監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

日本人の約90%の人がニキビに悩んだことがあると言われています。自分だけではなく兄弟や家族の人もニキビができているという方も多いでしょう。ニキビのできやすさは遺伝するのでしょうか?

この記事ではニキビ肌の遺伝やなりやすい体質についてお伝えします。ニキビは原因と対処方法をきちんと知ることで改善することができます。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

ニキビ肌は体質の遺伝?

ニキビ肌が遺伝するという事実は科学的には証明されてはいません。しかし、ニキビになりやすい肌が遺伝することは考えられます。

ニキビは毛穴でできる炎症です。毛穴に汚れが詰まりやすい肌はニキビができやすくなります。肌の毛穴の多さや大きさは遺伝によって決まります。毛穴が多いと詰まらないようにするために、より丁寧なケアが必要です。

またニキビのできやすさは皮脂の多さも関わってきます。皮脂を分泌する皮脂腺が活発だと多過ぎる皮脂が顔を脂っぽくしてしまい、ニキビができやすい状態をつくります。皮脂腺の活発さもまた遺伝で決まります。

毛穴の数、皮脂腺の働きという点に関しては遺伝によってニキビ肌になりやすいということが言えそうです。

しかしニキビができる原因は遺伝よりも環境によるものが多いことがわかっています。ニキビ肌を改善するためにも、まずはニキビができる原因についてみてみましょう。

ニキビの原因5個

ニキビができる原因は大きく分けて5つあります。

1. 皮脂分泌の過剰

皮脂の分泌が多く、肌が脂っぽい状態だとニキビができやすくなります。多過ぎる皮脂は毛穴をつまらせる原因になり、またニキビの元になるアクネ菌などの最近の餌になるからです。

過剰な皮脂は毛穴づまりの原因になります。皮脂と角質が固まることで毛穴に蓋をしてしまい、毛穴から分泌される皮脂がたまっていきます。たまった皮脂が酸化したり、アクネ菌を毛穴の中で増殖させてしまうことで炎症が起こります。

アクネ菌は普段から肌に存在する菌ですが、増えすぎると肌が負けてしまい炎症を起こします。炎症により赤くなった状態がニキビです。アクネ菌を増やさないようにするためにも皮脂はバランスよく分泌されていなければなりません。

2. 肌の乾燥

皮脂が多く脂っぽい肌はニキビの原因になりますが、乾燥している肌もニキビができやすいと言えます。

乾燥を感じると、肌は水分を守るために皮脂を多く分泌します。水分とのバランスが取れていない皮脂が毛穴をつまらせてしまうので注意が必要です。

また乾燥している肌は、肌のバリア機能が弱っており炎症がひどくなる前に抑えることができません。乾燥肌はニキビが悪化しやすい肌の状態でもあるのです。

3. スキンケア不足

洗顔やクレンジング不足によって、肌に残ったメイクやホコリがニキビの原因になります。付着したままの汚れが毛穴に詰まり、古い皮脂を外に出すことができません。たまったままの皮脂にアクネ菌が集まってきて、炎症を起こしニキビになります。

メイク汚れや空気中のホコリは毎日きちんと落とすことが大切です。また皮脂の過剰分泌や乾燥も正しいスキンケアを行うことで改善できます。

4. ターンオーバーの乱れ

肌は常に生まれ変わっています。肌の深部で生まれた肌細胞は少しずつ表面に上がってきます。約30日で肌表面の角質が剥がれ落ち、新しく角質になった細胞とかわっていきます。この新しい肌に生まれかわっていく過程がターンオーバーです。

肌のターンオーバーがうまくいかないと、剥がれ落ちないといけない角質が肌の表面に残ったままになります。不要な角質は皮脂や汚れなどと混ざり合って、毛穴に栓をする角栓になってしまいます。

5. 不規則な生活習慣

食生活や睡眠のリズムの乱れによって肌のバランスは崩れてしまいます。健康な肌は、油分である皮脂と水分がバランスよく分泌され、うまく混ざり合って皮脂膜という肌を守る膜をつくります。

しかし不規則な生活習慣によって水分と油分のバランスが崩れると肌の状態は悪化し、ニキビができやすくなります。

ニキビになりやすい人の特徴

ニキビになりやすい人の大きな特徴の一つは、「皮脂分泌が多い」ことです。毛穴の詰まり、ニキビの原因になるアクネ菌の増殖は過剰な皮脂によって起こります。

皮脂分泌が必要以上に活発になってしまうのは遺伝の影響もありますが、多くの場合は環境による影響と考えられます。

普段のスキンケア不足や偏った食事、不規則な生活習慣を続けているとニキビになりやすい肌になります。また日頃から過剰なストレスを感じていることもニキビになりやすい悪環境のひとつです。

「おざなりなスキンケア」も、ニキビになりやすい人の特徴です。ニキビができないようにするためには肌を清潔にしておかなければなりません。汚れが毛穴を塞いだり、肌を健康に保つターンオーバーの妨げになってしまうからです。

ニキビがなりにくい肌になるためには、肌を健康的に保つ生活習慣で毎日を過ごし、正しいスキンケアを行うことが大切です。

ニキビ肌の対処方法4個[スキンケア]

ニキビ肌にあった丁寧なスキンケアを行うことでニキビ肌を改善することができます。ここでは4個のスキンケア方法を紹介します。

1. クレンジングをしっかり行う

メイクが肌の表面に残っていると毛穴詰まりや肌荒れを起こしてしまいます。毎日丁寧に落としてニキビを予防しましょう。

小鼻の周りや髪の生え際は特に汚れが残りやすいので、忘れないように気をつけてクレンジングすることが大切です。

クレンジング剤が顔に残ったままになるのもまたニキビの原因になってしまいます。クレンジング剤を顔に満遍なく広げて汚れを吸着した後、ぬるま湯で顔の隅々までしっかり洗い流してください。

