
丁寧に洗顔したつもりでも目立ってしまう鼻の角栓。良くないこととは分かっていても指や爪、プッシャーで押し出す癖を卒業できず、悩む女性は多くいます。角栓を押し出した後にぽっこり大きな穴があき、後悔した経験はありませんか。
この記事では、角栓ができる原因となくすための正しいケア方法を紹介します。鼻の角栓のコンプレックスを解消し、トラブルを繰り返さない理想の肌を作るためのヒントとして、ぜひ参考にして下さい。
角栓を押し出すのがやめられない…
毛穴に詰まった角栓を見つけるやいなやひどく気になり、指や爪で押し出したり毛穴パックを使用したり、毛穴の周りが赤くなったりヒリヒリしたりしてもなお無理矢理押し出すお手入れが我慢できなかったりと、ストレスを感じる人は多くいます。
指や爪で押し出すことでは飽き足らず、インターネット通販の毛穴吸引器やプッシャーを購入。多くのお金と時間を費やしてもなお角栓はなくならず、「なぜ、私だけ」と感じる人もいることでしょう。
角栓の根本的な解決を目指すためには、トラブルの原因を特定し、正しいケアを行うことが大切です。
指や爪で押し出すお手入れと比較して回り道のようにも感じますが、王道的な対処法を地道に継続することこそ、理想の肌を作るための近道。角栓を押し出すお手入れはどこかで一旦区切りをつけ、正しいケアへの切り替えを検討しましょう。
鼻に角栓ができる原因3個
まず、角栓ができる原因を紹介します。鼻にできる角栓は、皮脂やメイク汚れ、古い角質や顔の産毛が混ざり合い、巨大化した塊です。その原因は、大きく3個の内容が考えられます。
1. ターンオーバー周期の乱れ
まず、ターンオーバー周期が早すぎたり遅すぎたりすることです。ターンオーバーとは、肌の深い部分で新しい角質が作られて表面近くに押し出され、古い角質が剥がれ落ちることを言います。
ターンオーバー周期が遅すぎると古い角質がいつまでも残ってしまい、毛穴を塞ぐ原因です。反対にターンオーバー周期が早すぎることは、未成熟な角質を増加させる原因。
未成熟な角質は剥がれ落ちる力が弱く、ターンオーバー周期が遅すぎる場合と同様、毛穴が詰まってしまうのです。
角栓のうちの約8割は古い角質などのタンパク質ともいわれますから、ターンオーバー周期の乱れを解消しないことには、理想の肌を作ることができません。ターンオーバー周期は不規則な生活リズムや睡眠不足、過剰なストレスなどによって乱れることもありますので、生活習慣全般の見直しを進めましょう。
2. 過剰な皮脂
糖分・脂質の多い食事や慢性的なストレス、睡眠不足などを理由に皮脂分泌量が増加すると、角栓の発生リスクは高まります。
ゴシゴシこする洗顔やクレンジング、保湿不足などを理由に肌の乾燥が進行することもまた、皮脂分泌量を増加させる原因の1つ。
「顔のベタつきや毛穴の詰まりが気になる=脂性肌」とは考えず、十分な保湿を行うことで、皮脂量のコントロールに努めましょう。
3. 顔の汚れの蓄積
最後に、メイクの落とし残しや古い皮脂といった顔の汚れの蓄積です。メイクしたまま就寝したりぬるま湯のみの洗顔を行ったりする行為は、顔の汚れの蓄積を招く原因。
顔の汚れが毛穴に詰まり、古い角質と結びつくと、角栓が発生します。「顔の洗い過ぎは乾燥肌の元凶」と考える女性もいますが、正しいスキンケアによって肌表面を清潔に維持することは美肌作りの基本です。
乾燥を気にするあまりに洗顔料の使用を控えたり、「ダブル洗顔不要」タイプの商品でないにも関わらずクレンジングの使用を控えたりすることは、角栓を悪化させるリスクがあります。正しいクレンジングや洗顔方法を今一度おさらいし、原点回帰のスキンケアを実践しましょう。
鼻の角栓の押し出しはダメ?NG?
