイメージで、優しく手を放しましょう。

まとめ

化粧水の主な役割、目的と効果的な使い方を解説しました。適量を使用する・ハンドプレスで潤いを閉じ込めるなどのポイントをきちんと意識し、毎日の保湿を行ってください。

保湿化粧水を選ぶ際には、自分に合う成分の配合された商品を選択すること・気になる肌トラブルに応じたものを選択することなどが大切です。この記事の内容を参考に化粧水の選び方や使い方を今一度見直し、乾燥や大人ニキビに悩まない理想の肌を実現しましょう。