監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

血行促進やリラックス効果があり、肌をキレイに保つために欠かせないお風呂。しかし、お風呂上がりのニキビが目立つ、大炎上したようにかゆくなるとつらい経験をすることもあるのではないでしょうか。

ここでは、長風呂に入るとニキビが悪化するのか、入浴時の注意点やケア方法を詳しく解説しています。至福のひとときを楽しみながら、ニキビができにくい肌を目指しましょう。

長風呂はニキビ悪化になる?

初めに、長風呂は果たしてニキビを悪化させる要因になるのでしょうか?ずっと暖かいお湯に浸かっていると、肌がふやけてきますよね。「手の指がしわしわになった」という経験は多くの方が体験しているでしょう。

しわしわの原因は、水分をグングン吸収して膨張した角層です。一時的にバリア機能が低下しているため、刺激を感じやすくなり、皮膚内へ異物が侵入しやすくなります。

肌がしわしわの状態で長く入浴すると、バリア機能を維持するNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質が流れ出てしまうのです。

必要な潤いまで流されてしまうため、結果的に肌は乾燥しやすくなります。皮膚が乾燥して皮脂の過剰分泌や角質肥厚を起こすと、毛穴が詰まりやすくなりニキビの発生や悪化につながることもあるのです。

長風呂によるニキビを防ぐために、次項で正しい入浴方法を身につけましょう。

ニキビに良いお風呂の入浴方法

ニキビのできにくい肌に導くポイントは、肌に必要な潤いを残しつつ、余分な皮脂や汚れを取り除くことです。

41℃以上の熱いお湯で洗浄や入浴をすると、交感神経(興奮や緊張するときに働く神経)
の働きが高まり、眠りにつきにくくなります。睡眠不足はホルモンバランスの乱れを引き起こし、ニキビの原因にもなるのです。

また同時に、肌の潤いを保っているNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質が流されて、乾燥しやすくなります。

良い入浴をする目安は、38~40℃のぬるま湯で10分、長くても15分までです。ぬるま湯に10分程度かけて浸かることで、保温効果が高まり血液の循環もよくなります。

毎日この入浴方法を習慣化することで、美肌力のアップが期待できるでしょう。ぬるま湯でも長くお風呂に浸かると、乾燥肌の原因になるので短時間の入浴を心がけてください。

以下は、ニキビに良い入浴方法の3つのポイントです。

(1)入浴温度は38~40℃に設定
(2)10分~15分程度を目安に入浴する
(3)体の洗浄は入浴後に行う

ぬるま湯にゆっくり浸かることで自然に毛穴が開いて、こすらず汚れを落とせます。お風呂に浸かる前に体を洗浄すると一時的にバリア機能が低下するため、入浴の後に汗や汚れをキレイに洗いましょう。

入浴中の注意点5個

次はニキビのないキレイな肌を保つために、入浴中に気を付けたいポイントを順番に見ていきましょう。

1. ゴシゴシと洗うのはNG

ウォッシュタオルなどでゴシゴシ洗うと肌を傷つけてしまい、乾燥を招いてニキビや肌荒れが悪化します。たっぷりの泡を作って包み込むように洗うことが、ニキビの予防と改善のための大切なポイントです。

ボリュームのある泡を作ることで、摩擦による刺激を抑えて優しく洗浄できます。十分な量の泡を作ったら手で優しく広げて、最後は洗い残しのないようにしっかりとすすぎましょう。

水圧の高いシャワーもニキビ肌には刺激になるので、肌にあたっても痛くない程度まで調整してください。

2. 毎日洗うべきなのは皮脂の多い部位だけ

乾燥肌は皮脂も水分も少ない状態なので、毎日体を洗わなくてもOKです。もともと体は顔と比べると皮脂量が少ないので、乾燥しやすい関節などは週に2~3回の洗浄で十分です。

洗いすぎもニキビができる原因の1つなので、胸や背中、脇などの皮脂の多い部位だけを毎日キレイに洗ってください。全身をしっかり洗うのは、2日に1度を目安にするとよいでしょう。

