監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

高価な基礎化粧品を使用しても肌の調子が整わず、「スキンケアしない方がいいのでは」と考える人もいます。また、一部の美容家やブロガーの中には「スキンケアしない美容法」を推奨する人がいて、過剰なお手入れに対して警告を鳴らす動きが見られることは事実です。

この記事では、スキンケアしないことの効果と肌を綺麗にするための適切なお手入れ方法を解説します。「肌の状態に合うスキンケアを知りたい」「今より綺麗になりたい」という人は、ぜひ参考にしてください。

何もスキンケアしないとどうなる?将来が不安…

そもそもスキンケアとは、肌を清潔に維持することで、乾燥・過剰な皮脂分泌・毛穴の開きといったトラブルを防ぐことを目的に実践するお手入れを意味します。

「適切なスキンケアを実践することは、シワやたるみ、くすみなどのエイジングトラブルを防ぐことにもつながる」という考え方は、女性の中の常識にあたること。当たり前のように実践してきたスキンケアをまったく止めてしまうことに、不安を感じる気持ちは当然です。

何もしないお手入れに関心を持ちつつも「スキンケアを止めてしまうと、シワが増えるのではないか」「くすみが悪化しそうでこわい」などの不安や疑問をぬぐい切れず、悩む人もいるでしょう。

さらに、スキンケア方法を変えたことの影響がすぐに出るとは限りません。「10年後にシミ、シワのできる状況は避けたい」などと考えるとなかなか行動できないまま、スキンケア迷子に陥る状況も想定されます。

スキンケアしない効果は?美肌・老化?

化粧水や美容液、乳液やクリームなどの基礎化粧品はすべて、人と場合によっては悪影響を与えてしまうことがあります。基礎化粧品に含まれる界面活性剤や防腐剤が肌に対して刺激を与えて、肌トラブルを招いてしまうのです。

また、洗顔やクレンジングによる摩擦刺激の蓄積は、敏感肌を招いてしまう一因です。敏感に傾いた肌にとっては普段使用している基礎化粧品すら負担が大きく、赤みや発疹などのトラブルにつながるケースも見られます。

そこで検討できる選択肢が、スキンケアしないことです。スキンケアしないことによって刺激を極力減らしてあげると、肌の状態が整って、美肌に近づくことがあります。

ただし、本当に肌に合う基礎化粧品を使えていたにも関わらず、スキンケアしない方法に切り替えると、トラブルが増加する可能性は否めません。スキンケアしたほうがいい人・スキンケアしないほうがいい人の両方がいることは、覚えておくとよいでしょう。

スキンケアしたほうがいい人の特徴

では、どのような人は「スキンケアしたほうがいい人」にあたるでしょうか。まず、日常的に濃いメイクをする人です。

濃いメイクをする人がクレンジングをやめた場合、肌のくすみや毛穴トラブル、大人ニキビを招いてしまうことがあります。

次に、もともと乾燥肌で、洗顔後にかさつきや突っ張りを感じる人です。乾燥肌の進行を防ぐためには、化粧水や美容液、クリームによる保湿が欠かせません。

最後に、肌のごわつき・顔のべたつきを感じる人です。トラブルを悪化させないためには、十分に泡立てた洗顔料を使用してごわつき・べたつきのひどい部位から洗い、肌表面を清潔に維持してください。

上記に該当しない人でもスキンケアしない方法を試し、肌の不調を感じる場合は、適切なスキンケアが必要です。「万人に合うスキンケア方法はない」ということを念頭として、自分にとっての「ベストアンサー」を探してください。

スキンケアしないほうがいい人の特徴

スキンケアしないほうがいい人の特徴は、2個のパターンに分けられます。

【1】過剰なスキンケアを控えて、肌の調子がよくなった人
まず、美容成分をたっぷり含む美容液や濃厚なクリームの使用を控え、「肌の調子がよくなった」と感じる人です。過剰なスキンケアを控えても問題ないようなら過去のお手入れ方法へ戻す必要はなく、シンプルなお手入れを続けてください。

