監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

髪の生え際にニキビができる。治ってもすぐに繰り返す。このようなトラブルを抱え、悩む女性は多くいます。

鼻筋や額といった一般的な部位ならまだしも、「なぜ、ここに」という場所ですので、対処法がよく分からず、放置してはいませんか。

髪の生え際ニキビの原因や治し方、ニキビループを抜け出すための対処法を知り、きれいな肌を取り戻しましょう。

髪の生え際ニキビが繰り返す…かゆい…

髪の生え際ニキビは意識的にチェックしないと気付かないトラブルである上、一度なると繰り返しやすく、多くの女性を悩ませます。以下のような悩みを抱え、コンプレックスを感じる人も多いのではないでしょうか。

・生え際ニキビがなかなか治らず、ニキビ跡がひどく目立つ。
・白ニキビがポツポツできて、生え際がかゆい。
・前髪をセットする際にニキビに触れると、ひどく痛い。
・ストレスを感じた時や生理前にニキビができて、余計にイライラ。

大人の女性のニキビは、ストレスや生理周期の影響を受けることが多く、痛みやかゆさを感じるほどにまで悪化することもしばしば。同様の症状に悩む人は多いので、「なぜ私ばかり」と恥ずかしく感じる必要はありません。

髪の生え際にニキビができる原因・理由3個!シャンプー?

これほどまでに私たちを悩ませる生え際ニキビ。どのような原因からニキビができ、何度も繰り返してしまうのでしょうか。髪の生え際ニキビの原因は、大きく3個考えられます。

1. 肌の汚れの蓄積

髪の生え際は、汗や皮脂、空気中のほこりや整髪料、洗顔料のすすぎ残しといった汚れが付着し、蓄積しやすい部位と言えます。

蓄積汚れが毛穴の出口を塞いでしまうと、コメドが発生。この状態を放置して、アクネ菌が繁殖すると、赤ニキビや黄ニキビへと進行します。

2. シャンプーやトリートメントのすすぎ残し

シャンプーやトリートメントのすすぎ残しは、アクネ菌の栄養源となって、ニキビの悪化を招いてしまう原因です。

コーティング力の強いトリートメントはとくに、お湯のみで落とすことが難しく、ニキビを招く原因となりがち。すでにできたニキビの炎症を悪化させ、赤ニキビや黄ニキビを招いてしまうケースもあります。

3. ターンオーバー周期の乱れ

最後に、ターンオーバー周期の乱れです。ターンオーバー周期とは、肌の生まれ変わりサイクルを意味します。

生まれ変わりサイクルが遅すぎると、排出されるべき角質が肌表面に滞留。毛穴の詰まりが悪化して、生え際ニキビを招いてしまうリスクがあります。

反対に生まれ変わりサイクルが早すぎることもまた、ニキビを招く原因です。未熟な肌細胞が増えることで外部刺激に対する抵抗力が低下すると、できたニキビが悪化しやすく、治ってもすぐ繰り返す状態に陥ります。

髪の生え際ニキビの治し方

生え際ニキビの治し方は、ニキビの状態によって異なります。赤ニキビや黄ニキビは、セルフケアでは対処できないことも多く、医療機関への相談がおすすめ。医師の指導に従って飲み薬や塗り薬、スキンケアの改善などの対応をとり、ニキビの改善を目指します。

初期段階の白ニキビは、市販のニキビ治療薬でアクネ菌の繁殖を抑えたりビタミン剤を内服したり。症状に応じたセルフケアを続けることで、きれいに治ることもあります。

なお、以下のようなNGケアを行うことは、ニキビの治りを遅くする原因です。自己流のニキビケアを行うことは控え、正しい治し方を守りましょう。

・指や爪、ピンセットでニキビを潰す
・思春期ニキビ用の洗顔料でゴシゴシ洗う
・油取り紙をこまめに使う
・保湿ケアを控える

市販のニキビ治療薬やビタミン剤の内服を一定期間継続しても変化が見られず、ニキビがひどくなる場合は、医療機関の受診がおすすめです。安易な自己判断で症状を悪化させることのないように、注意しましょう。

髪の生え際ニキビの改善方法10個

髪の生え際ニキビを予防・改善するためには、日常的な習慣の見直しが不可欠です。具体的には、以下10個のポイントを意識し、ニキビループを抜け出しましょう。

1. ニキビに触れない、いじらない

生え際ニキビを繰り返す人は、生え際に触れる癖がないかを確認しましょう。できてしまったニキビに触れたり、ベースメイクを厚塗りしたり。何らかの刺激を与えるほど、ニキビの治りは遅くなります。

