監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

「最近なぜか、化粧のノリが今ひとつ」「ファンデーションがうまくなじまず、粉吹きする」などの悩みを抱え、コンプレックスに感じる女性は多くいます。口周りや鼻など乾燥しやすい部位のみ粉吹きがひどく目立ち、悩む人もいることでしょう。

この記事では、化粧の粉吹きの原因と応急処置方法を解説します。粉吹きしない肌を作るための対策も知り、トラブルの根本的な解決を目指してください。

化粧の粉吹きの原因4個

化粧の粉吹きを改善するためには、トラブルの原因を把握して、正しい対処を取ることが必要です。化粧の粉吹きを招く主な原因には、以下のような内容があげられます。

1. 誤ったスキンケア

まず、スキンケアの誤りです。ゴシゴシこする洗顔や無理に角栓を取り除くお手入れなどを続けているとターンオーバー周期が乱れて、未熟な角質が肌の上に滞留します。

滞留する角質のせいで凹凸のできた肌に化粧品を乗せてもうまくなじまず、粉吹きが起こるのです。

また、朝の保湿が不十分な場合にも、肌と化粧品はうまくなじまず、粉吹きを起こしがち。朝・夜のスキンケアを正しく実践することで、化粧の粉吹きを防ぎましょう。

2. 加齢の影響

「年齢を重ねるごとに粉吹きがひどくなってきた」という人は、加齢の影響を疑いましょう。30代や40代の女性のターンオーバー周期は、10代や20代の約2倍ともいわれます。

加齢による肌の変化に応じてスキンケア方法を変えなければ、未熟な角質が肌の上に滞留し、粉吹きを招いてしまうことがあります。

加齢によってターンオーバー周期の乱れた肌は化粧水や美容液のなじみが悪く、保湿不足を起こしやすいことも、トラブルを悪化させる要因です。乾燥した肌には化粧が密着しませんので、粉吹き状態になってしまいます。

3. ファンデーションと化粧下地の相性

次に、ファンデーションと化粧下地の相性です。ファンデーションや化粧下地には、水分を多く含むもの・油分を多く含むものの2種類があります。

「水分を多く含むもの×油分を多く含むもの」の掛け合わせは相性が悪く、粉吹きやメイク崩れを引き起こす原因です。

ファンデーション・化粧下地の相性が悪くて起こる粉吹きは、同じメーカーの商品をライン使いすることで解消できるケースがあります。ライン使いすることが難しい場合は配合成分をチェックしてファンデーション・化粧下地の相性を見極め、粉吹きしにくい組み合わせを検討しましょう。

4. 顔の産毛

最後に、顔の産毛です。顔の産毛処理を怠ると表面に凹凸ができてしまい、粉吹きを起こします。

産毛が原因の粉吹きは、顔のムダ毛を処理することで改善が可能です。自己処理に苦手意識を持つ人は専用サロンに通い、産毛の処理を受けてください。

口周りや鼻は乾燥しやすい?

口周りは皮膚がもともと薄いうえに皮脂や汗が出にくいことで、乾燥しやすい部位といえます。しかも、口周りは紙ナプキンで拭く・リップメイクをこすって落とすなど刺激を受ける頻度が高く、摩擦刺激を蓄積しやすい部位の1つ。

摩擦刺激の蓄積はターンオーバー周期の乱れを招き、化粧の粉吹き・メイク崩れを引き起こす原因です。

鼻は、マスクとの摩擦刺激を受けたり鼻をかんだりすることで、乾燥しやすい部位といえます。鼻の乾燥が気になるときには柔らかいティッシュを使用したり乳液やクリームで保護したりすることで、物理的な刺激を軽減しましょう。

日焼けによって鼻が乾燥するケースもありますから、紫外線対策を万全に行うことも大切です。年間を通して日焼け止めの使用を怠らず、紫外線ダメージを最小限に留めることで、鼻の乾燥を防ぎましょう。

化粧の粉吹きの応急処置・直し4個

昼休みや夕方に気付いてしまった粉吹きには、応急処置を施します。以下の手順でお直しすると粉吹きをきれいに隠し、滑らかな状態に見せることができます。

1. 何もついていないスポンジで凹凸を整える

粉吹きした肌は部分的にファンデーションが浮いてしまい、凹凸した状態です。ファンデーションを塗るときのように何もついていないスポンジを滑らせて、凹凸を取り除きましょう。

強くこすると取れてはいけないファンデーションまで落ちてしまいますので、あくまで優しく、軽い力で滑らせます。このひと手間を加えることで化粧のなじみがよくなりますから、忘れずに行ってくださいね。

