監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

フェイスラインやTゾーンがむずかゆい。赤いブツブツがひどく目立つ…何をやっても改善できない肌トラブルは、顔ダニによるものかもしれません。

この記事では、顔ダニによって引き起こされる肌トラブルの症状と駆除方法、顔ダニの予防対策を解説します。

顔のかゆさやブツブツを解消するためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

顔ダニとは?赤ら顔になる?

顔ダニとは、人間の顔や身体に寄生する0.2mmから0.3mmほどのダニのことです。顔ダニはほぼ100%に近い成人の顔に生息するといわれ、余計な皮脂を食べて肌を健やかに維持するための手助けをする、重要な存在です。

しかし、肌環境が悪いと必要以上に繁殖し、肌に元々いる菌のバランスを乱すことで、さまざまなトラブルを招いてしまうリスクがあります。

顔ダニが増えすぎたときに起こる反応の1つは赤ら顔です。顔ダニの活動に対してアレルギー反応を起こした肌が、赤く腫れてしまうケースがあります。

赤ら顔を隠すためにファンデーションを厚塗りしたりカバー力の高いコンシーラーを使用したりすることは炎症反応を悪化させるリスクを伴いますので、できる限り避けてください。

厚塗りしたベースメイクが毛穴に詰まり、顔ダニがさらに繁殖。不衛生になった毛穴にアクネ菌が繁殖し、大人ニキビができるなど、他のトラブルを併発するケースもあります。

顔ダニの症状

顔ダニの異常繁殖を疑う症状は、赤ら顔以外にも多くあります。以下のような症状が生じた際には、顔ダニの影響を疑いましょう。

かゆみ顔ダニの死骸・生体に対するアレルギー反応が起こり、ムズムズとした不快感を持つ人もいます。「朝の洗顔を終えても顔がかゆい」といった時には、顔ダニの影響を疑いましょう。
シミ顔ダニが移動する際にメラノサイトを活性化させ、色素沈着を招いてしまうことがあります。
肌の乾燥肌表面を健やかに維持するために必要な皮脂を顔ダニが食べてしまうことは、乾燥肌の悪化を招く原因です。乾燥を感じた肌が過剰な皮脂を分泌するとベタつき、毛穴トラブルを生じるリスクもあって、肌の状態が落ち着かず、不調を感じることがあります。
ニキビ毛穴に詰まった顔ダニの死骸や抜け殻は、ニキビを招く原因です。顔ダニによるニキビは赤く腫れて長時間治らないことが特徴。アクネ菌対策用の薬では対処できないケースも多く、専門的な対策が必要です。
抜け毛「急に抜け毛が増えた」という症状も、顔ダニを疑うサインです。顔ダニが頭皮に寄生して毛根周りを汚すことで、抜け毛が増えるケースがあります。

ダニで肌がかゆくなる原因4個

かゆさやシミ、乾燥などを引き起こす顔ダニの異常繁殖は、一体どうして起こるでしょうか。顔ダニの異常繁殖を招いてしまう原因は、大きく分けて4つです。

1. 過剰な洗顔やクレンジング

まず、過剰な洗顔・クレンジングです。過剰な洗顔やクレンジングは肌を健やかに維持するために必要な皮脂まで落とし、顔ダニの繁殖しやすい環境を作ってしまうリスクがあります。

皮脂を失った肌が「もっと油分を出さなくては」と働き、必要以上に油分が分泌されることで、顔ダニのエサが増えるためです。ゴシゴシこする洗顔や強すぎるクレンジングの使用も、同様の理由から顔ダニの繁殖を招いてしまう原因の1つ。

正しい方法で洗顔・クレンジングすることで肌の状態を整えることが顔ダニの異常繁殖を防ぐことに貢献します。

2. 洗顔やクレンジング不足

反対に洗顔やクレンジング不足で肌が不衛生に傾くことも、顔ダニの異常繁殖を招きます。洗顔やクレンジング不足による異常繁殖を疑うサインは、皮脂分泌の盛んな部分を中心にトラブルが目立つこと。

顔に残ったメイクの油分や古い角質などをエサとして顔ダニが繁殖し、炎症やニキビといった症状が見られます。

3. メイク道具や寝具の汚れ

汚れたメイク道具・寝具を使用することによって、顔ダニの異常繁殖を起こしてしまうことがあります。

汚れたままのチークブラシやスポンジは細菌が繁殖しやすく、不衛生な状態です。不衛生な状態を放置し、いつまでも使用を続けると、異常繁殖を招いてしまうリスクがあります。

