
ニキビの膿がパンパンに腫れてきたら、1日の気分も下がりますよね。前髪があたる額やマスクを着ける範囲にできると、とても痛くてつらいものです。
「皮膚科で薬をもらうべきなのか」「自分で潰して膿を出してよいのか」とお悩みの方のために、今回は化膿したニキビを放置したらどうなるのか、原因と対処法についても詳しく解説します。適切なケアをして、ジクジクしたニキビとお別れしましょう。
ニキビの膿がパンパン…
「赤ニキビを放置したら黄色い膿でパンパンに腫れていた…」
思っていたより進行が早かったり、仕事が忙しくて病院に行けなかったりと、早急に対処できないときもありますよね。
気づくと赤みがどんどん強くなって、どう処置をすればよいのか迷っている人もいるでしょう。周囲はいまだに炎症を起こしている状態なので、ときにはズキズキと痛むことも。メイクで隠しきれないほど、赤みが増して美容上の見た目も気になりますよね。
思春期の子供に多くみられますが、成人した大人でもできることがあります。では、「膿がたまる根本的な原因」は何なのでしょうか?
痛くてつらい黄ニキビを繰り返さないためにも、化膿したニキビの原因を見ていきましょう。また、ニキビの原因を知れば、間違ったケアや習慣がきっとわかるはずです。
ニキビが化膿する原因は?
白・黒ニキビを放置すると、炎症を伴い赤く腫れる「赤ニキビ」になることがあります。
菌の侵入などにより強い炎症が起こると、毛穴の中や周辺に白血球が集まり、アクネ菌を外に追い出そうと攻撃をスタート。
戦っている最中の白血球は白い膿ですが、やがて力尽きて残骸になるとさらに炎症を招いて黄色の膿(膿疱(のうほう))に変化します。こうして、赤ニキビの中心部は白色から黄色に変わり、化膿した「黄ニキビ」になるのです。
黄ニキビがさらに悪化すると、膿の袋を形成したり、硬く盛り上がったりすることも。パンパンに腫れると膿が出ることもありますが、少量であれば自然に吸収されて炎症も落ち着きます。
ニキビを悪化させる誘因
以下では、ニキビの悪化を誘発しやすい原因をまとめています。
・思春期
・ホルモンバランスの乱れ
・毛穴をふさぎやすい化粧品や衣類などの使用
・汗をかいたまま放置
・湿度の高さ
・乾燥によるバリア機能の低下
・便秘・睡眠不足など
最もニキビの大きな原因となるのが思春期。思春期にニキビができやすくなるのは、皮脂腺の発達と男性ホルモン(アンドロゲン)の活性化によって、皮脂の分泌量も急激に増えるからです。
皮脂の分泌量が増えると、毛穴も詰まりやすくなり、ニキビを誘発します。とくに顔や背中、胸は、発生しやすい部位です。次で種類や特徴を知り、ニキビの進行段階をチェックしてみてください。
ニキビの種類
ニキビの種類を知って、症状や特徴をチェックしてみましょう。以下では、初段階である白ニキビから膿をもった黄ニキビまで、種類と症状をまとめました。進行段階によってニキビの色が変わります。
種類 | 症状・特徴 | タイプ |
---|---|---|
白ニキビ | ニキビの初段階で軽症。毛穴の詰まりによって皮脂が溜まる。白いポツポツ。皮脂を好むアクネ菌が増殖。炎症や痛みはない。 | 白色面皰 |
黒ニキビ (面皰) | 軽症。毛穴は開いた状態。皮脂が空気に触れて酸化する。面皰の先端が黒ずむ。小さい凸凹ができたように見える。 | 黒色面皰 |
赤ニキビ | 中等度。炎症を起こして痛みを伴う。赤みを帯びて腫れる。中心部は白色。赤・黄ニキビのサイズは2~5mmと大きめ。 | 紅色丘疹 |
黄ニキビ | ニキビの最終段階で重症。中心部が黄色い。周囲は赤みを帯びている。化膿した状態。ニキビ跡になりやすい。 | 膿疱 |
ニキビはなるべく早く見つけて、治療を開始しなければなりません。炎症を起こした赤ニキビや黄ニキビになると、凸凹の跡やシミが残りやすくなるので要注意です。
日本人の約9割がニキビを体験するといわれています。とくに珍しいものではありませんので、前向きに適切なケアをしていきましょう。
ニキビを潰すと跡が残る?放置すべき?
