監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

エステサロンや市販の毛穴吸引器に関心を持ちつつも、「本当に効果はあるか」「毛穴はきれいになるか」といった疑問を感じていませんか。

実際、毛穴吸引器によるお手入れにはメリット・デメリットの両方が存在します。毛穴吸引器の仕組みや特徴を知り、本当に自分にとって望ましいケアであるかを判断しましょう。

毛穴吸引とは?効果は?

毛穴吸引とは、掃除機のホースのようなパーツを肌にあて、毛穴の中に詰まった汚れを吸い寄せるお手入れです。

エステサロンで使用する器械にしても市販品にしても「毛穴の中に詰まった汚れを吸い寄せる」という目的は同じこと。毛穴吸引器を使用することで、以下のような効果が期待されます。

・毛穴の詰まりが原因の肌のざらつき、べたつきを解消する。
・いちご鼻を解消し、毛穴トラブルを目立ちにくくする。
・たるみ毛穴の解消を助ける。(エステの毛穴吸引の場合)

男性・女性問わず平均的に、顔には約20万個の毛穴が存在するといわれます。バリア機能を保持したり体温調整を行ったりとさまざまな役割を持つ重要な存在ですが、過剰な皮脂が分泌されたり加齢や紫外線によって肌がダメージを受けたりすると、汚れが詰まってしまいがち。

毛穴吸引は詰まってしまった汚れを取り除き、健やかな肌への生まれ変わりを助けるためのお手入れです。

毛穴吸引器のメリット

エステで使用する毛穴吸引器は強力で、セルフケアでは落としきれない汚れを取り除き、きれいな状態に整える働きが期待されます。

過剰な皮脂が気になる人・いちご鼻が気になる人はとくに変化を実感しやすく、1回のお手入れでも「毛穴がきれいになった」という実感を持ちやすい点がメリットです。

また、エステの毛穴吸引器は、肌を吸引するに適度な刺激を与えることで、たるみ毛穴の解消を助け、エイジングトラブルの解消を助ける働きが期待される点もメリット。しずく状に広がってしまったたるみ毛穴の解消を助け、滑らかで若々しい肌への生まれ変わりが期待されます。

自宅で使用する毛穴吸引器は、エステに通う時間のない人でも挑戦でき、好きなときにお手入れできる点がメリットです。部位によって吸引力を変更したり先端のアタッチメントを取り替えたりできる商品も多く、肌の状態に合わせた柔軟なお手入れを実現できます。

毛穴吸引器のデメリット

エステで使用する毛穴吸引器は強力ゆえに、施術直後に赤みが出てしまったりかえって毛穴が広がってしまったりするリスクがあります。

保湿・鎮静ケアを受けることでリスクを軽減できますが、その分だけコストがかさんでしまうことも。毛穴吸引には定期的に通うことが望ましいため、お財布に優しい価格でなければ、根本的な解決に到りません。

自宅で使用する毛穴吸引器は肌に負担をかけやすく、インナードライや敏感肌に悩む人には不向きです。肌に負担をかけることは過剰な皮脂を分泌させる原因ですから、かえって毛穴が広がったり黒ずみが悪化したりすることもあります。肌トラブルの悪循環に陥る可能性が否めません。

そもそも、毛穴吸引器のみを使用することでは、毛穴をきれいにケアし、維持することが不可能です。この後に紹介するケア方法を参考に、正しいお手入れを続けることをおすすめします。

自宅で毛穴をきれいにケアする方法8個

毛穴をきれいにケアするためには、正しいスキンケアの実践とトラブルの状態に応じた基礎化粧品の活用、紫外線対策や定期的な集中ケアが必要です。自宅で毛穴をきれいにケアする方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 日々の洗顔を正しく行う

朝・夜2回の正しい洗顔は、毛穴ケアの基本の「キ」です。「毛穴が気になるから」と過剰な回数洗顔したり「弱った肌をいたわるため」とぬるま湯のみで洗顔したりする習慣は、トラブルを悪化させるリスクがあります。以下2点のポイントを守り、正しい方法で洗顔しましょう。

【1】洗顔料を十分に泡立てる
十分に泡立てた泡は油を吸い込む力が強いうえ、肌への負担を軽減できるともいわれます。水分・空気・洗顔料をよく混ぜ合わせ、モコモコの濃密泡を作りましょう。

