監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

何を試しても乾燥や肌荒れが起きるからと、石鹼洗顔を避けている方も多いのではないでしょうか。皮脂や角質などの汚れがスッキリ落とせるため、毛穴対策にも人気の化粧品です。

ここでは、石鹸洗顔はなぜ乾燥や肌荒れを招くのかと、美肌を保つために正しい洗顔のやり方を詳しく解説しています。

カサカサやブツブツなど、肌トラブルが起きているときの石鹸の選び方もぜひ見てください。正しいスキンケアの知識を得て、潤いとツヤのある肌をキープしましょう。

石鹸洗顔とは?

はじめに石鹼洗顔とは、ヤシ油やパーム油などの油脂や脂肪酸に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を反応させて作られた石鹸を使って洗顔をすることです。

油脂や脂肪酸
(ヤシ油)
(パーム油など)

      +

アルカリ性物質
(水酸化ナトリウム)
(水酸化カリウム)

原料として使われる油脂や脂肪酸の種類によって、洗浄力や溶けやすさ、泡立ちなどの特性は異なります。

一般的に石鹸といえば固形のイメージが強いですが、実は液状や粉末の製品もあるので成分表示で見極めるとよいでしょう。

石鹸洗顔のおすすめ成分

以下は、石鹸に配合されるおすすめの成分です。
・セラミド
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・スクワラン

洗顔後のツッパリ感が気になる方には、上記の成分を配合した透明石鹸がおすすめです。

また、透明石鹸はグリセリンや砂糖(スクロール)を配合し、水分を多く含むためしっとりした洗いあがりです。肌の潤いを保ちながら、不要な汚れはキレイに落とせます。

石鹸洗顔は良くない?使うと乾燥する?

石鹸洗顔をすると肌のツッパリを感じたり、カサついたりすることがあるでしょう。人の肌は弱酸性ですが、ほとんどの固形石鹸は弱アルカリ性です。

健康な肌は、弱アルカリ性の石鹸で洗顔しても皮脂や汗により中和(アルカリ中和能)され、自然に弱酸性へ戻るように働きます。

しかし、肌の状態が良くないときに石鹸洗顔をすると、アルカリ性に傾いたままになるのです。アルカリ性の状態が続くと、角質層がダメージを受けて乾燥や肌荒れを起こしやすくなります。

一般的な化粧水が酸性の理由は、常に皮膚の表面を弱酸性に保つためです。肌は弱酸性でアルカリ性には弱い性質があります。

保湿をして肌を整えることが重要

アルカリ性に傾いた肌を弱酸性に戻すために、洗顔後の保湿がとても重要です。さまざまな製品があり、適した肌質もあるため、一概に洗顔石鹼は良くないとはいえません。

石鹸や洗顔料を使わず、水だけで洗うほうが整う肌質もあります。

使用後に乾燥する場合は刺激の少ないものを選び、保湿成分を配合した石鹸やアミノ酸系のソープを使いましょう。

石鹸洗顔を使っても大丈夫な肌質や肌の状態

ひとまとめに石鹼といっても、洗浄力は優しいものから強いものまであります。一般的には固形タイプは洗浄力の強いものが多く、ツッパリ感もでやすい傾向です。

全肌質に使えますが、適した肌質と使用を控えるべき肌の状態を把握しておきましょう。

適した肌質と知っておきたいポイント

以下には、石鹸洗顔に適した肌質をまとめています。

普通肌→〇
脂性肌→〇
混合肌→〇
乾燥肌→△
敏感肌→△

混合肌は皮脂の多いTゾーンに対し、目元や口元、頬などは乾燥しやすい傾向です。Tゾーンや皮脂の多い部位は念入りに洗い、乾燥しやすい部位はサッとつけて洗い流すとよいでしょう。

乾燥肌と敏感肌には洗浄力の優しい石鹸を

乾燥肌や敏感肌は、バリア機能の低下によりアルカリ性物質に刺激を感じることもあります。

とてもデリケートな状態なので、無添加処方やアミノ酸系、保湿成分を配合した弱酸性ソープがおすすめです。洗顔後はすぐに化粧水、美容液、乳液、クリームの順にしっかり保湿をしましょう。

控えたほうがよい肌の状態

炎症を起こした赤ニキビやアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患のある場合には、アルカリ性物質が刺激になることもあります。