【2】極度の乾燥やニキビによって、肌が敏感に傾いている人
肌が敏感に傾いているときには普段通りの化粧水や美容液、乳液やクリームによるお手入れすら、負担に感じることがあります。その場合は過剰なスキンケアをお休みし、肌の自然治癒力に任せることも一案です。

なお「スキンケアしないほうがいい」とはいえ、一切のスキンケアをやめることはハイリスクです。日焼け止めを塗るなど肌を健やかに維持するための対策は怠らず、肌本来のあるべき姿を取り戻しましょう。

失敗するスキンケア方法

失敗するスキンケア方法のよくあるパターンは、さまざまなスキンケア方法を手当たり次第に試すことです。

世の中には無数のスキンケア方法がありますが、合う・合わないが分かれます。美容ブログやインターネットメディア、SNSで見掛けたスキンケア方法を手当たり次第に試すことは避け、一定期間続けましょう。

一定期間続けた結果として「合わない」と感じた方法は潔くあきらめ、より自分に合う方法を探すことも大切です。合わない方法を無理に継続することが、肌トラブルを招いてしまうリスクもあります。

「自分に合うスキンケア方法が分からない」という人は、化粧品を販売しているところで、カウンセリングを受けてください。ニキビや毛穴、乾燥など明確な悩みを持つ人は皮膚科や美容皮膚科を受診して、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。

肌が綺麗になるスキンケアの注意点7個

最後に、肌をきれいにするためのスキンケアの注意点を紹介します。肌をきれいにするために、やるべきではないこと・やるべきことをきちんと理解し、理想の状態を目指してください。

1. クレンジングをさぼらない

クレンジングをさぼることは一般的に、毛穴の詰まりや大人ニキビの悪化を招く原因です。メイクした日はもちろんのこと、日焼け止めのみを塗って過ごす日にもクレンジングを行って、油性の汚れを落としましょう。

クレンジングにはさまざまな種類がありますが、メイクを落とす力が強いほど肌への負担は大きいことが一般的です。

「クレンジングオイルやクレンジングバームの使用は濃いメイクをした日に留め、日常的にはクレンジングミルクやクレンジングクリームを使用する」などのように使い分けるとよいでしょう。

2. 1日2回以上は洗顔しない

セラミドや皮脂、天然保湿因子など肌を健やかに維持するために必要な成分は洗顔によって流れ出します。1日2回以上の洗顔することは極力避け、朝・夜のみに留めてください。

なお、ここでいう「洗顔」とは洗顔フォームもしくは固形石鹸を使用する、一般的な「洗顔」です。ぬるま湯のみの洗顔ではきれいに汚れが落ちませんので、ご注意ください。

洗顔フォームや石鹸はよく泡立てて使用することにより、汚れを落とす力が高まります。泡立てネットや泡立て器を使用して濃密な泡のフォームを作成し、洗顔を進めてください。

3. クレンジング・洗顔はこすらず洗う

クレンジングや洗顔は極力こすらず、優しい力で行いましょう。「ゴシゴシこすらなくては、メイクが落ちない」と感じる場合はクレンジングの種類を見直します。

油性成分を含むクレンジングを使用する場合は乳化をきちんと行うことでも、汚れ落ちをよくすることが可能です。

4. 化粧水は手でなじませる

クレンジング・洗顔後は原則的に化粧水を手でなじませ、洗顔によって失われた水分を補います。トラブルを起こした肌はコットンを刺激に感じるリスクがありますから、手でなじませる方法がおすすめです。