2. 刺激しないように洗顔

洗顔不足でホコリや不要な角質が取れていないと毛穴が塞がる原因になります。空気中のゴミや、顔についたままになっているタンパク汚れを落とすために毎日1回は必ず洗顔をするようにしましょう。

洗顔の際には肌に刺激を与えてしまわないように優しく行うのがポイントです。洗顔料は最初から泡で出てくるタイプのもの、またはしっかり泡立つものを選びましょう。

指先や手のひらで顔を擦らないよう、泡をクッションにしながら洗うのがポイントです。決してゴシゴシと擦らないでください。

クレンジングと同様、洗顔料の洗い残しも肌への刺激になるので注意が必要です。洗い流す時も肌の刺激にならないように、優しくぬるま湯をかけましょう。

3. 保湿はしっかり

ニキビ肌でも化粧水はしっかり使いましょう。うるおい不足は肌の回復力を落とし、毛穴が詰まる原因にもなりかねません。自分の肌にあったスキンケア用品をたっぷり使い保湿することが大切です。

ニキビ肌を保湿するアイテムはオイル系を避けるといいでしょう。肌に過剰な油分をのせるのはニキビの悪化にもつながります。

水分の蒸発を防ぐ乳液やクリームは多くの場合オイル成分が含まれています。できるだけオイルフリーのアイテムを選ぶことがおすすめです。クレンジングもオイルを使ったアイテムが多いのですが、洗い流しやすいものを選び肌に残らないようにしましょう。

4. ニキビ対策に効果的なスキンケアアイテムを使う

ニキビ肌向けのスキンケアアイテムがたくさん販売されています。毎日行うスキンケアですから、できるだけ効果的なものを選ぶようにしましょう。

ニキビ肌の方におすすめの成分は抗炎症作用、抗菌作用のあるアイテムです。ビタミンC、グリチルリチン酸やトラネキサム酸などがあげられます。

ニキビ肌の対処方法3個[生活習慣]

スキンケア以外にもニキビ肌を改善するためにできることがいくつかあります。肌のバランスを保つためにも、ご紹介する3点にも気をつけるようにしましょう。

1. 睡眠をしっかりとる

新しい肌は睡眠をしている間に作られます。バランスの取れた健康な肌を作り、ターンオーバーを正常化するためにも睡眠中の肌の働きを妨げるわけにはいきません。

また睡眠不足は、肌の免疫力低下の原因にもなります。ニキビは肌の炎症ですから、免疫力が低下するとニキビができやすいだけではなく悪化しやすい環境になってしまいます。

肌を健康な状態に保つためには、睡眠時間を十分に保つだけではなく睡眠の質も重要です。食事をした直後、入浴後すぐの入眠は寝つきが悪くなってしまう可能性があります。また携帯やタブレットの光は体内時計を狂わせてしまうため、睡眠前に見ることはおすすめできません。

夜寝る前の時間には余裕をもち、しっかりと深い睡眠を取ることができるように環境を整えるようにしましょう。

2. ストレスをできるだけ減らす

過剰なストレスはホルモンバランスを崩してしまいます。過剰なストレスは皮脂の分泌を活発にする男性ホルモンが優位になるためニキビ肌にもつながってしまいます。

ストレスを0にすることはできませんが、リラックスする方法を知り、日々実践するのがいいでしょう。自然に触れる、軽く運動をする、好きな音楽や映像を鑑賞することはストレスを軽減することがわかっています。

日常的に自分をケアする時間をとり、ストレスをできるだけ減らす生活をしましょう。

3. 糖質や脂質を控えてビタミンをとる

肌は内臓の鏡と言われます。バランスの良い食生活で、身体を健康に保つことが、肌の良い状態を保つためにも必要です。

ニキビ肌を改善するためにはビタミンの摂取が有効です。特にビタミンB群とビタミンCは意識して摂取するようにしましょう。

ビタミンB2は皮脂の分泌量を調整するために使われます。不足するとニキビだけではなく、そのほかの肌荒れの原因にもなります。

ビタミンB6はタンパク質を分解し、体内に吸収するために必要な栄養です。タンパク質は身体の内臓や肌、細胞を作る元になります。普段の食事で摂取したタンパク質を上手に代謝し、強い肌を作るためにビタミンB6が必要です。

ビタミンCは抗酸化作用がとても強く、ストレスの緩和にも役立ちます。炎症を抑える作用や皮脂の分泌を抑制する働きもあるため、ニキビ肌には必須のビタミンです。

ビタミンBは糖質の分解にも使われます。炭水化物や甘いものを摂り過ぎると、体内に入ってきた糖質を分解するためにビタミンが使われてしまうため、肌の状態を保つ分が不足してしまう可能性があります。

ビタミンB群とビタミンCはは水溶性のビタミンですから、使われなかった分は汗や尿に溶けて排出されてしまいます。健康な肌を守るためには毎日とることが大切です。


まとめ

遺伝によってニキビができやすくなることもありますが、睡眠や食生活など環境の要因も多く、生活習慣を見直すことで改善が可能です。

ニキビで悩む方は日々のスキンケアや生活のリズムなどを見直してみましょう。ニキビ肌は一つの要因だけではなく、複数の要因によって作られてしまいます。

ニキビの悩みから解放されるためにも、できることから少しずつ生活に取り入れてみてください。すぐに効果が出にくいかもしれませんが、ニキビができにくい肌作りは確実に進みます。