ニキビに触れない・いじらないという大原則を徹底し、肌の負担を軽減しましょう。

2. ニキビのできにくい化粧品を活用する

油分の多いファンデーションや細かい粒子のパウダーは、毛穴の詰まりを悪化させ、ニキビリスクを高めてしまうことがあります。ニキビのできにくい化粧品を活用し、毛穴の詰まりを改善しましょう。

ニキビのできにくい化粧品を選ぶ時のポイントは、「ノンコメドジェニックテスト済み」記載があることです。合成界面活性剤やタール色素を含まないミネラルファンデーションも比較的肌に優しく、ニキビのできやすい人でも活用しやすい種類といえます。

クッションファンデーションやリキッドファンデーションなど油分の多い化粧品は、ニキビのできやすい人とはミスマッチ。オイルフリーのファンデーションなど、油分の少ない化粧品を選択しましょう。

3. ノンシリコンシャンプーに切り替える

シャンプーが原因のニキビに対する対策は、低刺激のシャンプーへの切り替えがおすすめです。ノンシリコンかつ強い洗浄成分を含まないシャンプーは、肌に刺激を与えにくく、生え際ニキビの気になる人でも活用しやすい商品にあたります。

強い洗浄成分の代表例は、「ラウリル硫酸ナトリウム」「ラウリル硫酸カリウム」といった界面活性剤。成分表示を確認し、これらの成分を含まないシャンプーを購入しましょう。

4. シャンプーやトリートメントの後に洗顔する

シャンプーやトリートメントのすすぎ残しを防ぐためには、頭を洗った後に身体を洗い、そのまた後に洗顔します。洗顔を行う際には、生え際に汚れが残ることのないように、十分なすすぎを行うことが大切。

バリア機能の低下した肌にはシャワーの水流が刺激となるケースもありますので、洗面器にぬるま湯をため、手のひらですすいで下さい。

5. 保湿ケアを怠らない

生え際ニキビを治すためには、日々の保湿を丁寧に行い、バリア機能を強化する対策も必要です。

保湿ケアに使用するアイテムは、ニキビ肌を想定し、開発された商品がおすすめ。具体的には、ノンコメドジェニックテスト済みであることや低刺激の商品であることを確認し、お手入れに取り入れましょう。

ニキビを改善するための保湿ケアのポイントは、以下3点です。

【1】コットンではなく、手でなじませる
コットンの繊維による刺激を避けるため、手で優しくなじませます。手のひらで軽く温めたものを優しくなじませ、化粧水の浸透を促しましょう。

【2】商品指定の量を守る
化粧水や美容液、乳液やクリームの使用量が少ないと、きちんと保湿できません。メーカー指定の使用量を確認し、十分な量を使って下さい。

【3】乳液やクリームを省略しない
保湿とは、基礎化粧品を肌に塗り、水分・油分のバランスを整えることを言います。油分を含む基礎化粧品を無意味に控えることは避け、肌の状態に応じた調整が必要。軽い質感の乳液やクリームを取り入れるなど、自分に合う方法で、十分な保湿を行いましょう。

6. 枕カバーや布団カバーをこまめに変える

枕カバーや布団カバーはこまめに取り替え、清潔なものを使って下さい。枕カバーや布団カバーを取り替える頻度の目安は、1週間に1回が最低ライン。とくに汗をかく時期には、枕カバーだけでも、毎日交換することをおすすめします。

枕カバーの交換を面倒に感じる人は、枕の上にタオルを引く方法を試してみてはいかがでしょうか。翌朝にはタオルを外し、翌日の夜には新しいタオルをセットします。

この方法であれば、毎日新しいタオルを使うことになりますから、衛生面の問題の解消が可能。枕や布団自体も定期的にお手入れし、就寝中の汚れの付着を阻止しましょう。

7. 運動前後のスキンケアを正しく行う

ウォーキングやランニング前はできる限りメイクを落とし、日焼け止めのみ塗りましょう。メイクを落とした方が良い理由は、ファンデーションやパウダーが毛穴の奥に入り込み、不衛生な状態に傾くことを避けるためです。

髪の生え際は、汗で濡れた前髪が張り付き、汚れが付着することの多い部位。身体を動かすことで体温が上がり、開いた毛穴にメイク汚れが入り込むと、なかなかきれいに落とせません。

ウォーキングやランニング後は、シャワーを浴びたり洗顔したりすることで、汗や皮脂を落とします。シャワーを浴びる・洗顔するといった行為が難しい状況であれば、低刺激の洗顔シートを活用しましょう。

エタノールなど刺激成分を含む洗顔シートは、バリア機能の低下を更に進めて、ニキビリスクを高めてしまう恐れがあります。洗顔シートを選ぶ際には、低刺激タイプの商品であることを確認しましょう。