ピリピリ感や痛みを伴うときは、弱酸性の液体ソープを使用しましょう。また、肌に合わない成分が配合されていることで刺激を感じることもあります。

使ってみて肌の調子が良いかをチェックしてから、最適な石鹸を選びましょう。肌質に合った石鹸を選び、洗顔後に正しいスキンケアを行うことが大切です。

どの成分に反応しているのかわからないときは、界面活性剤やアルコール、パラペンなどを配合していない無添加石鹸を試すとよいでしょう。何度も乾燥や肌荒れを繰り返す場合は、皮膚科で診察を受けてください。

正しい洗顔のやり方5ステップ

石鹸洗顔をする目安は1日に朝と晩の2回、乾燥肌で1~2回、脂性肌でも2~3回です。過度な乾燥肌でない限り、1日に2回が標準的な回数となります。

間違った洗顔方法は乾燥や肌荒れを招くこともあるので、念のためチェックしておきましょう。

1. まずは手を洗って準備スタート

肌トラブルを防ぐために、手についた雑菌を事前に洗い流しましょう。また、洗顔前に軽く顔を濡らしておくと、泡の滑りがよくなり摩擦も起こりにくくなります。

水温の目安は32~34℃で、ぬるめのお湯で行ってください。入浴時に高温のお湯で、体と一緒に顔を洗う方は多いのではないでしょうか。

熱いお湯で顔を洗うと、肌に必要な潤いまで洗い流してしまいます。肌の水分量を最適に保つためにも、少しぬるいと感じる程度に設定してください。

2. たっぷりの泡を作る

しっかり泡立ててたっぷりの泡で洗うのが洗顔の基本です。

泡立ちの悪い石鹼でも泡立てネットを使うと、ボリュームのある泡が素早く出来上がるのでおすすめします。きめ細かく泡立てることで吸着性が増し、毛穴にたまった汚れをスッキリ落とせます。

3. 泡を転がしながらひろげる

指の腹でなでるように泡を転がしながら顔全体にのばしていきます。Tゾーンなどの汚れが気になる部位から始め、最後に乾燥しやすい目元や口元は軽くつけて洗い流してください。

テカリやすい部位はクルクルと優しく泡を転がして、皮脂などの汚れをキレイに落としましょう。

4. すすぎはぬるま湯で行う

すすぎの際は、少しぬるく感じる程度のお湯で20回を目安に行いましょう。髪の生え際やUゾーンは洗い残しの多い部位なので、念入りに洗い流します。

皮脂や汚れが肌に残ると、ニキビ等の肌トラブルにつながりかねません。また、毛穴が塞がることで化粧水などの浸透も悪くなるため、十分にすすいでください。

5. 柔らかい素材のタオルで水気を吸い取る

コットン等の柔らかいタオルで軽く押さえて水気を拭き取りましょう。顔を拭くときもゴシゴシとこするのは控えて、ポンポンと優しく押さえる程度でOKです。肌に潤い感があっても皮脂は少ない状態なので、洗顔後は素早く化粧品で保湿をしてください。

毛穴詰まりが気になるのであれば、事前にホットタオルや美顔器のスチーマーで毛穴を開いておくとよいでしょう。角質を柔らかくすることで毛穴が開き、古い皮脂や角質を取り除きやすくなります。

肌質や肌の状態によって、洗顔時の注意点や石鹼の選び方が異なるので、次項で肌トラブルごとの詳細をご覧ください。

ニキビが増えたときの石鹸洗顔は?

ニキビが増えたときは、ニキビ用の薬用石鹸で肌を清潔に保ちましょう。余分な皮脂や汚れを取り除き、肌に必要な潤いは残るものを選びます。

脂性肌の方でも1日の洗顔回数は3回を上限とし、朝と晩の2回を目安に行いましょう。

正しい洗顔方法と同じく、手を洗った後に泡立てネットで濃密な泡を作ります。皮脂の多いTゾーンを始め、毛穴の詰まりやすい箇所は丁寧に洗ってください。

過度な乾燥肌の場合でも、菌の繁殖を抑えるために週に2~3回は、石鹸を使って洗顔をしましょう。どちらにしてもニキビに刺激はNGなので、優しく洗うことが重要なポイントです。

洗顔時の注意ポイント

以下はニキビ肌の洗顔時の注意点をまとめています。
・刺激を与えない
・故意に潰さない
・髪が顔にあたらないように束ねる

最後はしっかりとすすぎ、清潔なタオルで優しく水気を拭き取りましょう。

定期的に角質ケア効果のある酵素やAHAなどを配合した石鹸を使うと、毛穴詰まりが解消しニキビの予防にも役立ちます。なるべく刺激が少ないものを選び、優しく洗うことを心がけてください。

肌荒れしているときの石鹸洗顔は?

