監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

テレビや雑誌で特集が組まれることも多い顔ダニ。「もしかして、私の肌荒れもダニのせいでは」と感じる人は多くいます。

仮に顔ダニが原因であった場合、どのように対処すればよいかが分からずに、悩む人もいることでしょう。

そこで、この記事では、顔ダニの肌荒れの症状や治し方、再発を防ぐための対策を紹介します。治らない肌荒れ、ニキビに悩む人は、ぜひ参考にしてください。

顔や首が肌荒れした…

「フェイスラインや首にぶつぶつができて、いつまでも治らない」など、原因不明の肌荒れには大きな不安を感じるものです。

きちんと洗顔・保湿してもなおよくなる気配が見られないと、憂鬱な気持ちになりますよね。肌がきれいな友人や同僚を見る度に自己嫌悪に陥って、「なぜ私だけ」と悩む人もいるでしょう。

肌荒れを隠すためにベースメイクを厚塗りしても、根本的な解決には到りません。ベースメイクを厚塗りするほど強いクレンジングを使わなければ落とすことが難しく、肌トラブルの悪循環に陥るケースも見られます。

原因不明の肌トラブルの裏にしばしば見られる元凶は、顔ダニです。もともといた顔ダニが異常に繁殖してしまい、大量の死骸やフンが毛穴に詰まると、肌トラブルを引き起こすリスクがあります。

では、どのような症状が出たら、顔ダニによる肌荒れを疑う必要があるのでしょうか。顔ダニによる肌荒れの症状の特徴は、以下で詳しく解説します。

ダニの肌荒れの症状

ダニによる肌荒れの症状は、非常に多岐に渡ります。たとえば、顔のかゆみや赤みです。ダニの活動がアレルギー反応を引き起こし、かゆみや赤みにつながります。

ダニによるかゆみは、朝の洗顔によって解消できないことが特徴です。「きちんと洗顔してもなお、かゆさがとれない」という場合にはダニによるトラブルが疑われます。

顔ダニのエサの1つは人間の皮脂ですから、乾燥肌の進行もしばしば見られるトラブルの1つ。皮脂を食べられすぎてしまうことで水分・油分のバランスが崩れると、大人ニキビが悪化することもあります。

顔ダニによるニキビはなかなか治らないことが特徴です。「ニキビが気になるから」と過剰な洗顔を行えば乾燥肌がより進行し、悪循環に陥ってしまうリスクがあります。

ダニで肌荒れする原因5個!布団?

顔ダニの異常繁殖は、さまざまな原因で生じます。たとえば、以下のような原因に心当たりはありませんか。

1. クレンジングや洗顔不足

まず、メイクをしたまま就寝したりダブル洗顔を怠ったりすることです。

メイクやほこり、皮脂などの汚れが付着したまま就寝することは、顔ダニにエサを与えるようなもの。エサをもらった顔ダニはみるみるうちに繁殖し、肌荒れを引き起こします。

2. 過剰なクレンジング・洗顔

「顔ダニが気になるから」と強すぎるクレンジングを使用したり頻繁に洗顔したりすることは逆効果です。

過剰なクレンジング・洗顔によってバリア機能が低下するとかえって皮脂が分泌されて、顔ダニのエサを増やしてしまうことがあります。

3. 不規則な生活リズム

頻繁な夜更かしや休日の寝坊によって生活リズムが乱れると、肌の免疫力が低下して、顔ダニの繁殖しやすい状態に傾きます。

肌の免疫力とは、花粉やほこりなどの汚れ・アレルギー物質から肌を守る機能のことです。肌の免疫力が低下すると顔ダニの異常繁殖を招くばかりか、シワやたるみといったエイジングトラブルを起こしやすい状態になりますので、注意しましょう。

4. 脂質や糖質に偏った食事

揚げ物やジャンクフードなど脂質の多いメニューは過剰な皮脂を分泌させる原因です。パンのみ・パスタのみといった糖質に偏ったメニューもまた、皮脂の過剰分泌を招く原因の1つ。

過剰な皮脂が分泌されるほど顔ダニの繁殖するリスクが高まり、肌荒れを招いてしまうことがあります。

5. 布団や枕カバーの汚れ

布団や枕カバー、シーツには就寝中にかいた汗や皮脂、フケなど、さまざまな汚れが付着します。

清潔なものに取り替えることなく就寝すると、顔に汚れが移ることは当然ですよね。移った汚れをエサにして顔ダニが繁殖すると、しつこい肌荒れが起こります。

ダニで肌荒れしたときの治し方

顔ダニによる肌荒れを治すためには、皮膚科を受診し、外用薬や抗生剤の処方を受けてください。「多少費用がかかっても、早くきれいに治したい」という人には、保険適用外の外用薬が処方され、積極的な対策を行うケースも見られます。処方された外用薬や抗生剤は医師の指導に従って正しく使用し、肌荒れを治してください。

