監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

きちんと保湿を行っても顔の乾燥が改善されない…ヒリヒリとした刺激や皮むけ、赤みも気になる…。

このような状態のままでは日々のメイクを行うことすらストレスで、心からおしゃれを楽しめません。ひどい顔の乾燥や皮むけが起こる原因と対策を知り、症状の改善に努めましょう。

顔が乾燥して赤み・かゆみが出てきた…

顔が乾燥して赤み・かゆみが出てきた…

顔の乾燥は、女性の多くが抱える深刻な肌の悩みといえます。以下のようなトラブルに悩み、改善策を探す人も多いのではないでしょうか。

・つっぱりや粉ふき、ひび割れがひどく目立つ。
・年間を通してかさつきが気になり、皮むけすることも多い。
・顔の表面がムズムズかゆく、落ち着かない。
・年齢を重ねるごとに乾燥が悪化し、赤みやかゆみが気になり始めた。
・ウールの洋服を着用すると、チクチクとした違和感をひどく感じる。

皮むけや赤み、かゆみといった症状が生じるまで進行した肌の乾燥を即座に治すことは困難です。新しい化粧水や美容液、保湿クリームの使用を行うことも怖く、皮膚科の受診を要するほどに悪化するケースもあります。

顔が乾燥して皮むけする原因4個

顔が乾燥して皮むけする原因4個

ひどい顔の乾燥は、バリア機能の低下によって生じます。バリア機能の低下を招く根本的な原因は、次のような内容です。

1. 加齢の影響

まずは、加齢の影響です。多少の個人差はあるものの、どのような人も加齢によって皮脂や細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)といったバリア機能の構成要素が減少します。

長い年月をかけて蓄積された紫外線ダメージも、バリア機能の低下を招く一因です。バリア機能の低下した肌は紫外線ダメージに対する抵抗力が衰えますので、若い頃には問題なかった量の日差しも負担に感じ、赤みやかゆみ、皮むけといった拒否反応を生じてしまうケースがあります。

2. 誤ったスキンケア

過剰な洗顔や肌に対する負担の大きいクレンジング、頻繁な角質ケアなどがバリア機能の低下を招くこともあります。洗浄力の強すぎる洗顔料やクレンジングの使用を行うこともまた、バリア機能の低下につながる原因です。

弱った肌に対して普段と同じ洗顔料やクレンジングを使用すると、洗浄力が強すぎて、トラブルを悪化させるリスクがあります。

3. 誤った保湿ケア

5年や10年といった長期スパンで同じ基礎化粧品の使用を行う人は、保湿ケアの誤りによるバリア機能の低下が疑われます。

化粧水や美容液、クリームといった基礎化粧品は、年齢による肌の変化に応じた見直しを行うことが理想です。

現在の肌の求める成分・基礎化粧品によって補充を行う成分のミスマッチが生じると、バリア機能の低下が悪化するケースがあります。

4. 生活習慣の問題

最後に、慢性的な睡眠不足や過剰なストレス、栄養バランスの悪い食事といった生活習慣の問題です。睡眠不足や過剰なストレスはターンオーバー周期の乱れを招き、バリア機能の低下につながるリスクがあります。

ビタミンやミネラル、タンパク質といった肌にとっては欠かせない栄養素の供給量が不足すると、バリア機能を正常に維持することが困難です。

生活習慣の問題は複数の要素が重なり合ってトラブルを引き起こすケースも多く、自分自身の日常生活の全般を振り返り、総合的な対策を検討しましょう。

乾燥して皮むけしたときの改善対策5個[スキンケア]

乾燥して皮むけしたときの改善対策5個[スキンケア]

乾燥による皮むけの改善には、過剰なスキンケアを卒業し、肌の状態に合うお手入れを行うことが大切です。具体的には、以下のようなポイントを意識し、スキンケアの見直しを図りましょう。

1. 洗いすぎない洗顔を行う

まず、洗顔方法の見直しです。1日2回を超える洗顔やゴシゴシこする洗顔を行うことは、皮むけの悪化リスクを伴います。敏感肌用の洗顔料を使用して、洗いすぎない洗顔を行いましょう。

◎洗いすぎない洗顔の手順

【1】洗顔料を十分に泡立てる。
【2】皮脂分泌の多い部位からデリケートな部位の順番で洗う。
【3】体温より低い温度のぬるま湯で十分にすすぐ。
【4】天然素材のタオルで水分を吸収する。

すすぎに使うお湯の温度が高すぎたり洗顔料の泡立てが不十分だったりすると、バリア機能の更なる低下を招きます。体温より低い温度を1つの目安と考えて、適温に調整しましょう。