2. ミスト化粧水で保湿する

次に、ミスト化粧水やオールインワンジェルを使用し、顔全体を保湿します。ミスト化粧水を使用する場合は顔全体にワンプッシュ程度の量を吹きかけ、ハンドプレスでなじませましょう。

ミスト化粧水は市販のものを使用する他、普段使用している商品をスプレーボトルに入れ替えたものでも大丈夫です。ただし、スプレー粒子の細かいものを使用した方がムラなくなじませることができ、化粧直しの仕上がりがよくなります。

オールインワンジェルを使用する場合は少量を手にとり、化粧崩れした部分の周りになじませてください。粉吹きが気になる部分よりもやや広い範囲になじませることで、しっかり保湿することができます。

オールインワンジェルを使用する場合は、この後のステップ3が不要です。「複数の基礎化粧品を持ち歩くことは面倒」と感じる人は、オールインワンジェルを使用しましょう。

3. 目元や口元に乳液やクリームをなじませる

目元や口元の乾燥がとくに気になる場合には、乳液やクリームを薄くなじませ、ハンドプレスでなじませます。乳液やクリームには適度な油分が含まれていますから、ミスト化粧水のみで仕上げる方法と比較し、重点的な乾燥対策を施すことが可能です。

いずれを使用する場合もハンドプレスでなじませた後、必要以上についてしまった分をティッシュやコットンで優しく拭き取り、顔全体の質感を整えてください。

乳液やクリームに苦手意識を持つ人は、スティック状の美容液を使用しましょう。スティック状の美容液を使用する場合は、ティッシュやコットンで拭き取る作業が不要です。目元や口元にトントンと優しく乗せることで、肌の乾燥を解消しましょう。

4. ファンデーションを薄く乗せる

最後に、ファンデーションを薄く乗せ、化粧仕立ての肌をよみがえらせます。厚塗りすると美しく仕上がりませんから、少量乗せる程度に留めることがポイントです。

ファンデーションを乗せるときにも強くこすることは避け、優しい力で進めてください。

化粧の粉吹きの対策7個

化粧の粉吹きを改善するためのポイントは、正しいスキンケアと崩れにくいメイクの実践です。具体的には、以下のようなポイントを意識し、スキンケア習慣やメイク方法を見直しましょう。

1. クレンジング選びを見直す

メイクを落とす力の強いクレンジングを常用すると、バリア機能の低下を招き、ターンオーバー周期の更なる乱れを招いてしまうことがあります。メイクの濃さに応じたクレンジングを正しく使用し、ターンオーバー周期の乱れを解消しましょう。

主なクレンジングの種類とメイクを落とす力の強さは、以下の表の通りです。

クレンジングオイルメイクを落とす力が強い反面、肌に負担をかけやすいタイプのクレンジング。しっかりメイクした日のみ使用する方法がおすすめです。
クレンジングバーム固形のバームを溶かし、メイクとなじませて使用するタイプのクレンジング。クレンジングオイルと比較して、肌への負担は控えめです。
クレンジングクリームメイクを落とす力・肌への負担のバランスがよいタイプのクレンジング。しっとりとした質感に仕上がる商品が多く、乾燥肌でも使用しやすい種類といえます。
クレンジングミルククレンジングクリームと比較して水性成分の配合量が多いタイプのクレンジング。比較的肌に負担をかけにくい種類ですので、乾燥肌・敏感肌のクレンジングにおすすめです。
ジェルクレンジングジェル状のクレンジング剤がクッションの役割を果たし、摩擦刺激を軽減できるタイプのクレンジング。さっぱりとした洗い上がりを特徴とする商品が多く、脂性肌や混合肌の女性におすすめです。
水クレンジングコットンに含ませて、メイク汚れを拭き取るタイプのクレンジング。拭き取る際に摩擦刺激を与えてしまうリスクが高く、化粧の粉吹きが気になる人には不向きです。

水クレンジングの他、拭き取り式のクレンジングも、ターンオーバー周期の乱れの気になる肌には不向きです。刺激の少ないタイプのクレンジングを選ぶことで肌への負担を軽くして、トラブルリスクを回避しましょう。