「皮膚科に行く時間がないから」とステロイド軟膏を使用することは、顔ダニによる肌荒れを悪化させるリスクがあります。ステロイド軟膏は塗り薬自体が顔ダニのエサとなり、異常繁殖を招くリスクが高いためです。

「一般的なニキビ・肌荒れなのか、顔ダニによるものか」の判断は一般の人には難しいので、自己判断は避けましょう。顔ダニによる肌荒れが疑われる場合はなるべく早く皮膚科を受診し、正しい対処を進めることがおすすめです。

ダニで肌荒れしたときの改善対策7個

皮膚科の治療と併行してスキンケア方法や生活習慣の見直しを進めることが、肌荒れの根本的な解決を図るコツです。

具体的には、以下のような対策を進めることで、顔ダニの異常繁殖を防ぎましょう。

1. 1日2回、石鹸で洗顔する

ぬるま湯のみの洗顔では顔の汚れがきちんと落ちず、肌荒れを悪化させるリスクがあります。朝と夜の1日2回、ほどよい洗浄力を持つ石鹸で泡洗顔を実践し、肌表面を清潔に維持しましょう。

合成界面活性剤を多く含む洗顔フォームは洗浄力が強すぎて、肌を健やかに維持するために必要な皮脂まで落とし、乾燥を招いてしまうことがあります。

シンプルな材料で作られた石鹸は余計な汚れをしっかり落としてくれる上に、すすぎ残しを起こしにくく、肌荒れリスクを減らすことが可能です。

2. 正しい洗顔方法を守る

「石鹸で洗顔すると、乾燥する」という人は、洗顔方法が誤っているかもしれません。正しい洗顔方法を今一度見直し、肌表面を清潔に維持しましょう。

◎肌荒れを防ぐ正しい洗顔方法

【1】ハンドソープで手を洗う
【2】泡立てネットを使用し、十分に泡立てる
【3】皮脂分泌の多い部位から乾燥しやすい部位の順番で洗顔する
【4】体温より低い温度のぬるま湯でしっかりすすぐ
【5】清潔なタオルを使用し、水分を吸収させる

固形石鹸は洗顔フォームと比較して泡立ちにくい傾向がありますから、泡立てネットの使用がおすすめ。石鹸と水分、空気を混ぜ合わせるようなイメージでしっかりと泡立てます。

すすぎは冷たい水でもお湯でもなく、体温より低い温度のぬるま湯が適切です。最低でも20回から30回はすすぐことを守り、すすぎ残しのないように注意しましょう。

3. 保湿ケアを怠らない

石鹸による洗顔できれいに汚れを落とした後は保湿を行い、バリア機能を補完しましょう。化粧水で十分な水分を補給した後、乳液やクリームによって適度な油分を与えてあげると、一時的に弱ってしまったバリア機能を補完することができます。

化粧水・乳液やクリームによる保湿ケアを進める際のポイントは、以下2点です。

【1】洗顔後、時間をあけずにお手入れする
洗顔から時間が経つほど肌の乾燥が進みますので、間髪あけずにお手入れしましょう。化粧水や乳液、クリームを用意してから洗顔すると、一連の流れがスムーズです。

【2】手で優しくなじませる
肌荒れが気になるときはコットンの繊維すら、刺激に感じるリスクがあります。手で優しくなじませることで、肌荒れの悪化を防ぎましょう。

手でなじませた後、部位ごとに軽く押さえて(専門用語でハンドプレス)、化粧水や乳液・クリームの浸透を促すこともおすすめです。肌の深い部分まで化粧水などを届けるようなイメージで、額やほほ、フェイスラインなどを押さえていきます。

4. 化粧水や美容液、乳液やクリーム選びを見直す

顔ダニによる肌荒れが見られる肌はバリア機能が低下して、敏感になった状態です。敏感になった肌は普段通りの保湿ケアを負担に感じるケースがありますので、化粧水や美容液、乳液やクリーム選びを見直しましょう。

化粧水や美容液、乳液やクリームを選ぶ際の基準は、以下2点です。

【1】刺激成分を含まないものを選ぶ
エタノールや合成香料、防腐剤、石油系界面活性剤などが肌トラブルを引き起こしやすい「刺激成分」にあたります。刺激成分を含まないものを選ぶことで、肌荒れリスクを軽減しましょう。

【2】保湿成分の種類にこだわる
アミノ酸やセラミドなどバリア機能を補完する成分配合の化粧水や美容液、乳液やクリームがおすすめ。ライスパワーエキスなど水分保持力を高めてくれる成分の配合されたものを選び、肌の基礎力を底上げする方法もよいでしょう。

