監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

長時間のマスクの着用でニキビや湿疹、かぶれなどの肌荒れに悩む人が増えています。口周りを中心にブツブツや赤みがでて、痛みやかゆみといったつらい症状が出ることもあるでしょう。

ではなぜ肌荒れが起きるのか、早く治すには何をしたらよいのでしょうか?

今回はマスクによる肌荒れの原因と対策、正しいマスクの着け方を詳しく解説します。つらい状態から抜け出して、健康的な肌を手に入れましょう。

マスクの肌荒れでニキビやかゆみが…

新型コロナウイルスの流行から、マスクの着用は習慣化しました。マスクをすることにより、ニキビやかゆみなどの肌荒れに悩んでいませんか?

主に、20代と30代の女性がマスクによる肌の不調を感じています。痛みやかゆみでつらいとお悩みの人が多いのではないでしょうか。

これはいわゆる「マスク荒れ」と呼ばれるものです。口周りや顎、鼻周辺にブツブツや赤み、かぶれなどが現れます。

マスク生活はこれから先も続くでしょうから、すぐにでも肌荒れ対策を行いたいところ。ニキビやかゆみが起こる原因を知り、肌の状態に合った対処法を実践していきましょう。つらい肌荒れから抜け出して、美しい肌をゲットしてください。

マスクで肌荒れする原因4個

では、なぜマスクを着けることで肌荒れしやすくなるのでしょうか?ここからはマスクによる肌荒れの原因を解説します。

蒸れ

肌荒れする原因となるのが、マスク内の湿度の高さです。一般的に適した湿度は50%~60%だといわれています。

マスクを着けていると、湿気により肌がふやけた状態になります。この状態のままマスクを外すと、急激な温度と湿度の変化によって影響を受けやすくなります。肌を守るバリア機能が低下して、乾燥しやすい状態になるのです。

とくに夏場のマスクの着用は、高温で汗や皮脂の量も増えるため、肌荒れの原因になることもあります。肌の温度が上がると同時に皮膚の分泌量も増えるので、マスク内は肌のトラブルを起こしやすい環境といえるでしょう。

細菌の繁殖

マスク内の湿度は高いうえに、呼吸により蒸れて細菌が繁殖しやすい状態です。細菌が最も好む「高温と多湿」の環境下にあります。

1日中マスクを着けていると、肌荒れやニキビが悪化することもあります。とくに同じマスクを何日も着けている人は要注意です。

また、マスクを覆っていた顔の部位にも細菌がついています。知らず知らずのうちに、顔を触って色々な部位に広げていることが原因となることもあるのです。

摩擦

マスクを外すときやサイズが適切でない場合、擦れて肌荒れの原因になります。顔が蒸れるからと、何度も取り外したり上下に動かしたりしていませんか?

とくにバリア機能が低下した肌は、ちょっとした刺激に敏感です。マスクの着用によりニキビができる人は、摩擦によって炎症をさらに悪化させることもあります。

肌とマスクが擦れることによって、少なからず肌はダメージを受けているのです。マスクのつけ外しによる摩擦が原因になっているかもしれません。

急な湿度と温度の変化

マスクの着脱時に外気の影響を受けると、肌は急激な変化により乾燥や肌荒れを生じます。

高温と多湿でふやけた状態から急に湿度と温度が低下すると、肌のバリア機能と保湿機能が低下してしまうのです。このような色々な原因が重なることで、かゆみや乾燥などの肌荒れにつながります。

マスクの肌荒れ対策方法10個

ではマスクによる肌荒れはどんな対策をすれば良いのでしょうか?次は、肌荒れの対処法について詳しく解説していきます。

1. メイクは肌に負担をかけず優しく落とす

ニキビの原因となる毛穴の詰まりを防ぐためには、クレンジングでメイクをしっかり落とすこと。こすらずメイクを浮かせるクレンジング剤を選びましょう。とろみのあるクレンジング剤は、肌への摩擦を抑えてくれます。

クレンジングの重要なポイントは、肌に負担をかけず落とすことです。肌荒れを悪化させないために、メイクと相性のよいクレンジング剤を使用してください。肌への負担を考えるなら、なるべく短時間でメイクをオフしましょう。