顔は皮脂の多い額や鼻周りを丁寧に洗い、乾燥しやすい目元や口元はサッとつけて洗い流すだけでOKです。ニキビのある部位には、殺菌剤や消炎剤を配合したニキビ用の石鹼を使い、優しく洗浄してください。

3. 洗い残しのないようにきちんと流す

シャンプーやトリートメント、整髪剤などの成分が肌に残ると、額やうなじ、背中にニキビができることもあります。

髪から顔、体の順に、上から下へ洗うのが洗い残しを防ぐ手順です。耳裏や顎(あご)の下、髪の生え際、背中はすすぎ残しの多い部位なので、洗浄成分が肌に残らないように十分に洗い流しましょう。

4. 入浴剤で肌への負担を軽減する

水道水に含まれる塩素は乾燥肌や敏感肌にとって刺激を感じることもあります。そんなときは、ピリピリ感を抑える塩素除去成分を配合した入浴剤を使用しましょう。

乾燥肌や敏感肌には、セラミドやアミノ酸などの保湿成分を配合したスキンケア入浴剤がおすすめです。

お風呂でリラックスしながら、全身の保湿ケアができます。肌荒れなどに効果のある薬用入浴剤もあるので、体のニキビにお悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。

入浴剤の種類と効果

保湿やニキビの他に、血行促進や皮膚清浄、リラックス効果など、さまざまな入浴剤があります。以下は、入浴剤のタイプについてまとめたものです。

入浴剤の種類効果配合成分
無機塩類系血行促進・皮膚清浄硫酸塩・炭酸塩など
薬用植物系保湿・血行促進・鎮静・消炎ウイキョウ・シャクヤク・カミツレ・ユズなど
酵素系垢(あか)とりパパインなど
清涼系冷感・収れんメントール・ミョウバンなど
スキンケア系保湿セラミド・アミノ酸など

皮脂量の増える夏は清涼系、乾燥しやすい冬はスキンケア系など、悩みや季節に合わせて使い分けるとよいでしょう。

5. スマホやタブレットを控える

通常であれば入浴することで、リラックス時に働く副交感神経の働きが活発になります。しかし、お風呂でスマホなどを見ていると交感神経の働きが活発になり、自律神経も乱れやすくなるのです。

自律神経が乱れると血液循環や免疫機能の働きが低下して、ニキビや肌荒れの原因になることもあります。

現代では入浴中にスマホやタブレットで、映画やTVを観る方が増えている傾向です。入浴中の動画鑑賞は控えて、ゆったりとバスタイムを楽しみましょう。

お風呂上がりのニキビケア6個

次にお風呂上がりはどんなケアをすれば、ニキビを防げるのでしょうか?ニキビができにくい肌を目指すための方法をぜひご覧ください。

1. 顔を軽く拭いた後はすぐに保湿をする

せっかくお風呂で肌が潤ったのに、出た後にカサカサになった経験もあることでしょう。お風呂上がりの肌の水分量は、約20分で入浴前の状態に戻ります。

髪や体をしっかり乾かしている間に、20~30分も経つと皮膚は過乾燥状態になるのです。お風呂上がりの保湿は5分以内を目安にして、化粧水や保湿クリームなどでケアしてください。時間のないときは、保湿力のある化粧水をサッと顔に塗るだけでもOKです。

化粧水や美容液、乳液、クリームが全て1つに入った化粧品もあります。お風呂上がりにバスローブを羽織ると、体を拭く時間が短縮できて便利です。落ち着いた後は、しっかり保湿して肌の潤いを守りましょう。

