監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

ボコボコした見た目から美容面では悩みの種となる「ニキビ跡」。「赤みが引かない、いつ消えるの?」と鏡を見てはため息をつく日々を過ごす人もいるでしょう。

果たして、市販の化粧水や薬でニキビ跡の赤みは消えるのでしょうか?

今回はニキビ跡による赤みの続く期間や、自力で消す対策を詳しく解説していきます。色素沈着によるシミを残さないためのケアもして、スッピンでも自信がもてる肌を目指しましょう。

ニキビ跡の赤みが消えない…残る?

炎症の程度にもよりますがニキビ周辺の皮膚組織が損傷すると、炎症後紅斑と呼ばれる「赤み」が残りやすくなります。

へこんでクレーター状の跡は萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)、盛り上がった跡は肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)やケロイドと呼ばれるニキビ跡です。このような凸凹状のニキビ跡では、赤みが消えても跡が残ることもあります。

赤みがあって平らなものは、徐々に目立たなくなり消えていくことが多いですが、炎症の強かったものは残ることもあります。間違った対策をするとニキビの悪化や茶色いシミができることもあるので、赤みを早く消すためのケアが重要です。また軽い症状のニキビでも、ニキビ跡が残ることもあります。

赤みやシミを残さないためにも、日頃からニキビを悪化させないスキンケアやメイクを心がけることが大切です。原因や対策を知って、ニキビ跡に悩まない美肌を育てましょう。

ニキビ跡の赤みの原因

では、なぜニキビ自体がなくなっても赤みが残るのでしょうか?ニキビを治癒する過程で赤みになるのは、炎症によって傷ついた細胞が修復するために産生したサイトカインなどの残骸です。

また、炎症によってダメージを受けた肌は薄くなり、毛細血管が浮きでて見えることもあります。傷ついた毛細血管が、自らを修復しようと拡張することで赤く見えるのです。血管の修復が完了すれば、赤みも次第に治まります。

赤みのあるニキビ跡を何もせずに放置すると、茶色の薄いシミのような色素沈着が現れることもあるので注意しましょう。次第に薄れて自然と消えることもありますが、紫外線のダメージを受けるとシミとして残ることがあります。

もしクレーター状の大きなニキビ跡ができたら、化粧品などのセルフケアで治すのは厳しいため、早めに皮膚科で治療を受けてください。

以下はニキビ跡の主な原因です。
・刺激
・二次感染
・化膿しやすい体質
・治癒力の個人差など

上記で挙げた原因によって、バリア機能が低下したり、炎症後の回復が遅くなったりすることでニキビ跡が残ります。

ニキビ跡の赤みが消える時間・期間

次に、ニキビ跡の赤みはどのくらいの期間で消えるのでしょうか?

ニキビの炎症が起こると肌表面に小さな傷ができて、少なからずダメージを受けます。しかし、真皮まで傷が到達しなければ、赤みや色素沈着のみでおさまるのです。

赤みのピークは約1ヶ月で、時間とともに約2~3ヶ月で目立たなくなります。炎症の進行具合や個人差もありますが、赤みが消える期間は長くても約6ヶ月~1年です。3ヶ月を過ぎても赤みが続くようなら、皮膚科への受診をおすすめします。

慢性的な炎症の場合は何年も続くこともあり、治療期間も3ヶ月~1年と長い傾向です。平らな赤みであればセルフケアの改善が期待できます。

赤みを改善するために、次項でスキンケアや食事について詳しく見ていきましょう。

自力で赤みを消すための改善対策5個[スキンケア]

できれば病院へ行かずに自力で赤みを消したい人のために、改善対策を解説します。改善策を参考に、赤みのあるうちにニキビ跡を残さないケアを行いましょう。

1. ニキビ用洗顔料を使って余分な皮脂や汚れを取る

ニキビの悪化や再発を防ぐために、ニキビ用の石けんや洗顔料で不要な皮脂や汚れを取り除きましょう。

過度な洗顔は肌に必要な油分まで奪い取ってしまうため、1日に2回を目安に行ってください。脂性肌は多くても2~3回、乾燥肌であれば1~2回で十分です。

摩擦による刺激を肌に与えないことがニキビを悪化させない洗顔の基本。十分な量の泡をつくり、優しく顔全体に広げます。

皮脂の多い部位からのばし、乾燥しやすい部位は軽くつけて洗い流してください。洗顔後の肌表面には、ほとんど皮脂がない状態のため、念入りな保湿を心がけましょう。

2. ビタミンC誘導体配合の化粧品で赤みを抑える

赤みを抑えるために、ビタミンC誘導体を配合した化粧品で肌を整えましょう。肌に浸透しやすい形に改良されたビタミンC誘導体配合の化粧品がおすすめです。紫外線による色素沈着を起こす前にケアすることで、日焼けによるシミを防ぐ効果が期待できます。

