監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

額やフェイスラインにできてしまった赤ニキビ。少しでも目立ちにくくしようと、潰してしまった経験はありませんか。

この記事では、赤ニキビを潰す行為のリスクときれいに治す方法、赤ニキビのできにくい肌を作るためのケア方法をご紹介します。できてしまった赤ニキビを悪化させず、きれいに治すための教科書として、ぜひ参考にしてください。

赤ニキビが治らない…痛い…

大人ニキビは、季節の変わり目や多忙な時期に起こりやすく、繰り返しやすいトラブルです。赤ニキビはとくに、痛くて目立ち、治ってもすぐ繰り返すことの多い厄介なトラブル。以下のような感情を抱え、コンプレックスを感じる人も多いのではないでしょうか。

・赤ニキビがひどく目立ち、「不潔な印象を与えていないか」と不安になる。
・赤ニキビが大量にできて、フェイスラインが汚く見える。
・メイク中に触れてしまうとひどく痛み、憂鬱である。
・赤ニキビを見られている気がして、自分の肌に自信が持てない。

ひどい赤ニキビは治った後にクレーター状の凹み、色素沈着が残ってしまうケースも多く、滑らかな肌を作るまでには、一定の時間を要します。前のニキビが治る前に次のニキビができてしまうと、広い範囲に炎症が広がり、収集のつかない状態に陥ることもしばしば。症状が悪化するほどきれいに治るまでに要する期間が伸び、理想の美肌が遠のきます。

赤ニキビとは?原因は?

赤ニキビとは、詰まった毛穴の炎症が悪化し、赤く腫れたニキビです。毛穴の中でアクネ菌が増殖し、痛みや腫れ、かゆみを伴うこともあります。

赤ニキビが膿を持ち、黄ニキビになってしまうと、さらに処置が大変です。毛穴の周りの皮膚にまで影響を与え、クレーター状のニキビ跡が残ってしまうケースもあります。

そもそもニキビは、皮脂や古い角質、顔の汚れなどが毛穴に詰まることが原因のトラブルです。生活習慣やストレス、加齢の影響などによって皮脂の過剰分泌や誤ったスキンケアなどの影響で毛穴の詰まりが進行すると、ニキビができやすい状態に傾きます。

詰まった毛穴は入り口が狭まるため、細菌の繁殖を招きやすい環境です。毛穴の中でアクネ菌が繁殖し、炎症を引き起こす物質が作られることで、赤ニキビができてしまいます。

赤ニキビを潰すと血や汁が出る?跡が残る?

赤ニキビを自分で潰すと、膿や血、リンパ液(透明な汁)が出ることもあります。中身が全て出たことで一時的に腫れが引き、楽になったかのように感じるものの、根本的な解決策とはいえません。

膿を全て排出できず、毛穴の中に残ってしまうと、すぐにニキビが再発します。指に付着した汚れや細菌が毛穴の中に入り込み、炎症の悪化を招くこともありますから、自分で潰す方法は避けてください。

「どうしても、膿を出したい」といった人は、皮膚科の医師に相談しましょう。皮膚科では、ニキビの状態・必要性に応じて「圧出療法」と呼ばれる治療を受けられます。圧出療法とは減菌処理された特殊な器具を使用して、赤ニキビの中身を押し出す治療法です。

赤ニキビに限らず、あらゆる種類のニキビ対策は、「なるべくいじらず・刺激しない」が基本といえます。無理に潰す対処によってニキビを悪化させないように注意しましょう。

赤ニキビの治し方

赤ニキビを治すためには原則的に、皮膚科や美容皮膚科を受診する方法がおすすめです。皮膚科では、問診によってニキビの原因・状態を確認した後、治療方針の説明を受けます。

赤ニキビを治すための一般的な治療法は、塗り薬や飲み薬の処方です。毛穴の詰まりやコメド(ニキビの赤ちゃん)を解消する塗り薬、アクネ菌などを退治する塗り薬や飲み薬などの処方を受けることが多く、説明通りに使用することで、ニキビの改善を目指します。

美容皮膚科は、ケミカルピーリングやフォトフェイシャルといった自費診療メニューを組み合わせ、ニキビ跡の予防・解消を目指すところまで目指せることが特徴です。その代わりに自費診療メニューを受けるための費用がかさみ、まとまった出費を要するケースも存在します。

