監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

洗顔を終えた後に鏡を見ると、ポツポツ目立つ白い角栓。ピンセットや毛抜きで取り去るケアがやめられず、悩む人は多くいます。自己流の対処を続けるうちに状態が悪化し、「取っては再発」の繰り返しにため息をつく人もいるのではないでしょうか。

この記事では、鼻の角栓の根本的な解決を目指すための正しいケア方法、角栓の悪化を招くNGケア方法を紹介します。誤ったセルフケアを卒業し、肌質改善を目指すためのヒントとして、有効にご活用下さい。

角栓はピンセットで取っていい?

角栓をピンセットで取るお手入れは、毛穴の周囲の肌を傷つけ、炎症や大人ニキビを招いてしまうリスクがあります。

ピンセットに付着した細菌が肌の中に入り込み、化膿したり赤く腫れたりすると、皮膚科で治療が必要です。角栓を取りたい一心で行った行為によって、医療機関に相談しなければならない事態に陥ることは、残念な結果ですよね。

そこまで重症にならなくても、肌にとって必要な角質や皮脂が減少することで、水分・油分のバランスが崩れてしまうことがあります。水分・油分のバランスの崩れた肌は自分自身を守るための反応として、過剰な皮脂を分泌します。過剰に分泌された皮脂は角栓を悪化させ、悪循環に陥ることが多くあります。

角栓の根本的な解決を目指すためには、無理に取り去るお手入れではなく、正しいケアを行うことが大切です。無理な自己処理で状態を悪化させることのないように、自分自身の行動を見つめ直し、誤ったセルフケアは卒業しましょう。

角栓ができる原因5個

角栓とは、古い角質と顔の汚れ、産毛などが雪だるま式に巨大化し、毛穴に詰まったものを指します。以下5個の原因から自分自身のトラブルの引き金を特定し、お手入れの基本方針を決定しましょう。

1. ターンオーバー周期の乱れ

紫外線や摩擦刺激の影響でターンオーバー周期が短くなると、古くなった角質が通常以上に早く剥離し、毛穴の中に滞留します。毛穴の中に滞留する角質に汚れが付着し、大きな塊に成長したものが角栓です。

ターンオーバー周期の乱れた肌は、メラニンの排出を行う力も弱いので、鼻の黒ずみを併発することもあります。

さらに、加齢などの影響からターンオーバー周期が長くなることもまた、角栓を悪化させる原因の1つ。「短すぎず・長すぎず」という適度な周期に整えることを目指し、スキンケア対策を行うことが大切です。

2. 肌の乾燥

次に、肌の乾燥です。ピンセットで取るお手入れに関する説明部分で触れたように、水分・油分の不足した肌は過剰な皮脂を分泌させて、角栓の悪化を招いてしまうリスクがあります。

水分・油分の不足した肌は開き毛穴やたるみ毛穴を併発しやすく、古い角質や顔の汚れを溜め込みやすい状態に傾くこともまた、角栓を悪化させる原因です。

角栓が目立つ時ほど丁寧な保湿を行い、水分・油分のバランスを整えるお手入れに注力しましょう。

3. 洗顔やクレンジング不足

クレンジングはメイクや皮脂といった油性の汚れを主に落とすスキンケア・洗顔は古い角質やほこり、汗といった水性の汚れを主に落とすスキンケアです。

ダブル洗顔不要など特別なスキンケア商品を使用する場合を除き、「洗顔のみ」「クレンジングのみ」といったお手入れは、顔の汚れの蓄積を招き、鼻の角栓を悪化させる原因です。

鼻の周囲は凹凸の目立つ部位ですから、ただでさえ顔の汚れを溜め込みやすく、角栓の発生しやすい部位の1つ。誤った洗顔やクレンジングの影響が顕著に生じ、角栓を繰り返してしまうことがあります。

4. 過剰な洗顔やクレンジング

ゴシゴシこする洗顔や刺激の強いクレンジングの使用といった「洗い過ぎ」も、角栓を悪化させるリスクがあります。

酵素洗顔料やスクラブ洗顔料といった集中ケア用の商品を頻繁に使用するお手入れや1日に何度も洗顔することも角栓を招いてしまう原因の1つ。集中ケア用の商品はメーカー指定の使用頻度を守り、正しく活用して下さい。

5. ホルモンバランスの乱れ

最後に、ホルモンバランスの乱れです。皮脂腺の活動を促進させるホルモンは、男性ホルモンと女性ホルモンの黄体ホルモン。

過剰なダイエットや不規則な生活リズム、慢性的なストレスなどの影響から男性ホルモン優位の状態に傾くと、過剰な皮脂が分泌され、角栓を招いてしまうことがあります。

生理周期の影響で黄体ホルモンの分泌が高まる時もまた、皮脂腺の活動が促進され、角栓ができやすいタイミング。「生理前はとくに角栓が目立つ」という人は、生理周期に合わせたスキンケアを実践し、肌トラブルを予防しましょう。