顔ダニを改善するために皮膚科を受診する場合は、基礎化粧品について相談し、アドバイスを受ける方法も検討されます。「どのような保湿成分が必要か」「どのように保湿すればよいか」など気になることを相談し、アドバイスを受けてください。

5. 規則正しい生活リズムに切り替える

睡眠時間は、肌の代謝を促すことでダメージを修復する成長ホルモン・成長ホルモンの分泌を促すメラトニンが分泌される重要な時間です。

メラトニンには強力な抗酸化力があるともいわれ、肌荒れしにくい肌を作るためには欠かせないホルモンの1つ。質のよい睡眠をとるためにもメラトニンが不可欠ですから、規則正しい時間に寝る・起きるという理想的な生活リズムに切り替えましょう。

また、メラトニンの原材料は、幸せホルモン「セロトニン」です。以下のような対策によってセロトニンを増やすことがメラトニンの分泌を助け、肌荒れしにくい状態を作ることに貢献します。

・リズム運動(ウォーキングやジョギング、スクワットなど)を行う。
・適度な時間、太陽の光りを浴びる。
・親しい友人、家族と話す。
・ゆっくりと深呼吸する。
・パートナーやペットと触れ合う。

長時間の昼寝は、睡眠リズムを乱してしまう原因です。休日も平日も変わらない生活リズムで過ごすことを目標に、ライフスタイルを切り替えましょう。

6. バランスのよい食事をとる

顔ダニによる肌荒れを改善するためには、内側からの対策も欠かせません。栄養バランスのよい食事をとることで、肌荒れしにくい状態を作りましょう。

以下の栄養素はとくに肌荒れを改善するために重要な働きを担いますから、意識的に摂ることをおすすめします。

タンパク質肌を含め、体内のさまざまな細胞を作るために欠かせない栄養素です。肉や魚、大豆食品や乳製品に含まれます。
ビタミンB2皮膚や粘膜の健康維持を助けたり脂質・糖質代謝を促したりする栄養素です。レバーやうなぎ、チーズなどに含まれます。
ビタミンB6ターンオーバー周期を整えるために必要な栄養素です。かつおやまぐろ、レバーやバナナなどに含まれます。
ビタミンCコラーゲンの生成を助けたりストレスに対する抵抗力を高めたりする栄養素です。柑橘類やイチゴ、パプリカ、ゴーヤなどに含まれます。
ビタミンCコラーゲンの生成を助けたりストレスに対する抵抗力を高めたりする栄養素です。柑橘類やイチゴ、パプリカ、ゴーヤなどに含まれます。
ビタミンA皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。レバーやニンジン、ほうれん草、カボチャなどに含まれます。
ビタミンE「若返りのビタミン」ともいわれ、血行を促進し、肌に対する栄養補給を助けてくれる栄養素です。アーモンドや植物油、アボカドなどに含まれます。

また、肌荒れを改善するためには適度な油分も必要です。亜麻仁油やオリーブオイル、魚の油など良質な油分を適量とって、肌の調子を整えましょう。マーガリンや肉の油など飽和脂肪酸を多く含む油・マーガリンなどトランス脂肪酸を多く含む油は、できる限り控えたい油分です。

「良質な油分を適量摂取し、控えたい油分は減らす」ことを意識し、顔ダニの繁殖しにくい状態を目指してください。

7. ストレスを溜め込む前に発散する

人間関係や仕事のストレスは男性ホルモンの分泌を促進させ、過剰な皮脂を分泌させる原因です。

そうはいっても、「ストレスを感じることなく生活する」ということは難しいお話。ストレスを溜め込まずに発散する習慣を作ることで、ホルモンバランスを整えて、過剰な皮脂の分泌を防ぎましょう。

手軽に実践できるストレス発散方法の具体例は、以下のような内容です。

・まぶたを閉じて、頭の中を空っぽにする
・ストレッチして、筋肉の緊張をほぐす
・日光を浴びながら、ウォーキングやサイクリングする
・気兼ねなく付き合うことのできる相手とおしゃべりする
・好きなことに没頭する時間を作る
・フィットネスジムで思い切り汗を流す
・「心地よい」と感じるアロマをたく

頭の中を空っぽにする方法やストレッチする方法は、職場の休憩時間にも実践できます。「ストレスが溜まった」と感じる前に実践し、習慣として続けることがおすすめです。


まとめ

顔ダニによる肌荒れの治し方と再発を防ぐための対策を紹介しました。顔ダニは誰の肌にもいるものだからこそ「完璧に駆除する」というわけではなく、上手に共存することが大切です。

異常繁殖を防ぐためのスキンケアやライフスタイルを普段から実践し、顔ダニによる肌荒れリスクを軽減しましょう。