また、活性酸素の抑制や酵素(チロシナーゼ)の阻害をする働きがあり、炎症後色素沈着の緩和に効果的です。

炎症後の色素沈着によるシミは、炎症反応で産生されたサイトカインにより、メラニンの生成や色素細胞の増殖が起きることでできやすくなります。

ニキビ跡のないキレイな肌を目指すには、まだ赤みのあるうちのケアが重要です。赤みのあるうちは、細胞の働きによって肌を修復しようと活動しています。しかし、赤みがなくなると同時に肌の修復機能も低下するため、今の段階でケアすることが大切です。

3. 化粧品やクリームで肌を整える

ニキビ後の荒れた肌を整えるために、化粧品やクリームでしっかり保湿をしましょう。スキンケア方法は肌質ごとに異なるので、肌の状態に合わせてご覧ください。

乾燥肌・敏感肌

乾燥によるニキビであれば、市販のヘパリン類似物質などの抗炎症作用のある成分を配合した化粧水やクリームでしっかり保湿をしましょう。

ヘパリン類似物質には、血行促進や保湿、抗炎症の作用があるため、乾燥肌や肌荒れ、ニキビ跡の赤みを改善する効果が期待できます。

乾燥肌用の処方薬であるヒルドイド軟膏やローションにも配合されている成分です。市販でも購入できるようになったので、さまざまな製薬会社や化粧品メーカーからも販売されています。製品によって配合量や使用感は異なるので、乾燥の状態や肌に合うものを選びましょう。

脂性肌

一方で、脂性肌の人はニキビ予防化粧品で皮脂を抑えるスキンケアを行ってください。油分の多い化粧品を使うとアクネ菌が繁殖しやすくなるので、ノンコメドジェニックと記載された化粧品を使用しましょう。

ノンコメドジェニック化粧品を使うと、アクネ菌が好む油分を配合していないため、ニキビの発生を予防できます。

また、ニキビ予防化粧品には赤みを和らげる抗炎症作用のある成分が配合されています。脂性肌の人はニキビを予防しながら、赤みを緩和するケアを行いましょう。

混合肌

混合肌は部分的に乾性と脂性に分かれているので、部位ごとに合ったケアをしましょう。全体的に肌の水分量が減っている状態なので、保湿力の高い化粧水でしっかり水分を補うケアが必要です。

赤みのある部位や皮脂の多い部位には、抗炎症作用のあるニキビ予防化粧品を使用します。

Tゾーンなどの皮脂の多い部位には、化粧水をしっかりつけても乳液やクリームは少なめにするなど工夫をしましょう。目元や口元などの乾燥しやすい部位は、保湿力の高いクリームなどで念入りにケアしてください。

4. 美顔器のイオン導入で化粧水や美容液の浸透を促す

美顔器のイオン導入機能を用いれば、微弱な電流を流すことで化粧水や美容液を肌の中まで効率的に届けられます。肌に浸透しにくい成分が配合されていると、化粧水や美容液をただ塗っただけでは、分子が大きく肌内部まで通過しにくいのです。

イオン導入器を使うことで、電気のプラスとマイナスの反発を利用して、塗るだけでは浸透しにくい美容成分を角層まで届けられます。

ビタミンC誘導体やトラネキサム酸など、ニキビの赤みに効果が期待できる成分を配合した化粧品を使用しましょう。

5. 紫外線対策をして肌が受けるダメージを減らす

ニキビ跡を残さないために、日焼け止めで紫外線が肌に与えるダメージを防ぎましょう。無防備な状態の肌が紫外線を浴び続けると、ニキビの悪化や炎症後色素沈着が起こることがあります。

バリア機能が低下しているため、敏感肌用やノンケミカル処方の日焼け止めを使いましょう。また、時間帯や紫外線の強さ、浴びる時間などの環境に合わせた日焼け止めを選ぶことが大切です。