治った後もニキビのあった箇所に跡「挫創瘢痕(ざそうはんこん)」が残ることがあります。炎症が長引くほど跡も残りやすくなるので、放置してはいけません。
とくに赤く腫れて膿をもった黄ニキビは、炎症後にクレーター状の跡が残りやすいです。小さなニキビ跡であれば、時間が経つにつれて徐々に目立たなくなります。
しかし、大きなニキビ跡が残ると、きれいな肌に戻るのは難しいのでなるべく早めに病院へ行きましょう。
また自分で潰すと、上手に膿を出しきれず、ニキビ跡や悪化の可能性を高めてしまいます。ニキビ自体の治りも遅くなるため、自分で潰すことはおすすめできません。中の膿をきれいに排出できれば、炎症は次第におさまります。
医療の進歩によりニキビ跡が目立たなくなる治療もありますが、多くは保険適用外のため治療費も高い傾向です。消えないニキビ跡を残さないためには、なるべく早く治療を開始するのが賢明でしょう。
ニキビの治し方
ニキビができたら、とにかく「触らない」ようにしましょう。自分で潰して膿を出すと、周りの皮膚組織が傷ついてしまうこともあります。そうなると、ニキビ跡も残りやすくなるため、自力で治す場合は肌の治癒力に任せましょう。
また、乾燥によって皮脂の分泌量が増えていることもあるので保湿も重要です。抗炎症成分を配合したニキビ化粧品や市販の塗り薬を、症状に合わせて使用しましょう。
何をしてもニキビが繰り返しできたり、炎症が続いたりするようでしたら、皮膚科で診察を受けてください。病院ではニキビの状態に合わせて、面皰圧出の施術や抗生物質の塗り薬など、適切な治療を受けられます。
炎症のない白・黒ニキビであればスキンケアの改善や市販薬の塗り薬で十分ですが、炎症を起こした赤・黄ニキビは専門医のもとで治療を開始しましょう。
治療を受けるべきか迷ったら?
以下は、病院へ行くか迷う人のためのチェックポイントです。
・顔全体に大量のニキビ(5個以上)が発生している
・炎症を起こした赤ニキビ・黄ニキビ
・何度も繰り返しできる
皮膚科へ行くべきなのか迷ったときの参考にしてください。
ニキビの対処方法・スキンケア方法7個
新たなニキビを作らない・悪化させないために、肌の環境をすこやかな状態へ整えてあげましょう。肌を整えるためには、基本のスキンケアはもちろん、十分な睡眠とバランスのよい食生活も大切です。
まずは、ニキビの対処法とスキンケアを見直してみてください。
1. 1日2回の洗顔で肌の清潔を保つ
ニキビのできにくい肌を目指すには、余分な皮脂や汚れをしっかり洗い流すこと。洗顔の回数は多ければよいというわけではありません。
1日に2回、過度な乾燥肌であれば1回を目安に洗顔しましょう。脂性肌でも多くて3回を目安に、肌に負荷がかかるため過度な洗顔は控えてください。
ニキビケアの洗顔方法
まずは髪を束ねて、顔全体を洗いやすくなるように準備をしましょう。手は事前に洗い、菌や汚れを落として清潔にします。
次に、顔全体をぬるま湯(32~34℃)で予洗いしてください。低刺激の石けんやニキビ用の洗顔料を十分に泡立てて、泡を転がすようなイメージで広げます。
刺激を与えず優しく洗うことが洗顔の大切なポイントです。泡立てネットを使えば、手で泡立てるより短時間で適量な泡を作れます。皮脂の多いTゾーンを念入りに、乾燥しやすい頬や口元は軽くつけるだけでOKです。
すすぎは20回を目安に、洗い残しのないように丁寧に行いましょう。タオルで拭くときは、ゴシゴシとこすらず、顔の水気を軽くとるイメージで拭き取ってください。