8. バランスの良い食事をとる

生え際のニキビを改善するためには、バランスの良い食事をとり、内側からの対策を行うことも大切です。

バランスの良い食事を前提として、以下の栄養素を含む食べ物を意識的に摂取すると、ニキビの治りを助けてくれます。

栄養素各栄養素の主な働き栄養素を含む食べ物
ビタミンB群ビタミンB2は、皮脂量のコントロールを行い、肌や粘膜を健康に維持することに貢献します。肌トラブルを予防するビタミンB6、糖質の代謝を後押しするビタミンB1なども、ニキビ対策に役立つ栄養素の1つです。【ビタミンB2】
レバー、うなぎ、納豆、乳製品、焼き海苔など

【ビタミンB6】
レバー、豚肉、青魚、セロリなど

【ビタミンB1】
豚肉、豆腐、玄米など
タンパク質肌や筋肉、骨などの原料となる重要な栄養素。1回の食事につき手のひら1杯分を目安として、過不足なく摂取しましょう。肉類、魚介類、豆腐など
ビタミンCコラーゲンの生成を助け、ニキビの治りを後押しする栄養素。タンパク質と合わせて摂取することにより、相乗作用を発揮します。アセロラ、キウイ、柑橘類、ブロッコリー、小松菜、ピーマンなど
ビタミンA肌の乾燥、色素沈着を予防し、肌や粘膜を健康に維持してくれる栄養素。脂溶性(油に溶けやすい性質)の栄養素ですので、適度な油と共に摂取する方法がおすすめです。レバー、卵、カボチャ、ニンジン、ほうれん草など

9. ストレスケアを怠らない

ストレスホルモン「コルチゾール」は、アクネ菌が繁殖しやすい環境を作り、
ニキビの炎症反応を悪化させるリスクがあると言われます。

心身の疲労を放置せず、定期的なストレスケアを行うことがニキビ改善の近道。イライラや疲労を感じた時には無理をせず、以下のようなストレスケアを実践しましょう。

◎自分の気持ちを紙に書き出す
人間関係や仕事の悩みを紙に書き出し、頭の中を整理します。上手な文章にまとめる必要はなく、思いつく言葉を列挙したりイラストで表現したりする方法でも構いません。自分自身がどのようなことに悩み、どのようなことを感じるかを客観的に見つめることが大切です。

◎仕事や家事の合間にストレッチする
仕事や家事の合間にストレッチを行い、筋肉を緩めることは、心身のリラックスに貢献します。椅子に座ったまま前屈したり、両手をつないだ状態で天井方向に伸ばしたり。簡単なストレッチをこまめに行い、筋肉を緩めましょう。

◎思い切り泣く、もしくは笑う
思い切り泣いたり笑ったりすることは、脳のスイッチのオン・オフを切り替えて、ストレス解消を助けてくれると言われます。感動する映画を鑑賞したり、コメディタッチの小説を読んだり。自分なりの感情解放手段を作り、日々の暮らしで実践しましょう。

10. 規則正しく、ぐっすり眠る

睡眠時間は、ニキビを改善するために重要な役目を担うメラトニンと成長ホルモンが分泌されます。2種類のホルモンの分泌を促すためにも、「規則正しい時間に就寝する」「ぐっすり眠り、すっきり起きる」といった理想的な睡眠スタイルに切り替えましょう。

◎メラトニンと成長ホルモンの役割

メラトニンビタミンC以上の抗酸化力を持ち、肌や身体の老化を防止するとも言われるホルモン。成長ホルモンの分泌を促進する働きも担います。
成長ホルモン肌の代謝を促し、トラブルの修復を進めるホルモン。成長ホルモンの働きを促すことがニキビ改善を後押しします。

理想の睡眠スタイルを実現するための具体的な対策は、次のような内容です。

・起床後すぐにカーテンを開け、日光を浴びる。
・就寝時間の2時間から3時間前には夕食を済ませる。
・就寝前にコーヒーや紅茶、緑茶などのカフェイン飲料を飲むことは避ける。
・休日の寝だめを避け、平日と同じ生活リズムを守る。
・アロマの香りを取り入れたりヒーリング音楽をかけたりして、寝室の環境整備を進める。


まとめ

髪の生え際ニキビの原因と治し方、改善・予防方法を紹介しました。大人ニキビは様々な原因が重なり合って悪化するケースも多く、すぐに落ち着くことばかりではありません。

1つ対策を行って良くならない場合も諦めず、前向きな行動を続けることが肌質改善の近道。ニキビの目立たないきれいな肌を目指すため、できることから少しずつ地道な対策を続けましょう。