監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

シミとほくろの違いを意識したことはありますか?シミは美白化粧品で薄くすることができますが、ほくろを美白化粧品で薄くするなんて、聞いたことないですよね。

シミとほくろなんて簡単に見分けられそうと思われるかもしれませんが、大きいほくろになるとシミと間違えてしまう可能性もあります。シミとほくろをきちんと見分けることができると、ケアの方法を適切に選ぶことができます。

そこでシミとほくろの違いについて、解説したいと思います。

シミとは?

シミはメラノサイトが生成した過剰なメラニン色素が表皮に蓄積したものです。メラノサイトがメラニンを作るのは、紫外線のダメージから細胞を守るためです。本来は肌にまんべんなくメラニン色素が表皮に放出され、一時的に肌の色を濃くして細胞を守ります。その後ターンオーバーによってメラニン色素を含んだ角質細胞が垢として剥がれ落ち、元の肌色に戻ります。ところが長年紫外線を浴び続けると、一部のメラノサイトが過剰にメラニンを生成するようになり、それが肌に蓄積されシミになります。

シミは紫外線によって生じますが、他にもシミを作る原因が存在します。シミには大きく分けて「肝斑」、「老人性色素斑」、「炎症後色素沈着」、「そばかす」があります。肝斑は女性ホルモンのバランスなどによって生じます。老人性色素斑は長年紫外線を浴びた場所にでき、60代以降になると必発します。炎症性色素沈着は炎症が原因になり、そばかすは先天性のものと言われています。どの種類のシミでも紫外線はシミを濃くしたり増やしたりするので、紫外線対策は必須となります。

ほくろとは?

ほくろは医学的には「母斑細胞母斑」又は「色素性母斑」と呼ばれるものの一種です。ほくろは母斑細胞により作られます。母斑細胞によって生成されたメラニンが皮膚を褐色~黒色に見せます。その黒くなった部位を「母斑細胞母斑」又は「色素性母斑」と言い、大きさや形は様々です。形は丸~楕円のものが多く見られます。また、平らなものや隆起しているほくろもあります。

ほくろの多くは幼児期から見られる後天性のものです。ほくろは大人になっても増えていきます。シミとは異なり常に洋服で隠れている部位にも、ほくろは存在します。

ほくろは医学的には良性の皮膚腫瘍に属します。良性なので放っておいても全く問題ないのですが、急にほくろが増えてきたり、ほくろの周囲がギザギザになってきたりしたときにはメラノーマ(悪性黒色腫)や他の悪性腫瘍の可能性もありますので、皮膚科を受診したほうがよいでしょう。

シミとほくろの違い

シミとほくろはメラニンによって作られることが同じでも、異なるものです。何が違うのかについて、わかりやすく説明します。

シミとほくろはどちらもメラニン色素によって肌が褐色~黒色に見えていることは同じなのに、なぜ区別されているのでしょう。いったい何が違うからでしょうか。

メラニンを作る細胞が違う

シミを作るのがメラノサイト、ほくろを作るのが母斑細胞です。メラノサイトも母斑細胞も、どちらもメラニンを作ることは同じです。母斑細胞はメラノサイトになり損ねた細胞と言うこともできます。どういうことかというと、元の細胞がメラノサイトに分化する過程で遺伝子変異が起こり、メラノサイトになれなかった細胞が何種類か生まれます。その中の一つが母斑細胞なのです。

メラノサイトと母斑細胞の違い

シミを作るメラノサイトは、基底層に単体で均一に分布しています。これに対してほくろを作る母斑細胞は、複数が集まって基底層だけではなく真皮にも存在することがあります。

シミを増やさないための対策5つ

シミが気になる方が多いので、次にシミを増やさないための対策を5つ紹介します。

①紫外線対策

まずはメラノサイトや母斑細胞を活性化する紫外線から、肌を守ることです。外出時だけではなく、屋内にいるときでも油断はできません。窓からでも紫外線は入ってきますので、一年を通して紫外線の対策が必要です。