【2】過剰な皮脂の気になる部位から洗う
洗顔は、過剰な皮脂の気になる部位からデリケートな部位へと進めます。鼻の毛穴が気になる人は鼻の周り、といったように毛穴トラブルの気になる部位から洗う方法もおすすめ。目元や口元といった乾燥しやすい部位は、一番最後に洗ってください。

その他、こすらずに優しい力で洗うこと・十分な量の洗顔料を使うことなども大切なポイントです。お風呂場で洗顔することは極力避け、帰宅後すぐに洗面台で、丁寧に洗顔しましょう。

2. 洗顔後は速やかに保湿する

きれいな毛穴を作るためには、十分な保湿が欠かせません。乾燥を感じた肌は過剰な皮脂を分泌しやすく、毛穴の詰まりを悪化させやすい状態に傾くことが理由です。

肌の乾燥がとくに顕著に進むタイミングの代表例が洗顔直後。洗顔から5分程度で「洗顔前よりも乾燥する」ともいわれるほど、うるおい不足を起こしやすいタイミングです。洗顔後は間髪あけずに化粧水をなじませ、乳液・クリームを重ねることで、十分に保湿しましょう。

なお、混合肌や脂性肌の女性であっても、日々の保湿は必要です。乳液・クリームのベタつきが気になる場合は使用量を調整し、水分・油分のバランスを整えるお手入れを行ってください。

3. メイクの濃さと肌質に合うクレンジングを使用する

毛穴をきれいにするためには、ダブルクレンジング(洗顔とメイク落としを別々に行うこと)が推奨されます。メイクの濃さ・肌質から自分に合うクレンジングを使用し、きれいに汚れを落としましょう。

オイルクレンジングメイクを落とす力が強い反面、肌の乾燥を悪化させやすい種類。乾燥による毛穴トラブルを抱える人は、濃いメイクをした日のみに留めることがおすすめです。
クレンジングバームメイクを落とす力が比較的強く、肌に対する負担にも配慮された種類。固形のバームを体温で溶かし、オイルのような質感に変えてから使用します。
クレンジングクリームメイクを落とす力・肌に対する負担のバランスがよく、乾燥肌でも使用しやすい種類。オイルクレンジングほどのメイクを落とす力はなく、ポイントメイクリムーバーとの併用が検討されるケースもあります。
クレンジングミルク肌に対する負担が比較的軽く、メイクを落とす力がマイルドな種類。乾燥による毛穴トラブルが気になる人でも使いやすい種類ですが、濃いメイクをした日には不向きです。
ジェルクレンジング肌に対する摩擦刺激を与えにくく、メイク落とし後のべたつきが苦手な人でも使用しやすい種類。油性成分を含むもの・含まないものの両方が存在し、メイクを落とす力は商品ごとに異なります。

いずれの種類を使用するにしても、なるべく肌をこすらず、優しくメイクを落とすことが大切です。シートタイプのクレンジングなど「こすって落とす」種類の使用は控え、弱った肌をいたわりながら、メイク落としを進めてください。

4. 蒸しタオルパックで血行促進

毛穴の目立つ肌はターンオーバーが滞り、老廃物の排出がスムーズに進みにくい状況です。定期的な蒸しタオルパックで血行促進することで、毛穴トラブル解消を目指しましょう。

◎蒸しタオルパックのやり方

【1】45℃程度のお湯にタオルをひたし、かたく絞る。
【2】顔全体もしくは毛穴の気になる部位の上に置き、2分から3分パックする。
【3】タオルが冷める前にパックを外す。

血行促進目的の蒸しタオルパックは、メイク落とし・洗顔した後の肌に行います。汚れが残ったままパックするとメイクなどが毛穴の中に入り込み、トラブルを悪化させるリスクがありますので、ご注意ください。

5. 【詰まり毛穴】酵素洗顔料やクレイパックで集中ケアする

詰まり毛穴とは、毛穴の中に古い皮脂や角質、メイク汚れなどが詰まり、ポツポツ見える状態です。きれいな毛穴を作るためには蓄積汚れを除去するケアが必要ですから、酵素洗顔料やクレイパックを使用しましょう。

酵素洗顔料とは、皮脂や古い角質を分解する酵素の配合された洗顔料。毛穴に詰まった汚れを落としやすい状態に変えてから取り除き、詰まり毛穴の解消を目指してください。

◎酵素洗顔料の使い方

【1】1回分の酵素洗顔料を取り出し、少量のぬるま湯を足しながら泡立てる。
【2】詰まり毛穴の気になる部位もしくは顔全体に乗せ、優しくこする。
【3】ぬるま湯でよくすすぎ、十分に保湿する。