鼻の角栓の押し出しは、毛穴の周囲の肌を傷つけ、炎症を招いてしまうリスクがあります。健やかな肌を維持するために必要な皮脂まで取り去り、バリア機能の低下を招くリスクもありますので、自分自身で押し出すお手入れは避けましょう。
「自分自身で押し出すお手入れ」と断りをつけたのは、一部の医療機関ではニキビや毛穴治療の一貫として「コメド(角栓)圧出」という処置を行うケースもあるためです。
「コメド圧出」を易しい言葉に置き換えると、角栓の押し出し。押し出すお手入れ自体が「100%ダメ」というわけではなく、自己判断で実践する行為がNGケアに該当します。
「どうしても、押し出しを行いたい」という人は医療機関に相談し、専門家による処置を受けると良いでしょう。
鼻の角栓を押し出した跡の治し方
角栓の押し出し跡を塞ぐためには、十分な保湿と毛穴の引き締め対策を行うことが大切です。保湿に活用する基礎化粧品は、保湿化粧水や乳液、クリームです。
クレンジング・洗顔後は速やかに化粧水をなじませ、乳液やクリームで蓋をします。角栓の目立つ肌はデリケートな状態ですから、コットンの使用は避け、手でなじませる方法がおすすめ。顔全体を包み込むように手の平をあて、化粧水の水分や保湿成分を肌の中に入れ込みます。
毛穴の引き締め対策には、ビタミンC美容液もしくは収れん化粧水を活用しましょう。
ビタミンC美容液は、皮脂量のコントロールや毛穴の引き締めが得意な基礎化粧品。メラニンの還元作用も持ちますので、毛穴の黒ずみが気になる人にもおすすめです。
収れん化粧水は、保湿ケアの仕上げとして活用し、肌の引き締めを担当するもの。角栓の押し出しによって開いた毛穴を引き締め、押し出し跡の解消を助けてくれます。
鼻の角栓をなくすケア方法7個
鼻の角栓をなくすためには、正しいクレンジング・洗顔習慣と定期的な集中ケアが必要です。以下では、角栓をなくすためのケア方法7個を紹介します。
1. メイクの濃さに応じたクレンジングを活用する
正しいクレンジング選びのコツは、メイクの濃さに合う種類を選ぶことです。濃いメイクを行った日に洗浄力の弱いクレンジングを使用すると、汚れがきれいに落ちません。
以下の表を参考に自分に合うクレンジングを見極め、メイク落としに活用しましょう。
クレンジングオイル | 洗浄力が強く、濃いメイクも素早く落とすことのできる種類。毛穴カバー下地やファンデーションを使用した日におすすめです。 |
クレンジングバーム | 「比較的濃いメイクの日が多いものの、クレンジングオイルは乾燥する」という人におすすめ。クレンジングオイルほどの洗浄力は持ちませんが、クレンジング後のつっぱりを感じにくい種類です。 |
クレンジングクリーム | 油性成分・水性成分がバランス良く配合されて、乾燥肌や敏感肌でも活用しやすい種類。クレンジングオイルやクレンジングバームほどの洗浄力は持ちませんので、濃いメイクを行う日には不向きです。 |
クレンジングミルク | クレンジングクリームよりも水性成分の比率が高く、肌に対刺激を与えにくい種類。洗浄力はマイルドな種類ですから、ナチュラルメイク派の人や乾燥肌、敏感肌の人におすすめです。 |
クレンジングジェル(水性) | さっぱりとした質感でベタつきにくく、クレンジングオイルに苦手意識を持つ人におすすめ。油性成分を含まない種類ですので、まつげエクステにも対応できます。 |
クレンジングジェル(油性) | 水性のクレンジングジェルより洗浄力が高く、比較的濃いメイクにも対応できる種類。敏感肌や乾燥肌の人が使用すると、つっぱりや刺激を感じることがあります。 |
2. 朝・夜2回の洗顔で毛穴の汚れをすっきり落とす
毛穴に詰まった汚れの多くは、ぬるま湯のみでは落ちません。肌質に合う洗顔料を正しく使い、肌表面を清潔に維持しましょう。
◎角栓をなくすための洗顔手順
【1】適量の洗顔料を手のひらに出し、よく泡立てます。洗顔料の使用量が少ないと十分な泡立てを行うことができないので、適量を使うことが大切です。
【2】角栓の気になる鼻の周りを最初に洗い、頬や額、目元や口元の順番で洗顔を進めましょう。角栓の気になる部分は洗顔泡を毛穴の中に入れ込むようなイメージで洗顔してください。
【3】ぬるま湯でよくすすぎます。すすぎを終えた後に鏡を見て、すすぎ残しのないことを確認しましょう。
【4】清潔なタオルを使用し、顔の水分を吸収させます。前日のタオルをそのまま使用することは避け、清潔なものを使って下さい。
3. 洗顔前に蒸しタオルパックを行う
角栓がとくに気になる時には、洗顔前の蒸しタオルパックを行います。蒸しタオルパックの蒸気が毛穴を大きく開かせ、汚れを落とす力が高まるためです。
蒸しタオルは、45℃程度のお湯にタオルをひたし、ややきつめに絞るだけで完成。このタオルで2分から3分程度のパックを行い、普段通りの洗顔を行って下さい。