2. 日焼け止めで肌へのダメージを減らす
肌へのダメージを極力減らすために、日焼け止めをこまめに塗り直しましょう。日焼けをすると肌は乾燥しやすくなり、ニキビや肌荒れを引き起こしやすくなります。
紫外線吸収剤不使用の低刺激のものや、ノンコメドジェニック試験済みの日焼け止めで対策しましょう。アダパレンや過酸化ベンゾイルを配合したニキビ薬を使用している人は、日焼けをしやすくなるので注意してください。
とくに、スポーツやレジャーで強い日差しを浴びる日は、念入りに日焼け止めを塗りましょう。日焼け止めクリームの他に、日傘や帽子の着用が紫外線対策に有効です。
3. 角質層を柔らかくして毛穴の詰まりを防ぐ
肌が乾燥すると、角質層が硬くなり毛穴を詰まらせる原因につながります。角質を柔らかくする化粧品で、角質肥厚を防ぎ、ニキビができにくい環境を作りましょう。
また乾燥することで、肌を守ろうと過剰な皮脂の分泌を促されることがあります。過剰な皮脂が毛穴にたまると、ニキビができやすくなるため肌を乾燥させないようにしっかりケアしてください。
4. 皮脂の分泌をコントロール
皮脂の多い脂性肌や混合肌は、皮脂抑制効果のある化粧品で皮脂のバランスを調整しましょう。
部分的に乾性と脂性が混ざる混合肌であれば、皮脂の多い部位だけにつけ、乾燥する部位は保湿化粧品で潤いを補ってください。部位ごとの肌状態に合わせて、化粧品を使い分けるとよいでしょう。
5. 油分の少ない化粧品でアクネ菌を育てない
皮脂だけがニキビの原因ではありませんが、アクネ菌は皮脂を食べて育ちます。アクネ菌の好む油分を配合していない「ノンコメドジェニック」は、ニキビを育てにくい肌の環境へ導く化粧品です。
ノンコメドジェニック化粧品をスキンケアに取り入れることで、ニキビの発生を防いでくれます。現在では、さまざまなノンコメドジェニック化粧品が市販されているので、自分の肌質に合わせて最適なものを選んでください。
6. ピーリングで毛穴詰まりを解消
ピーリング剤は、毛穴の詰まった汚れを取り除き、肌のターンオーバーの働きを整えます。
一方でニキビの原因となるアクネ菌の弱点は酸素です。
週1~2度のケアで、毛穴の出口を開いて、ニキビの発生を防ぎましょう。AHAやサリチル酸など、角質を溶かして除去する成分を配合したピーリング剤がおすすめです。
ただし、炎症のみられる赤ニキビや黄ニキビには、刺激となるため使用を控えてください。詰まり毛穴による白ニキビや発生予防としての効果が期待できます。黒ニキビの場合は週に1度を目安に、酵素洗顔を使うと効果的です。
7. 化粧品や市販の塗り薬で悪化を防ぐ
忙しくてどうしても皮膚科に行けない場合は、抗炎症・殺菌効果のある化粧品や塗り薬で炎症を鎮めましょう。化粧水や乳液で肌を整えたら、塗り薬をニキビに塗ります。
ただし、炎症を起こしている状態なので、触りすぎには十分に注意してください。とにかく刺激を与えないことが、ニキビを治す最短の近道です。スキンケアや薬を塗るとき以外は、肌に触れないよう意識しましょう。
まとめ
ニキビが化膿する原因と対処法、スキンケアについて解説しました。なるべく早く気づいて適切な処置をしなければ、ニキビ跡となって消えにくくなります。自己流で治療を行うのではなく、面皰の状態から素早く治療を開始することが大切です。
また、疲れやストレスをためないように、規則正しい生活を送り、食事のバランスを整えましょう。日々のスキンケアでニキビ菌が育ちにくい環境を作り、美しい素肌へと導いてあげてください。