また、クレンジングの成分が肌に残ると、かぶれを引き起こす可能性もあります。健康な肌の人でも化粧品の使い方を間違えると、肌荒れの症状が現れることもあります。洗い残しのないように、すすぎはしっかり行いましょう。

2. たっぷりの泡を作って包み込むように洗顔する

洗顔は朝と晩の2回を目安に、たっぷりの泡で優しく洗いましょう。過度な洗顔はバリア機能の低下や乾燥を招くため、必要以上に行わないようにしてください。脂性肌の人でも1日に3回で十分です。

洗顔料は肌に刺激の少ない低刺激性のものを使用します。ニキビができやすい人は予防のため、ニキビ用洗顔料を活用してください。

洗顔方法

泡立てネットで十分な泡を作り、こすらず優しく洗うことが肌荒れ対策のポイントです。クッション性のある泡で顔を包み込むように洗いましょう。

皮脂の多い部位から広げて、乾燥している部位はサッとつけて洗い流すだけでOKです。最後はぬるま湯ですすいで、洗い残しのないよう気をつけてください。

冷たい水ではしっかり皮脂を落とせず、熱めのお湯は皮脂を落としすぎて乾燥を招きます。
洗顔の際は必ずぬるま湯(32-34℃)で行いましょう。

3. ワセリンや保湿クリームで乾燥を防ぐ

乾燥しやすい部位は、ワセリンや保湿クリームを塗ってからマスクを着けましょう。乾燥した肌は外部からの影響を受けやすくなります。肌荒れを予防するためには、外部の刺激や摩擦から肌を守ることが大切です。

大人ニキビの場合、乾燥肌でもニキビができることがあります。とくに、乾燥しやすい目元や口周りは念入りな保湿を心掛けましょう。

ワセリンを塗るとニキビができやすくなる場合は、ノンコメドジェニック処方の保湿クリームを使用してください。

4. 症状に合った化粧品を使用する

赤みやニキビなどがある場合には、炎症や菌を抑えるタイプの化粧品を使用しましょう。かゆみやザラつきといった肌荒れ全般に作用する化粧品もあります。

バリア機能が低下した肌には、セラミドなどの肌を整える成分を配合したものを使うと良いでしょう。化粧品が肌に合わないと感じたら、すぐに使用を中止することも大切です。

腫れや痛み、ブツブツなどの症状がでたら、迷わず医療機関を受診しましょう。

5. 刺激の少ない化粧品を使用する

肌のバリア機能が低下すると、普段は何ともないことで刺激を感じやすくなります。いつも使っている化粧品が急に合わなくなったり、ちょっとした摩擦や刺激で肌がヒリヒリしたりすることもあるでしょう。

このように肌が敏感になっているときは、低刺激性の化粧品でスキンケアを行いましょう。バラペンやアルコールなどで刺激を感じる人は、無添加の敏感肌用化粧品を使用してください。

6. 油分の多い化粧品は避ける

ニキビができやすい人は、アクネ菌のエサとなる油分の多い化粧品を避けてください。油分は水分の蒸発を防いで肌にうるおいを与えますが、ニキビができやすい人には不向きです。

主に乳液やクリームなどに油分が多く配合されています。肌の乾燥が気になるときは、油分の少ない「ノンコメドジェニック化粧品」と表示のあるもので保湿しましょう。ニキビができにくい処方で予防にも有効です。

また、毛穴をふさぎやすい密着型のファンデーションは控えて、パウダーファンデーションなどの付け心地の軽い化粧品を使用してください。コンシーラーやファンデーションの厚塗りは、毛穴が詰まりやすくなるため控えましょう。

7. 肌に優しいマスクを選ぶ

通気性がよいことから、不織布マスクを使っている人も多いのではないでしょうか。不織布は通気性に優れていますが、素材が硬いため擦れると刺激を感じることもあります。

肌への負担を考えるなら、柔らかいガーゼマスクがおすすめです。肌触りがよく通気性のよいものを選び、こまめに交換や洗濯をして清潔を保ちましょう。

8. バランスのよい食事ですこやかな肌を作る

肌荒れに悩まされない肌を維持するには、食生活を整えることが大切です。食事はビタミンを始め、ミネラルやタンパク質をバランスよく摂ります。

油分の多い食事やアルコール類は、皮脂の過剰分泌を促すため控えたほうが良いでしょう。普段の食事だけで補えない場合は、サプリメントを活用してください。

肌荒れにおすすめの栄養成分

以下では乾燥や肌荒れをしたときに、積極的に摂りたい成分と食べ物をまとめました。

成分食べ物
ビタミンAレバー・ほうれん草・にんじんなど
ビタミンB6赤みの魚・ヒレ肉・バナナ・玄米など
ビタミンCレモン・赤パプリカ・じゃがいもなど
ビタミンEほうれん草・ブロッコリー・植物油など
タンパク質卵・牛乳・肉・魚など