「手が化粧水を吸収してしまうのでは」と考える人もいますが、誤解といえます。手のひらには毛穴がありませんので顔のほうに吸収されやすく、保湿ケアを妨げません。

化粧水をなじませるときに以下のようなポイントを守ることもまた、きれいな肌を作るために重要な事項といえます。

・化粧品メーカー指定の目安を守り、十分な量をなじませる
・左右の手のひらで挟み込み、適温に温める
・顔に乗せた後、ハンドプレスでなじませる

ハンドプレスとは、化粧水を顔全体に乗せた後、額・ほほ・フェイスラインなど部位別に約10秒ずつ手のひらで優しく覆うことを意味します。肌の奥深くに化粧水を届けるようなイメージで順番に覆い、十分な水分補給を行ってください。

5. シートマスクに頼りすぎない

近年では、毎日使用できるタイプのシートマスクをお手入れに取り入れ、重点的な保湿やエイジングケアに取り組む人も見られます。実はこれが諸刃の剣。

シートマスクを外した後の肌はふやけた状態になりますので、普段以上に敏感で、外部刺激による肌トラブルを招いてしまうリスクがあります。

また、保湿成分・美容成分をたっぷり含むシートマスクは、「過剰なケア」にあたる可能性が否めません。シートマスクの繊維を負担に感じ、かぶれてしまうこともあります。「シートマスクのすべてが悪い」とは言わないものの、肌が敏感に傾いているときに無理に使用することは避けましょう。

6. 角質を取りすぎない

角質は肌のバリア機能や保湿機能を担う重要な存在です。肌を守るもしくは潤すための角質まで取ってしまうと、自らを守る力が損なわれ、乾燥肌や敏感肌を悪化させるリスクがあります。

以下のようなお手入れは過剰な角質ケアにあたりますから、控えることがおすすめです。

・スクラブ洗顔や酵素洗顔、ピーリングを頻繁に行う
・角質が気になる部分をゴシゴシこする
・角質ケア用の洗顔ブラシを毎日使う

スクラブ洗顔や酵素洗顔、ピーリングを行う頻度は、週に1回から2回が上限。「ごわつきが気になるから」と頻繁に行うことは避け、適度な頻度に留めることで、必要な角質を残してください。角質が気になる部分をこすったり洗顔ブラシを毎日使用したりすることもまた、過剰な角質ケアといえます。

健やかな肌(きれいな肌)ではターンオーバー周期に沿って古い角質が剥がれ落ち、表面に溜まることはありません。「角質ケアはすべての人にとって必須のお手入れにあたらない」ということを念頭に、肌の調子の整う頻度・お手入れ方法を検討しましょう。

7. UVケアした「つもり」で終わらない

「UVケアは日焼け止めのみで十分」と考えていると、知らず知らずのうちに紫外線を受けてしまい、将来的なシミやたるみにつながるリスクがあります。適切な強さの日焼け止めを正しく使用することは、最低限行いたい対策です。

プラスアルファとして、日焼け止めの上からパウダーファンデーションやUVカット効果のあるパウダーをはたき、万全の対策を行いましょう。

◎日焼け止めの強さの目安

SPF15〜30、PA+〜++買い物や通勤、通学など日常的な活動に適した強さ。
SPF30〜50、PA++〜+++屋外スポーツやウォーキングなど、ややめの屋外活動に適した強さ。
SPF50+、PA++〜++++マリンスポーツやハイキングなど、炎天下で長時間活動する日に適した強さ。

なお、強すぎる日焼け止めを日常的に使用することは、乾燥などの肌トラブルを悪化させるリスクがあります。乾燥した肌は余計に紫外線を吸収しやすく、将来的なシミやたるみリスクを高めてしまう原因となりかねません。


まとめ

「スキンケアしたほうがいいか・しないほうがいいか」に対する回答は、「イエス」とも「ノー」ともいいきれません。自分自身の肌質や気になるトラブル、ライフスタイルなどに応じて、柔軟な対応を求められる問題です。

また、自分に合わないスキンケア方法を無理に継続することは、きれいな肌を遠のかせるNGケアにあたります。

「どのようなスキンケアを実践すれば肌がきれいになるのか」「どのようなスキンケアは控えるべきか」をよく考えて、後悔しない判断を出してください。