監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

「朝は顔を洗わないほうがいい」という説がある一方、「朝も洗顔料を使用すべき」といった説もあります。結局のところどちらがいいのか分からず、悩む人もいるでしょう。

そこで、この記事では朝は顔を洗うべきか・洗わないほうがいいのかの判断基準を紹介します。自分自身の肌に合うスキンケア方法を見極めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

朝に顔を洗わないとどうなる?

まず、朝に顔を洗わないとどうなるかを説明します。洗顔料を使用する洗顔を行わないと、睡眠中に分泌された汗や皮脂、付着したほこりなどの汚れを残したまま、1日をスタートしなければなりません。

顔に残った汚れは、夜を迎えるまでに酸化して、肌トラブルを招いてしまうリスクがあります。また、洗顔料を使用した洗顔は、汚れをきちんと落とすことで化粧水や美容液の浸透を高めるためにも必要な作業です。

汚れを残したまま化粧水などを使用してもうまく浸透することなく、メイクのノリが悪くなったり、日中の乾燥が悪化したり。さまざまな弊害が生じてしまうケースがあります。

その一方、洗顔料を使用した洗顔によってかさつきや突っ張りといった乾燥トラブルを起こす人もいることは事実です。肌に合わない洗顔料を使っていたりバリア機能が極端に低下していたりする状況では、洗顔料を使用しない方が望ましいケースがあります。

朝に洗顔すべきかは肌質によって変わる?

洗顔料を使用した洗顔をすべきかどうかの回答は、肌質や肌の状態、外部環境などによって変わります。たとえば、ひどい乾燥肌でかさつき・突っ張りがひどい人の場合、無理に洗顔する必要はありません。

皮脂がそれほど分泌されない肌質にも関わらず洗顔料や石鹸を使用すると、乾燥を悪化させるリスクがあります。「朝に洗顔料を使用すると肌の調子が整わない」と実感しているにも関わらず、無理して洗う行為は避けましょう。

反対に皮脂の出やすい肌質の人は、洗顔料を使用する洗顔が必要です。ぬるま湯のみの洗顔では顔の汚れを落としきれず、毛穴の詰まりを悪化させるリスクがあります。

毛穴の詰まりは、黒ずみや大人ニキビを招いてしまう一因です。古い角質が溜まることで、ごわつき・くすみといったトラブルが生じてしまうこともあります。

なお、肌の調子や状態は日々変化するため、「乾燥肌は朝の洗顔が不要・脂性肌は洗顔料の使用が必須」と言い切ることはできません。

基本的には乾燥肌の人でも、一時的に皮脂分泌量が増加し、ベタつきや毛穴の開きを感じるタイミングは存在します。その場合には、洗顔料を使用する洗顔を行った方が望ましいかもしれませんし、一時的な不調を乗り切った後は元に戻す方法もまた選択肢の1つです。

スキンケアには絶対的な正解がないからこそ、毎日の肌の状態を自分自身でチェックし、適切なお手入れ方法を見極めましょう。

朝洗顔の正しい美肌対策6個

ぬるま湯のみで洗顔するにしろ、洗顔料を使用するにしろ、正しいやり方を守らなければ美肌が遠のくリスクはあります。美肌を作るための朝洗顔の注意点を解説しますので、要点を押さえたスキンケアを実践するためのヒントに活用ください。

1. 洗顔料はよく泡立てる

まず、洗顔料を使用する場合の対策です。洗顔料を使用する場合には泡立てネットなどを使用し、きめ細やかな泡のフォームを作ってください。きめ細やかな泡のフォームを使用することのメリットは、以下2点です。

【1】摩擦刺激を軽減できる
きめ細やかな泡のフォームがクッションの役割を果たし、肌に対する摩擦刺激を軽減できます。摩擦刺激はバリア機能の低下や水分・油分のバランス悪化を招いてしまう原因です。しっかりと泡立てた洗顔料を使うことで、誤った洗顔による肌トラブルを防ぎましょう。

【2】毛穴の奥まできれいに洗える
十分に泡立てた洗顔料は汚れの吸着力が高くなり、毛穴の奥までしっかり洗う働きを担ってくれるといわれます。毛穴の黒ずみ・ざらつきが気になる時こそ丁寧に泡立てを行い、汚れをきれいに落としてください。

泡立てを面倒に感じる人は泡で出てくるタイプの洗顔料を選ぶことがおすすめです。泡で出てくるタイプの洗顔料にもさまざまな商品がありますから、肌質に合うものを選択し、毎朝のスキンケアに活用しましょう。