肌荒れのときは刺激を与えないように、マイルドな洗浄力の石鹸を使用してください。洗浄力の強い石鹸は、必要な潤いを一緒に洗い流してしまうため肌に負担がかかります。

また、普段は平気な石鹸でも肌荒れ中は刺激になることもあるため、配合成分はシンプルなものを選びましょう。

整肌作用のあるグリチルリチン酸2Kやカンゾウ根エキスなどを配合した石鹼は、肌のキメを整えてくれます。肌と同じ弱酸性で、無添加やアミノ酸系の優しい洗浄力の石鹼がおすすめです。

また、乾燥しやすい肌には、水分の蒸発を防ぐセラミドやグリセリンなどの保湿成分を配合したもので洗うとツッパリにくくなります。

肌を整えるためのおすすめ成分

以下には、肌荒れ時の洗顔石鹸のおすすめ成分をまとめました。

成分作用
グリチルリチン酸2K
カンゾウ根エキス
など
消炎
グリセリン
セラミドなど
保湿

一時的に敏感肌に傾くのは、珍しいことではありません。ヒリヒリ感があるときは穏やかな石鹸を使用しましょう。

洗い残しがあると肌荒れの悪化につながるため、すすぎを十分に行うことが大切です。洗顔後は、水分と油分をバランスよく配合した化粧品で肌を整えてください。

目立つ毛穴への石鹸洗顔は?

まず目立つ毛穴のタイプは、大きく分けて「開き毛穴」や「毛穴詰まり」、「帯状(たるみ)毛穴」の3つです。

以下には、毛穴タイプごとに分けたおすすめの成分をまとめています。

毛穴のタイプ成分作用
開き毛穴ビタミンC誘導体皮脂抑制
詰まり毛穴サリチル酸
AHA(グリコール酸)
角質除去
帯状毛穴コラーゲン
アミノ酸
レチノール
コラーゲン補給
コラーゲン生成促進

自分の毛穴はどのタイプなのかをチェックして、最適な石鹸を選びましょう。

開き毛穴は優しく皮脂を抑えるもの

開き毛穴は主に皮脂の過剰分泌によるものなので、汚れや詰まりを取り除くケアが必要です。皮脂の分泌を抑えるビタミンC誘導体を配合し、肌に負担の少ない石鹼がおすすめ。

ただし、テカリを気にして洗浄力の強いものを使用すると、肌の乾燥を招いて余計に皮脂の過剰分泌を促すためNGです。

毛穴詰まりは角質を取り除くもの

毛穴詰まりには、不要な角質を除去するサリチル酸やAHA(グリコール酸)を配合した石鹼が有効です。週に1~2回を目安に、皮脂や汚れをキレイに洗い流すことで、毛穴の目立たない肌に導きます。

帯状毛穴は肌のハリを守るもの

帯状毛穴は、主にコラーゲンの減少による真皮の衰えで起こります。肌にハリを与えるコラーゲンやアミノ酸や、コラーゲンを増やす働きのあるレチノールを配合したものが最適です。エイジングケア用の石鹸を使い、潤いに満ちたハリ肌へ導きましょう。

まとめ

洗顔石鹼が良くないのではなく、肌の調子が悪いときに使うと、乾燥や肌荒れを招くこともあるとお伝えしました。カサつくからと避けていた方も、石鹼洗顔について詳しく知ってもらえたのではないでしょうか。

使用後のトラブルを防ぐためには、肌質に合った最適な化粧品を選ぶことが大切です。乾燥しやすい方は保湿成分を多く配合したものを使用してください。

洗顔石鹸のおすすめ成分や、肌質ごとの正しい洗顔方法を参考に、乾燥や肌荒れ知らずの肌を目指しましょう。