以下は紫外線を適切に防ぐための目安の指数です。
・日常生活(散歩や買い物)…SPF10~20、PA+~++
・野外活動(軽いスポーツやレジャー)…SPF20~30、PA++~+++
・炎天下での活動(山や海など)…SPF30~50+、PA++~++++

指数の高い日焼け止めを塗ったからといって、ずっと安全なわけではありません。流れる汗や時間とともに効果も弱まるため、2~3時間おきのこまめな塗りなおしが必要です。

自力で赤みを消すための改善対策3個[食べ物]

赤みは外側からのケアも必要ですが、内側から健康的な肌に導くことも大切です。ここからは、食生活でニキビ跡の赤みを消すサポートをしていきましょう。主にニキビの炎症を改善するビタミンCが多く含まれる食材に注目しました。

1. オレンジ

果物の中では保存期間も長く、1年を通して気軽に食べられるオレンジ。オレンジはビタミンCを豊富に含み、体の免疫機能を保つうえで重要な栄養源です。

ビタミンCは肌に塗るだけでなく、体に吸収することでコラーゲンの合成や免疫機能の強化に役立ちます。

ただし、ビタミンCは1度にたくさん摂っても必要以上に吸収されません。過剰に摂取しても体から排出されてしまうので、時間を空けて摂るのが効率をよくするポイントです。

2. サツマイモ

サツマイモはたっぷりの食物繊維、ビタミンA、ビタミンCをバランス良く含む野菜です。便秘が続くと肌の水分量が減り乾燥肌に傾いてしまうので、結果的に大人ニキビの原因につながります。

レシピのレパートリーも豊富で、焼いたり揚げたりと調理も簡単なものが多いのでおすすめです。

3. ほうれん草

ほうれん草には、ビタミンAやビタミンC、カルシウム、葉酸などを多くの栄養素がバランスよく含まれています。

鉄分も豊富で貧血防止にも知られている食材。他にもビタミンBが多く含まれているため、ニキビなどの肌荒れ対策にも最適です。

美肌に導く栄養素

以下はすこやかな肌を保つために美容によい栄養素です。

・ビタミンA…しそ・人参・ほうれん草・レバー・サツマイモなど
・ビタミンB2…レバー・のりなど
・ビタミンB6…にんにく・まぐろなど
・ビタミンC…レモン・オレンジ・イチゴ・赤ピーマンなど
・ミネラル(亜鉛)…牡蠣・アワビ・肉類(豚・牛)
・タンパク質…肉類・魚介類・大豆類・牛乳・卵など

とくに重要視したいのはビタミンB群です。ビタミンB2(リボフラビン)とビタミンB6(ピリドキシン)が不足すると、ニキビができやすくなります。

ビタミンB群を始め、さまざまな食材をバランスよく摂ることが大切です。食生活を整えて、美肌作りにチャレンジしてはいかがでしょうか。

ニキビ跡の赤みを消す治療・薬は?

病院ではニキビ跡の赤みに対する治療薬として、抗生物質やビタミン剤、漢方薬、塗り薬などが処方されます。

保湿剤は主に、炎症の抑制や色素沈着を改善する「ビタミンCを配合した化粧水」や、ニキビ跡などの傷跡を改善する「ヒルドイドソフト軟膏」です。

美容皮膚科では、ニキビやシミの治療に「ケミカルピーリング」が用いられています。グリコール酸やサリチル酸などの薬剤を顔に塗り、肌のターンオーバーを促すことで古い角質を除去して毛穴を詰まりにくくする治療法です。保険適用外なので治療費は、1度の施術で約5,000~10,000円となります。

また、効果を高めるために、ケミカルピーリングに加えイオン導入がセットになっている場合も多いです。「イオン導入」は微弱な電流を流して、有効な成分を効率よく肌の中に浸透させます。

2つの施術を続けることで、赤みが消えるうえ、ニキビのできにくい肌を目指せるのです。効果に個人差があるため1度で赤みを全て消すのは難しいですが、回数を重ねることで徐々に目立たなくなります。

まとめ

ニキビ跡の赤みが消える期間や自力で消す対策を解説してきました。予防が何より重要ですが、できてしまったニキビ跡を一生モノにしないことも大切です。

赤みはビタミンC誘導体を配合した化粧水や、炎症を鎮める成分を配合した保湿剤でケアしていくことで徐々に目立たなくなります。

セルフケアだけでは補えないときは、皮膚科や美容クリニックなどで医師による診察を受けてください。ニキビ跡の赤みを改善して、メイクなしでもキレイな素肌を目指しましょう。