何日も同じ枕カバー・布団カバーを使用することもまた、肌の衛生状態を悪化させる原因の1つ。就寝中に付着した汗や美容液、クリームなどの汚れが顔に移ると、顔ダニのエサになって、異常繁殖を起こすケースが存在します。

4. 生活習慣の問題

最後に、紫外線刺激の蓄積や食習慣の乱れ、睡眠不足や過剰なストレスなど、生活習慣の問題です。

生活習慣の問題が積み重なると過剰な皮脂が分泌され、顔ダニのエサが増えてしまいます。生活習慣の問題はターンオーバー周期の乱れを引き起こし、刺激に対する抵抗力を弱めてしまうこともまたトラブルを悪化させる原因の1つ。

顔ダニによるシミやかゆみ、赤ら顔といった反応がより強く出てしまい、なかなか治らない状況に陥ることも予測されます。

顔ダニに石鹸は効果的?

石鹸や洗顔フォームでは、顔ダニを完全に駆除することはできません。

顔ダニ駆除用の石鹸や洗顔フォームの多くは、原虫や菌を殺す成分・油分を取り去る成分の力を使用し、駆除を進めるアイテムです。これらの成分を毛穴の奥深くまで届かせることはできませんから、多くの場合、根本的な解決に到りません。

ただし、顔ダニの異常繁殖を防ぐという目的であれば、石鹸を活用する方法が有効な選択肢の1つ。

以下の条件を満たす石鹸を正しく使用し、水分・油分のバランスを整えることで、顔ダニを予防できるケースがあります。

【1】刺激成分を含まないこと
防腐剤や着色料、合成界面活性剤などの刺激成分を含まない、低刺激の石鹸を選択しましょう。

【2】洗浄力が強すぎないこと
洗浄力の強すぎる石鹸は必要な油分まで取り去り、顔ダニの繁殖しやすい環境を作ってしまうリスクがあります。マイルドな洗浄力の石鹸を選択することが顔ダニ予防を進めるコツです。

顔ダニの治し方・対策6個

顔ダニを治すためには、皮膚科を受診し、専門薬を使用する方法が選択肢です。合わせて顔ダニを必要以上に増やさないための対策を実践し、根本的な解決を目指しましょう。以下では、顔ダニの治し方と予防対策6個について、分かりやすく解説します。

1. 皮膚科を受診し、治療を進める

まず、皮膚科で受けられる治療の詳細を解説します。皮膚科を受診した場合、顕微鏡による検査をまず受けることが一般的です。

顕微鏡による検査で「確かに顔ダニが原因」と認められた場合は、抗生剤やビタミン剤を内服したりクロタミトン軟こうなどの外用薬を使用したりすることで、根本的な解決を図ります。

2. 1日2回、正しい手順で洗顔する

顔ダニ予防の基本は、朝・夜2回の洗顔で顔を清潔に維持することです。以下の手順に従って正しい洗顔を実践し、顔ダニの異常繁殖を防ぎましょう。

【1】洗顔前に手を洗う。
【2】ぬるま湯を使用し、顔全体を予洗いする。
【3】洗顔フォームや石鹸を十分に泡立てる。
【4】皮脂分泌の多い部位から少ない部位の順番で洗顔する。
【5】ぬるま湯を使用し、十分にすすぐ。
【6】清潔なタオルを優しくあて、水分を吸収する。

皮脂分泌の多いTゾーンやメイク汚れが残りやすい目元はとくに顔ダニが繁殖しやすく、意識的な洗顔が必要です。

朝・夜2回の洗顔で汚れをきれいに取り去って清潔な状態に戻してあげることにより、顔ダニの繁殖を予防できます。

洗顔後のすすぎが足りないと石鹸カスや洗顔フォームが肌に残り、顔ダニのエサを与えることになりかねません。すすぎ終えた後に鏡を見て、汚れが残っていないことを確認するとよいでしょう。

