監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

暑いときや辛いものを食べたとき、運動をすると私たちは汗をかきます。汗には体の熱を放出して体温を調整する機能があります。

汗にはメイク崩れや体臭など、美容の敵になるイメージが強いかもしれません。しかし、汗は熱を逃すだけでなく、肌のコンディションを守るための大切な役割があります。

肌のコンディションを整えるためにはサラサラの汗をかく必要があります。汗をかく機能を健全に保つことで肌にとって良い汗をかくようにしましょう。

この記事では汗をかくことによる美容のメリットと良い汗のかき方をご紹介します。

汗をかくと美肌効果で肌がきれいにつるつる?

汗をかく習慣を持つことで、肌をきれいに保つことができます。汗には、うるおいを保つ効果や、汚れや老廃物を排出する効果など、美肌づくりに必要な働きをたくさん持っているのです。

私たちは体温調整するために汗をかきます。皮膚の表面で汗が蒸発する時に触れている肌から熱を吸収して、熱を放出します。ですから暑くなって体温が上がってくると、汗が出るのです。

また、汗の原料は血液です。血液の水分とミネラル分が汗腺にたまり、必要なミネラル分だけを血液が再吸収して残った水分が皮膚の表面から出てきたものが汗になります。

全身に分布する全ての汗腺が、いつも活動しているわけではありません。運動の習慣がないと使われていない汗腺が増えて、機能が低下してしまいます。汗腺の機能低下は運動不足の他にも加齢やエアコンの使い過ぎなどの原因も考えられます。

美肌効果がある汗はサラサラしています。汗腺の働きをよくして、肌に良い汗をかくようにしましょう。

汗をかくメリット5個

新陳代謝を上げて、サラサラの汗をかくことで美容に良いメリットがあります。汗をかくメリットを5つご紹介します。

1. 毒素や老廃物を出す

汗をかくことで、水分にとける老廃物を外に出すことができます。汗は血液中の水分から抽出して作られているので、血液によって運ばれている老廃物は汗にとけて排出されます。

汗腺の働きが低下していると、必要なものと不要なものをうまく分けられません。毎日汗をかく習慣を作り、汗でデトックスできるようになることが大切です。

顔に老廃物がたまると、むくみやくすみの原因になります。歳を重ねてもきれいな肌で過ごすためには、皮膚の深部からデトックスをして、いらないものをため込まない体質を作る必要があります。汗によるデトックスは美肌を維持するためにも不可欠です。

また顔の皮膚の下を巡る血液がきれいになるのでお肌にも新鮮な栄養や酸素を届けやすくなり、健康的な肌を生み出すことができます。汗をかくことで数年後の肌もきれいに保つことができるのです。

2. 保湿効果

汗の水分は水分表面の角質層に浸透します。角質層が乾燥していると、水分が蒸発しやすくなり、肌の奥から乾燥肌になってしまいます。汗の水分は乾燥肌になることを未然に防ぎ、うるおいを保ってくれます。

また汗は皮脂と混ざって天然の保湿クリームを生成します。肌に十分な保湿の層を作るためには、いつでも汗をかけるように汗腺の働きをよくしておかなければなりません。

さらに、汗には乳酸ナトリウムや尿素という天然保湿因子が含まれています。天然皮脂分泌というのは肌の一番表面である角質層に存在する成分です。水分を捕まえて角質層内部のうるおいを保つ働きをします。

外からの刺激によって流出してしまうことがある成分ですので日々補う必要があるのですが、毎日汗をかくことによって肌の表面に天然皮脂分泌が浸透させることができます。

ただし、汗を肌の上に残しておけば、保湿効果が高まるというわけではありませんから、その点は注意しましょう。

3. 肌のハリをアップする

良い汗をかく体質になると、肌のハリをあげることができます。

汗をかかない生活を続けていると、汗腺の機能が低下してしまいます。汗腺がうまく働かない状態になると、血液に戻さないといけない栄養素まで外に排出してしまいます。その結果、肌に必要なミネラルまで流出してしまい、肌を整えてうるおいを保つ組織が崩れてしまいます。

肌の水分を閉じ込めるコラーゲンは柵のような構造を作っています。しかしミネラル分が流出してしますと、この構造が崩れてしまうのでハリが失われてたるんだ状態になるのです。

運動をしなくても私たちはわずかに汗をかいています。汗をかかない生活だと貴重なミネラル分を日々流出してしまっているのです。大事な栄養を無駄にしないように、意識して汗腺を機能させるようにしましょう。

4. バリア機能を高める

汗の中には抗菌ペプチドが含まれており、病原体から肌を守る効果が期待できます。これも水分や天然皮脂分泌と同じく、汗をかくことで肌表面に補うことができるのです。

また汗は皮膚を守る保護膜としても働きます。肌は水分である汗と油分である皮脂が混ざり合うことで作られる皮脂膜に覆われています。

この皮脂膜は外からの刺激から肌を守り、またうるおいが空気中に蒸発するのを防ぐ働きをしています。汗をかく量が足りないと油分とのバランスが崩れて、乾燥したり炎症を起こしたりする原因になりかねません。

バランスの良いきれいな皮脂膜を作るためには感染をできるだけ正常な状態にしておく必要があります。汗腺のつまりがあると、必要な水分を分泌することができなくなってしまうからです。ですから、良い汗をかくことは肌のバリア機能を高めることにもつながります。