クレイパックとは、天然泥を原料としたパックです。毛穴内部の汚れを吸い寄せ、取り除く働きが期待されます。

◎クレイパックの使い方

【1】クレイペーストを毛穴の気になる部位に乗せる。
【2】商品指定の時間だけパックする。
【3】ぬるま湯でパックを落とし、十分に保湿する。

クレイパックはもともとペーストになっているタイプ・パウダー状や固形のクレイに水分を足してパックを作るタイプの2パターンが存在します。どちらのタイプも詰まり毛穴対策に活用できますので、自分に合う方を選択しましょう。

6. 【黒ずみ毛穴】ビタミンC美容液を使用する

黒ずみ毛穴とは、紫外線や空気に触れて酸化した「黒角栓」が目立ってしまう症状です。黒角栓は、いわば「角栓のシミ」です。ビタミンC美容液を日々のお手入れに加えることで、毛穴の目立たないきれいな肌を作りましょう。

ビタミンC美容液の主な働きは、以下のような内容です。

・皮脂分泌量をコントロールし、詰まりにくい毛穴を作る。
・できてしまったメラニンを還元し、無色化する。
・メラニンの生成を抑制し、黒ずみを予防する。

「できてしまったメラニンを還元する」というところがポイントで、毛穴の黒ずみを目立ちにくくし、滑らかな肌を作る働きが期待されます。皮脂分泌量のコントロールやメラニンの生成抑制も担いますので、黒ずみ毛穴の予防にもおすすめのケアアイテム。

ただし、高濃度のビタミンC美容液は肌の乾燥を悪化させるリスクを伴いますので、普段の保湿のプラスワンアイテムとして使う方法がおすすめです。

7. 【たるみ毛穴】エイジングケア化粧品を使用する

たるみ毛穴は、肌のハリの衰えや弾力不足から生じることの多いトラブルです。細胞の代謝を促すことでコラーゲンの生成を助けるレチノール、コラーゲン減少を抑制するナイアシンアミドなど、エイジングケア成分を含む化粧水や美容液を使用し、対策しましょう。

◎エイジングケア成分の代表例

レチノールビタミンAの一種で、シワ・たるみ対策に使用されることの多い成分。コラーゲンの減少を防ぎつつ、生成を促進する働きが期待されます。
ナイアシンアミドシワ改善化粧品に使用されることの多い成分。コラーゲンの生成を促すことで肌の土台を整えて、シワやたるみの解消を助けます。
コエンザイムQ10強力な抗酸化作用を持ち、肌の代謝を促進する成分。シワやたるみ対策に活用されることが多く、若々しい肌への生まれ変わりを助けます。

たるみ毛穴を改善するためには、肌の代謝に欠かせないビタミン類をサプリメントで補うなど、インナーケアを取り入れる方法も選択肢です。

睡眠リズムを整える・ストレスを溜め込まずに発散するなど、生活習慣の改善も合わせて行い、総合的な対策を進めてください。

8. 【開き毛穴】セラミド配合化粧品でバリア機能を強化する

開き毛穴とは、毛穴の入り口が大きく開き、汚れを溜め込みやすい状態に傾いてしまうトラブルです。過剰な皮脂が分泌されて毛穴が押し広げられたり肌のキメが粗くなったりすることで、トラブルが悪化します。

開き毛穴を解消するためには、セラミド配合化粧品を使用し、バリア機能を強化する対策がおすすめです。セラミドは、バリア機能の中核を担う重要な保湿成分。セラミド配合化粧品で水分保持機能を底上げ、肌のキメを整えることで、開き毛穴の解消を目指しましょう。


まとめ

エステや自宅で使用する毛穴吸引器の効果やメリット・デメリット、毛穴吸引器を使用しないで毛穴をきれいにする方法を解説しました。

毛穴吸引は即効性が期待される反面で根本的な解決策になり難く、開き毛穴や詰まり毛穴を悪化させるリスクがあります。

エステや自宅で毛穴吸引するにしろ、正しいスキンケアの実践や十分な保湿といった日常的なトラブル対策を同時進行で行い、黒ずみや角栓に悩まないきれいな毛穴を実現してはいかがでしょうか。