3. メイクの濃さに応じたクレンジングを活用する

メイク汚れをきれいに取り去る習慣を作ることでも、顔ダニの異常繁殖を予防できます。クレンジングの主な種類と特徴、選び方は、以下の表の通りです。

メイクの濃さや肌質に応じて適した種類のクレンジングを活用し、毛穴の汚れを防ぐことで、清潔な状態を維持しましょう。

クレンジングオイル油分・界面活性剤の使用量が多く、濃いメイクもしっかり落ちるクレンジング。油分を含む汚れの落とす力が強い種類ですので、顔のべたつきが気になる人や濃いメイクをする人におすすめです。
クレンジングジェル厚みのあるテクスチャーで摩擦刺激を与えにくい種類のクレンジング。毛穴の奥の汚れまでしっかり落とせるホットクレンジングも、クレンジングジェルの仲間です。クレンジングオイルほどのメイクを落とす力は持たない商品が多いものの、毛穴の汚れが気になる人や摩擦刺激が気になる人にはおすすめできます。
クリームクレンジングしっとりとした洗い上がりで、乾燥肌でも活用しやすい種類のクレンジング。メイクを落とす力はミルククレンジングよりもやや強め・クレンジングオイルよりもやや弱めです。
ミルククレンジングメイクを落とす力は比較的弱いものの、肌に刺激を与えにくく、乾燥肌でも活用しやすい種類のクレンジング。水分の配合量が多いことからサラサラとした質感の商品も目立ちます。主にナチュラルメイク派の人におすすめです。
クレンジングリキッド水分が主成分のクレンジングで、メイク汚れを落とす力が比較的強い種類。ベタつきを感じにくく、クレンジングオイルの使用感が苦手な人におすすめです。オイルフリーの商品も多く、まつげエクステを着用中の人にも対応できます。

4. クレンジング・洗顔後の保湿を怠らない

クレンジング・洗顔後は速やかに保湿し、水分・油分のバランスを調整します。顔ダニが気になる時の保湿ケアのポイントは、以下3点です。

【1】肌に合う基礎化粧品を活用する
肌に合う基礎化粧品は年齢や季節、もともとの肌質などによって異なります。自分の肌に合うものを正しく活用することで、健やかな状態を作ることは、顔ダニ予防における重要なポイントです。

自己流の保湿を続けたことが原因で顔ダニによるトラブルが悪化するケースもあります。「本当に今の基礎化粧品が合っているのか」と不安な人は皮膚科の医師に相談し、アドバイスを受けてください。

【2】清潔な手のひらで優しく顔になじませる
基礎化粧品を扱う手が汚れていると、洗顔の意味が薄まります。清潔な手の平で優しく基礎化粧品をなじませ、肌の調子を整えましょう。

基礎化粧品をつけた後に両手で顔をおおうように軽くおさえ(専門用語では「ハンドプレス」と呼ばれます)、浸透を促すこともおすすめです。コットンで叩き込むようにつける方法は肌に刺激を与えやすくなります。

【3】クリームは厚塗りしない
クリームを必要以上に厚塗りすると顔ダニのエサを与えてしまい、トラブルを悪化させるリスクがあります。とくに、就寝中のクリームの厚塗りはハイリスク。必要量のみを薄く塗り、肌としっかりなじませてから就寝しましょう。

5. 睡眠不足を解消する

ターンオーバー周期を整えるためには、毎日同じ時間に就寝し、ぐっすり眠る習慣が欠かせません。ターンオーバー周期を整えることで水分・油分のアンバランスを解消すると、顔ダニの異常繁殖を防ぐことが可能です。

睡眠不足を解消するためには、以下のような対策が検討されます。

・就寝の1時間から2時間前に入浴し、体温を上げる
・寝室でスマホやPC、タブレット端末を使用しない
・着心地のよいパジャマを着用する
・就寝前のカフェイン、アルコール摂取を控える

枕カバーやシーツを取り替え、快適な就寝環境を整えることも、睡眠不足を解消するための有効な対策の1つ。顔ダニの異常繁殖を防ぐことに直結する対策でもありますので、できる限り頻繁に取り替え、清潔なものを使ってください。

6. 1日3食バランスよく食べる

1日3食、バランスよく食べることは身体の内側からの顔ダニ対策として、一定の作用が期待されます。

皮脂量のコントロールを担当するビタミンB2やビタミンB6・ターンオーバー周期を整えるビタミンA・肌のバリア機能低下を防ぐビタミンCといった栄養素はもちろんのこと、タンパク質や良質な脂質も含め、日々の食事を組み立ててください。

反対に、顔ダニが気になる時に控えたい食べ物は、以下2つです。

【1】糖分の多い食べ物(チョコレートやケーキなど)
【2】脂質の多い食べ物(揚げ物やファーストフード、スナック菓子など)

「糖分・脂質の多い食べ物は絶対にダメ」というわけではなく、適量に留めることが大切です。

揚げ物をやめて煮物や蒸した料理を食べる・スイーツは週に1回に留めるなど、自分自身にとってのストレスにならない程度の工夫で食生活を改善し、バランスのよい食べ方へと切り替えましょう。

まとめ

顔ダニの異常繁殖を招く原因と対策について解説しました。顔ダニによるトラブルは皮膚科に相談することが望ましく、内服薬や外用薬による治療を進めることが推奨されます。

合わせて、正しいスキンケアを実践したり生活習慣を見直したりすることにより、顔ダニの繁殖しにくい環境を作りましょう。