蒸しタオルパックを行う頻度は、週に1回から2回程度がおすすめです。頻繁に行いすぎることは、肌にとって必要な皮脂まで落とし、角栓を悪化させる原因になります。肌の状態を確かめながら、自分自身にとって望ましい頻度を見極め、定期的な集中ケアを行って下さい。
4. 酵素洗顔料で集中ケアする
蒸しタオルパックを行っても、角栓がなくならない…そのように感じる人は、蒸しタオルパック後に使用する洗顔料を酵素洗顔料に切り替え、積極的な対策を検討しましょう。
酵素洗顔料とは、タンパク質分解酵素や皮脂分解酵素を含む洗顔料です。タンパク質や皮脂はいずれも、角栓の原料。角栓の原料を分解し落としやすい状態に変えることで、毛穴の汚れの解消を後押しします。
酵素洗顔料で集中ケアを行う際の注意点は、以下2個です。
【1】よく泡立てて使用する
パウダータイプの酵素洗顔料は一般的な洗顔料と比較し、泡立ちにくい傾向があります。泡立てネットや泡立て器を使用し、よく泡立ててからお手入れしましょう。
【2】時間をかけずに素早く洗う
泡立てた酵素洗顔料を顔に乗せてからすすぎを行うまでの時間は30秒前後が目安です。洗顔に長時間かけることは避け、スピーディーにお手入れしましょう。
また、蒸しタオルパック同様、酵素洗顔料の使用も適度な頻度に留めることが大切です。酵素洗顔料のパッケージに記載された使用頻度を上限として、自分自身の肌に合うペースを見極めましょう。
5. 塗るタイプの毛穴パックを活用する
剥がすタイプの毛穴パックは肌に対する刺激が強く、積極的には推奨できないケアアイテムです。「どうしてもパックを使いたい」という人は、塗るタイプの毛穴パックで集中ケアを行いましょう。
塗るタイプの毛穴パックの多くは、ガスールやモンモリロナイトといった天然クレイを配合したもの。配合されるクレイの種類によって、期待される働きが変化します。
ガスール | モロッコ産の粘度が原料のクレイ。肌の汚れを吸着する力が強く、毛穴の引き締めや角栓ケアに適した種類のクレイといえます。 |
モンモリロナイト | フランスの火山から採取されたミネラル豊富なクレイです。優れた吸着力を持つ割には肌に刺激を与えにくく、敏感肌や乾燥肌の女性でも比較的活用しやすい種類といえます。 |
カオリン | カオリナイトを主成分とするホワイトクレイ。赤ちゃんのオムツかぶれ対策に活用されるほど肌に優しく、クレイパックを初めて使用する人におすすめです。 |
クチャ | 沖縄の海底泥が原料のクレイ。古い角質や皮脂汚れを吸着する性質を持ち、透明感ある肌への生まれ変わりを助けます。 |
市販のクレイパックの中には、複数のクレイや保湿成分、収れん成分配合の商品も多くあります。
保湿成分を含むクレイパックは、角栓を取り除くのみではなく、しっとり潤う肌への生まれ変わりを助けることに貢献します。そして収れん成分が毛穴の引き締めを担当し、「スベスベ・しっとり」という理想の肌を目指すことが可能です。
6. 化粧水・乳液(クリーム)で保湿する
角栓をなくすためには、化粧水や乳液、クリームによる保湿ケアも大切です。
化粧水は商品規定の適量を使用し、両手で顔になじませます。角栓の気になる部分は重ね付けし、重点的な保湿を行うことも良いでしょう。
化粧水で補った水分・保湿成分をなるべく長く肌に留めるためには、乳液やクリームで蓋をするお手入れが欠かせません。ベタつきが苦手な人は軽い質感の乳液・クリームを選択し、保湿の仕上げに活用しましょう。
7. ビタミンコスメで開いた毛穴を引き締める
毛穴の開きを放置したままでは、すぐにまた汚れが詰まって、角栓を繰り返します。ビタミンCやビタミンC誘導体配合の基礎化粧品を活用し、角栓のできにくい状態を目指しましょう。ビタミンCやビタミンC誘導体の主な働きは、次のような内容です。
・皮脂量のコントロールを行い、毛穴の詰まりを予防する。
・コラーゲンの生成を促し、エイジングサインの解消を助ける。
・メラニンの還元作用によって、シミやそばかすの解消を助ける。
・メラニンの生成を阻害し、くすみや色素沈着リスクを軽減する。
ビタミンCやビタミンC誘導体配合の美容液は、「高濃度ほど望ましい」というものではありません。高濃度の商品ほど肌に対する刺激は強く、乾燥を悪化させるリスクがあります。
市販の薬用化粧品に配合されるビタミンC誘導体の濃度は1〜3%。ドクターズコスメの中には5〜6%と高濃度に調整された商品も見られます。高濃度の商品を使用する場合は慎重に、自分自身の肌に合うものを探すことが大切です。
まとめ
鼻の角栓の原因と角栓をなくすためのスキンケア方法を紹介しました。毛穴の悩みを解消するためには、日々の正しい洗顔やクレンジング、十分な保湿と毛穴を引き締めるお手入れを続けることが大切です。
紹介した対策全てを一気に実践することは難しくても、できることから挑戦し、角栓に悩まない理想の肌を実現しましょう。