2. 洗顔に時間をかけすぎない

きめ細やかな泡のフォームを作ることが大切とはいえ、泡立てに時間をかけすぎる洗顔方法はNGです。正しい洗顔では、最初に顔を予洗いし、洗顔料を泡立ててから洗顔します。

泡立てを手早く済ませないと顔が濡れた状態のまま過ごす時間が長くなりがち。顔が濡れた状態のまま過ごす時間が長いほど肌にとっては負担ですから、スピーディーに進めてください。

もちろん、泡を顔に乗せてから長い時間をかけることも、肌にとっての負担です。隅々まで洗おうとするあまり長い時間をかけないように、テンポよく洗顔しましょう。

3. 皮脂の出やすい部位から洗う

洗顔フォームを使用する洗顔では、顔を洗う順番も大切です。作成した泡のフォームは、TゾーンやUゾーンなど皮脂分泌の多い部位に最初に乗せます。

その後、小さな円を描くように指の腹を動かして、顔に付着した余計な皮脂や古い角質、ほこりなどを落としてください。

小鼻など汚れの溜まりやすい部位はやや丁寧に洗うことも大切なポイントの1つ。顔に触れる方の手とは反対側で鼻を倒し、くぼみまで泡を届かせるように洗うと、きれいに汚れを取り除けます。

皮脂の出やすい部位を洗った後は、頬から顎にかけてなど広い部位へと進み、目元や口元は最後です。目元や口元は最後に洗い、ダメージを最小限に食い止めます。

4. すすぎにはぬるま湯を使用する

すすぎにぬるま湯を使用することは、ぬるま湯のみで洗顔する場合・洗顔料を使用する場合で共通する注意点です。具体的には、33℃から35℃程度と体温より低い温度のお湯を使用し、乾燥肌の進行を防ぎます。

「毛穴トラブルが気になるから」と冷水ですすぐことは、誤った対策です。冷水ですすぐと皮膚の温度が下がり、血行不良を起こすことで肌ストレスを感じ、バリア機能が低下するといわれます。さらに、冷水ですすぐことは、化粧水や美容液の働きを弱め、保湿ケアを妨げるともいわれる行為。

適温のぬるま湯を使用することで肌ストレスを最小限に留めることが、シミやくすみ、毛穴の開きといったトラブルを防ぐコツです。

5. 洗顔後は十分に保湿ケアする

洗顔後の十分な保湿ケアも、ぬるま湯のみの洗顔・洗顔料を使用する洗顔の両方で大切な対策です。洗顔後の肌は皮脂膜や天然保湿因子(NMF)といったバリア機能の構成要素を失って、無防備に傾きます。無防備に傾いた肌を理想の状態に近づけるためのお手入れが保湿ケアです。

保湿ケアは、化粧水・美容液・乳液もしくはクリームの順番で進めてください。

化粧水

化粧水は水分不足を起こした肌に潤いを補い、バリア機能を強化するための基礎化粧品です。化粧水の使用量が少ないと十分な潤い補給ができませんので、パッケージの記載を確認し、適量を使用しましょう。

化粧水の浸透を促すためには、顔になじませる前に手のひらで挟み込み、適温に温める方法もおすすめです。1回にたくさんつけても肌に入っていきませんから、乾燥を感じる部位には重ね付けし、十分な潤いを補充します。

美容液

美容液は肌にとって必要な栄養を補い、理想の状態を作るための基礎化粧品です。保湿や美白、エイジングケアなどさまざまな成分を含む美容液がありますから、気になるトラブルに応じたものを使ってください。

乳液・クリーム

乳液・クリームは、適度な油分を補うことで保湿成分や潤いを閉じ込める働きを担います。メイク崩れが気になる人はサラサラとした質感の乳液・乾燥が気になる人は保湿力の高いクリームというように、自分に合うものを使用し、水分・油分のバランスを整えましょう。

6. 朝クレンジングは必要ない

SNSやインターネットメディアを中心に注目された朝クレンジングは、積極的におすすめできない美容法です。

朝クレンジングとは洗顔料の代わりにクレンジングを使用し、乳液やクリームの残りや皮脂といった油性の汚れをきれいに落とす手法のこと。

就寝前にたっぷり塗った基礎化粧品が肌に残ってしまったものや寝ている間に出た皮脂をきれいに取り除くことで、美肌を目指すスキンケア手法を意味します。

一見すると理に叶った手法のようにも感じますが、クレンジングはそもそもメイクを落とすためのもの。洗顔料とは根本的な役割が異なりますので、朝のスキンケアには不向きといえます。

朝クレンジングに限ったことではありませんが、スキンケア商品はメーカーの定める使い方に従い、お手入れに取り入れることが王道です。本来の使い方とは異なる用途に活用し、肌トラブルが生じた時には自己責任となりますので、ご注意ください。

肌荒れは朝に顔を洗わないほうがいい?対策は?

