監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

「美容のため」と思って始めた半身浴が原因でニキビが増えることもあります。できてしまったニキビのすべてを「好転反応」ととらえ、半身浴を続けることで美肌が遠のくケースもありますので、ご注意ください。

では、美肌になるためには、どのような点に気をつけ、お風呂に入ればよいのでしょうか。

この記事では、半身浴とニキビの関係および、美肌を目指す正しいお風呂の入り方を解説します。

半身浴でニキビが増えた?好転反応?

半身浴でニキビが増える原因は多くの場合、好転反応ではありません。ニキビが増える主な原因は、以下のような内容が考えられます。

◯水道水に含まれる塩素
まず、水道水に含まれる塩素が肌を刺激し、ニキビが増えるケースです。水道水には多くの塩素が含まれますが、敏感に傾いた肌にとって刺激となるケースが多く、ニキビが増えることもあります。

沸かしたてのお風呂はとくに塩素が多く含まれ、肌にとっての負担です。お風呂につかったときに「ヒリヒリする」など感じる場合は無理をせず、二番風呂に入ることをおすすめします。

◯大量にかいた汗の放置
次に、汗の尿素や雑菌、塩分などによる刺激です。半身浴でかいた汗を放置すると肌に対する刺激物が毛穴の中に入り込み、ニキビを招くケースがあります。

半身浴に限らず、かいた汗を長時間放置することは肌にとってのリスクです。かいた汗はすぐに拭き取り、長時間の入浴は避けることをおすすめします。

半身浴はニキビ改善に良い?

入り方によってはニキビを悪化させることもある半身浴。「37℃から40℃程度のぬるま湯に10分から15分程度つかる」という正しい入り方を守ることで、よい汗がたくさん出て、「肌の調子が整う」といった説もあります。

よい汗とは、濃度が薄くて水に近いサラサラした汗のことです。高温の全身浴では汗腺がうまく働かないともいわれ、「よい汗をかく入浴法」として、ぬるめのお湯にゆっくりつかる半身浴が推奨されます。

また、正しい半身浴は、全身の代謝を高めることで老廃物の排出をサポートし、ニキビの治りを助けるともいわれる入浴法です。お湯の温度を適温に調整すること・あまりにも長時間つからないなど基本的なルールを守り、半身浴を楽しみましょう。

半身浴の美肌効果

ぬるめのお湯でゆっくり身体を温めることは、副交感神経を優位に変えて、安眠を促します。ぐっすり眠る習慣は美肌作りの不可欠要素である「成長ホルモン」の分泌を促しますから、ニキビやかさつき、くすみの目立たない理想の状態を目指すことが可能です。

◯成長ホルモンの主な働き
・ターンオーバーを促進し、肌トラブルの修復を助ける。
・肌内部の水分保持量を高め、うるおいあふれる状態を促す。

ゆっくり身体を温める習慣はまた、全身の代謝を促し、肌トラブルの修復に必要な酸素・栄養素の運搬を助けます。

結果として化粧水や美容液、クリームなどの保湿・美容成分の機能しやすい環境を整えることに貢献し、理想の肌への生まれ変わりを助けることが可能です。

美肌になるお風呂の入浴方法5個

美肌になるための入浴方法は半身浴のみではありません。以下のポイントを守って入浴することにより、お風呂時間を美容時間に変えて、理想の美肌を目指すことが可能です。

以下では、美肌になるための入浴方法5個をピックアップし、紹介します。

1. 入浴前に水分補給とストレッチ

美肌になる入浴方法は、事前準備から始めます。入浴前にコップ1杯の水を飲み、乾燥肌の進行を防ぎましょう。可能であれば、冷たい水を飲むよりも温かい飲み物を飲むことがおすすめ。

内臓を適度に温めることにより、お風呂の血行促進作用を後押しできます。

入浴前のアルコールは血液循環がよくなりすぎ、お風呂に入った瞬間に血圧低下を起こすリスクがありますので、身体のために避けてください。アルコールは利尿作用も持ちますから、美肌作りにとっても望ましいこととはいえません。

水分補給と合わせて軽いストレッチを行うことも美肌を作るための大切な準備の1つ。筋肉をほぐした状態で入浴することによって身体が芯から温まり、全身の代謝が高まります。

2. 肌の悩みに応じた入浴剤を活用する

次に、肌の悩みに応じた入浴剤を使うことです。「入浴剤」とひと口にいっても、特徴はさまざま。気になる悩みに応じた入浴剤を使用することによって、美肌作りを進めましょう。

◯入浴剤の主な種類と特徴

無機塩類(ミネラル)系ミネラルなどが主成分の入浴剤。お風呂上がりの冷えを防止できます。
炭酸ガス系炭酸水素ナトリウム・クエン酸などを組み合わせることにより、シュワシュワとした泡を作る種類の入浴剤。炭酸泡の働きによって血管が広がり、血行をよくする働きが期待されます。老廃物の排出や疲労回復重視で入浴剤を選ぶ人におすすめです。
生薬系トウキやショウガといった血行促進作用が期待される種類の生薬、チンピなど肌荒れ対策に活用できる種類の生薬などが配合された入浴剤。配合される生薬によって期待される働きが異なりますから、パッケージの記載を確認し、自分に合うものを選択しましょう。
スキンケア系(洗浄)酵素や重曹などが配合され、スベスベの手触りに整える種類の入浴剤。肌のごわつき、ざらつきなどが気になる人におすすめです。
スキンケア系(保湿)オリーブ油やホホバ油、セラミド、コラーゲン、アミノ酸などが配合され、乾燥肌をしっとりと整える種類の入浴剤。肌のかさつき、ひどい乾燥が気になる人におすすめです。