ニキビ治療の最終的な目的地は、人それぞれ異なるもの。自分自身の目的を担当医師に共有し、しかるべき処置を受けることが大切です。

赤ニキビの正しいケア方法7個

皮膚科や美容皮膚科にかかった方がよいことは理解しても、「通院の時間を確保できない」という人もいることでしょう。そこで、以下では、自分でできる赤ニキビのケア方法を解説します。

1. 低刺激のバームで保護する

まず、低刺激のバームを使用し、ニキビを保護してあげることです。自分の意思で、「なるべくいじらず・刺激しない」を実践しようとしても、つい触れてしまうことがあるもの。紫外線やメイクをするときのブラシ・パフとの摩擦といった、避けられない刺激も存在します。

そこで、活用したいアイテムが低刺激のバームです。赤ニキビのできた部位に薄く塗り、刺激に対する防御膜を作ってください。

バームを選ぶ際のポイントは、炎症を抑える成分を含むことです。「グリチルリチン酸ジカリウム」「グリチルレチン酸ステアリル」などを含むバームは赤ニキビの上から使いやすく、炎症を抑える働きが期待されます。

オーガニックバームでは、ラベンダーやティーツリーなど、抗菌作用や抗炎症作用の期待されるエッセンシャルオイルを含むものは赤ニキビ対策の有効な選択肢です。

なお、市販のバームの中にはこってりとした質感のものも非常に多く見られます。あまりにもこってりとした質感のバームはベタつきをストレスに感じるケースがありますので、赤ニキビ対策には不向き。テスターなどで質感を確かめ、サラサラとしたタイプを選択するとよいでしょう。

2. 帰宅後すぐにクレンジング・洗顔する

ベースメイクなどでおおわれる時間が長いほど、肌にとっては負担です。ベースメイクをしている間に付着した汗やほこりが刺激となって、赤ニキビが悪化するケースもあります。

そこで、取り入れたい習慣が帰宅後すぐにクレンジング・洗顔し、肌を清潔に保つことです。ノンコメドジェニック処方のクレンジングや洗顔料を使用し、きれいに汚れを落としましょう。

赤ニキビを解消するためのクレンジング・洗顔のポイントは、以下3点です。

【1】ゴシゴシこすらず、優しく落とす
クレンジングや洗顔料は強くこすらずに使用できるものを選び、優しい力で洗いましょう。洗顔では、洗顔料の泡立てを十分に行うことも大切です。手を反対にしても落ちない程度の濃密な泡で、顔の汚れを吸着させます。オイルを含むクレンジングを使用する場合は、乳化をきちんと行うことがポイント。少量のぬるま湯をなじませ、乳白色に変化したことを確認してからすすいでください。

【2】熱いお湯ですすがない
すすぎに使うお湯の温度は、体温より低い程度が適切です。32℃から33℃位の温度に調整し、熱いお湯を使うことは避けましょう。反対に冷水では毛穴の中の汚れが落ちにくく、ニキビを悪化させるリスクがあります。お湯の温度の適温を肌感覚で覚え、日々の洗顔やクレンジングに活かしてください。

【3】時間をかけすぎず、手早く洗う
クレンジングや洗顔にかける時間が長過ぎると、敏感に傾いた肌を刺激し、赤ニキビを悪化させるリスクがあります。クレンジングも洗顔も、きちんと汚れを落とすことを意識しつつ、スピーディーに進めましょう。

3. ニキビ用の基礎化粧品で保湿する

クレンジング・洗顔後の肌はバリア機能が低下し、乾燥しやすい状態です。間髪あけずに保湿ケアを行うことで、肌の状態を整えましょう。

保湿ケアに活用する基礎化粧品は、ニキビ肌用に開発された商品を選択します。「ノンコメドジェニックテスト済み」記載の見られる商品はコメドを作りにくく、赤ニキビの気になる人でも活用しやすい種類です。

赤ニキビの治療で皮膚科や美容皮膚科に通う人は、かかりつけの医師に相談し、基礎化粧品の紹介を受けることもよいでしょう。

肌トラブルを得意分野に掲げる医療機関の多くは、ニキビ治療中も安心して使用できるドクターズコスメを扱います。

ドクターズコスメとは、医師や医療機関が開発に関わり、配合成分や期待される作用にこだわった基礎化粧品です。赤ニキビの炎症を鎮めてくれる成分を含む商品も存在するため、医師のアドバイスに従い、保湿ケアに活用しましょう。