肌荒れの気になる時には洗顔料の使用を休み、ぬるま湯のみで洗うことも一案です。化粧水がしみるほど荒れてしまった肌は洗顔料を刺激に感じ、トラブルがひどくなるケースがあります。

ぬるま湯で優しく洗顔することで敏感に傾いた肌を休ませ、健やかな状態への生まれ変わりを後押ししましょう。

「どうしても洗顔料を使用したい」という人には、TゾーンやUゾーンなど皮脂分泌量の多い部位のみに泡を乗せ、肌の負担を軽減する対策をおすすめします。その場合も、洗顔料はよく泡立ててから使用し、さっとなでる程度に留めてください。

すすぐ際に強い刺激を与えることも肌にとっては負担ですから、両手ですくったぬるま湯でそっと洗い流す方法がおすすめ。パシャパシャと十分な回数だけすすぎを行い、柔らかいタオルを使って、水分を吸収しましょう。

ニキビは朝に顔を洗わないほうがいい?対策は?

ニキビの気になる人は洗顔料を朝も使用し、汚れをきれいに落としましょう。

ノンコメドジェニックテスト済みの洗顔料を使用し、汚れをきれいに落とすことが、きれいな肌を作るコツです。「ノンコメドジェニックテスト済み」とは、ニキビの赤ちゃんである「コメド」のできにくさをテストした上、発売された洗顔料を意味します。

ニキビ肌向けに開発された洗顔料にはノンコメドジェニックテスト済みの商品が多く、毎朝の洗顔に使用しても、比較的安心です。

ニキビ肌向けの洗顔料を選ぶ際には、以下のような観点にも注目しましょう。

【1】刺激成分を含まない洗顔料を選択する
香料やアルコールの含まれる洗顔料はニキビ肌を刺激し、トラブルを悪化させるリスクがあります。「低刺激」「刺激成分不使用」といった記載の見られる洗顔料を選択すると安心でしょう。

【2】抗菌成分や抗炎症成分の含まれる洗顔料を使用する
ニキビがとくにひどい時には抗菌性分・殺菌成分の含まれる洗顔料を活用しましょう。アラントインやグリチルリチン酸2Kといった抗炎症成分の含まれる洗顔料もニキビが気になる時に活用しやすく、美肌に導く働きが期待されます。

目立つ毛穴は朝に顔を洗わないほうがいい?対策は?

毛穴の詰まりの気になる人にも、洗顔料を使用する洗顔をおすすめします。肌質に合うようなら朝の洗顔代わりに拭き取り化粧水を活用し、古い角質や過剰な皮脂、蓄積汚れを取り除く対策もおすすめです。

ただし、拭き取り化粧水は使用方法を誤ると肌に負担をかけやすいアイテム。以下の点に注意し、弱った肌をいたわりながらスキンケアを進めましょう。

【1】拭き取り化粧水はたっぷりと使用する
拭き取り化粧水の使用量が少ないと摩擦刺激を与えやすく、毛穴トラブルを悪化させるリスクがあります。コットンがひたひたになる程度の量を目安として、十分な量を使ってください。

【2】強くこすらず、優しく拭き取る
ゴシゴシこする拭き方もまた、摩擦刺激を与えてしまう要因です。コットンを優しく肌にあて、ゴシゴシこすらない拭き方を守ってください。

肌に優しい拭き取り化粧水を選ぶためには、アルコールを含まないこと・保湿成分配合の商品であることなどに注目する方法も一案です。「肌に合わない」と感じた商品を無理に使い続けることは避け、自分自身にとって理想的な拭き取り化粧水を活用しましょう。

まとめ

朝は顔を洗わないほうがいいか・洗った方がいいかは、自分自身の肌の状態を見極めて結論を出すべき問題です。洗顔料は医薬品ではないからこそ「このように使用すれば、必ず美肌になる」という絶対的な正解が存在しません。

ただし、「ニキビや毛穴トラブルが目立つ人は朝も洗顔することがおすすめ」といった一般説はありますから、スキンケア迷子になった時には参考にしてください。