2. 泡洗顔で優しく洗う

寝ている間に付着した汗や埃、皮脂などの汚れは、ぬるま湯のみでは落ちません。十分に泡立てた洗顔料で泡洗顔し、汚れをきれいに落とすことが、粉吹きを防ぐコツです。

正しい泡洗顔は、以下の手順で進めます。

【1】体温より低い温度のぬるま湯で顔全体を予洗いする。
【2】洗顔料を十分に泡立てて、たっぷりの泡を作る。
【3】皮脂分泌の多い部位から乾燥しやすい部位の順番で洗顔する。
【4】体温より低い温度のぬるま湯で十分にすすぐ。
【5】清潔なタオルを顔にあて、水分を吸収させる。

洗顔料の量が少ないとたっぷりの泡が作れませんから、パッケージの記載をよく読んで、適量を使用しましょう。予洗いやすすぎに使用するぬるま湯は、32度から35度程度が正解です。触れたときに温かく感じるようだと熱すぎますから、適温に調整しましょう。

3. 洗顔後は速やかに保湿する

洗顔後は化粧水・乳液もしくはクリームで保湿し、十分な潤いを補充します。化粧水の使用量は、500円玉大程度が目安です。メーカーによっては適量が異なるケースもありますので、パッケージの記載を確認しましょう。

手のひらに出した化粧水は顔全体を優しく包み込むようにつけ、内側から外側へと広げます。乾燥による粉吹きを起こしやすい部位は少量を重ね付けし、重点的に潤いを補充する方法もおすすめです。

化粧水をなじませた後は、乳液もしくはクリームで蓋をします。乳液やクリームもメーカー指定の適量を確認し、正しく使用してください。

4. 保湿成分配合の化粧下地を使用する

乾燥による粉吹きの気になるときには、保湿成分配合の化粧下地を使用します。 たとえば、以下のような成分の含まれる化粧下地は、乾燥による粉吹き対策におすすめです。

・セラミド
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・アルバガンオイル

化粧下地の使用量は、パール大程度が目安です。指にとった化粧下地を額・鼻先・両頬・顎の5点に置き、顔の内側から外側へと伸ばします。鼻の周りや顎先はヨレやすい部位ですので、やや薄めに塗ってください。

5. ファンデーション選びを見直す

パウダーファンデーションは時間の経過とともにメイク崩れを起こしやすく、粉吹き対策に不向きです。粉吹きを改善するためには、リキッドファンデーションやクッションファンデーションのように、適度な水分・油分を含むアイテムを活用しましょう。

とくに乾燥がひどいときにはよりしっとりとした質感に仕上がる、クリームファンデーションを選ぶことも一案です。

6. ファンデーションを厚塗りしない

ファンデーションを正しく塗ることによっても、粉吹きを防止できます。リキッドファンデーション・クッションファンデーションの正しい塗り方は、以下の手順の通りです。

◎リキッドファンデーションの正しい塗り方

【1】手の甲に適量をとり、額・両頬・顎の4点に置く。
【2】「内側から外側へ」の動きを守り、広げる。(目の周りと鼻以外)
【3】中指・薬指をスライドさせるようにして、上まぶたに広げる。
【4】指の腹で軽くたたくようにして、下まぶたになじませる。
【5】指に残ったファンデーションを鼻に塗る。

◎クッションファンデーションの正しい塗り方

【1】パフの3分の1〜半分程度まで、ファンデーションをつける。
【2】顔の中心から外側に向かって、軽くたたくように塗る。
【3】パフに残ったファンデーションで、鼻の周りや目の周りを仕上げる。

いずれのファンデーションを使用する場合も、ルースパウダーを仕上げにはたくと、化粧の持ちがよくなります。少量のルースパウダーを大きめのブラシに含ませて、余計な粉を手の甲ではらった後、顔全体に乗せましょう。

7. 化粧の仕上げにミスト化粧水を吹きかける

化粧をすべて仕上げた後にはミスト化粧水を少量吹きかけ、肌に対する密着力を高めてあげます。顔から15cm程度離した場所にボトルを構え、顔全体に吹きかけるようなイメージで、ミスト化粧水をかけてください。

ミスト化粧水をかけた後に顔全体を手のひらで包むと、化粧と肌とが密着し、粉吹きしにくい状態に仕上がります。ミスト化粧水は粉吹きしたときの応急処置にも使用できるアイテムですから、1個は手元に持っておくと便利です。


まとめ

この記事では、化粧の粉吹きの原因と対策を紹介しました。化粧の粉吹きの主な原因には、誤ったスキンケアや加齢の影響、ファンデーションと化粧下地の相性などがあります。

自分自身のトラブルの原因をふまえた上で適切な対策を取り、一日通して滑らかかつ理想の美肌を維持しましょう。