監修医
山崎まいこ先生
まいこホリスティックスキンクリニック 院長

知らないうちにできていて、繰り返すことの多い胸元ニキビ。「治したい」と感じるものの対処方法が分からず、放置してはいませんか。

この記事では、胸元ニキビの原因と改善対策10個を紹介します。胸元の大きく開いたタンクトップやワンピース、水着などを不安なく着こなすためのヒントとして、有効に活用下さい。

胸元のニキビの原因5個

まず、胸元ニキビの原因を紹介します。以下5個の中から思い当たるものを選び、胸元ニキビの原因を特定しましょう。

1. 汗や皮脂汚れの蓄積

身体の洗い方が不十分だったり、汗をふかずに放置したり。衛生面の問題が積み重なると、毛穴の詰まりが悪化します。

詰まった毛穴を放置すると、ニキビの初期段階にあたるコメドが発生。それでもなお対策を行わずに毛穴の詰まりが悪化すると、白ニキビが増加します。

2. シャンプーやトリートメントのすすぎ残し

胸元の毛穴の詰まりは、シャンプーやトリートメントのすすぎ残しが付着し、悪化するケースもあります。

髪の毛の長い女性は、毛先につけた整髪料やヘアオイルが胸元に接触することもまた、ニキビを招く原因の1つ。ニキビの気になる時はゴムやコームで髪をまとめ、胸元・毛先の接触を防ぎましょう。

3. ボディケアの誤り

ボディクリームや美容オイルの過剰な使用は、毛穴の詰まりを悪化させ、ニキビにつながることがあります。胸元はそもそも「身体のTゾーン」と呼ばれるエリアに含まれるほど、皮脂腺の集中する部位。皮脂の出やすい部位に対して過剰な油分を加えてしまえば、ニキビができて当然です。

ただし、ボディケア不足で生じる肌の乾燥もまた、ニキビを招く原因の1つ。乾燥を感じた肌が自分自身を守るために過剰な皮脂を分泌し、毛穴の詰まりを悪化させることがあります。これは、顔でいうところの「インナードライ」にあたる状態。べたつく肌の内側で乾燥が進行し、刺激に対する抵抗力は低下します。

4. 衣服や下着による刺激

衣服や下着の摩擦刺激や締め付けは、バリア機能を低下させ、ニキビの増加を招いてしまうケースがあります。バリア機能の低下した肌はわずかな刺激も敏感にキャッチし、ベタつきやかゆみ、赤み、ニキビなどの生じやすい状態。

胸元のベタつきやかゆみが気になって無意識のうちに掻いてしまうこともまた、ニキビの増加を招きます。

胸元を掻く際にできたニキビを潰してしまうと、クレーター状のニキビ跡を残したり赤ニキビや黄ニキビに進行したりします。医療機関に相談しなければ治らない状態にまで悪化するケースもあるでしょう。

5. 生活習慣

最後に、睡眠や食事、運動といった生活習慣の問題です。頻繁な夜更かしや寝坊によって睡眠リズムが乱れると、ターンオーバー周期に影響し、毛穴の詰まりを悪化させるケースがあります。

また、睡眠不足は、交感神経優位の状態を生み出し、過剰な皮脂を分泌させる原因。ホルモンバランスの乱れによって免疫力が低下すると、アクネ菌の繁殖を招きやすい状態に傾くことも問題です。

その他、次のような生活習慣もまた、胸元ニキビを招いてしまうリスクがあります。

・外食や市販の弁当で食事を済ませる頻度が高く、栄養バランスが偏りがち。
・食事の回数や時間が不規則。朝食抜きや昼食抜きの日も多い。
・ストレスが溜まると、暴飲暴食に走ってしまう。
・運動習慣がなく、身体を動かす頻度は低い。
・毎週のように飲み歩き、つい深酒してしまう。

生活習慣の問題は、小さな影響が積み重なって、ある日突然表面化することもあります。5年後や10年後の肌の状態を左右することまで考え、トラブルを招きにくい生活習慣へと切り替えましょう。

妊娠中や生理前はニキビができやすい?

妊娠中や生理前は、ホルモンバランスの変化によるニキビのできやすい時期と言えます。

男性ホルモンに似た働きを担う黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加して、皮脂腺の活動が活発になったりバリア機能が低下したりするためです。

また、妊娠中や生理前は、ホルモンバランスの変化によるイライラやむくみ、眠気やだるさといった全身の不調を感じやすい時期。この時期に無理をして身体に負担をかけてしまうと、肌の基礎力が低下し、トラブルを繰り返しやすい状態に傾きますよ。

心身の不調を感じる時には無理をせず、普段以上にしっかりと睡眠や休息時間を確保し、肌トラブルを予防しましょう。

胸元ニキビの治し方・薬は?