2. 体は濡れたまま保湿する

濡れたままの状態で保湿をするのが、入浴後の乾燥を防ぐ絶好のタイミングです。水分のある肌にクリームを塗ることで、のびがよくなり均一に塗りやすくなります。

タオルで拭いた後の乾いた肌よりも、肌にクリームがなじんで潤い感もアップ。肌の水分保持力を保つには、お風呂上がりのひと手間が大切です。

3. 顔や体にドライヤーの風を直接あてない

ドライヤーの風は低温に設定して、顔や体になるべく当たらないように気をつけてください。高温で髪を乾かすと、顔や首などの皮膚が乾燥しやすくなります。

ずっと同じ場所にあてると温度が上がりやすくなるので、ドライヤーを左右に動かすとよいでしょう。

4. 顔や肩などに髪がかからないように束ねる

洗いあがりの前髪はピンで留めたり、後ろ髪をアップしたりして肌に刺激を与えないようにしましょう。髪の毛先が肌に触れると、刺激となりニキビの発生や悪化を招きます。

普段から肌に刺激を与えないことが、ニキビを予防するポイントです。ニキビのできやすい方は、お風呂上がりだけでなく、日常生活でも髪型を工夫しましょう。

5. 油分の少ない化粧品でしっかり保湿する

お風呂上りの肌はすぐに過乾燥が始まるため、素早く保湿をしましょう。皮脂だけがニキビの原因ではありませんが、アクネ菌は化粧品に含まれる油分をエサにして繁殖します。

化粧水を塗った後の保湿は、ノンコメドジェニック化粧品やニキビ予防化粧品を使用してください。アクネ菌の好む油分を配合していないため、ニキビができにくくなるのです。

一般的な乳液やクリームなどの油分を多く含む化粧品で保湿をすると、ニキビができやすくなります。

6. ピーリングで余分な角質を取り除く

定期的にピーリング剤を使用して、不要な角質を除去することが予防法の1つです。毛穴に角質がたまり詰まるとニキビの原因になることもあります。

週に1~2回を目安に、家庭用のピーリング剤で角質ケアを行いましょう。反対にピーリングのしすぎも肌にはよくありません。必ず使用頻度を守って、ニキビができにくい環境へ肌を導いてあげましょう。

ピーリング後の肌は刺激を受けやすくなっているので、紫外線対策と保湿を徹底してください。日焼け止めは、刺激の少ないノンケミカル処方や敏感肌用のものを使用しましょう。

お風呂上がりでニキビが目立つ・大炎上でかゆいときは?

お風呂上がりには鏡に映る顔や背中のニキビが目立つと、気になって仕方ない方も多いのではないでしょうか。中でも目立つのは、プクっとして発色のよい赤ニキビです。

入浴後は体温の上昇により血流もよくなるため、ニキビが大炎上したようにかゆくなることもあります。お風呂上がりのかゆみを伴う場合には、殺菌剤と抗炎症剤を配合したニキビ用の塗り薬を使用してください。

ニキビ用の塗り薬(一般医薬品)は、薬局や通販などの市販で購入できます。市販のニキビ予防化粧品では、ニキビを予防しますが治療はできません。化粧品や薬用化粧品ではなく、一般医薬品や処方薬の塗り薬ならニキビを治療できます。

まずは、ニキビをきちんと治すことに集中しましょう。かゆみのあるニキビ周辺は、なるべく触らないようにすること。

気にして何度も触ると雑菌が入り、余計にニキビを悪化させる可能性もあります。そして質の良い睡眠とバランスのとれた食事、ストレスの少ない生活を心がけることがニキビを治す近道。

ただし、炎症や膿をもつニキビなら皮膚科で治療するのが賢明です。何日もかゆみや赤みが続くようなら、ニキビ跡を残さないためにも皮膚科を受診しましょう。


まとめ

長風呂でニキビが悪化することやお風呂上がりのケアに関して解説してきました。間違った入浴方法をしていると、肌の乾燥を招いてニキビができることもあります。

皮脂の多い部位はしっかり汚れを取り除き、乾燥しやすい部位は洗いすぎず丁寧な保湿を心がけてください。

日頃からニキビの予防ケアと、万が一できたとしても早めの治療をスタートすることが大切です。正しい入浴法と対処法を参考に、メイクで隠さなくてもキレイな肌へ導きましょう。