また、入浴剤には、わかしたてのお湯の肌に対する刺激を和らげる働きも期待されます。刺激を和らげる働きを重視する人は「塩素除去」といった記載の見られる入浴剤を選択するとよいでしょう。

3. 肌がふやける前にお風呂を出る

長時間入浴すると指先などがふやけ、シワシワになってきます。シワシワになった状態は水分を吸収しすぎたことで肌が膨張し、バリア機能の低下したサイン。

そのまま入浴し続けると細胞間資質や皮脂、NMF(天然保湿因子)といったバリア機能を保持するための成分が身体の外に流出し、乾燥を悪化させるリスクがあります。

乾燥によるかさつきやシワ、たるみといったトラブルを招くリスクもありますから、肌がふやける前の段階で、お風呂からあがってください。

4. インバスケア(浴室を出る前に保湿)する

美肌を作るための入浴法は、お風呂を出るときの習慣も大切です。浴室を出る前に保湿化粧水や乳液で保湿するインバスケアを習慣化し、肌の乾燥を防ぎましょう。インバスケアを行うことのメリットは、以下2点です。

【1】浴室の蒸気の力を利用できる
蒸気が充満した浴室で保湿ケアを行うことは、スチームをあてる行為と同じこと。保湿化粧水の浸透を促し、しっとり潤う肌への変化が期待されます。

【2】慌てずに保湿できる
本格的な保湿はパジャマを着た後に行うにしろ、インバスケアをあらかじめ行っておけば、慌てずにお手入れできます。入浴直後は肌がしっとり感じても、10分もすると元に戻ってしまうもの。慌てて保湿する習慣をわずらわしく感じる人にこそ、インバスケアがおすすめです。

インバスケアを行う際には顔と一緒に全身も保湿し、かさつきや乾燥トラブルを予防しましょう。身体に水分の残った状態でボディクリームやオイルをなじませると摩擦刺激を与えにくく、敏感肌をいたわりながら、保湿ケアを行えます。

5. 全身をマッサージする

入浴中は体温が上がり、血液やリンパの流れがよくなります。そのため、マッサージをして老廃物の排出を促すためには絶好のチャンス。鎖骨・首・腕・足などのマッサージを行い、スベスベの肌を目指しましょう。

◯鎖骨のマッサージ方法
右の鎖骨に左手を添え、内側から外側へとさすります。数回繰り返した後に左右を入れ替え、同様に流してください。

◯首のマッサージ方法
親指以外の4本指を耳の後ろにあて、首筋から鎖骨までさすります。数回繰り返した後に左右を入れ替え、反対側も流しましょう。

◯腕のマッサージ方法
片側の手を前に伸ばし、手首から脇の下までさすります。腕の内側に手を沿わせるように優しくさすることが大切。数回繰り返した後、左右を入れ替え、同じようにさすってください。

◯足のマッサージ方法
片側の足を体育座りのように折り曲げ、足首から膝裏までをさすります。その後、膝から鼠蹊部までをさすり、数回通り繰り返してください。反対側の足も同じようにマッサージして、重だるさを解消しましょう。

顔や首周りにはマッサージオイルやクリームを使用し、滑りをよくして行うこともおすすめです。老廃物をしっかり流すことによって酸素・栄養素の運搬がスムーズに進み、美肌作りを後押しできます。

お風呂に入るときの注意点3個

最後に「これをやると美肌が遠のく」というお風呂に入るときの注意点3個を解説します。以下の注意点を守り、肌トラブルを防止しましょう。

1. 湯船につかった後に身体を洗う

まず、湯船につかる前ではなく、後に身体を洗うことです。身体を洗った後の肌はバリア機能が低下し、乾燥しやすい状態に傾きます。

乾燥しやすい状態で長時間湯船につかる行為は、肌トラブルを悪化させる一因。かけ湯をして湯船につかり、じっくり身体を温めた後に汚れをきれいに落とす習慣をつけてください。

2. 身体をゴシゴシ洗わない

ボディタオルやボディブラシを使用し、ゴシゴシ洗う洗い方は、うるおいを維持するために必要な皮脂まで落としてしまうリスクがあります。

よく泡立てたボディソープを使用し、なでるように洗ってください。乾燥や大人ニキビができやすい肌質の女性はオーガニック素材や弱酸性のボディソープを使用する方法もおすすめ。

二の腕や腕など皮脂腺が少ない部位はとくに優しく、なるべく負担をかけないように洗ってください。

3. お風呂の中でスマホを見ない

ゆっくり身体を温めることで副交感神経が優位になることは、先に述べた通りです。お風呂の中でスマホを見ると交感神経の働きが強くなって、自律神経の乱れを招くリスクがあります。

テレビを見たり熱いお湯につかったりすることも交感神経を刺激するリスクがありますので、できる限り避けてください。

「お風呂の時間はリラックスする」と割り切り、マッサージをしたり頭の中を空っぽにしてゆったりと過ごしたりして、自律神経のバランスを整えます。


まとめ

この記事では「半身浴でニキビが増えた」と感じる人に向け、入浴と肌トラブルの関係およびお風呂時間を活用し、美肌を目指す方法を解説しました。

半身浴にしても全身浴にしても、入浴方法の注意点を守って正しくお風呂に入ることが美肌作りの近道です。この記事の内容を今一度読み直し、肌に優しい入浴習慣を早速今日から始めましょう。