胸元ニキビをなるべく早く、きれいに治すためには、医療機関に相談しましょう。医療機関では、以下のような治療メニューを組み合わせ、胸元ニキビの改善・予防を目指します。

◎医療機関で行う治療の例

内服薬ニキビの原因菌の繁殖を抑える薬や皮脂量のコントロールを行う薬、ホルモンバランスの乱れを解消する薬などが処方されます。
外用薬ニキビの原因菌の繁殖を抑える薬や毛穴の詰まりを予防・解消する薬、炎症を鎮める薬などが処方されます。
コメド圧出専用器具を使用して毛穴に詰まった皮脂や角質を取り除く治療です。
ケミカルピーリング医療機関専用のピーリング剤を使用し、ターンオーバーを促進する治療です。保険が適用されない治療メニューにあたりますので、予算に応じて相談しましょう。

初期段階の胸元ニキビは、市販のニキビ治療薬を活用することでも、改善できるケースがあります。殺菌・抗菌成分や抗炎症成分の含まれるニキビ専用治療薬を必要に応じて使って下さい。

胸元ニキビの改善対策4個[スキンケア]

胸元ニキビを改善するためには、身体を清潔に維持すること・正しい保湿を行うことが大切です。以下4個のポイントを意識し、正しい方法でお手入れしましょう。

1. シャンプーやトリートメントの後に身体を洗う

身体を洗う順番は、「上から下へ」が原則です。シャンプーやトリートメントを行った後に身体を洗い、すすぎ残しを予防しましょう。

正しい身体の洗い方を守ることもまた、胸元ニキビを改善するための大切なポイント。以下3個のポイントを守り、正しい方法で洗って下さい。

【1】ゴシゴシこすらず、優しく洗う
「ゴシゴシ強くこするほど、汚れがよく落ちる」とは限りません。十分に泡立てたボディソープや石鹸を活用し、優しい力で洗いましょう。

【2】ボディタオルやボディブラシは使わない
ナイロン製のボディタオルやボディブラシの使用は避け、手のひらで洗います。洗顔を行う時と同じように、泡のクッションを利用し、なでるように動かすことがポイントです。

【2】ぬるま湯でよくすすぐ
すすぎに使うお湯の温度は、40℃以下に調整しましょう。熱すぎるお湯で身体をすすぐことは、バリア機能の低下した肌をいじめる行為。適温のぬるま湯を使用し、すすぎ残しのないように意識しながら、泡や汚れを落とします。

2. ニキビ用の石鹸やボディソープを活用する

ニキビを何度も繰り返し、毛穴の詰まりが生じやすい肌質の人は、ニキビ用の石鹸やボディソープを使うことも選択肢にいれましょう。

軽度のニキビは、サリチル酸など角質ケア成分配合の石鹸・ボディソープを使うことで、改善できるケースがあります。炎症を伴うニキビは、イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸ジカリウムなどの含まれる殺菌石鹸を使うことが選択肢。ニキビの状態に応じた石鹸やボディソープを活用し、肌の調子を整えましょう。

3. 低刺激のボディローションで保湿する

ボディクリームや美容オイルなど油分の多いボディケアアイテムは、ニキビの原因でしたよね。

ボディローションは、顔のお手入れでいうところの「化粧水」に該当するケアアイテム。胸元など過剰な皮脂の気になる部位にも活用しやすく、乾燥肌の進行を防いでくれます。

ボディローションとひと口にいってもいろいろな商品が存在しますが、ニキビを繰り返す肌質には、刺激成分を含まないものがおすすめ。「敏感肌用」「低刺激」といった記載の見られる商品を選択し、胸元になじませます。

4. 汗拭きシートをこまめに使う

汗をかいたら放置せず、速やかに拭き取ります。汗拭きシートをバッグに入れて持ち歩き、こまめに身体を拭いて下さい。

胸元ニキビ対策として汗拭きシートを活用する場合のポイントは、エタノールなど刺激成分を含むものを避けることです。ボディローションと同じように、「敏感肌用」もしくは「低刺激」といった記載の見られる商品を活用しましょう。

汗拭きシートがない時には、濡らしたタオルやハンカチで対処する方法が選択肢です。汚れたタオルやハンカチは雑菌が繁殖しやすいので、同じものを繰り返し使うことは避けて下さい。

胸元ニキビの改善対策3個[食べ物]

胸元ニキビを治すためには、脂質や糖質に偏った食事を避け、バランス良く食べることが基本です。しかし、毎日自炊を行い、バランス良く食べることはなかなか大変。そこで、以下では、コンビニでも購入できるものの中からおすすめ食材3個を紹介します。

1. 大豆食品(納豆、冷や奴、蒸し大豆など)