日焼け止めを塗っていても日焼けしてしまう人は、塗布量や塗り方が適切か確かめましょう。また夏場は特に汗などで日焼け止めが落ちるので、数時間ごとに塗り直しが必要です。SPF値も場面によって使い分けが必要になります。通常の暮らしではSPF20から30ぐらいの日焼け止めで十分ですが、海や山など紫外線の強い場所で日中野外にいる場合にはSPF50ぐらいの日焼け止めが必要になります。SPF値は高ければよいわけではなく、肌への負担も考慮して適切なものを選ぶことが大事です。

②スキンケア

シミを増やさないためには、日頃のスキンケアもしっかり行わなくてはなりません。肌が乾燥していると、バリア機能が低下して紫外線やその他の刺激を受けやすくなりますので、十分に保湿をして肌荒れしないようにケアしましょう。十分に保湿されている肌は、メラニンの排出がスムーズにできるのですが、肌に乾燥や炎症が起きるとターンオーバーが滞り、メラニンの排出が上手くいかなくなります。そうなるとシミが目立つようになります。

気になる人は美白化粧品を使うこともおすすめです。美白化粧品はメラニンの生成を抑える働きをする成分が配合されているので、新たな色素沈着を防ぐために使えます。

③食生活

新たなシミを防ぐためには、メラニン生成を抑制することが効果的です。メラニンは体内のチロシンというアミノ酸がチロシナーゼ(酵素)の働きで酸化されてドーパ、ドーパキノンという物質へ変わり、さらに酸化反応を繰り返してメラニンになります。メラニンの生成を抑えるには、チロシンからメラニンに変わるまでのどこかで酸化反応を阻害すればよいのです。

美白化粧品に配合されている美白成分には、活性酸素の除去やチロシナーゼの活性を抑える働きのものがあります。同様の働きをする成分を食べ物から摂取すればよいのです。例えば抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、ポリフェノール類などです。食品でいうと緑黄色野菜やフルーツはビタミンCを多く含み、ナッツ類はビタミンE、カロテノイドは黄色・オレンジ・赤色の色素成分なので、そのような色の野菜やフルーツに含まれています。コーヒーやお茶はポリフェノール類に含まれています。これらの食品を摂るようにすると、メラニン生成をいくらか防ぐことが可能です。

④睡眠

シミを増やさないためには、十分な睡眠を取ることも必要です。睡眠時には脳から指令を受けて、下垂体から成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは子どもの成長に関わるだけではなく、成人してからも非常に大事な役割を持っているのです。人は寝ている間に細胞の修復を行いますが、成長ホルモンはその細胞修復に必要なエネルギーを作り出す働き(代謝)があるのです。睡眠が不足していると、成長ホルモンの分泌が減るために細胞の修復が上手くいかなくなります。

肌では何が起こるかというと、新陳代謝が滞るためにメラニンの排出がスムーズにできなくなります。

美肌を保つために、睡眠はおろそかにできません。自然に眠れるためには朝日を浴びて日中にセロトニンというホルモンを分泌させておくことが必要です。眠気を誘うホルモンであるメラトニンは、セロトニンから作られるからです。

⑤適度な運動

シミを増やさないためには、運動も大事です。適度な運動は血行を良くし、新陳代謝を高めてくれます。血行が良くなることで、肌が必要とする栄養素もきちんと届けられるので、健康的できれいな肌を保つことができます。さらに適度な運動は、睡眠の質も高めてくれます。運動不足は美容の大敵ですので、ウォーキングなどを日常生活に上手く取り入れるようにしましょう。

シミとほくろを見分けて効果的なケアをしよう

シミとほくろの違いは理解できましたか?シミを薄くしたり除去したりする方法はいくつかありますが、ほくろを消すには皮膚科へ行くしかありません。ケアの仕方が違うので、シミとほくろを自分で見分けることができると無駄なことをせずに済みます。

できてしまうと厄介なことはシミもほくろもあまり変わりませんよね。シミについて気になる人は、シミを増やさないための対策を紹介していますので、参考にしてください。