2. 低刺激のクレンジングでメイクを落とす

クレンジングを行う際の刺激も、肌にとっての負担です。敏感肌用のクレンジングを正しく使い、優しくメイクを落としましょう。敏感肌用のクレンジングは肌に対する優しさを考慮して作られたものが多く、比較的安心です。

クレンジングの種類でいうと、クリームタイプやミルクタイプはバリア機能の低下した肌にも使いやすく、弱った肌をいたわりながらメイク落としを行えます。オイルタイプやクレンジングバームといったメイクを落とす力の強いものは、日常使いに不向きです。

乾燥による皮むけが気になる時には濃いメイクを行うことを避け、オイルタイプやクレンジングバームの使用を行わなくても、落とせる程度に調整を行うことをおすすめします。

3. 十分な保湿ケアを行う

バリア機能の低下した肌は、水分・油分ともに不足し、自ら潤うことも潤いを維持することも困難です。洗顔後は速やかに保湿ケアを行い、適度な水分・油分の補充を行いましょう。

顔の皮むけが気になる時の保湿ケアのポイントは、以下2点です。

【1】低刺激の基礎化粧品を活用する
乾燥による皮むけがとくにひどい時は、日常的に使用する化粧水や乳液すら刺激に感じるリスクがあります。アルコールや香料、着色料といった刺激成分を含む基礎化粧品の使用は控え、肌質に合うものを活用しましょう。

【2】適量を手でなじませる
化粧水や乳液、クリームの使用量が少ないと、適切な保湿を行うことが困難です。メーカー指定の使用量の確認を行い、適量を使用しましょう。

バリア機能の低下した肌はコットンを刺激に感じるケースがありますから、手のひらで顔を包み込むように浸透させる方法がおすすめです。メーカー指定の使用量を使用しても乾燥を感じる場合は、部分的な重ね付けを行って下さい。

4. 敏感肌用の美容液でバリア機能の強化を図る

美容液の役割は、肌にとって必要な美容成分の補充し、「攻めのお手入れ」を行うことです。セラミドやアミノ酸、スクワランといったバリア機能の補完を行う成分を含む美容液を活用し、弱った肌を底上げしましょう。

バリア機能の補完を行う成分に加えてヒアルロン酸など保水力の高い成分を含む美容液は、肌に対する水分補給を行いつつ、刺激に対する抵抗力の回復を図ることが可能です。サンプルやトライアルセットなどで使用感の確認を行い、自分自身の肌と相性の良い美容液を探して下さい。

5. ヘパリン類似物質配合の保湿剤を活用する

ヘパリン類似物質とは、皮膚科の乾燥肌やアトピー治療で採用されることの多い成分です。高い保湿作用と抗炎症作用、血行促進作用を持ち、乾燥による皮むけや粉ふきの根本的な解決を後押しします。

ヘパリン類似物質配合の保湿剤には医薬品・医薬部外品・化粧品の3種類がありますので、目的に応じたものを選択しましょう。

医薬品ヘパリン類似物質を0.3%含み、乾燥肌治療に活用される保湿剤。皮膚科を受診して処方を受ける方法の他、ドラッグストアで市販品を購入し、乾燥肌の治療を進めることが可能です。
医薬部外品医薬品よりもヘパリン類似物質の配合量が少なく、マイルドな作用に留めた種類の保湿剤。医薬品・化粧品の中間に位置し、美容目的もしくは肌の健康維持のために使用します。
化粧品主に美容目的で活用する種類の保湿剤。ドラッグストアや雑貨店などでも購入できます。

ヘパリン類似物質は副作用のリスクが低く、赤ちゃんにも使用できるほど安全性の高い成分といわれます。しかし、全ての人の肌に合う保証はありませんので、刺激や赤み、発疹などが見られる場合は、医療機関に相談しましょう。

乾燥して皮むけしたときの改善対策5個[生活習慣]

乾燥して皮むけしたときの改善対策5個[生活習慣]

乾燥による皮むけの改善を図るためには、生活習慣の見直しも必要です。以下のようなポイントに注意し、トラブルを起こしにくい健やかな状態を目指しましょう。

1. 室内の湿度を一定に保つ

乾燥した室内で長時間過ごす行為は、肌の水分の蒸発を招き、乾燥肌の進行につながるリスクがあります。空気の乾燥する冬場はもちろん、エアコンが欠かせない夏場の室内環境にも気を配り、一定の湿度を維持しましょう。

肌にとって望ましい湿度の目安は、50%から60%程度です。室内の湿度が50%を切ると水分の蒸発が急激に進み、乾燥肌の悪化を招くリスクがあります。

室内の湿度を一定に維持するためには、以下のような対策を検討しましょう。

・加湿器を使用する。
・濡れタオルを室内に干す。
・床や窓の水拭きを行う。

加湿器を使用する場合の注意点は、過加湿を防ぐことです。室内の湿度が高すぎると、ダニやカビの繁殖を招き、アレルギー反応を引き起こすリスクがあります。室内の乾燥・過加湿の両方に気を配り、適切な水準を維持しましょう。