イソフラボンが女性ホルモンに似た働きを担い、大人ニキビの解消を助けます。イソフラボンは皮脂量のコントロールを行う働きも期待される成分ですので、胸元のベタつきやニキビの気になる人の強い味方。低カロリーで腹持ちが良く、ダイエット中の女性でも罪悪感がありません。

2. 野菜やきのこ、海藻類のサラダ

ビタミンAやビタミンC、食物繊維の含まれる野菜サラダや海藻サラダは、胸元ニキビ対策として取り入れたい食べ物の1つ。各栄養素の働きとその栄養素を含む野菜の具体例は、以下の表を参照下さい。

ビタミンAターンオーバーを促進し、健やかな肌への生まれ変わりを後押しする栄養素。ニンジンやカボチャなど、緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミンC皮脂の過剰分泌を抑制したり、コラーゲンの生成を促したりする栄養素。パプリカやブロッコリー、ほうれん草などに多く含まれます。
食物繊維腸内環境を整えて、要らないものの排出を助けてくれる栄養素。海藻類や根菜類、きのこなどに多く含まれます。

3. ヨーグルト

ヨーグルトには、腸内環境の改善に貢献する乳酸菌や肌の原料となるタンパク質、脂質代謝を促進するビタミンB2が含まれます。

ヨーグルトの乳酸菌にもいろいろな種類がありますから、様々な商品を試し、自分に合うものを継続する方法がおすすめ。1種類のヨーグルトを一定期間続け、肌の状態に変化が見られない場合でも諦めず、試行錯誤を行いましょう。

胸元ニキビの改善対策3個[生活習慣]

最後に、生活習慣の見直しによる胸元ニキビの改善対策3個を紹介します。

1. 肌に優しいインナーを着用する

ナイロンやポリエステル、アクリルなど化学繊維のインナーは、肌との摩擦を起こしやすく、肌にとっての負担です。コットンやシルク、レーヨンといった天然素材のものに切り替え、摩擦刺激を軽減しましょう。インナーに使用される天然素材の主な種類と特徴は、以下の表を参照して下さい。

コットン(綿)吸湿性・吸水性に優れた天然素材。肌触りも良い素材ですが、繰り返しの洗濯で硬くなることがあります。
シルク(絹)美しい光沢を持つ天然素材。保温性に優れた素材ですので、冬用のインナーにおすすめです。
レーヨン木材パルプを原料とした再生繊維。洗濯を繰り返しても柔らかさを維持しやすく、コットンとの混合素材に使われることが多くあります。

2. 清潔な枕カバーやシーツ、布団カバーを使用する

睡眠中は、コップ1杯程度の汗をかくともいわれます。同じ枕カバーやシーツ、布団カバーを使い続けることは避け、適度な頻度で洗濯しましょう。

枕カバーの交換頻度のおすすめは、毎日です。毎日洗濯することを負担に感じてしまう人は、枕カバーの代用としてタオルを使い、「就寝前にセットする・翌朝外す」を繰り返します。

シーツや布団カバーの交換頻度は、週に1回が目安。敷き布団や掛け布団、枕本体を定期的に天日干しし、清潔に維持することも大切です。

3. 適度な運動習慣でホルモンバランスを整える

適度な運動は、身体の冷えやストレス解消を助け、ホルモンバランスの安定に貢献します。1日合計30分以上を目標に適度に身体を動かして、運動不足を解消しましょう。

ホルモンバランスを整えるために運動する時の注意点は、以下2点です。

【1】心地良く感じる程度の負荷に留める
過剰な負荷の運動は心身のストレスを増加させ、ホルモンバランスの乱れを招く原因です。長時間のランニングやハイペースのウォーキングなど、自分自身が「辛い」と感じる運動は控え、心地良く感じる程度の負荷に調整しましょう。

【2】就寝直前の運動を避ける
就寝直前のウォーキングやランニング、筋トレは交感神経を刺激して、スムーズな入眠を妨げる恐れがあります。

仕事帰りにジムに立ち寄る場合は、ベッドに入る3時間前にはトレーニングを終わらせることが目安。どうしても就寝前に身体を動かしたい人は、ヨガやストレッチといったリラックスできるメニューを選択しましょう。

まとめ

胸元ニキビの原因と治し方、予防・改善対策10個を紹介しました。なお、セルフケアを継続しても治らない赤いブツブツ・できものは、ニキビ以外の疾患が疑われるケースもあります。「本当にニキビなのか」と不安を感じる症状は医療機関に相談し、判断をあおぎましょう。

自分でできる対策を行いつつ、必要に応じて専門家に相談することがきれいな肌を作るコツです。安易な自己判断は控え、トラブルを繰り返さない理想の肌を実現しましょう。