鼻の角栓のケア方法6個

さて、ここからが本題です。鼻の角栓を取り除き、できにくくするためのケア方法6個を紹介します。

1. 帰宅後すぐのクレンジングでメイク汚れをきれいに落とす

ファンデーションや化粧下地で毛穴を塞ぐ時間が長いほど、肌にとっては負担です。帰宅後すぐにクレンジングを行い、きれいに汚れを落としましょう。

角栓対策におすすめのクレンジングの種類は、オイルクレンジングもしくはクレンジングクリーム。いずれの種類もメイクを落とす力が強く、顔の汚れの蓄積を予防できます。

「オイルクレンジングやクレンジングクリームはベタつきやすい」と苦手意識を持つ人は、メイク落としのやり方を見直しましょう。具体的には、メイク汚れとなじませた後の乳化をきちんと行うことで、クレンジング後のベタつきを軽減できます。乳化とは、水と油が混ざり合う状態を作り、すすぎをスムーズに行うための作業です。

すすぎを行う前に少量の水をつけ、白く濁ったことを確認できたら、乳化がきちんとできたサイン。このサインを確認してからすすぎの工程に移ると、メイク汚れやクレンジングが肌に残らず、きれいに流すことができます。

2. 日々の洗顔で角栓を絡めとる

日々の洗顔を丁寧に実践することだけでも、角栓を解消できるケースがあります。洗顔料をよく泡立てて手の平いっぱいの泡を作り、Tゾーンから順番に洗顔しましょう。

Tゾーンを洗顔する時のポイントは、指の腹を軽くあて、細かいらせんを描きながら洗うことです。小鼻など凹凸のある部分にもしっかり泡を届かせて、汚れ残りのないように洗顔しましょう。

額や頬といった凹凸の少ない部分は、手のひらで泡を転がす程度の洗い方でも、きちんと汚れを落とせます。しっかり洗う部分・軽く洗う部分のメリハリを意識して洗うことがバリア機能の低下を防ぎ、ターンオーバー周期の更なる乱れを阻止するためのコツです。

すすぎには、体温よりやや低い温度のぬるま湯を使用します。熱すぎるお湯を使用することは、肌にとって必要な皮脂まで落とし、角栓の再発を招いてしまう原因の1つ。肌にとって必要な皮脂は残しつつ、きれいに汚れを落とすためには、32〜35℃程度のお湯を使用しましょう。

3. 週1回の酵素洗顔で角栓を取り除く

できてしまった角栓は放置せず、酵素洗顔料で取り除きます。酵素洗顔料にはタンパク質や皮脂を分解する酵素が含まれますので、毛穴の壁にこびりついた角栓も取り除くことができます。

◎酵素洗顔料の使い方

【1】1回分の酵素洗顔料を手のひらに出し、十分に泡立てる。
【2】角栓の目立つ部位から順番に泡を乗せ、優しい力で洗顔する。
【3】ぬるま湯でよくすすぎ、すすぎ残しのないことを確認する。

肌の乾燥が気になる人は、鼻の周りなど角栓の気になる部位に限定し、お手入れを行うことも可能です。もしくは、保湿成分の配合された酵素洗顔料を活用し、乾燥肌の進行を阻止しましょう。

4. 角質ケア美容液で角栓のできにくい肌を作る

角栓のできにくい肌を作るためには、角質ケア美容液によるお手入れを検討しましょう。角質ケア美容液とは、フルーツ酸やグリコール酸といった角質ケア成分の力でターンオーバーを促進させる美容液のこと。ターンオーバー周期を正常化し、角栓の発生リスクを下げることに貢献します。

◎角質ケア美容液の使い方

【1】普段通りのクレンジングと洗顔を行う。
【2】適量の角質ケア美容液を手のひらに出し、顔の中心から外側方向へとなじませる。
【3】鼻の周りなど角栓の気になる部位に重ね付けを行う。
【4】化粧水や乳液などで普段通りの保湿を行う。

角質ケア美容液は、保湿用の化粧水や乳液、クリームなどを付ける前に使うことが一般的です。商品規定の使用量を守り、顔全体になじませましょう。

なお、この使い方はあくまでも、一般的な角質ケア美容液によるお手入れを行う際の手順です。商品によってはつけるタイミングが異なるケースもありますので、説明書の記載を確認し、正しい方法でお手入れしましょう。