5. 体臭予防

汗はにおいの元と思われがちですが、汗をかかないことも不快な体臭の原因になります。

汗は99%が水分で構成されていますが、ミネラル分やタンパク質もわずかに含まれています。汗をかかない生活習慣によって、汗腺にたまってしまいます。たまった汗をエサに雑菌が繁殖して悪臭の原因になる可能性があります。

しっかり汗をかいて汗腺を常にリフレッシュすることが体臭予防につながります。

汗をかいたときのスキンケア

汗をかくことは美肌に効果があります。しかし、一度かいた汗は肌の上にとどまりすぎることがないよう、すぐに拭き取りましょう。

汗は放っておくと細菌が繁殖する原因となり、肌荒れや汗臭さの元になります。また体を冷やさないためにも汗を放置しないことが重要です。

汗を拭きとる時は、ゴシゴシ擦らずにタオルを優しくあてて水分を吸わせるようにします。
全身の中でも、おでこが一番汗をかきやすいパーツになっています。大切な脳の温度が上がりすぎないように守るためです。生え際など、拭き取り忘れがないようにしましょう。

そして汗を拭き取った後はしっかり保湿をします。汗をかいた肌は水分が蒸発しやすい状態です。化粧水・クリームを使って十分に保湿をすることで、汗との相乗効果が働き、肌を保湿することができるでしょう。

汗をかいた後の過ごし方ですが、一気に冷やすと毛穴がすぐに閉じてせっかく活発になった汗腺の機能を押さえ込んでしまいます。体調が良好であれば暑くてもうちわであおぐ程度でおさめて、エアコンに直接当たるなどしないようにしましょう。

おすすめの汗をかく運動5個

汗腺の機能を鍛えるために、毎日運動を続けることが大切です。新陳代謝を上げて体温をあげることが目的ですから、慣れないうちは軽いものでも構いません。最初はうまく汗をかくことができないかもしれませんが、続けることによって気持ちの良い汗をかくことができるようになるでしょう。

体温を上げて発汗を促すために、有酸素運動がおすすめです。身体に負担が少なく、長い時間行っても大丈夫なものにしましょう。じんわりと汗ばむくらい行うのが目安です。手足の先まで血行をよくして自然に汗をかくことができます。

おすすめの運動を具体的に5つご紹介します。

1. ストレッチ

運動習慣があまりない方、体力の低下を感じる方はストレッチからはじめることをおすすめします。筋肉を動かすことで血行を促進し、基礎代謝を上げられるため、ゆるやかに体温をあげることができます。

中でも屈伸運動下半身の筋肉を動かすことができます。全身の筋肉の7割は下半身についていますから、効率的に基礎代謝をあげることができます。ゆっくりとしたスピードで行うことを意識しましょう。

特に夏場は、外に出て運動をすると熱中症にかかるおそれがあります。水分補給をしながら行うようにしましょう。エアコンを止めて室内でストレッチを行うことも効果的です。

2. ウォーキング

ウォーキングはとても手軽に始められる有酸素運動です。全身を使って歩くことで、体温がゆるやかに上昇し汗腺を刺激することができます。

少し負荷を感じる程度のスピードで20分ほど歩くことが理想です。歩数は1日8000歩を目安にすると良いでしょう。運動の時間をとることができないという方も普段の家事や移動の時に、正しいフォームで歩くことで効果を得られます。

歩くときは猫背にならないように胸を開いた姿勢を意識しましょう。腰は反らないように注意が必要です。足の爪先をまっすぐ前に出し、腕を後ろに引くイメージで振るとよりスムーズに全身を動かすことができます。

3. ジョギング

ジョギングをする際にはゆったりと走ることで有酸素運動の効果を得やすくなります。人と話しながらでも続けられるスピードを保ちましょう。早く走ると負荷がかかりすぎて無酸素運動に近くなってしまいますから、無理は禁物です。

足に負担がかからないよう、可能であれば専用の靴を履いて行うことがおすすめです。走る前に屈伸や伸脚、アキレス腱を伸ばして筋肉をほぐしましょう。予期せぬ怪我を防ぐことができます。

ウォーキングと同じように姿勢よく、遠くを見るようにします。ペースが乱れないように、一定のリズムで足を出します。

4. 水泳

全身の筋肉を使いながら、体への負担も少ない水泳もおすすめです。水中にいるときは気が付きにくいかもしれませんが、水泳中も汗はかいています。適度に負荷をかけながら、体を痛める心配は少ないので若い方も歳を重ねた方にもおすすめの方法です。

汗腺の働きをよくするために早く泳ぐ必要はありません。歩いたり、ゆったりとしたペースで泳ぐようにしましょう。水中での歩行は陸上で歩くよりも2倍の運動効果があります。30分以上を目安に運動しましょう。

5. ホットヨガ

ヨガも有酸素運動の一つです。しっかり呼吸をして酸素を取り込みながら筋肉を動かすことで、基礎代謝をあげやすい運動といえるでしょう。

中でも汗をかきやすい環境で行うホットヨガは、たくさんの汗をかくため毛穴の掃除にもなります。基礎代謝をあげて汗をかきやすい身体にしながら、気持ちの良い汗が出る汗腺に整えることができます。


まとめ

汗による美肌の効果と運動の方法をご紹介しました。汗をかくことは健康にも美容にも良い効果があります。大切なのは良い汗をかくこと、そのために汗をかく習慣を身につけることです。

運動の他にもサウナに入ったり、半身浴に入る方法もあります。毎日汗をかくことが大切なので、自分が取り組みやすい方法を実践してみましょう。