4. オイル美容はしばらく休む

赤ニキビにも保湿が必要とはいえ、過剰なケアは禁物です。美容オイルを使用するお手入れはしばらく休み、化粧水や美容液、乳液もしくはクリームといった最小限の基礎化粧品の使用をおすすめします。

赤ニキビの悪化を防ぐためには、油分の多すぎる基礎化粧品の使用は避けることがセオリーです。美容オイルのみではなく、こってりとしたクリームも、赤ニキビの目立つ間は控えてください。

より万全の対策を期すためには、リキッドファンデーションやクッションファンデーションといった油分の多いコスメの使用も避けましょう。パウダータイプのミネラルファンデーションなど、低刺激かつ油分の少ないコスメの使用をおすすめします。

5. スポットケア美容液・クリームを活用する

赤ニキビをなるべく早く治すためには、ニキビ用のスポットケア美容液・クリームを使うことも一案です。

ニキビ用のスポットケア美容・クリームとは、抗炎症成分・殺菌成分を含み、炎症を鎮めたりニキビ跡を予防したりしてくれる基礎化粧品を意味します。基本の保湿のプラスワンアイテムとして、赤ニキビの上にだけスポット的に塗ってください。

より効果的に赤ニキビ対策をしたい人は、医薬品のニキビ治療薬を使うことも一案です。医薬品のニキビ治療薬とはニキビ対策として活用できる商品であることが厚生労働省によって認められたものを指します。

ニキビ治療薬にも色々な種類がありますから、ドラッグストアで相談し、症状に合うものを選択するとよいでしょう。「赤ニキビを治したい」と伝え、目的に応じた治療薬の紹介を受けてください。

6. ニキビ用の化粧下地を活用する

赤ニキビのできた肌は、敏感な状態です。ニキビの炎症を抑える成分配合の化粧下地を塗り、日中のトラブルケアに努めましょう。ニキビ肌用の化粧下地を選ぶ際のポイントは、以下2点です。

【1】ニキビ肌に適した薬用成分を含むこと
グリチルリチン酸ジカリウム・トラネキサム酸など、ニキビの炎症を抑える成分配合の化粧下地を選択しましょう。トラネキサム酸は美白有効成分にもあたりますから、ニキビ跡を防ぐことにも貢献します。

【2】低刺激であること
アルコールやパラベン(防腐剤)、香料といった刺激成分を含む化粧下地は、赤ニキビの炎症を悪化させるリスクがあります。敏感肌やニキビ肌用に開発された化粧下地は低刺激処方のものが多く比較的安心ですが、念のため、成分表示を確認しましょう。

赤ニキビの炎症をきれいにカバーするためには、グリーン系の化粧下地がおすすめです。上記2個のポイントをふまえた上で、赤ニキビをきれいに隠すことのできる化粧下地を選択しましょう。

7. 低刺激の日焼け止めを毎日塗る

紫外線刺激は、赤ニキビの炎症を悪化させるリスクがあります。低刺激の日焼け止めを毎日塗り、赤ニキビの悪化を防ぎましょう。日焼け止めは「強いものほど、望ましい」というものではなく、その日の予定に応じたものを選ぶことが大切です。

◎日焼け止めの強さの目安

SPF15〜30、PA+〜++買い物や通勤、近所の散歩など日常生活に適した強さ。日常生活で使用する分には、この程度の強さが適切です。
SPF30〜50、PA++〜+++屋外でのスポーツやウォーキング、ランニングなど、やや長めの屋外活動に適した強さ。軽く身体を動かす日には、日常的に使用する日焼け止めよりやや強めのものを選択しましょう。
SPF50+、PA++〜++++マリンスポーツやハイキング、リゾート地の観光など、炎天下で長時間活動する日に適した強さ。積極的に屋外活動を行う日に適した強さに該当します。

まとめ

赤ニキビに悩む女性のために、皮膚科や美容皮膚科で受けられる治療メニューやセルフケア方法を解説しました。適切な治療を少しでも早く受けることが、ニキビ跡を残さずにきれいに治すためのコツです。

赤ニキビを眺めているのみでは、問題は解決しません。コンプレックスを解消するための前向きな一歩を踏み出し、トラブルに悩まない理想の美肌を目指してください。