5. 化粧水で保湿する

過剰な皮脂を抑制し、水分・油分のバランスを整えるためには、十分な保湿ケアが不可欠です。洗顔後は速やかに化粧水をなじませて、失われた水分を補いましょう。

保湿に使用する化粧水は、セラミドやアミノ酸といったバリア機能を強化する成分・ライスパワーNo.11などセラミドの産出量を増加させる成分を含むものがおすすめです。

商品規定の量を手のひらに出し、顔全体になじませます。角栓の目立つ部分は少量の化粧水を重ね付けし、重点的な保湿を行うことも良いでしょう。

ただし、本当の意味での「化粧水の適量」は、肌質や状態によって変化します。同じ人でも、生理前など皮脂分泌量が過剰になりやすいタイミングと通常時で「化粧水の適量」は異なるもの。肌の状態を確かめながら重ね付けする量や部位を調整し、肌の乾燥による角栓や毛穴の開きを予防しましょう。

6. 乳液やクリームを省略しない

乳液やクリームを省略すると、化粧水で補った水分がすぐに蒸散してしまい、角栓を悪化させることがあります。乳液やクリームを安易に省略することは避け、適度な油分を補うことで、肌の乾燥を阻止しましょう。

乳液・クリームのどちらを使用するか迷う人は、肌質や肌の状態に合うものを選択すれば大丈夫です。一般的には、乳液の方が油分の配合量が少なく、軽い質感。

混合肌や脂性肌、ニキビのできやすい肌質の人も活用しやすく、ベタつきを感じにくい種類といえます。油分の多いクリームはどっしりとした質感で、潤いを閉じ込める力がより強い種類です。

乾燥肌や敏感肌の人とは相性の良い化粧品に該当しますが、ベタつきが苦手な人には不向き。角栓の気になる部分にクリームをつけすぎると油分の与え過ぎによって毛穴の詰まりが悪化するリスクがありますから、状態に応じた量の調整・化粧品選びを行いましょう。

角栓を傷つけるNGケア方法4個

毛穴の周りの肌を傷つけるリスクの高いNGケアは、ピンセットで取る方法以外にもいくつかあります。美肌を目指すためには控えたいNGケア方法を知り、正しいケアへの切り替えを検討しましょう。

1. 指や爪で角栓を押し出す

まず、指や爪で毛穴の周りの肌をつまみ、角栓を押し出すケア方法です。指や爪に付着した細菌が肌の中に入り込み、ピンセットでお手入れを行う場合と同様のトラブルを招いてしまうリスクがあります。

洗った手で角栓を押し出すにしろ、細菌感染リスクを完璧に回避することは不可能。ティッシュやプッシャーなどで角栓を押し出すケアも同様のリスクを伴いますから、毛穴の周りを押すお手入れ自体を控えましょう。

2. 剥がすタイプの毛穴パックを常用する

剥がすタイプの毛穴パックも、角栓の周りの肌を傷つけてしまうリスクがあります。「パックタイプの角栓ケアをどうしても行いたい」という人には、洗い流すタイプのクレイマスクがおすすめ。

クレイの吸着力が毛穴の汚れを吸い付けて、除去することに貢献します。保湿成分を含むクレイマスクは、バリア機能の低下した肌をいたわりながらケアすることが可能です。

ホワイトクレイなど比較的低刺激のクレイの配合されたマスクを選ぶことも、肌トラブルを防ぐための対策としておすすめできます。

3. スクラブ入りの洗顔料や洗顔ブラシを常用する

角栓の大敵は、肌の摩擦刺激です。強いスクラブ入りの洗顔料や洗顔ブラシの常用は、摩擦刺激の蓄積を招くリスクが高く、積極的にはおすすめしません。

摩擦刺激の蓄積がメラニン色素の生成を促進させて、黒ずみ毛穴を招いてしまうケースもあります。

角栓ケアに適した洗顔方法は、上で紹介した通りの泡洗顔。刺激の強いお手入れに頼りたくなる気持ちを抑え、正しい洗顔方法を続けることが大切です。

4. 市販の軟膏でパックを行う

市販の軟膏は、メーカー指定方法で使用することを前提に開発された商品です。角栓ケアや毛穴ケア用に開発されたものではない軟膏で毛穴パックを行う行為はハイリスク。

肌の常在菌のバランスが崩れることで大人ニキビや炎症、角栓を悪化させるケースもあります。SNSで話題にのぼるケア方法には根拠の薄い手法も多く、情報の取捨選択が大切です。「他の人が行っているから大丈夫」とは考えず、信頼度の低い情報に頼ることは控えましょう。


まとめ

鼻の角栓の原因と正しい取り方、角栓の再発を防ぐための対策を紹介しました。肌にとって負担の大きいNGケアを続けることは角栓の悪化を招くばかりではなく、さらにひどいトラブルを誘発するリスクがあります。正しいスキンケアを継続的に実践し、角栓の目立たないきれいな肌を目指しましょう。