脂質を気にしてタンパク質を避ける人もいますが、美しい肌の土台を作るには大切な成分です。また美肌によいからと、ビタミンだけ摂っていても単体ではうまく作用しません。

好きだからと毎日同じものばかり食べると栄養が偏ってしまいます。タンパク質やビタミン類を始め、色々な食材をバランスよく摂り入れることが大切です。

9. 質の良い睡眠でホルモンバランスを整える

睡眠不足によりホルモンバランスが乱れると、皮脂が過剰に分泌されます。毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビなどの肌トラブルを起こしやすい状態を作ってしまうのです。

リラックスできる環境を作り、十分な睡眠をとって体と心の疲れをとりましょう。就寝前のカフェインは控えて、暖かいカモミールやハーブティーなどの眠りを促す飲み物が最適です。照明は真っ暗にして、テレビやパソコン、スマホも控えて脳を休ませてあげてください。

10. 肌荒れが長引くときは皮膚科へ

ブツブツやかゆみなどの肌荒れが続くときは、皮膚科の受診をおすすめします。ニキビの炎症が長引くとニキビ跡として残ることもあります。一般的な治療では消えにくいので、跡を残さないためにも早めに相談しましょう。

また、対策をしても肌荒れを繰り返す場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあるため、自己判断はせず医療機関を受診してください。

肌荒れ防止!正しいマスクの着け方4個

最後は肌荒れを繰り返さないために、正しいマスクの着け方をチェックしておきましょう。
肌荒れの原因につながる環境を作らないことが大切です。

1. 適度に換気をして通気性をよくする

周囲に人がいないときにマスクを外すなど、適度に換気をしましょう。マスクの折り目が閉じたままだと蒸れやすくなるので、必ず広げてから着用してください。

2. こまめに洗濯や交換をして清潔を保つ

マスクはこまめに洗濯や取り替えをして、肌荒れの原因となる菌や汚れを取り除きましょう。同じマスクを何度も付け外しをしている人は多いようです。しかし、細菌が繁殖したマスクを何度も使用するのはおすすめできません。

替えのマスクを用意できないときは、使い終わったものを洗って干して、乾いてから使うようにしましょう。

3. ゆったりとした形状のマスクで摩擦を減らす

摩擦による肌荒れを防ぐためには、上部のワイヤーがないものや、ゆったりとしたサイズを選びましょう。マスクを外したときに、顔に跡が残らない程度のサイズが最適です。

きつめのマスクを着けていると、動作により摩擦が起こりやすくなります。耳にかけるゴムも、ゆとりのある柔らかい素材のものを選びましょう。

マスクのサイズが大きすぎると感染症を防げませんし、小さすぎても擦れの原因になります。マスクと肌の間に隙間があるときは、間にガーゼやコットンを入れて調整すると良いでしょう。なるべくマスクを動かさないようにして、摩擦が起きないように意識してください。

4. 上下にずらさず耳から外す

着脱時の摩擦を防ぐには、マスクを耳から外すと良いでしょう。上下にずらすことは摩擦だけでなく、マスクに付着している菌を口周りに広げてしまいます。感染症を防ぐためにも「耳から外す」習慣をつけましょう。

まとめ

マスクによる肌荒れの原因と対策を解説してきました。新型コロナウイルスの流行によって、マスクの着用や生活環境の変化で肌もストレスを感じやすくなっています。

敏感肌を正常な肌に導くためには、スキンケアはもちろん、睡眠の質や生活のリズム、食事のバランスを整えることも大切です。

保湿はしっかりと、摩擦が起きないように丁寧にケアしてあげてください。正しいマスクの使い方を参考に、健康的でゆらぎにくい肌を育てましょう。