2. 化学繊維やウールの衣服を避ける

化学繊維やウールといった刺激を感じる衣服は、皮むけを悪化させるリスクがあります。綿や絹といった天然繊維の衣服を選び、弱った肌をいたわりましょう。

冬場になると首元や顎の乾燥を顕著に感じる人の場合、発熱素材のインナーによる肌トラブルが疑われます。インナーの保温機能や静電気防止機能が肌の水分を奪い取り、乾燥肌の進行を招く恐れがあるためです。

大まかな判断基準として、「チクチクとした刺激を感じる素材は控える」といったマイルールの設定を行い、身につける衣服の選択を行うこともよいでしょう。着用中に違和感を持つ衣服を無理に身につけることは避け、肌にとって心地よいアイテム選びを行って下さい。

3. 顔の汗をこまめに拭き取る

顔の汗には、塩分やアンモニアなど多くの刺激成分が含まれます。バリア機能の低下した肌が刺激成分に対して過敏な反応を示すことは、顔のかゆみや赤みといったトラブルの悪化を招く原因の1つ。

顔の汗はこまめに拭き取り、肌表面を清潔に保ちましょう。汗をかきやすい体質の人はハンカチを数枚持ち歩き、できる限り清潔なものを使うことも大切です。

汗を拭く際のメイク崩れが気になる人は、タオルハンカチを顔に軽く押し当て、汗を吸わせる対処法がおすすめです。天然素材で作られたタオルハンカチは肌触りが優しく、乾燥肌に負担をなるべくかけないように、汗のケアを行えます。

顔のほてりを感じる時には濡れタオルを使用し、適度に冷やす方法もおすすめです。濡れタオルによって肌の中にこもった熱と表面の汗を取り除くと、顔のかゆみやほてり、赤みが随分楽になりますよ。

4. 十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足に起因するストレスは、肌の温度の低下を招き、バリア機能の回復を阻害するケースがあります。冷えによって血行が悪くなるとターンオーバーが正常に進まず、バリア機能の強化を妨げることも多いためです。

また、睡眠不足によるストレスは、集中力の低下や身体のだるさを引き起こすリスクがあります。睡眠不足以外のストレスに対する抵抗力を弱めてしまうことも多く、仕事や人間関係で感じるイライラを増大させ、心身の不調を招く一因です。

「40代や50代の女性は睡眠時間が短く、不眠傾向が見られる」といった調査データも存在します。皮むけや赤み、かゆみの気になる時こそ十分な睡眠時間の確保を行い、ストレスによる肌トラブルを防ぐことが大切です。

5. 1日3食をバランスよく食べる

毎日決まった時間に朝食や昼食、夕食をとり、バランスのよい食生活を送ることは、健やかな肌を育てるための不可欠要素に該当します。タンパク質やビタミン、亜鉛などバリア機能の回復を助ける栄養素を含むメニューを検討し、トラブルの解消を目指しましょう。

タンパク質肌やコラーゲンの原料として活用される栄養素。肉や魚、大豆食品などから摂取できます。
ビタミンA(β-カロテン)皮膚や粘膜を健やかに維持するために必要な栄養素。レバーやアーモンド、かぼちゃ、ほうれん草などから摂取できます。
ビタミンB2・B6・B12皮脂量のコントロールやターンオーバーの促進に関わる栄養素。レバーや卵、まぐろ、アーモンドなどから摂取できます。
ビタミンCコラーゲンの生成を促進したり酸化ストレスから肌を守ったりする栄養素。ゴーヤやブロッコリー、アセロラ、柑橘類などから摂取できます。
亜鉛肌の代謝に関係し、健やかな状態を維持するために必要な栄養素。牡蠣や煮干し、チーズなどから摂取できます。

毎回の食事で栄養バランスのよいメニューを食べることは大変ですから、「昼食で不足する栄養素を夕食で補う」といったように、三食の中で調整を行うことがおすすめです。

自炊する時間の確保が難しい場合は外食やテイクアウトを活用しても構いませんので、ライフスタイルに合う形で、食生活の改善に努めて下さい。


まとめ

乾燥による顔の皮むけ、赤みやかゆみの気になる人のため、トラブルの原因とスキンケアや生活習慣見直しによる改善対策を紹介しました。

「何となく、顔がかゆい」「ヒリヒリとした刺激を感じる」といったわずかな違和感を放置することなく、正しい対処を行うことが、トラブルの悪化を防ぐコツです。

皮むけ・赤み・かゆみといったトラブルの根本的な原因をふまえ、適切な対処を検討しましょう。